俳優の矢本悠馬(28)が27日、公式サイトにアップした直筆メッセージを通じて、同日に結婚し、妻が妊娠していることを発表した。矢本は、「私事ではございますが、本日1月27日かねてよりお付き合いさせて頂いておりました方と結婚を致しました」「同時に新しい命を授かることとなり、大切な家族がひとりふえる事になります」と報告。「日頃から、こんな私を応援して下さってる優しい日本の皆様、いつもエゴサーチして嬉しいお言葉に力をもらい、勇気をもらい、支えられております。ありがとうございます!」と感謝し、「突然のご報告となり驚かれたと思いますが、これからも矢本悠馬をどうか温かく見守って頂けると幸いです」と呼びかけた。最後に、「俳優として、夫として、そして父として更に進化していけるよう努力することをここに誓います」と宣言し、「汚い字ですみません」と結んでいる。矢本は、自身のTwitterで「日頃、お世話になってる皆様へ、感謝の意もこめて私事ではございますが、大事なお知らせがございます」と共に、同じメッセージ画像をアップ。ファンのみならず、業界内からも祝福の声が多数届いた。中でも、昨年10月期の日本テレビ系ドラマ『今日から俺は!!』で共演したばかりの賀来賢人は「うおー!!!!やもちゃーん!!おめでとう!!!!!最高だね」、磯村勇斗は「おめでとう!!これは嬉しい、幸せ」、同作の福田雄一監督は「矢本、おめでとう!!まあ、それでも中学生役はやるんだろうなあ、この先も」とそれぞれツイッターを通じて祝福のメッセージを送っている。
2019年01月27日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の芋生悠さんです。女優を目指したきっかけをたどると、中学時代の挫折経験が原点だと言う。「本気で空手をやっていたんですが、だんだん勝てなくなりすべてが嫌になってしまって。その時絵画に目覚め、美術系の高校に進学。自分を表現する場所がさらに欲しくなり、この世界に飛び込びました」。公開中の映画『左様なら』では主演を務め、題字も手がける。「書道の師範の資格を持っているんです。一時期はお芝居のことだけを考えていたけれど、表現の幅を広げるためにも、再び書や絵に向かう時間を楽しんでいます」描いたことがなかった 抽象画に挑戦。油絵で描いています。気持ちが反映されて、日々変化するのが面白い。撮影でタイに行って以来、パッタイの虜!滞在中毎日のように食べていました。具材のバランスが神的!役作りのために日本舞踊を始めました。舞台に向けて最近習い始めたばかり。楽しくてすでにハマっています。いもう・はるか1997年生まれ。映画『左様なら』は新宿K’sシネマなどで上映中。来春公開予定の映画『恋するふたり』でヒロインを務める。写真集『はじめての舞台』が発売中。※『anan』2018年12月12日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2018年12月11日何気ない瞬間の表情や仕草が妙に愛らしい。ドラマ『半分、青い。』をはじめ、さまざまな作品でスパイス的な役割を果たしている矢本悠馬さんに、お話を伺いました。役者って、言葉にできない気持ちを表現するのが醍醐味だと思うんです。――たくさんご覧になった映画やドラマで、こういうものに出てみたいと思うものはありました?矢本:なかったですよ。ただ、出たいというより、羨ましいなという役はありました。できないけれど、『マスク』のジム・キャリーの芝居はヤバかったですね。外見だけじゃなく中身も役が憑依しちゃっているようで、世界にはこんな人がおるんやって。あとは、映画『ゆれる』の香川照之さんかな。役者って、嬉しいとか悲しいとかじゃなく、もっと複雑な言葉にできない気持ちを表現するのが醍醐味だと思うんです。香川さんは、あの役の人生を経験していないのに、あのラストカットの表情は、まるで本当に経験した人の顔で、ゾッとしました。衝撃でしたね。――自分が経験していない人生を演じるのがお仕事ですが、矢本さんはどうされていますか?矢本:すごいピュアな人も、大量殺人を犯すような人も、この世には存在するわけで、遠い別次元のところにいるとは思っていないんです。僕は、親にも友達にも恵まれたけれど、違う環境に育っていたら、どうなっていたかわからないわけです。人殺しにも、仏心の持ち主にもなっていた可能性はあるわけで。だから、あまり役作りとかは考えていないかも。見せ方というのは考えますけどね。――テストを見て変える、とか?矢本:僕、テストとリハーサルと本番で、全然芝居が違うんですよ。自分のセリフをどこまで面白くできるかをつねに考えていて、思いついたら試すんで、本番で全然違うものになることも多いです。――矢本さん自身が面白がれる役とは、どんな役なんでしょう。矢本:ぶっちゃけ、出番が多いとモチベーションも上がりますし、計算してやれますから面白がれる。とはいえ、ワンポイントでオイシイ役もありますからね~。…ただ、誰がやってもいいじゃん、っていう役はあまりやらないかもです。――ラブロマンスとかは?矢本:えーっ、それはやりたくないかも。普段、NGをほとんど出さないんですけれど、恋愛的なシーンがあると、照れて、めっちゃ出すんですよ。自分にイラつくくらい。壁ドンを初めてやった時、28回出しましたからね。カッコつけるっていう引き出しがマジで欠けちゃってるんです。――コメディリリーフ的役柄が多い印象ですが、映画『レディ in ホワイト』では普通の会社員役。失礼ですが、リアルなお芝居も上手な方なんだなと思いました。矢本:じつはストレートな芝居って一番難しいんですよ。嘘がつけないんで。今回は自分でもあまり見たことない顔をしていて、ちょっと恥ずかったです。ああいうリアルな芝居は、もうやりたくないです(笑)。僕は、作られたもので人を感動させたいんですよ。計算して、技術で作り上げたもので騙したい。それが気持ちいいんです。やもと・ゆうま1990年8月31日生まれ。京都府出身。映画『ぼくんち』で映画デビュー。大人計画出身。近作に、ドラマ『半分、青い。』『フェイクニュース』『ルームロンダリング』、放送中の『今日から俺は!!』のほか、2019年の映画『賭ケグルイ』『アイネクライネナハトムジーク』や、1月期の連続ドラマなど多数の作品が待機している。矢本さんが出演する映画『レディ in ホワイト』は11月23日より、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場ほかで順次公開。裕福な家庭で何不自由なく育ってきたヒロイン・如月彩花(吉本実憂)が、理不尽な仕事を押し付けるパワハラ上司に立ち向かっていくお仕事コメディ。矢本さんは如月の先輩社員を演じている。シャツ¥46,000(スタジオ ニコルソン/キーロTEL:03・3710・9696)パンツ¥16,000(バージスブルック/プーオフィスTEL:03・6427・7081)usedのシューズ¥12,000usedのチェーンブレス¥6,000(共にラムホール ベルーフTEL:03・5489・6567)※『anan』2018年11月28日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・市野沢祐大(TEN10)ヘア&メイク・Reina(TRS)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年11月21日グラビアアイドルの白川悠衣が20日、東京・秋葉原のソフマップで最新イメージDVD&ブルーレイ『悠衣尻』(ともに発売中 各4,104円税込み 発売元:ラインコミュニケーションズ)の発売記念イベントを行った。高校卒業を機にモデルとして活躍した後、今年からグラビアに活躍の場を移すと、週刊誌で掲載されたグラビアが大きな話題を集めた白川悠衣。167cmという高身長に上からB85・W58・H85というスレンダーボディーが魅力で、現在は芸能活動と並行しながらアパレル会社に勤務するという"二刀流"で活動している。2枚目となる同DVDは、今年6月に千葉の南房総で撮影。会社の上司と出張旅行というシチュエーションの中、際どい衣装となって自慢のヒップを限界露出するなど、白川の魅力が詰まった内容となっている。プライベートの勝負服という黒のセクシーなワンピース姿で取材に応じた白川は「今回は出張先で上司と楽しむ内容になっています。シーン的には上司と待ち合わせするところから始まり、ベッドのシーンやお風呂のシーンなどがあります。私が一方的に恋心を抱いてる設定なので、出張中にガンガンアプローチしていく白川が楽しめると思います」と最新作を紹介。オススメのシーンについては「ケガをした先輩を手当する保健室のシーンがあるんですが、なぜか着ていた服をあれよあれよと脱がされて手ブラになってしまって(笑)」とありえない展開に苦笑いも「しっとりと撮ってもらったシーンなので、セクシーに仕上がっていると思います」と自信を見せた。今回、白川は会社の上司と出張先でイケないことに興じる女性役を演じた。実際の会社では「ありえないですね(笑)。こういう夢のある話も素敵だとは思いますが」とし、「めちゃくちゃ格好良くて仕事が出来る上司ならありかも。色んな意味で余裕がある男性となら」と相手に対する条件も。また、同DVDでは男性に対して積極的にアプローチする女性役を演じたが、私生活でも「伝えたいことは伝えるタイプだし、駆け引きが得意ではないので、私は直球勝負です」と積極的なタイプであることを明かしていた。
2018年10月22日『こんなに毎日やらかしてます。トリプル発達障害漫画家がゆく』(ぶんか社)を8月に刊行した沖田×華さんは、自閉スペクトラム症にADHD、加えて学習障害のある“トリプル発達障害漫画家“。自身も自閉スペクトラム症とADHDがあるライター・鈴木希望が取材した。ハイパーADHDだった小学生時代。「みんなで遊ぶ」の意味がちょっと違ったUpload By 鈴木希望トリプル発達障害があるという漫画家の沖田×華さん。明るさと、人の心に寄り添うやさしさが感じられる漫画で人気の彼女は、いったいどのような少女時代を過ごしていたのだろうか。沖田さん(以下敬称略):「私、子どものころ、むちゃくちゃテンション高かったんですよ、ハイパーADHDで(笑)。『この子、いいかも!』と思ったら、弾丸のように突っ込んで行って、ものすごい勢いでしゃべりまくるという感じでした。」気に入った友達にはとことん話しかけ、自分のペースに巻き込んでがっつり関わるのが好き。その半面、集団行動になるとその関わり方は一変したという。沖田:「”みんなで遊ぼう”というときになると、周りから少し離れたところにポツンといるタイプ。そこの位置が一番楽っていうか、安心して全体図を見られるので。大人数で遊ぶゲームだったりすると、ルールが分からなくてつまらないから、他の人がやっているのを見て、自分もゲームに参加している、一緒に遊んでいるという認識をしていたんです。」だから、「ひとりでいるからといって孤立しているとは限らない」と沖田さんは言う。沖田:「親御さんや周りの大人が”孤立しているのではないか”と心配になってしまう見え方かもしれないけど、子どもの感じ方はまた違っていて、ひとりでいるように見えて、実は空間を楽しんでいる場合もあるんですよね。そういう可能性があると分かれば、見守る側も気が楽になるんじゃないかな。」――周囲と独特の関わり方をしていた沖田さん。長くつき合っている友達には共通点があるのでしょうか。