「稲沢朋子トークショー&ヘアショー」開催概要「髪STORY vol.4」及び「STORY」5月号の発売を記念して、2017年4月2日(日)14:30から、阪急西宮ガーデンズ4階ガーデンズホールにおいて、「稲沢朋子トークショー&ヘアショー」が開催される。同イベントには、3月27日に発売される「髪STORY vol.4」または、関西エリアにおいて3月31日に発売される「STORY」5月号を、ブックファースト 阪急西宮ガーデンズ店で購入した、先着100名が招待される。トークショーでは、STORY専属モデルとして活躍する稲沢朋子が、自身のヘアスタイルや、ファッション、美容などについて、熱く語る。さらに、神戸のヘアサロン「shiomi H」代表 潮海達矢によるヘアショーや、ヘアカット&スタイリング体験などのイベントも用意されている。MCは、STORYの読者モデルでもある、人気TVレポーター坂田陽子が務める。稲沢朋子のプロフィール1974年2月27日生まれの稲沢朋子は、現在43歳。血液型はA型。所属事務所はアミューズ。読者モデルとして活躍した後、2016年5月号から人気ファッション誌「STORY」のレギュラーモデルを務めている。趣味は、ドライブ、格闘技観戦、ゴルフ、マラソンなど。特技はマリンスポーツというアクティブ派だ。storyweb.jpで掲載中のブログ「どんなときもBIG SMILE!」も人気を集めている。(画像は稲沢朋子オフィシャルブログより)【参考】※storyweb.jp※稲沢朋子オフィシャルブログ※アミューズオフィシャルサイト稲沢朋子プロフィール
2017年03月12日女優・栗山千明が、カンテレ・フジテレビ系の春のスペシャルドラマ「でも、結婚したいっ!~BL漫画家のこじらせ婚活記~」で主演を務めることが決定。腐女子で30代こじらせ独身のBL漫画家役に挑戦する。売れっ子BL漫画家「藤本ハルキ」として締切りに追われる忙しい毎日を送るハルコだが、気付けば今年で34歳。そんな中、学生時代のBL仲間からの結婚報告をきっかけに、アシスタントの立花キリ子(佐野ひなこ)から背中を押され、婚活を始めることを決意する。これまで漫画や妄想の中で男性と関わることはあっても、現実世界ではキリ子をはじめ女性ばかりに囲まれた職場で仕事に没頭してきたハルコは、男性との話し方すら忘れてしまった、いわば「こじらせ腐女子」。同じBLを趣味に持ちながらも彼氏がいるキリ子のアドバイスを受け、ハルコは結婚相談所で大学の数学講師・中野(要潤)、キリ子の彼氏の紹介で猫好きの生田(藤森慎吾)、サバゲー合コンでキザ男・斉藤(斉藤慎二)といった男性たちと次々と出会っていく。しかし、そんなハルコの前に立ちはだかる大きな壁。それは、「単なる趣味ではなく職業として、男性には言いづらいBLを選んだ」という自分自身だった…。果たして、ハルコは本当の自分を認めてくれる運命の男性と出会うことができるのか――?本作は、藤本ハルキの自伝エッセイ漫画「BL漫画家ですけど結婚してもいいですか?」を原作にドラマ化。ボーイズラブ(BL)と呼ばれる男性同士の恋愛に熱中する「腐女子」で、30代&彼氏無しのBL漫画家・藤田ハルコが、婚活に悪戦苦闘する姿を描いたラブコメディードラマだ。今回栗山さんが演じるのは、学生時代からBLをこよなく愛し、才能にも恵まれてBL漫画家になった主人公・藤田ハルコ。ハルコのような腐女子ではないものの、かつては腐女子の聖地・池袋の「乙女ロード」を訪れたことがあるという栗山さん。芸能界きっての漫画&アニメ好きとして知られている彼女が“漫画家”を演じるのは今回が初だそうで、「画力もストーリー作りも含めて漫画家さんはやはり尊敬するお仕事で、憧れというよりも本当に畏れ多い存在です」と漫画家について語る。またハルコについては、「一生懸命仕事に打ち込むうちに、いつしか結婚に対して焦りや不安を覚える女性も結構多いと思います。そういった意味でハルコは今っぽい女性で、私自身も共感しやすいですし、ご覧になる方にもすごくなじんでもらえる女性」と説明し、「ハルコに共感したり、ドタバタを笑ったり、色んな楽しみ方があると思いますが、最後は『良かったね』と思ってもらえる作品になっています。ぜひお楽しみください!」とアピールした。そのほか共演には佐野ひなこ、要潤、「オリエンタルラジオ」藤森慎吾、「ジャングルポケット」斉藤慎二が出演する。「でも、結婚したいっ!~BL漫画家のこじらせ婚活記~」は4月4日(火)22時~カンテレ・フジテレビ系にて放送。(cinemacafe.net)