沖田:「お互いにイチャイチャしないというか、必要なときにサクッと会ってサクッと帰るっていう感じ。例えば、「何月何日の何時から何時まで」と時間を決めて、一緒にごはんを食べて、終わったら別れる、というような。」お互いに仕事を持っていて忙しい身の上、とても効率的な交流の仕方だ。そんな沖田さんは、とりとめもなく続くガールズトークや、大人数が集まり、目まぐるしく話題が変わる場が苦手。いわゆる女子会は「さっぱり理解できない」という。沖田:「できれば1対1で会える子がいい。自分の趣味を持っていて、人に依存しないタイプ。そういう合理的な性格の人と気が合うなって思います。」自閉スペクトラム症の当事者である私(鈴木)も、ガールズトークや大人数での集まりが苦手だ。どの話についていけばいいのか分からないし、飛び交う会話に割って入ることができない。結果、”みんなでいるのにひとり”という状況になってしまうので、1対1もしくは少人数で話せる相手を選んでしまう。わが身を振り返ると、”飲み会で話に加わらずはじっこにいる人”というのは、その場の空気をぞんざいに扱っているのではなく、その人なりに人間関係や会話を大切にしてるのではないか、と思えてくる。曖昧な詰問ではなく、具体的な指示が欲しかったUpload By 鈴木希望ASDの特性として、意味や目的を理解しにくい曖昧な表現や指示が苦手、というものがある。沖田さんもこれには学童期から苦しめられてきたようだ。沖田:「答えても答えても『なんで?』ばかり言う先生がいて。例えば宿題を忘れたときに『なんで宿題をしてこなかったの?』って聞いてくるから、私は『忘れました』って返すと『じゃあ、なんで忘れたの?』ってまた聞かれて…忘れたからできなかった、というのが私の答えなので、それ以上返せない。」――「なんで?」と問われるばかりで、先生が求める答えが何か分からなかった…。沖田:「それで、場面緘黙症になってしまいました。どう答えれば良かったのか、大人になってから周りの人に聞いたら、”まず謝るのが先なんじゃないの?”、”忘れてきたことに対して申し訳ないと思わないの?”って…。質問に対して返すべき言葉が間違っていたら、その場で教えてほしかったです。」指示や指導の内容が具体的でないと動けないというのは、発達障害児・者にはよくある話で、沖田さんも例にもれなかった。沖田:「忘れないためにどうしたらいいのか先生に聞くと『自分のことなんだから、自分で考えて気をつけなさい』。気をつけ方が分からないから聞いているのに、おかしいなと。でも、それを親に言えばまた怒られるのが分かるわけです。結局、誰にアドバイスを求めたらいいのか分からなくなっていましたね。」顔が覚えられない!相貌失認の対処法Upload By 鈴木希望人の顔を認識できない、相貌失認という特性を持っている沖田さん。――作品(講談社刊『透明なゆりかご』)がドラマ化され、撮影現場に顔を出すなど、複数の人に接する機会も少なくないと思います。そうした場面ではどのように対処しているのですか?沖田:「『透明なゆりかご』の撮影現場に行ったときは、服装で判断してました。出版社の編集担当と映像会社の方が『あの茶色の服が○○さん、ピンクの服が●●さん』って説明してくださって、挨拶するタイミングも決めていただいて。2人にエスコートしてもらったのでなんとかなりました。」――相貌失認と一口に言っても程度はさまざま。同居されている彼氏など、繰り返し会っている人の場合、沖田さんはすぐ判断できるのでしょうか?沖田:「冬になると分かりづらい。っていうのは、冬になると似通った服装の男の人が増えちゃうんです、黒いダウンにジーパンとか。冬場に彼氏と一緒にスーパーに行ってはぐれたとき、どうにか見つけて”はい、これ買おう!”ってカゴに商品をポイッて入れたら、全然違う人だったり(笑)やっぱり、顔は覚えられないんだなって思いましたね。テレビで見ている方でも、実際お会いしたらずいぶん違う印象になりますし。その点、声は絶対変わらないから、一番の判断材料になりますね。」明るく語る沖田さんだが、ちょっと想像してみてほしい。似たようなお面を装着した人だらけの世の中で、声をかけるべき人を探し出したり、名前を間違わずに挨拶することを。大切な人の顔も、目の前からいなくなってしまった途端に霞がかってしまう悲しみを。私(鈴木)にも相貌失認がある。慣れてしまっているので正直そこまで深刻には考えないが、この特性のために先方を不快な気持ちにしてしまわないかという不安は常につきまとっている。”顔を覚えられない=関心がない”ではないことが、もっと認識されたら良いのだが。他人ごとだと思っていたのに!突然のメルトダウンが襲うUpload By 鈴木希望作品中、最も衝撃的なのが”メルトダウン”の描写。メルトダウンとは、精神的に追い詰められ、ストレスが極限に達した発達障害当事者の身に起こる、強いパニック症状のことだ。自宅マンションに修繕工事が入った際、騒音でストレスを溜め込んだ沖田さんは、人生初のメルトダウンを起こした。――希死念慮が沸き、飛び降り未遂を起こすほどの辛いパニックとは、一体どのような状態なのか…。またどのように対処をしたのでしょう?沖田:「メルトダウンって、いろいろな事が重なって対応できなくなったときに起こすパニックらしくて。お医者さんが言うには、小学校などで耐震修繕工事が始まると、発達障害の子は来られなくなることが多いそうです。授業中なのに、機械の音や作業員の声まで全部耳に入ってきてしまって、頭の中がぐちゃぐちゃになっちゃう。うちのマンションの工事の時は、私の部屋の前が作業員の溜まり場で。喧嘩している声とかが聞こえてくる。それを2週間ぐらい聞き続けていたら、頭がおかしくなってしまいました。睡眠を取れないのが一番きつかったです。どんなにストレスを溜めないようにと気を使っていても、物理的に騒がしい環境になってしまったら防ぎようがないので…。」――メルトダウンには前兆があるのでしょうか。それはどういうもので、どのように対処していますか?沖田:「メルトダウンの前兆は、私の場合、頭の中がサワサワサワサワって、そよ風が吹くような状態が起こるんです。これを放っておくとメルトダウンになるので、前兆を感じたら仕事をセーブします。本当は仕事が大好きなので、最初は”仕事がなくなっちゃうの嫌だ、迷惑かけちゃう!”とか思ってたんですけど、そんなこと言ってたら死んじゃうので。今は断ることを一所懸命勉強していますね。」――感覚過敏の程度は、メルトダウン中どれだけの変化がありましたか?沖田:「元々蛍光灯の光や、テレビがちょっと苦手なんですけど。この明るさ、この音量だったら大丈夫だっていうレベルがあるんです。それを超えて、ものすごく過敏になりました。すべての刺激が全部ダメになっちゃったんですよ。光が痛い!音が痛い!頭に響いて痛い!って。メルトダウン中って、混迷って言うらしいんですけど、体は寝たきりの状態でも、頭は活動していて、周りのことはすごく分かってるんです。」――つまり、休んでいるように見えても、絶えず刺激を受け続けているということ…。これは相当に辛いでしょう。感覚過敏がある子どもを持つ親にとっても気になるのはそんなときの対応です。周囲の人間はどのように対処したら良いのでしょう?沖田:「私は、暗くて静かなところで一人にしてもらうのが楽でした。カーテンを閉めてもらった部屋のベッドで、一人で何日も過ごして…そうすれば外部からの刺激が入ってこないので、光や音で痛みを感じることはありません。メルトダウンのタイプもさまざまで、子どもの場合はパニックを起こして暴れることも多いそうです。泣き叫んで、吐き出すだけ吐き出したら疲れて落ち着く、という場合もあるらしいです。感情や行動が制御できなくなって、視界も狭くなってしまうので、発作を起こしている人がいたら、周りの人はしつこく話しかけず、静かで安全な場所に連れて行ってあげるのがいいんじゃないかと思います。」初めて薬を服用することで見えた定型脳の世界とイメージの変化Upload By 鈴木希望メルトダウンをきっかけに通院、ストラテラの服用を始めた沖田さん。不安感を取り除き、注意欠如や多動を改善するADHDのための処方薬だが、副作用のひとつに、想像力やアイデアの鎮静がある。――漫画を描くにあたって必要な感覚が服薬によって抑制されることで、不便はなかったのでしょうか?沖田:「何もかもが鎮静されて。体調は良くなったのですが…、『透明なゆりかご』のネームを描くのが遅くなってしまった。それで、集中しやすくなる作用があるエビリファイ3mgを処方してもらって、それを飲んで一気にネームを仕上げるようにしています。それ以外の連載は、エビリファイを飲まなくても描けるようになりました。」服薬により、カクテルパーティ効果(たくさんの人がそれぞれ同時に話しているなか、自分が興味のある人の会話や自分の名前などを自然と聞き取ることができること)など、定型発達者が当たり前に感じている世界を体験するだけでなく、アイデアの浮かべ方までもが変化したと沖田さんは言う。沖田:「私は頭の中のイメージを可視化する癖があって、漫画のネタを考えているときって、ハムスターの回し車のような、回転する円のイメージがあったんですね。これが自分の中のメモリみたいな感じになっていて、これを逆再生して過去のことを思い出して、そこからネタを引っ張りだしてきて描くっていうスタイルだったんです。すごく簡単。調子がいいと色や音もついていて。そのうち周りからボコボコと泡が浮いてきて、それがネタや素晴らしいセリフなので、出てきたセリフを描いていけばよかった…でも、ストラテラを飲んだら、それが全部なくなっちゃったんです。」長年慣れ親しんだ思考と、仕事のスタイルを、メルトダウンによって失ってしまう沖田:「メルトダウン後って、ホワイトアウトするんです。頭の中が全部真っ白で、自分がどこにいるかも分からない、何をしたいのかも分からない。マンションから飛び降りたい気持ちは落ち着いても中身は壊れたまま。そのうち、真っ白な世界の中に、四角い場所が出てきました。最初は冷凍庫の中みたいな所にたたずんでいるばかりで動けなかったんですが、そのうち指示がメモ用紙で出てくるようになりました。『今日はシャワー浴びろ』とか。私はその指示のみ従える状態です。そのうちだんだん霧が晴れてきて、2~3週間経つと、地下駐車場みたいな、コンクリートの固い部屋が出てきて、でも、仕事がどこにもないんです。浮かばないんです、何ひとつ。昔は、床が丸くて柔らかく、音も色も匂いもあったのに、コンクリートの壁しか見えない…。漫画が描けない!って焦ったんですけど、でも一応部屋というものが見えたから、何日もかけてその部屋を探索しました。ある日、部屋の形がまた変わって五角形になりました。そのときに自分のペンを認識したんですよ。今までも、机の上にペンはあったんですけど、自分のペンであることを理解できなかったんです、何のときに使うのかな?って。やっと愛用のペンを認識して安心して、今まで仕事を休んでいたけど、これだったら描けそうかなって、ようやくパッと浮かんできたんです。そろそろあの連載に手をつけたほうがいいかなってぼんやり考えていたら、今度は頭の中の部屋の壁が全部引き出しになって。その引き出しを開けたらネタが出てくるようになったんですよ。」――紆余曲折があったものの、沖田さんは新しい仕事のスタイルを手に入れることができたのですね?沖田:「今はまだ整理中で、引き出しにラベルが貼られていないから、開けてみないと何のネタが入っているか分からないんですよ。ネタを探すのに時間がかかってしまうから、仕事のペースはメルトダウン前より3倍くらい遅くなりました。でも、無理はしていない感じがしています。以前は過集中に入って、倒れるまで仕事をしていたので、これはこれでよかったなと思います。」Upload By 鈴木希望カラフル?メロディアス?めくるめく共感覚の世界Upload By 鈴木希望ADHDのある漫画家でありクレパス画家・史群アル仙さんのクレパス画を見た沖田さんは、味や色、音楽を感じたのだそう。その緩やかで美しい移り変わりや共感覚(ある刺激に対して異なる種類の感覚をも生じさせる、特殊な知覚現象)についてのエピソードも本書に収められている。――絵を鑑賞するときなど以外の日常でも、こうした共感覚が生じることはあるのでしょうか?沖田:「私たち発達障害者って、自分や相手が疲れていることに気づきにくいじゃないですか。私の場合、それが、音や音楽のサインで現れるんですよ。担当編集者のIさんは、疲れると声が少し小さくなって、それと同時に、声がガラス玉みたいにバラバラバラバラーッって下に落ちちゃうんです。それで頭に入ってこなくなるんですけど。加えて、ワーグナーのウエディングマーチが流れてくるんです。パーンパカパーン~♪って…おまけに神父様の声まで聞こえてくる。めっちゃ辛いときなのに、『(厳かな声で)健やかなるときも、病めるときも…』って。これが流れてきたらうちらはおしまいだ!って気持ちになって、もう帰りたくて帰りたくて…。何回もIさんに訴えるんですけど、全く理解してもらえない(笑)仕事がうまくいっているときの音楽はマリオカート(ゲーム音楽)です。ピロリロリン♪テテテテ♪みたいな軽快な音楽で。あ、これ私調子いいぞ!って分かったり。」――共感覚に限らず、発達障害があると、疲れのサインなどが定型発達者とは大きく違う場合も。それゆえに誤解されたり、苦労したことはありますか?沖田:「私は発熱する前兆が分かるんです。指を机とかにトントンってタッチして、ビリビリッてしびれると、だいたいその30分後に熱が出るって分かる。学校で先生に『熱が出そうなので帰らせてください』って頼むんですけど、そのときは平熱なので帰してもらえなかったり。何言ってんの?って。で、あとから熱が出ちゃう。」自分の過去を振り返り、かつての子どもとして望むことUpload By 鈴木希望年齢に応じて経験を重ね、自分の特性の取り扱い方なども体得してきた沖田さん。しかし、幼いときは思いをうまく言語化できなかったり、どのように説明をすべきか分からず、辛い思いもしたのだとか。そんな自分の過去を振り返り、かつての子どもとして望むことについて、伺った。沖田:「小学校・中学校のころは分からないことだらけで、叱られて、誰に相談していいか分からなくて…近くの学童(センター)に逃避していましたね。学校では嫌なことがたくさんあったんですけど、学童は私にとって天国でした。そこにはトランポリンがあって…トランポリンでひとしきり飛び跳ねたあと、今度は漫画コーナーに行って漫画を読みまくて、ラミネートを作って遊んで…それが本当に楽しくてたまりませんでしたね。」自閉傾向がある人の行動に”常同行動”というものがある。くるくる回ったり飛び跳ねるなどの反復行動で、ストレスや疲れを和らげるため、安心するために行うのだと言われている。幼いころの沖田さんも、回ったり飛び跳ねるのが大好きだったそう。沖田:「意味もなく跳ぶのって、ほかの人から見たらおかしいじゃないですか。でも、トランポリンがあれば、いくら飛び跳ねてもおかしくない。だから、学童にトランポリンがあったのは、私にとって素敵なことでした。この学童は小学校までしか利用できなかったのですが、年齢を偽って、中学1年まで通いました。中学生には中学生なりの居場所というか、リラックスできるスペースがあればいいのにって思ってました。」――確かに、現状では幼い年齢に関しては、支援は手厚く、居場所も多いけれど、年齢が上がるにつれて、数も種類も減っていくような印象があります。そして、障害の有無が大きな壁となって、それぞれの居場所にも隔たりがあるようにも思えます。沖田:「学童の書籍コーナーに、知的障害があるおじさんが、いつも番頭さんみたいに座ってたんですよ。ニコニコしてて、私たちがいくら騒がしくても何も言わない、気のいいおじさん。そこは知的障害の人も、発達障害の子どもや定型の子どももいて、みんな自然に過ごしてて…。そういうふうに交流できる場所が増えたらなって思っています。」発達障害当事者として、願うことUpload By 鈴木希望取材時、私の目の前にいた沖田さんは、漫画の中の”×華ちゃん”そのもの、表情豊かで繊細、サービス精神旺盛な方だった。今の子どもたちに向ける話になると、大人としてではなく、自分の同志を慮るような口調になり、私たちが笑ったり、「面白かったです」と述べると、心底安心したような表情で「よかった!」と微笑んでいらしたのも印象的だった。大好きなサファイアブルーをそこかしこにあしらった仕事場で微笑む沖田さんは、今そこにはいない読者やファンに視線を向けているようにも見え、私はちょっと涙ぐみそうになっていたことを、ここに告白する。こんなに素敵な同志が漫画を通じてメッセージを送り続けてくれるのならば、大人も子どもも、”×華ちゃん”にはなれなくても、自分が心地よく過ごせる場所や方法を、必ず見つけ出せるのではないか、などと思うし、願ってやまない。Upload By 鈴木希望富山県出身。1979年生まれ。小学生のころにLD(学習障害)とADHD(注意欠如・多動障害)、中学生のころにアスペルガー症候群(現・自閉スペクトラム症)の診断を受ける。看護師、風俗嬢を経て、2008年漫画家デビュー。『透明なゆりかご』(講談社)で第42回講談社漫画賞(少女部門)受賞。TVドラマ化もされた『透明なゆりかご』で大ブレイクを果たした沖田×華さん。しかし、多忙な生活にパンクしてパニック障害を起こし、なんと自殺未遂まで起こしてしまいます。自閉症スペクトラム(アスペルガー)・ADHD(注意欠陥・多動性障害)・LD(学習障害)という3つの発達障害のある沖田さんが、日常生活での自身の「やらかし体験」をセキララに描く、大人気シリーズ第5弾。撮影:鈴木江実子聞き手(取材・文):鈴木希望鈴木 希望さんのページ
2018年09月28日●菅田将暉は撮影現場でもツッコミ2017年に公開され、最終興行収入38.4億円、2017年の実写邦画ではNo.1の成績を記録した映画『銀魂』。漫画家・空知英秋による『週刊少年ジャンプ』(集英社)連載中の同名コミックを原作に、福田雄一監督が実写化のメガホンを取った。舞台となるのは、パラレルワールドの江戸。宇宙からやってきた”天人(あまんと)”と侍・坂田銀時(小栗旬)の間に起こるさまざまな事件を描く同作は、破天荒なギャグと熱いアクション、ほろりとする物語で人気を博している。続編である『銀魂2 掟は破るためにこそある』(8月17日公開)は、原作でも人気の「真選組動乱篇」と「将軍接待篇」のハイブリッド作。伊藤鴨太郎(三浦春馬)により内紛劇に巻き込まれていく真選組の中で、一番隊隊長・沖田総悟を演じるのが吉沢亮だ。前回以上に真選組にフォーカスされた物語の中で、どのような役割を担っていくのか。マイナビニュースでは『銀魂』に関わる男性たちへのリレーインタビュー企画「動乱の男達」を実施。今回は沖田役の吉沢に話を聞いていく。○基本的につっこんでる――今回リレーインタビューで、菅田将暉さんからは吉沢さんについて「かっこよすぎて、もはやボケになり得る」ということで、結構現場でも菅田さんがつっこんでいるというお話でした。菅田くんは、新八として原作や映画の中でもそうですけど、彼自身も完全にツッコミ担当で、基本的に他人のボケにつっこんでいる印象があります(笑)。――菅田さんは「みんなボケ散らかしているから、掃除しないと」ともおっしゃってましたが、現場でも新八なんですね。お兄さん的キャラでもあって、自分が面白いことを言うというより、人につっこんでくれるんです。小栗さんや監督との関係性もそうで、監督が言ったことに対して「なんやねん」と言える人です。ずっと頭を回転させているんだろうな、と思っています。●「受け入れられてる」という妄想で演じ切る○真選組の雰囲気もより良く――今回はパート2になりますが、真選組の雰囲気には変化がありましたか?前作で1回やっている分、雰囲気もより良くなっています。柳楽(優弥)さんとは京都のロケで、2人で飲みに行って、夢を語りあいました(笑)。『銀魂』は世界観が強固なので、キャラっぽいお芝居になりそうなところもあるのですが、柳楽さんは完全に土方でありつつも、柳楽さんぽさも出ている気がします。男くささもあって、かっこいいんですよね。みんな前作よりも一つの輪になってる感がより強まっていた気がして、すごく楽しかったです。――柳楽さん、お話すると実はふわっとしてる感じもありますよね。勝手な印象で、クセの強い役者さんかなと思ったんですけど、初めてお会いした時からすごく柔らかくて、大好きになりました。でもお芝居になるとガラッと変わるところがすごいです。万事屋とトッシーの姿はあまり見ていないんですけど、真選組の中で柳楽さんがトッシーになっている姿は、面白すぎて、笑いをこらえるのが大変でした。○見せ場へのプレッシャー――前作では、吉沢さんが「主役級の中で不安だった」とお話されていましたが、あれから1年経って注目度がさらに上がっていると思います。印象はいかがですか?印象は、変わらないです。新しい方たちもすごい人ばかりだし、「大丈夫ですか!?」って感じですけど、そんなことを言ってもしょうがないので。原作ファンの方にも、受け入れていただいているだろうという妄想で演じ切りました。――いや全然、妄想ではないと思います。今回の沖田は前回以上に見せ場が多いのかなと思いました。「真選組動乱篇」だし、沖田の列車の中の見せ場は、原作の沖田史上でも1番かっこいいんじゃないかと思って、ちゃんと見せられないと逆にヤバイというプレッシャーがありました。やっぱり「死んじまいなァ」は、原作の沖田ファンにもたまらないシーンだと思うので、ファンの方の気分を害さないように頑張ったつもりです。他にも「こんな大掛かりなセットがあるんだ?」というところも、見所だと思います。――『銀魂』映画は、ファンにとってはお祭りなのかな、と思うのですが、吉沢さんにとってはどのような作品ですか?僕にとっても、本当に「お祭り」です。豪華なエンターテインメントに「乗っかってください」というお祭りで。舞台挨拶すらも、最高のエンタテインメントという感じでした。●次回登場・勝地涼の前貼りにはある言葉が…○ギャグパートをもっていった勝地涼――リレーインタビュー、最後は将軍役・勝地涼さんの予定です。ぜひ勝地さんの印象や見どころを教えてください。1回、勝地さんと戸塚(純貴)さんと3人で、勝地さんの部屋で飲む会があったんです。5時くらいまで語りながら飲んでいたのですが、すごく兄貴肌で、後輩に慕われる方なんだろうなと思いました。演劇もいろいろ見に行かれていて、「この劇団が面白いよ」と教えていただきました。撮影では、すごかったですよ。勝地さんが全裸になって町を走り回るというシーンで、僕はその後ろをついて行きました。映画に映らないのに前貼りに「足軽」と書いてあって、すごく面白かったです(笑)。勝地さんの床屋の映像が面白すぎて、もうギャグパートは、勝地さんが持って行ったんじゃないですか!? トッシーもやばいと思いますけど、将軍のところもかなり面白いと思います。――前回も今回も裸のシーンに立ち会っていたんですね。前回はアイマスクをしてたので、実は面白いところを見ていなかったんですが(笑)。今回は見れました!■吉沢亮1994年2月1日生まれ、東京都出身。09年に行われた「アミューズ全国オーディション2009 THE PUSH!マン」で特別賞を受賞し、デビュー。『仮面ライダーフォーゼ』シリーズ(11-12)で朔田流星役を演じ注目を浴び、その後数々のテレビドラマ、映画に出演。17年には『銀魂』など5本の映画に出演するなど今最も勢いのある若手俳優である。主な出演作に、『オオカミ少女と黒王子』(16)、『トモダチゲームシリーズ』(17)など。今年の公開作として本作のほかに『悪と仮面のルール』『リバーズ・エッジ』『ママレード・ボーイ』『あのコの、トリコ。』などがある。