2017年03月05日OL兼漫画家として唯一無二の作風で活躍するカレー沢薫さんの連載コラム登場!徹底した猫至上主義の価値観で考える「猫と男」とは?その辺のダメ男に引っかかっている女性陣。出会いがないと嘆いているあなた。猫の前では男なんて無価値かも?■第3回「男を捨てよ猫を飼おう」今回のテーマは「男を捨てよ猫を飼おう」だ。完全に「書を捨てよ町へ出よう」のパクりであり、それが言いたかっただけで以降のことを全然考えていないのだが。世間では「猫を飼う」と「男と付き合う」という行為は食い合わせが悪く「猫を飼うと婚期を逃す」とさえ言われているようだ。己の行き遅れをおキャット様のせいにする根性からして結婚できるわけがない、と言いたいところだが、これはもちろん飼っている女がそう言っているわけではない。「何としてでも女の行き遅れは悪いものであり、結婚しない女は、餓死、凍死、孤独死、爆散するものであり、その理由は猫なんか飼っているからだ勢」が言っていることだ。では何故「猫を飼うと婚期を逃す」のか、挙げられている理由を述べよう。・「早く帰って猫の世話をせねば」と誘いを断って帰ってしまう・猫と別れるなら死んだ方がマシ、猫と別れるのが条件の結婚なら男と別れる。・正直、心の充足は全て猫が与えてくれるので男などいらない。徹頭徹尾「どこが悪いのかわからない」話だ。何が「要注意!猫を飼うと婚期を逃す!?」だ、お前が要注意だ(夜道、猫飼い女に後頭部をバールのようなもので殴られると言う意味で)という話である。さて、冒頭の「捨てる」と言う行為だが、悲しいことに世の中には猫などペットを捨てる人間がいる、そういう人間は来世、ヘルニアの人の軟骨に生まれ変わるとして、なんにしても「猫(ペット)を捨てる」という行為は許されるものではない、もしSNSで「ペット捨てちゃいました」などと投稿したらフォロワー数がマイナス8兆ぐらいになる。では「男を捨てる」という行為はどうか、これは場合によっては称賛される。「ヒモ男を捨ててやった」全く無関係な人間でさえ胸が梳く言葉だ。戦国の世で言えば「大将首をとった」ぐらいの手柄である。そもそもおキャット様というのも「衣食住の全てを飼い主に依存している」と言う点のみで言えばヒモ野郎と同じだ。しかし、ヒモを捨てれば褒められるが、おキャット様を捨てて褒められることはまずない、人間的に軽蔑されるだけだ。だったら褒められる方を捨てよう、という話である。部屋が片付く、さらに褒められる、一石二鳥というやつだ。現代の女性に必要なのは「結婚しないと不幸」などという呪いよりも、こういった「合理的な考え」である。プロフィールカレー沢薫OLであり漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。最新著作『ブスの本懐』(太田出版)を2016年11月16日に発売。
2017年02月26日OL兼漫画家として唯一無二の作風で活躍するカレー沢薫さんの連載コラム登場!徹底した猫至上主義の価値観で考える「猫と男」とは?その辺のダメ男に引っかかっている女性陣。出会いがないと嘆いているあなた。猫の前では男なんて無価値かも?■第2回「猫を飼っている男性芸能人」さて今回の「猫>>>>>>>(越えられない壁)男」のテーマは「猫を飼っている男性芸能人」である。これは、猫を飼っている男性芸能人をネット情報で見つけ出し、瞬時にファンになろうという企画だ。話は変わるが、皆さんは好きな芸能人は?と聞かれて即答できるだろうか。私はできない。好きな二次元キャラは、と問われたら10人ぐらい言えるし、今の一押しは刀剣乱舞のへし切長谷部だ。誰にも聞かれてないが、言いたいから答えた。そもそも、そこまで人に興味を持たれることがないので、そんな質問されることすらないのだが、備えあれば憂いなしであるし、猫を飼っている芸能人を応援することには大きな意味がある。おキャット様の飼い主が食いっぱぐれるということは、おキャット様もそうなるということなのである、それは由々しき事態だ。おキャット様を飼っている芸能人には恒久的な人気を誇ってもらわなければならない。よって猫を飼ってる芸能人のファンになるというのは、間接的におキャット様を養っているということなのだ。皆、差はあれ、好きな芸能人の熱愛や結婚にはメロスのように敏感だろう。自分がつぎ込んだ金が、得体の知れない女の顔面に注射されるヒアルロン酸になっていたかと思うと、心中穏やかではいられない。しかし、自分の投資がおキャット様が寛ぐ床暖房の板一枚になっていると聞いたら「より励もう」と思えるだろう。さっそく「猫 男性芸能人」でググってみたのだが、猫を飼っている芸能人より「猫顔男性芸能人」という唾棄すべき情報が先に目についた。何度でも言うが、おキャット様は唯一無二の存在であり、他はそれ以下だし、それ以上は存在しない。人間如きの属性に猫を使用するなど恐れ多い。「あたし猫っぽいってよく言われるんです」という自己アピールは、猫好き男子には逆にマイナスだ。