2018年08月15日空知英秋による人気コミックを、福田雄一監督が実写化した『銀魂』の続編『銀魂2(仮)』。先日の中村勘九郎続投決定に続き、先ほど同じく“真選組”の沖田総悟役で吉沢亮が続投していることが、公式SNSにて発表された。『ママレード・ボーイ』『あのコの、トリコ。』、2019年連続テレビ小説「なつぞら」へ出演決定しているなど、いま大注目の若手俳優である吉沢さんが演じるのは、前作に引き続き、真選組の一番隊隊長で戦闘力と剣術はピカイチの沖田総悟。一見ナイーブな美少年だが、中身は超絶腹黒の毒舌ドSというキャラクターだ。発表前日のシルエット画像が解禁されると、ファンからは“沖田総悟”や“吉沢亮”を予想する声が。どうやら、今回はファンの期待通りの発表となったようだ。吉沢さんは、「パート1ではカブトムシの着ぐるみ着たり、重いバズーカぶっ放したり、重いもの担当みたいな立ち位置ですごく可哀想な役だったんですが、今回は真選組らしく刀で戦うシーンもあったりして嬉しかったです」と前作をふり返りコメント。また、「パート1を遥かに超える面白さになってると思います。もうなんか、笑いましたもん。新キャストの方々が豪華過ぎて。お楽しみに」とファンの期待を煽った。SNS上では「お亮ーーーーーー!!!!!!!! 待ってたずっと待ってた滝涙」「総悟来たー」「きたああああああああああああああ」と“待ってました”と大きな反響が。さらに、「ほんとにここまで沖田を再現できるのは吉沢さんだけです 沖田尊い吉沢尊い」「朝から国宝級の美しさを拝めていい目覚めです! 沖田ハマりすぎです!」「真顔でピースしちゃうところとか沖田さんにそっくり…!本当に漫画の世界から出てきたみたいです」「無表情の再現度が高い」「真顔ピース… 総悟にしか見えないです」とキャラに寄せた(?)表情に歓喜の声が上がっている。また、今回も次に解禁されるキャストのシルエット画像が公開された。ネット上では「土方さん!!」「柳楽マヨラーだな」「マヨラーの土方さんですねwww」「これはマヨビームの柳楽くんですよね!」などと、“土方十四郎役・柳楽優弥”の続投を予想しているファンが多いようだ。なお、本作ではこれまで主人公・坂田銀時役の小栗旬をはじめ、菅田将暉(志村新八役)、橋本環奈(神楽役)、佐藤二朗(役柄不明)、岡田将生(桂小太郎役)、長澤まさみ(志村妙役)、エリザベス、ムロツヨシ(平賀源外役)、キムラ緑子(お登勢役)、中村勘九郎(近藤勲役)の出演が発表されている。『銀魂2(仮)』は8月17日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:銀魂2(仮) 2018年8月17日より全国にて公開©空知英秋/集英社 ©2018 映画「銀魂2(仮)」製作委員会
2018年05月25日「悠仁さまも5年生の3学期をお迎えになりました。中学校入学まで、あと1年ほどということで、そのご進学先に大きな注目が集まっています」(皇室ジャーナリスト) 秋篠宮家の長男である悠仁さまは現在、東京都内の小学校に通われているが、男子児童は過半数が中学受験をする。悠仁さまと同じ学校に子供を通わせる保護者は言う。 「保護者同士の話題も、どうしても志望校や勉強のことになってしまいますね。私たちの間では悠仁さまのご進学先は『提携校進学制度』を利用しての、筑波大学附属中学校(以下、筑附)が“本命校”になっています」 実は悠仁さま以外にも、保護者の間で話題になっている5年生の児童がいるという。 「バイオリニスト・葉加瀬太郎さん(50)とタレント・高田万由子さん(47)のご長男・Aくん(11)です。ずっとロンドンで生活していたそうですが、昨年9月に編入してきたのです。頭も良くて、音楽や料理も得意だそうで、すでに学内で人気者になっています」(前出・保護者) 葉加瀬・高田夫妻の長男が、悠仁さまの“ご学友”になっていたというのだ。実は高田は、この状況を11年前に“予言”していた。 ‘06年9月6日に誕生された悠仁さま。日本中が喜びに沸くなか、多くの著名人がお祝いのコメントを出したが、高田もその1人だった。彼女自身もその1カ月ほど前にAくんを出産したばかり。悠仁さまのご誕生当日、東京都内で報道陣の取材に応じた彼女は、こう語っていた。 「紀子さま、ご長男誕生、おめでとうございます。私は、お腹のなかにいるときから、肋骨が折れるかと思うくらい蹴られました。でも上に女の子がいる男の子は穏やかになると言われました。(お姉さまがお2人いる悠仁さまも)優しい男の子にお育ちになるのではないでしょうか。(長男には)ご学友を目指してもらって、(紀子さまと)ママ友達になりたいです!」 長男の編入について取材を申しこむと、高田の所属事務所の担当者は次のように答えた。 「(編入は)長男の『自分は日本人なのだから、日本の学校にも通ってみたい』という希望もあり、決めたことだそうです。学校は、帰国子女を受けいれてくれること、日本の自宅から通えること、などの条件で探しました。“悠仁さまと同じ学校に”という意識は特になかったそうです。高田も日本に帰国したというわけではなく、これまでどおり、イギリスと日本を行き来する生活を続けています。今後の長男の中学進学に関しては、日本の中学に通うのか、それともイギリスで進学するのかなども、まだ決めていないそうです」 悠仁さまの小学校生活もあと1年。新しいお友達も増え、より充実したものになるように願うばかりだ。
2018年01月24日●ドラマ版と映画版、また違った魅力に週刊少年ジャンプにて2003年から連載開始以降、絶大な人気を誇り、累計発行部数5,100万部を超えアニメ化も好調な漫画『銀魂』。パラレルワールドの江戸を舞台に、”天人”と呼ばれる宇宙人が登場し、攘夷戦争の時”白夜叉”と恐れられた 銀時が主人公として活躍する。とにかく「なんでもあり」で、関係者も「こんな漫画はなかなかない」という同作が、最終章に入った今、満を持して公開された。原作の中でも屈指の人気を誇る”真選組”は江戸の治安を守る特殊警察。dTVドラマ『銀魂 -ミツバ篇-』では、一番隊隊長・沖田総悟の姉、ミツバ(北乃きい)がヒロインとなり、真選組の活躍がメインに描かれる。マイナビニュースでは『銀魂』に関わる男性たちへの連続インタビュー企画「男達の銀魂道」を実施し、沖田役の吉沢亮に映画版、dTV版合わせて話を聞いた。○剣道と殺陣は別物だった――今回はdTVドラマ『銀魂 -ミツバ篇-』も製作されていますが、こちらの撮影はいかがでしたか?本編と同じ時期に撮っていました。原作の中で「ミツバ篇」と呼ばれている、沖田の姉が出てくる話です。映画では色々なキャラクターがいますし、それぞれのキャラクターが全部は描かれないのですが、スピンオフは土方(柳楽優弥)と沖田とミツバの話にもなってくるので、キャラクターをかなり掘り下げていただきました。原作の中でも、ミツバ篇が唯一、沖田の脆い部分が出てくる瞬間が描かれている長編だと思うので、そういう部分を演じることができたのはすごく嬉しかったし、ありがたいなと思いました。より人間ドラマにフォーカスされている話になっていて、映画本編のように馬鹿みたいに笑って熱くなってワクワクして、というのとはまた違った感動があると思います。真選組の関係を映し出されているシーンも多いし、映画とはまた別の見所を楽しんでいただきたいです。――撮影中に印象的だったことなどはありますか?僕、映画ではバズーカばかりで、一切殺陣をしてないんです(笑)。dTVドラマ版で土方さんと稽古するシーンがあり、人生初の殺陣をやらせていただきました。僕自身かなり熱も入りましたし楽しかったので、ぜひそこは注目していただきたいところです。――吉沢さんは剣道が得意と伺ってるんですが、殺陣はいかがでしたか。僕も「剣道をやってたからできるんじゃないか」って勝手に思ってんたですけど、全然違いました。周りの方からも「上手いんじゃないの?」と言われるんですけど、何もかも違うので、正直、そんなことないんです!(笑)しかも、”カキーン、カキーン”という殺陣じゃなくて、”シャシャシャシャシャー”みたいな、結構スピーディーで激しい動きをしていたので、本当に体力勝負でした。でも柳楽さんもすごいお上手でしたし、楽しかったです。●主役・小栗旬のブレなさに驚き○先輩のすごさを見て、いい経験を積んだ――周りの俳優さんもすごい方ばかりですが、映画版、dTVドラマ版含めて、撮影中にこの人のここがすごいと思った点はありますか。小栗(旬)さんも、(中村)勘九郎さんも、柳楽さんも、みなさんすごかったです。芝居を見ていると、やっぱり勘九郎さんはもうセリフ一つひとつがべらぼうにうまいし、「半端じゃない」と思いました。僕は『銀魂』の撮影に入る前から、舞台で勘九郎さんの作品を何回か観せていただいていて、「すっげ~人がいる」と思っていたので、勘九郎さんとやれたというのは役者として貴重な経験でした。小栗さんは見ていて、何ていうんだろう? 何回同じ芝居をしても、同じテンションでできる感じというか。すごくプロだなと思いました。僕は福田さんの現場で2回やらせていただきましたが、福田監督ってあまりカットを割らずに、複数台のカメラを一連で流して撮るというイメージだったんです。でも今回はワンカットワンカット割って、毎回角度を変えたりしながら撮っていて。芝居としては少しずつ進んでいく形になりますし、何回も同じことをやらなければいけない。そういう撮り方の中でも、小栗さんの芝居は本当にブレないし、同じテンションを通して演技をされていたので、やっぱりすごいなと思いました。――小栗さんは現場でもリーダーとして存在してくれる方と伺いました。小栗さん世代の役者さんって、みなさん兄貴肌というか。現場を引っ張るパワーがすごいなと、特に小栗さんを見ていて思います。みんながついて行きたくなる感じ。小栗さんはすごく、真ん中に立つ人だなって思いました。――自分もそういう風になりたいと思われたりしますか?いや~どうですかね! 僕はもう、端っこのところにいるタイプだと思いますよ(笑)。○冷静に見て「すげーな」と思う――ちなみに映画では、なぜか沖田のシャツがはだけてる、ちょっとしたサービスシーンみたいな場面が印象的だったんですが…。ありましたね(笑)。でも、あのシーンは完全に勘九郎さんの全裸が全てを持っていくので! 最高でした。撮影では前貼りも何もしていない、ガチ全裸でした。だいぶ面白いです。――それでは、改めて映画の見所を教えてください。すごく熱いし、これだけ豪華なキャストがどんどんどんどん出てきて、冷静に見たら「すげーな、この映画」と思うんです。なのに、くだらないギャグもやっている。面白いし、ずっと画面が華やかだと思います。原作ファンの方々にも楽しんでいただけるくらい、それぞれのキャラのクオリティも高くて、漫画やアニメの世界観も表現されていて、なのに福田監督らしいところは福田監督らしくて。最高のエンタメ映画になっていると思います。(C)空知英秋/集英社(C)2017映画「銀魂」製作委員会(C)2017dTV※「男達の銀魂道」、次回が最終回。小栗旬さんインタビューを掲載します。
2017年07月23日●ファンの”とてつもなさ”にビビる週刊少年ジャンプにて2003年から連載開始以降、絶大な人気を誇り、累計発行部数5,100万部を超えアニメ化も好調な漫画『銀魂』。パラレルワールドの江戸を舞台に、”天人”と呼ばれる宇宙人が登場し、攘夷戦争の時”白夜叉”と恐れられた 銀時が主人公として活躍する。とにかく「なんでもあり」で、関係者も「こんな漫画はなかなかない」という同作が、最終章に入った今、満を持して公開された。マイナビニュースでは『銀魂』に関わる男性たちへの連続インタビュー企画「男達の銀魂道」を実施。今回は、原作でも人気のキャラクター・沖田総悟を演じた吉沢亮に話を聞いた。キャストが発表されるやいなや「想像以上」と話題になっていた真選組キャラクターだが、吉沢自身はどのように捉えていたのか。○『銀魂』の異質さに特別なものを感じていた――『銀魂』映画化の話が来た時は、率直にどう思われましたか?僕、実は原作を読んでいなかったんです。ジャンプ作品は大好きで、『銀魂』の存在も知っていたんですが、すごく異質だなというイメージがあって、今まで触れていませんでした。沖田をやらせていただくと決まってから読みました。そしたら、すっごい面白くて。小・中学生が好きそうな下ネタもありつつ、パロディみたいなギャグもあり……やっぱり、異質ではありましたけど(笑)。ジャンプ作品の中でも、際どい場所をついているところに爆笑できるし、どの世代の人が読んでも好きになるだろうなと思いました。ただ調べていくとやっぱり、ファンの方がとてつもないですよね。熱狂的で、たくさんいらっしゃるので、ビビりました。――逆に特別な作品だったんですね。異質だなというのは、どこらへんにそう感じたんでしょうか。すごく熱いんだけど、本当に延々とくだらないギャグもやっているところです(笑)。他のラブコメやギャグ作品と比べても、全然違うと思いました。もしかして、空知先生もテンションで描いているのかな? と思う時もあって、それが超おもしろい。本当に、いい意味でくっだらない時もあるし、ギリギリを攻めるパロディもあるし、これを週刊少年ジャンプでやってるのがすごいなと思いました。――今回の沖田役については、もともとインターネットなどで「吉沢さんがいい」という声もあったみたいですね。本当ですか? 嬉しいです。発表された時も、この並々ならぬ有名人の方々と共に、僕がポツンと紹介されてる感じが不安でした……。「大丈夫かよ!」と思いました(笑)。「主役級!」と言われてキャストがバーンと出た時に、1人だけわからない人がいる、みたいな気がして、だいぶ怖かったです。あとは単純に、原作ファンの方にどう思われるのかが、1番気になりました。芝居をやっている時も、ずっと原作ファンに怒られたくないな、喜んでほしいなと思っていました。●少女漫画原作と、少年漫画原作に感じた違い○少年漫画はキャラクターが濃い――この後は同じ福田雄一監督×ジャンプ原作で映画『 斉木楠雄のΨ難』も公開されますし、漫画原作を実写化した映画を演じる機会も多いのかなと思いました。漫画原作、多いですね。最近は少年漫画をやらせていただく機会が多くなりました。それも『銀魂』から始まったんですが、連続して何作品か、少年漫画の実写化に携わることになりまして。今までの漫画原作とは全然違う感覚です。――今までの漫画原作というのは、少女漫画ということでしょうか。そうですね。僕の中では気を使うポイントも違いました。少女漫画原作の作品に出演するときは、原作を読みつつも、あえて意識しすぎずに、台本から感じたことを演技に盛り込んで来ました。それはやっぱり、実写化された時に原作とはまた少し違った世界観になり、ナチュラルさを求められるからです。でも少年漫画は出てくるキャラもすごく濃いし、見た目の部分でこだわるところが本当に多いですよね。これだけ原作を読みこんで、原作に踏み込んでキャラクターにこだわった役づくりをしたのは『銀魂』が初めてなので、いろいろなことを学ばせていただいた作品だと思っています。○この中に入れたのは大きかった――ちなみに演じられた沖田は”ドS”なところが人気のキャラクターでもありますが、吉沢さん自身にドSなところはありますか?僕はやっぱり、どちらかといったらSだと思います。Mではないですね。いじられたりするのが、あんまり好きじゃなくて、どちらかというといじっている方が好きなので(笑)。具体的にどういうところがSかといわれると難しいんですが、話していて「相手はこういう返事を求めているのかな」と思った時に、真逆のこと言ってみることもあります。「こういうことを質問するということは、多分こんな答えを求めているんだろうな」とわかると、全然違うことを言っちゃいたくなるんです。その時の、相手の反応を見たい(笑)。実は結構、あまのじゃくなところがあります。――でもそういうのって、どきっとしちゃいますよね。そうですか。ふふ(笑)――今年は出演作も多く、さらに飛躍をされるのではないかと注目されている吉沢さんですが、『銀魂』はご自身の中でどういう位置付けの作品でしょうか。やっぱり、『銀魂』は大きいです。作品的にもすごく注目されていると思うし、この中に入れたのは僕の中でも大きかったです。ここから何か始まるんじゃないかと、勝手に自分で思っています。相当なお祭り騒ぎになるんじゃないかな。作品も注目されているし、僕自身もたくさん取材していただいたり、興味を持ってもらっているという感覚も、桁違いで、本当にありがたいです。また、ここから少年漫画作品の公開が続き始めるので、楽しみにしていただければと思います。※「男達の銀魂道」、次回は引き続き吉沢亮さんに、dTVドラマ『銀魂 -ミツバ篇』などについてお話を伺います。
2017年07月21日ダニエル・キイスの同名小説が原作のミュージカル『アルジャーノンに花束を』が3月2日に開幕。それに先がけ公開ゲネプロと囲み取材が行われ、主演の矢田悠祐、水夏希が登壇した。ミュージカル『アルジャーノンに花束を』チケット情報原作は1959年に発表された名作小説。世界3か国で映画化され、日本でも2度テレビドラマ化されている。ミュージカル版は、2006年に浦井健治主演で日本初演され、2014年にも同じく浦井主演で再演。今作でキャストが一新され、矢田が自身初となる主演に抜擢された。脚本・作詞・演出は、矢田が出演したミュージカル『王家の紋章』(2016年)の荻田浩一が初演から手掛けている。物語は、32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリィ・ゴードン(矢田)に、ある話が舞い込むことから始まる。それは、大学の先生が「頭を良くしてくれる」というものだった。この申し出に飛びついた彼は、白ネズミのアルジャーノン(長澤風海)を競争相手に連日検査を受ける事に。やがて手術によりチャーリィは天才に変貌したが――。ゲネプロ前に行われた囲み取材で、初主演の心境を聞かれた矢田は「正直どうなるかわからなくて。終わったときにどういう気持ちになるんだろうなっていうのが今の心境です」と緊張の滲む発言。本作の魅力について「SFなんですけどリアリティがあって、どの瞬間もどの関係も誰もが体験したことがあるようなエピソードが詰まっています。身につまされたり、嬉しかったり、悲しかったり、励まされたり…その瞬間瞬間が一人ひとりのお客さまの心を揺さぶる」と水。自身の役柄について矢田は「シーンによって全然違う人になった気分。すごいスピードでどんどん階段を上っていくので、その成長の段階や心の動きに自分が追いつかないときがあって。そこに食らいついていくのが今も大変です」。前作との違いを問われ「演じる人間が違うし、荻田さんは演じる人の個性に合わせて演出をしてくださるので、自然と違う形になってるかなと思います」(矢田)と話した。幕が開き、幼児並みの知能のチャーリィとして登場した矢田は、ピュアな魅力を纏い美しい歌声で物語の世界に誘い込む。全てひらがなで話していたような言葉は、知能が高まるにつれ少しずつ漢字が混じって聞こえ、あっという間に容易に理解できない言葉になる。しかし、言葉の成長スピードに追い付けない情緒面の成長。そんな特殊な状況にあるチャーリィの戸惑いや苦しさを、矢田の芝居と歌が一つひとつ真っ直ぐに届けた。アルジャーノンが踊る美しい世界に登場人物の生々しい感情が浮かび上がる本作は、3月12日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、3月16日(木)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて上演。取材・文:中川實穗
2017年03月07日トリプル発達障害の沖田×華さんが描く、発達障害と共に生きる日々出典 : 皆さんは「障害者」という3文字からどんなイメージを浮かべますか?かわいそうな人?大変だけど頑張っている人?今回ご紹介する方は、みなさんが抱いているであろう、様々な障害のイメージを覆すかもしれません。アスペルガー症候群(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の「トリプル発達障害」を公言する漫画家の沖田×華(おきたばっか)さん。彼女が描いた漫画『毎日やらかしています。』『ますます毎日やらかしています。』に登場するのは作者の沖田さんの他、発達障害を持つご友人や、その傾向が感じられる皆さんで、彼らの“やらかしエピソード”がいくつも綴られています。元々は、ギャグマンガ雑誌に連載されていたということもあり、その内容は面白おかしく、悲壮感がありません。ASDでADD、計算障害を持つ、やはり「トリプル発達障害」の私が読んでみて、「あるある~!」と共感できたかというと、意外とそうでもなかったのですが(笑)、「そういうふうに考えちゃうのは理解できる」という内容ばかり。特に自動車学校でのADHDらしいエピソードには、大笑いしながらも「ああ、発達障害の人って、こういう考え方からこういう言動になっちゃうんだね」と、1つのパターンを感じられました。発達障害を持つ漫画家、沖田×華(ばっか)さん(1)看護師修業、コミュニケーションや数字で苦労してでも、最初から「障害」を面白おかしく受け止めていた訳ではなかった出典 : さてそのようにして、失敗を笑いに変える作風の沖田さんですが、昔から自らの特性をポジティブに捉えていたのでしょうか?「看護師やっていたときは発達特性が全て欠点になっていた」「何もかもダメで、自分のことを否定し、悔やんでばかりいた」『ますます毎日やらかしています。』に収録されている対談の中で、沖田さんはそのように過去を振り返り、自殺をしようとしたことも明らかにしています。沖田さんは他の作品やテレビ出演した際にも、特性やご自身の過去について語っています。それを見聞きしていると「それだけ失敗してダメな人扱いされたら、そこまで思いつめても仕方ないよな…」と、他人ながらにして思ってしまうほどです。しかし、そういった体験を「面白い」と言ってくれる人と出会い、漫画家になったことで、「あのときは辛かったけど良かったな」と、自分の障害を肯定的に捉えられるようになったのだと語っています。誰しもが障害を笑いに変え、漫画家になれるわけではありませんし、すぐに特性を長所として活かす方法が見つかるとは限りません。でも、沖田さんが命を断ちたいとまで追い詰められた苦しい日々が、他の誰かにとっては面白い漫画のネタになりそう、と感じられるものであったように、自分では嫌でたまらない側面が、実はその人らしい魅力として他の誰かの目には映っているのかもしれません。今でこそ、障害特性について肯定的な内容のコラムを書いている私ですが、これまで失敗やトラブルが少なかった訳ではありません。むしろ落ち込み、自責することもしょっちゅうでした。だからこそ、発達障害の診断が下りたとき「工夫でカバーできる面もあるし、それでも失敗したら他のやり方を考えたらいいや」とポジティブに捉えるというか、ある意味開き直ることができ、今に至るのです。そういった自分自身の経緯もあって、「さんざん悩んだんだし、もう笑い飛ばしちゃっていいんだよね!」と、沖田さんの漫画を読んで励まされたような気持ちになったのでした。「障害」?「障がい」?沖田さんの障害の捉え方とは出典 : もうひとつ漫画の中で、とても印象的なやり取りがありました。こちらは『毎日やらかしています。』のあとがき漫画での、アシスタントさん(障害のある息子さんがいる)と沖田さんの会話です。「障害のことを“障がい”という表記にしたところで差別がなくなるわけではない。その前に、健常と障害は区別であって、差別で使っている人は恐らく少ない。わざわざ字を変えようと思うこと自体が差別的」というような内容でした。実際私も「“障害”という文字のイメージが悪いから、表記もしくは呼び方そのものを変えましょう」という風潮には首を傾げていました。確かにイメージは大切です。でも、文字表記や呼称といった表面的なものを変えたところで、中身が変わるわけではありませんし、差別する人がいたとして、「“障害”という文字だから」という理由ではないでしょうから、あまり意味がないように思えてしまうのです。「大変なのは社会と自分の間にあるズレであって、そのズレが“障害”。それをいかに埋めていくかが大事なのであって、ひらがなにするだの呼び方を変えるだの、はっきり言ってどうでもいいよね(笑)」と、障害当事者の友人たちとよく話しています。私に至っては、どうでもいいどころか「差別されがちな人」として一線を引かれたような気すらしてしまうのです。これは、自分を含めた周囲の障害当事者のほとんどが、“障害”という表記及び呼称に差別的な何かを感じていないからこその感想なのかもしれませんが…。なんてことを思いながら漫画を読み進めていたら、「どうせ変えるんなら“発達障害”の呼び名を“逸脱戦隊”にしちゃうとか!!」と沖田さん。笑いに落とし込もうという姿勢が徹底しています。逸脱戦隊、いいなあ。なんかかっこいいし、楽しい!障害のあるなしに関わらず、みんなが生きやすい方法はきっとある出典 : 『毎日やらかしています。』『ますます毎日やらかしています。』の世界に、「遠い世界にいる、差別されやすい可哀そうな人」はいませんでした。誤解されたり不便さを感じたりもしつつ“自分なりの普通”を生きている方ばかり。沖田さんの意図はわかりませんが、“やらかし”をコメディータッチで描くことで、特性がチャーミングに、そして発達障害当事者の方々が身近な存在に感じられてくるのです。まるで「発達障害者って特別じゃないんだよ!」と微笑みかけられているように。「うちの旦那、こういうところある!」「私は定型発達だけれど何となくわかる…」そんな風に、自分やご家族と照らし合わせて読むのも楽しいかもしれません。また、発達障害専門家のコラムや対談、沖田さんなりのトラブル対処法も載っているので、自分なりの工夫を見つけるヒントにもできますよ。そうそう、ちょくちょく下ネタが出てくるので、苦手な方はご注意ください!毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で沖田×華著
2016年09月26日'13年からミュージカル『美少女戦士セーラームーン』でタキシード仮面を演じている大和悠河さん。「宝塚を退団してから男役も卒業したつもりでいました。でも、お話をいただいて、武内直子先生の漫画を見たとき、自分が宝塚で培ってきたものを使えて、女の私だからこそ作り上げられるものがあるんじゃないかと思ったんです」それまでは、若い男性俳優が演じてきた役。しかし、宝塚でトップスターとして男役を極めた大和さんの、こなれたタキシードの着こなしや美しいマント捌きは、まさにそのまま少女漫画の世界が舞台に現れたようだった。「宝塚では、メイクや衣装、髪型や立ち方ひとつにしても、自分のいいところと欠点の全部を把握して、どうしたら美しく見えるかを、誰もが自分で考えて、自分でプロデュースしていかなくちゃいけない。だから男役時代には、自分の体型に合ったカッコいいスーツのラインを必死に研究していました。タキシード仮面を演じるならば、武内先生の描く、あのカッコいいシルエットに近づけたいじゃないですか。そのためには、それこそ1ミリ2ミリの調整が重要で、そこにはこだわらせていただいています。幕が開いてから、お客様がどんどん作品にのめり込んできてくださるのがわかって、それがとても気持ちよかったですね」高い美意識を持ちながら、素顔は気さく。タキシード仮面も、カッコいいのに妙にチャーミングなのだ。「昔から、よく下級生から『悠河さんって、カッコかわいいです』って言われていたんです。自分ではわからないんですけど、それが味であるならば、大切にしていけたらなと思います」◇やまと・ゆうが1995年に宝塚歌劇団入団。早くから注目され、'07年に宙組トップスターに就任。'09年の退団後は舞台を中心に活躍。7月にはブロードウェイミュージカル『CHICAGO』に主演のロキシー役で出演、NYでの公演も決まっている。◇ミュージカル『美少女戦士セーラームーン‐Amour Eternal‐』高校生になった月野うさぎ。ある日、皆既日食が起き、デッド・ムーン・サーカス団を名乗る船が現れる。そんななか、地球を守護する聖地エリュシオンの祭司から、地球存亡の危機を知らされ、立ち上がる。10月15日(土)~23日(日)渋谷・AiiA 2.5 Theater Tokyo福岡、大阪公演あり原作/武内直子脚本・演出/平光琢也音楽/佐橋俊彦出演/野本ほたる、大和悠河ほかネルケプランニングTEL:03・3715・5624(祝日を除く月~金曜11:00~18:00)(C)武内直子・PNP/ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会2016※『anan』2016年7月20日号より。写真・小笠原真紀取材、文・望月リサ
2016年07月17日松井玲奈が沖田総司を演じる舞台『新・幕末純情伝』の制作発表会が5月18日、都内で開かれ、松井玲奈、石田明(NON STYLE)、細貝圭、早乙女友貴、味方良介、荒井敦史、伊達暁、永田彬、演出の岡村俊一が登壇した。舞台『新・幕末純情伝』チケット情報本作は劇作家・つかこうへいの代表作のひとつで、新撰組の沖田総司が実は女だったというユニークな着想のもと1989年に上演された。その後も、「この作品は代々、次代のヒロインと言われる方々が(沖田を)演じて、もう30年近くなります」(岡村)というように、広末涼子や石原さとみ、桐谷美玲らが演じ、松井は9代目。沖田の相手役・坂本龍馬は石田明が演じる。松井は本格的な舞台は初挑戦。すでにひとりで殺陣の稽古を始めているそうで「初心者なので。出演者の方々はアクションがすごくできるって聞いて、足を引っ張らないように、いいものを観ていただけるように殺陣の練習はしております」と気合を見せた。石田も「歴史のある舞台。今までやってきた方々に恥じぬよう、なんやったら今までの演者に勝てるように、一心不乱にがんばりたい」と話した。メインのふたり以外はまだ役が決まっていない、という話から岡村は「(石田が4月に)骨折したので、石田くんの役も今考え直してる」と発言。石田が「僕今必死ですよ。骨折を直すために松井秀喜とかベッカムがやっている治療法全部やってるんですから!」と慌てると、共演者は大爆笑だった。岡村は「力のあるものが勝つ、というのはつかさんの遺言」「これは殺し合いの物語なので、誰より誰が強いか、というのが重要」と配役について説明した。会見後、松井、石田、岡村の囲み取材では、岡村は「松井さんは頭がいいんですよ。台本を読んでの印象を聞いても非常に解析力がある」と絶賛。会見中に話題になった石田の骨折については「でも、右手がダメながら左手があるし、左手がダメなら(刀を)口でくわえてもいいし。そういういろんなことが起きても立ってる姿を見せるのが演劇だと思っている」と話した。松井も「(本作の出演が決まり)周りの方からすごいね、楽しみにしてるよって言われて、初めてことの重大さに気付いて。みなさんの期待以上のものにできるように頑張らないといけない」と決意を述べた。つかこうへい七回忌特別公演舞台『新・幕末純情伝』は、6 月23 日(木)に東京・天王洲 銀河劇場で開幕。命日でもある7月10日を挟みつかこうへい縁の東京・紀伊國屋ホール含む3会場で上演。取材・文:中川實穗
2016年05月20日ユーリエは、アニメコンテンツ制作やアニメ関連イベントの開催に必要な費用を募るクラウドファンディング・プラットフォーム「OFSEA.IO(オフセア)」を3月にオープンすることを発表した。それに先立ち、本日10日よりプラットフォーム利用料の割引特典を受けられるプロジェクトの先行募集を開始した。「OFSEA.IO」は、"アニメをもっと楽しむ"をコンセプトに、上質な作品を期待するアニメファンと、より多くの機会を求めるアニメ制作のプロフェッショナルチームの想いを接続する目的で作られた「購入型」クラウドファンディングのプラットフォーム。プロジェクト・オーナーは、プロジェクトの内容、目標金額、支援者へのリターンを設定して公開することで、プロジェクトに必要となる資金をインターネットを通じて広く募ることが可能となる。プロジェクトの掲載料は無料となっており、プロジェクトが成立(目標金額を達成)した場合に「プラットフォーム利用料」が発生する。一方、ユーザーは、興味のあるプロジェクトの「おかえし」を同プラットフォーム上で購入することでそのプロジェクトを応援できる。目標金額に達成した場合、集まった金額からプラットフォーム利用料を除いた金額がプロジェクト・オーナーに届けられるということだ。また、本日2月10日より、2016年6月30日までに開始可能なアニメに関連するプロジェクトを対象とした先行募集の受付を開始している。申込みや問い合わせは、ティザーサイトのフォームより行える。募集期間は3月14日まで(予定)。対象期間中に申し込むと、プラットフォーム利用料の割引特典が受けられるということだ。なお、同サイトではこれまでシルエットのみが公開されていた公式キャラクター「沖田悠(おきた ゆう)」のイメージもあわせて公開された。
2016年02月10日声優の悠木碧が、モンブランやコーヒーゼリーなどの"お菓子擬人化"に挑戦したフォトブック『悠木碧フォトブック Sugary Fairy~季節のスイーツを添えて~』(主婦の友社)が、24日に発売される。『魔法少女まどか☆マギカ』の主人公・鹿目まどかや、『妖怪ウォッチ』の未空イナホ、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』の比企谷小町など、数々の人気アニメで声優を務めてきた悠木は、2011年度の第6回声優アワードでは歴代最年少の19歳で主演女優賞を受賞。アニメ公開を控える『ワンパンマン』で主要キャラクター・戦慄のタツマキ役も決定するなど、声優としてさらなる活躍が期待されている。今回発売されるフォトブックは、雑誌『声優グランプリ』(主婦の友社)で2013年5月号から開始された連載「悠木碧のSugary Fairy」を書籍化したもの。「甘~いお菓子を擬人化したら…」というテーマのもと、さまざまなテイストの衣装に身を包み、わたあめ、ローズジャム、コーヒーゼリーなどの"お菓子の妖精"になりきった悠木を、29パターンも見ることができるという。『悠木碧フォトブック Sugary Fairy~季節のスイーツを添えて~』は、6月24日発売。B5判96ページの仕様で、定価は3,000円(税別)となる。
2015年06月23日ワコムは2月10日、「CGアーティスト森田悠揮ZBrushテクニックセミナー」をデジタルハリウッド駿河台ホールにて開催した。セミナーにはCGアーティスト森田悠揮氏とPixologic社COOのハイミ氏、マーケティング担当のトマ氏が登壇。オークの山田有祐氏が司会を務めた。森田氏の実演に会場が沸いたセミナーの様子をレポートする。○デジタルライブスカルプティングを披露同セミナーは、3Dモデリング制作を行っている人から3Dモデリング制作に興味がある人までの幅広い層を対象に行われた。「ZBrush」はゲームや映像作品の3Dモデリング制作に使われているデジタルスカルプティングソフトウェア。今回のセミナーに登壇した森田氏は、「CG Student Awards 2013」にて、世界第3位を受賞。セミナーでは、ZBrushとペンタブレットを使ったデジタルライブスカルプティングを披露した。また、実演と平行してZBrushの開発元であるPixologic社のハイミ氏とトマ氏がソフトウェアを解説し、質疑応答も実施。会場には液晶ペンタブレット「Cintiq」シリーズのフラッグシップモデル「Cintiq 27HD」を中心とした液晶ペンタブレットを展示し、その場で体験できるようになっており、セミナー終演後には、実際に試してみる参加者の姿も見られた。○「爬虫類っぽい」クリーチャーを作成セミナー冒頭で進行の山田氏が尋ねたところ、来場者の中でZBrushを使っているのは4~5割程度。森田氏はセミナーが行われる1時間半~2時間の間にクリーチャーの頭部を作ると話し、実演が開始された。森田氏が作るのは「爬虫類っぽい」クリーチャーということで、トカゲを意識しながら作ると説明。普段はクリーチャーであれば何の動物をベースに作るかを考え、大量の資料を見て、動物の構図を頭にたたき込んでからさっと作るようにしているとのこと。最初の段階では印象だけを重視しているので、ディテールにはあまり凝らずに進めるのだという。目の周りが決まるとそれ以外の部分も決まるということで、目の周りから重点的に作っていた。会場からの「自分で絵を描くのか」という質問に対しては、デッサンを本格的に習ったことはないが、デッサンは観察力をつけるためにあるため、観察力さえあればできなくても大丈夫だとの回答をしていた。○ZBrush 4R7をPixologic社が紹介森田氏による作業の中盤には、Pixologic社によるZBrushの説明が行われた。ZBrushの特徴は、紙とペンがあれば何かが描けるのと同じように、ZBrushがあれば経験がなくても制作を始められるということだ。「粘土をこねるように作業を進められる」と例えていた。産業分野ではゲーム、映画、マーケットデザインのイラストレーション、製品製作前のコンセプト段階でのアート、テレビコマーシャルなどさまざまな場面で使われており、利用者に合わせて幅広く活用できるという。ハイミ氏とトマ氏は、今回の来日で2月8日に行われたワンダーフェスティバルに参加し、「日本では漫画文化が強い」と実感したとのこと。このほどリリースされた「ZBrush 4R7」についても、いち早く詳細を紹介。ZBrushの特徴のひとつに「ZBrushだけですべての作業が完結できること」があるが、4R7ではそれがさらに強化されたという。○最終的な質感をイメージして作業を進行Pixologic社が「ZBrush 4R7」の説明をしている間に、森田氏の実演も進行。大まかな形が完成。続くディテールでは、質感を考えて作業を進めるという。今回のクリーチャーについては、ぬるっとした首の皮にし、ヒダや顔のシワをつけていた。最終的な質感をイメージしていると作業が早く進むのだという。その様子を見ていたハイミ氏は、球からアウトラインを作っていったことに注目し、「作業をやっていく中で調整を重ねてドラゴン(クリーチャー)ができあがっていった」と話した。トマ氏は作業の早さがZBrushならではであると強調。山田氏は、「デジタルでは、良くも悪くもとことんディテールを突き詰められる」とデジタルならではの特徴を読み取って説明していた。○液晶ペンタブレットは「アナログで制作しているみたい」セミナーの後半では、山田氏が事前アンケートの結果を紹介。会場にいるZBrushユーザーではペンタブレットを使っている人が多いという内容だった。それについて、最近液晶ペンタブレットを買ったという森田氏は、「アナログで制作しているみたいで慣れるとすごく使いやすい。5時間で慣れてしまった」と話した。購入したのは「Cintiq 13HD」だという。メインのディスプレイとミラーリングして使っているという山田氏は、「Cintiq 13HDなら原型を作る感覚のまま、フィギュアを作る感じに近いので良い選択だった」と振り返っていた。そしていよいよ森田氏のクリーチャーが完成。ハイミ氏は「2時間以内で作った作品ではハイクオリティ」と評価していた。森田氏はもともとはモデラー志望ではなく、いろいろなものを作っていたのだという。しかし、クリーチャーを作るのが楽しく、生き物が好きだったことから、現在ではクリーチャーの仕事が9割を占めるようになったそうだ。また森田氏は、日頃から使えそうな質感や造形を頭にストックしておくことの大切さを強調。現存の動物から使える要素を探して、イマジネーションに取り入れておく。実際の作業においては、シルエットが決まれば完成形も見えるため、ディテールにとらわれずに形を突き詰めて、最終的に良い物をつくることを心がけるように意識していると話し、セミナーは幕を閉じた。
2015年02月17日『キツツキと雨』『横道世之介』で高評価を集めた沖田修一監督が新作『滝を見にいく』を完成させた。本作はオーディションで選ばれたプロ・アマ混合の出演者たちが主演で、山の中で迷子になった7人のおばちゃんのサバイバル劇だ。その他の写真本作はそもそも、プロデューサーから「出演者でワークショップをして映画を撮りませんか?」という提案が沖田監督に持ちかけられたところから始まった。しかし、「ワークショップというと若い人のものというイメージなんですけど、40歳の人でも50歳の人でも“新人俳優”というジャンルに入るんだろうな、と思った」という監督は、演技経験を問わずに年配の女性ばかりをキャストに選ぶことにした。「最初はもう少し楽をする予定だったんですけど、キャストの方とワークショップというか稽古をしていくうちに今までの映画と変わらないことに気づきまして、最初は『よーい、スタート』の声をかけないで撮影してみるとか、色々としてたんですけど、結局はこれまでの映画とほとんど変わらない感じで撮影してましたね。みなさん、妙に上手かったんですよね(笑)」。物語は、幻の大滝を見にいくツアーに参加した7人のおばちゃんがガイドとはぐれ、山で迷子になるところから始まる。沖田監督はキャストの個性や特徴を活かしながら脚本づくりをしたそうで「そういう風に俳優にとって有利になるような脚本づくりをしたことも、芝居をしていく上では良かったんじゃないかと思います」と振り返る。「最初からラストは決めていたので、タイトルも『滝を見にいく』にしました。実際に出てくる滝は……自分では面白いと思ってます(笑)。最初はロケハンでもうちょっと荘厳な滝もたくさん見たりしたんですけど、どうしても観光地っぽい感じがしてしまうので、おばちゃんたちが見る滝はこれだろうな、と」。おばちゃんたちが山でのサバイバルを経て、ラストで一体、どんな滝を見ることになるのかも注目だ。商業映画デビュー作『南極料理人』から演技派俳優たちとタッグを組んで、大規模な映画作りを続けてきた沖田監督は「この映画はこれまでとは違った楽しさがあった映画」だという。「オーディションの段階からみんなと色々と話し合いしながらできましたし、自分では映画の規模の大小はわからなくなってきてるんですけど、僕の映画が好きな人って映画の中の“ささいなところ”が好きだという人が多かったりするんですけど、そういうものがつまった映画なので、これまでの映画が好きだった人には楽しんでもらえると思います」。『滝を見にいく』公開中
2014年11月28日開催中の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」において、スカパー!と衛星劇場の主催で行われるプログラム上映で3月1日(土)、映画『南極料理人』が上映され、沖田修一監督がトークショーを行なった。南極観測隊の料理担当で実際に南極に赴いた西村淳のエッセイを元に、ドームふじ基地の観測隊の面々の非日常的な日常をコミカルに描いた本作。本映画祭のメイン会場前に作られたドーム型の特設会場ホワイトロックという、まさにこの映画にピッタリの場での上映に多くの観客が足を運んだ。エッセイの映画化ということで起きた監督は当初「どうやって?」と思ったそうだが、同時に「観測隊をコメディタッチで描いた作品はなかったので面白そうだと思い、ワクワクしながら脚本を書いた」とふり返る。撮影は北海道で行われたが「どこで撮るんだ?と思いつつ、脚本に“大雪原”とか書いて、あとで何とかなるだろうと(笑)。野球のシーン(隊員たちが大雪原で野球をする)は網走湖で撮ってます」と明かした。次々と登場する食事も重要な要素だが「堺(雅人)さんが演じた西村がもてなす感じから、流れの中で食事を通じて“家族”になっていくのを見せたかった」と沖田監督。特に終盤の食事シーンは長回しで撮影されており「堺さんが母、生瀬(勝久)さんが父で高良(健吾)くんが末っ子…」など家族設定を決めた上で進められたが「台本には『いただきます』までしか書いてなかった」とのことで、その後は俳優陣のアドリブで進んだというエピソードも明かされた。本作の後、『キツツキと雨』、『横道世之介』と話題作を送り出してきた沖田監督だが、この秋には新作『滝を見に行く』の公開が控える。この作品のヒロインは「7人のおばちゃん」。これまで全く演技経験のない人も含め、40歳以上の女性を監督がオーディションでキャスティングしたという独特の作品で、78歳の女性、シニア劇団所属の女性、役所の観光課に勤める女性など様々な女性が出演。物語は紅葉狩りツアーに出かけた7人の女性が山で遭難する様子を描いており、沖田監督は「『ゼロ・グラビティ』と同じです!」と宇宙での遭難を描いたアカデミー賞有力作の名を挙げ、会場は笑いに包まれた。撮影は新潟の山奥で行われたが、沖田監督は「台本は書きましたが、オーディションで感じた魅力を組み込んで、約半分、人間半分で描いてます。『グーニーズ』的なことをやりたかった」と語っていた。「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」は3月3日(月)まで開催。(黒豆直樹(cinema名義))
2014年03月02日「子供の頃から、建築家になりたいと思っていた」高橋は、中学校の3年生頃に、ファッションに出合う。反抗期と共に、自分のお小遣いで自ら服を買い始めるが、ちょうどその時期は裏原ブーム、“おしゃれな友達”と人気のあったショップを回っていた。さらに、メンズファッション雑誌の裏原マップを見て、奥の奥まで行こうと友達を誘う。ところが、周りはそこまでする気がなかった。「他の人よりファッションが好き、という気持ちが強いことがわかりました」と、高橋。ぼろぼろのデニムにも自分でヤスリをかけたり、染料を買って染めたりして、手を加えていた。その“好き”は、衣服だけではなく、ジョン・ロブなどの革靴ブームにも影響され、靴職人にも興味を抱くことに。“手でものを作ることが好きな”少年が、将来ファッションデザイナーになることを、無意識に思い描いていたとしても不思議はない。しかし、“ファッションにはまった”少年が、それを仕事とするまでには、まだいくつかの出会いと経験、そして時間が必要だった。高校2年の時、進路を考えるようになった高橋は、建築家という選択肢もありつつ、受験を避けて、中学・高校からそのまま推薦で大学へ。そこで、1年生の時は、油絵や彫刻などの美術から、プロダクト、インテリア、テキスタイルなどのデザインに至るまで、幅広いフィールドから10種類のクラスをとることができた。高橋の旺盛な好奇心を満たすだけではなく、視野を広げることに大いに役だったことは想像に難くない。2年生になると、専攻を決めなくてはならなくなり、テキスタイルデザインを選ぶことに。そのきっかけの一つが、「ミシン屋さんに行って、シャツの縫い方を教えてもらった時に、『これからはテキスタイルの時代』と言われたわけですよ」という。その人が、どういう根拠からアドバイスをしたかは知るよしもないが、的を射ていたことは確かだ。だが、ファッションだけでなく、「同時にインテリアも捨てきれない。両方できるのではという思いもあった」という。若いということは、さまざまな可能性に満ち溢れていることでもある。ファッションデザインに絞られていくには、まだ時間が掛かる。「芸術論の授業をとって、現代アートにも出合い、特にミニマルアートやコンセプチュアルアートにはまりました」。その頃はパリコレにも興味を持ち、好きになったフセイン・チャラヤンの作品について、「蘊蓄(うんちく)を並べていた」という。そういう高橋に、先生からうってつけの大学があると勧められ、2年生の時、大学の国際教育プログラムでテキスタイルコースがあるロンドンのカレッジに留学することになる。3/4に続く。
2013年09月03日女優・桐谷美玲が初舞台にして主演を務める『新・幕末純情伝』の公開稽古と会見が6月21日、都内稽古場にて行われた。本作は新撰組の沖田総司が実は女だったという設定で、幕末の志士たちの青春を描いたつかこうへいの代表作。1989年の初演以来、広末涼子や石原さとみら名だたる女優が演じてきた紅一点、沖田総司役の7代目に選ばれた桐谷。CMやドラマ、ニュースキャスターなどマルチに活躍している彼女の新境地に注目が集まる。『新・幕末純情伝』チケット情報この日、初めて稽古に参加した桐谷は、刀を持つのは初めてと言いながらも報道陣の前で鮮やかな殺陣を披露。「めっちゃ緊張してます。男性の中にひとりだけという環境も初めてなんですよ。最初は慣れない部分もありますが、みなさんいろいろ優しく教えてくださるので助けてもらおうかなと思ってます」と抱負を語った。そんな桐谷の姿をみて坂本龍馬役の神尾佑は「立回りははじめからすぐにできるわけでもなく、練習するのみ。芝居の基礎はできているのでそこは問題ないです。声の質がこの役に合っている」と桐谷を褒め、土方歳三役の鎌苅健太も「今日初めて美玲ちゃんの立回りを見て鳥肌立ちました!儚いというか切ないというか。素敵でした」と絶賛。そばで聞いていた桐谷が恥ずかしそうに俯く場面も。役作りについて訊かれた桐谷は「まずは立回りですね。殺陣がきれいに決まらないとカッコよく見えないので必死にやりたいと思います。(演出家に)腹筋をやっておけと言われたので、1日100回やっています」と意欲をみせた。また、初舞台への挑戦については「この舞台をやり終えた後に、ひとつ自分が進めたなと思えるように一生懸命やりたいです。初めてって1回しかないので。みなさんに温かく見守ってもらいつつ、楽しんで見て欲しいと思っています」と語った。2010年にこの世を去ったつかこうへいの三回忌にあたる今年。新たな『新・幕末純情伝』の誕生に期待したい。公演は7月12日(木)から22日(日)まで東京・シアターコクーンにて上演。チケットは発売中。
2012年06月22日人気小説家・吉田修一著による青春感動巨編を、主演に高良健吾、ヒロインに吉高由里子を迎えて『南極料理人』、『キツツキと雨』の沖田修一監督がメガホンを取り実写映画化する『横道世之介』。このほど新たに、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛ら若手実力派俳優3人の本作への出演が明らかとなった。『悪人』や『パレード』の原作者としても知られる吉田修一の同名人気小説を原作にもつ本作。1980年代を舞台に、上京したての大学生・横道世之介の日常と、彼を取り巻く人々の生活を優しいタッチで描く。今回出演が決定したのは、いまがまさに“旬”の3人。世之介の大学の友達・倉持一平を、『ラスト サムライ』でハリウッド・デビューも果たした池松壮亮、世之介が憧れる年上女性・片春千春を、『ソラニン』や『GANTZ』など話題作への出演が相次ぐ伊藤歩が演じる。そして女性に興味がない世之介の同級生・加藤雄介を、現在放送中のNHK連続ドラマ小説「カーネーション」での活躍で脚光を浴びている綾野剛が演じる。徐々に明らかにされていく映画『横道世之介』の世界。心温まる人間模様を独特のユーモアと世界観で描くことに定評のある沖田監督の指揮のもと、若手実力派俳優たちがどのような化学反応を起こしてくれるのか、公開を楽しみに待ちたい。『横道世之介』は2013年、全国にて公開。■関連作品:横道世之介 2013年、全国にて公開■関連記事:『蛇にピアス』コンビ復活!高良健吾&吉高由里子で吉田修一の青春小説を映画化
2012年03月15日「医療モノということで、“カッコよく”見えてしまうイメージを抱いていたんですが、ここで描かれているのは、ひとりひとりが背負っている人生なんです」――。吉沢悠は、出演作『孤高のメス』をこう表現する。この言葉にこの映画の魅力、そして演技者としての彼の揺るぎないスタンスが表われている。ベストセラー医療小説を実写化した本作。吉沢さんは「自らの素の感情を役柄に重ね合わせながら演じた」と言葉に力を込めた。この“人間ドラマ”に彼はどのような思いで向き合ったのか――?映画の公開を前に話を聞いた。物語の始まりは1989年、とある地方の市民病院に当麻鉄彦(堤真一)という名の外科医が赴任するところから始まる。大学病院に依存し、満足な手術ひとつ行えない腐敗した環境を当麻はその腕で、変えていく。当麻が変えたのは何より、そこで働く人々の意識。吉沢さん演じる青木はまさに、彼との出会いによって自らの生き方を省み、そして変わっていく若き医師である。「大学病院の古い体質があって、その下で働く青木はいろんな思いを抱えつつ、“権威”という壁にぶつかる。当麻との出会いで大きく変わっていくこの人物をしっかりと演じ切れないことにはこの作品のテイストが観る人に伝わらない。そのプレッシャーはありました。と、同時に青木が感じる葛藤は、ひとりの俳優として僕にとっては感じたことのある思いでした。それを生かして演じ切ることができれば楽しいだろうな、という相反する複雑な気持ちでした」。90年代末から2000年代の前半に掛けて、次々と話題のドラマ、映画に出演し、主演も数多くこなしてきた吉沢さんが芸能活動を休止したのは2005年。奇しくも本作で演じた青木と同様にアメリカに渡り、帰国後、俳優としての活動を再開した。役柄に自らを重ねた、という部分についてさらに深く尋ねた。「自分なりの信念を持って俳優という仕事をやっていましたが、やればやるほどに『いまのままでいいのか?』というクエスチョンがついて回るようになった。それはまさに、約束された道を見失った青木そのもの。前半部分の彼に、その当時、自分が抱いていた感情を乗せました。それからアメリカに渡って何より感じたのは、俳優として現場に立てるということは、決して当たり前のことではないのだということ。そう感じたときに無性に俳優をやりたい、演じたいって思えてきたんです。帰国して初めての仕事が映画だったんですが、あのときは本当に嬉しかった。それはまさに、青木が当麻先生を手伝いたくて帰国するときと同じ気持ちでした」。復帰後、彼が出演した映画は『夕凪の街 桜の国』、『逃亡くそたわけ−21才の夏』、『てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜』に本作と物語性と共に、社会への強いメッセージを感じさせるところがあるが…。「決して、それを意識して作品を選んでいるわけではないです。ただ、例えばニューヨークにいる頃、『自分は日本のことを何も知らない』と強く感じて、帰ったら広島に行きたいと思うようになった。そうしたら(広島を舞台に被爆を扱った)映画『夕凪の街 桜の国』のお話をいただいた。不思議なめぐり合わせは感じますね(笑)。常に、観る人に何か良い影響を少しでも与えられたら、という思いはあります。そうした思いがこういう良い循環を生んでいるのかも」。そうした流れに身を投じる中で、映画というメディアへの熱い思いが自身の内側からも沸々とわいて来ていると明かす。「映画人の熱…独特の温度の高さへの憧れは以前以上に強く感じます。周りが見えなくなるような強い思いで、わが子を育てるようにみんなが映画に夢中になっているあの環境は、本当に気持ち良いんです。30歳を過ぎて、ここにいられることが幸せだな、と感じるようになりましたね」。最後に「今後演じてみたい役は?」という質問に「もちろん、当麻先生のような役もやってみたいですね」と語り、「それから…」と、生瀬勝久が演じた、自らの保身しか考えない大学病院の医師・野本の名を挙げ、少し興奮気味にこう続ける。「生瀬さんが仰ってたんです。『俺は、野本という役を“悪”として演じたわけじゃない。一人の人間として演じた結果がこうだったんだ』って。それを聞いて、ああいう役をいつか演じられるようになりたいな、と思いました。僕自身今回、野本という存在に生かしてもらってるんです。そんな深みを演じられるようになりたいです」。(photo:Ryusuke Suzuki)■関連作品:孤高のメス 2010年6月5日より全国にて公開© 2010「孤高のメス」製作委員会■関連記事:堤真一天才外科医役に都はるみのこぶしを聴いて特訓目の前の命を救うため、禁断のオペに挑む『孤高のメス』試写会に15組30名様をご招待小栗旬初監督作引っさげ北海道に!ゆうばり国際映画祭ラインナップに注目来年の東映は『ゼブラーマン2』セクシー衣裳から『桜田門外ノ変』まで注目作ズラリ!堤真一、大組織の悪しき体制と闘う熱血医師に「ヒーローではない、医師を演じたい」
2010年06月23日