気を取り直して「猫好き男性芸能人」で調べて見たが、これが意外なほど出ない。しかしよく考えてみたら、芸能人という不規則かつ、家を何日もあけることがありそうな職業で一人暮らしだった場合、ペットを飼うと言うのはなかなかハードルが高い気もする。むしろ、1人暮らしと言われている男性芸能人がペットを飼い始めたら要注意かもしれない。熱愛のサインというものは意外なところから出ているものである。色々検索してみて一番情報が出てきたのは「爆笑問題の田中裕二」だった。確かに愛猫との写真も多数見つかったのでこれはガチだろう。しかし彼の場合、今更私が応援しなくてもいいぐらいのポジションだ、逆にこっちが応援してもらいたい。あとタモリが猫を飼っているという情報もあったが、さらに応援がいらない、すでにアガリに近い存在だ。できればもっと若手、まだこちらが買い支えねばと思える人材がいい。そこで見つけたのが「栗原類」だ。かなりいい、佇まいや雰囲気も他人事とは思えない。しかも「猫アレルギーなのに猫を飼っている」というのもポイントが高い、その心意気や良しだ。しかし猫アレルギーの症状がどの程度かは知らないが、結構つらいのではないだろうか、鼻が詰まっているというだけで、人は実力の半分も出せなくなる。しかし逆に言えば「だからどうした」とも言える。おキャット様を養えるのであれば、目鼻どころか、耳から謎の液体を出すことすら厭わない、それが猫好きだ。猫アレルギーは人間の都合であり、おキャット様には関係ない、ならば猫アレルギーでも猫を飼うべきと言える。といわけで2017年、好きな芸能人はと言われたら「栗原類」と即答することにした。しかしこういう、おキャット様のために常人ではやらないことをやっている人間がいるため「猫好きは変わっている」というイメージがつくのかもしれない。プロフィールカレー沢薫OLであり漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。最新著作『ブスの本懐』(太田出版)を2016年11月16日に発売。
2017年01月29日栗山千明主演で昨年4月から放送され、男女6人が織り成す“禁断の恋模様”が話題となったドラマのスペシャル版となる「不機嫌な果実スペシャル~3年目の浮気~」の後編が、1月13日(金)今夜放送される。発刊当時単行本の帯に記された「夫以外の男とのセックスは、どうしてこんなに楽しいのだろうか。」というフレーズも衝撃を呼んだ林真理子による同名不倫小説を約20年ぶりにドラマ化、2016年春から金曜ナイトドラマ枠で放送された「不機嫌な果実」。主人公の水越麻也子を栗山さんが演じるほか、麻也子の不倫相手でその後再婚した工藤通彦には市原隼人、麻也子の元夫・水越航一には稲垣吾郎、麻也子の大学時代からの友人で航一と不倫、後に晴れて恋人となった竹田久美には高梨臨といったキャストが出演、そのドロドロした人間模様が放送当時「登場人物がクズばかり」とネットで話題になったのは記憶に新しい。そして今回前後編で帰ってきたスペシャル版では連ドラから3年後を舞台に、南沢奈央演じる通彦の音大の生徒・神崎葵や、山本裕典演じる長身イケメン農園家・相馬宏人ら新たなキャストも登場、出演者たちの“3年目の浮気”が描かれていく。先週の前編放送後には「登場人物、みんなクソだーーっ!笑」「人信じれなくなる日々疑って生きちゃう」「観てるのが辛い」などという声はもちろん「相馬さんばり素敵やん。あんな運命的な出会いしてみたい」「まやこの気持ちも物語の話もちょー共感できる」「あんなことされたらすぐ落ちるわ」といった“不倫願望”ともとれるコメントも。昨年各所で話題となった“不倫”というテーマに対する視聴者の熱い注目ぶりが感じられた。今夜放送の後編では麻也子が猛アプローチをかけてくる相馬とクリスマスイブに食事するも、同じレストランには元夫・航一が。一部始終を目撃した航一は目の前の恋人・久美をおざなりにし、たまらず麻也子に詰め寄る。結局麻也子は相馬の誘いを断るが相馬は強引に家まで送るといい同伴。しかしここでも夫の通彦と鉢合わせするという“ついてない巡り合わせ”が。しかも通彦は音大の教え子・葵と一緒。気まずさとショックで言葉を失う麻也子は通彦と口論になり、記入した離婚届を置いて家を飛び出す…という展開に。橋本マナミら連ドラからのキャストに加えMEGUMIといった新キャストも共演。麻也子が最後に選ぶのはどんな道なのか。今夜“3年目の浮気”に決着は着くのか?放送をお見逃しなく。「不機嫌な果実スペシャル~3年目の浮気~」後編は1月13日(金)23時15分よりテレビ朝日系にて放送。(笠緒)
2017年01月13日フランスの劇作家ジャン・ラシーヌによる名作古典劇『フェードル』が、大竹しのぶ主演、栗山民也演出で2017年春、新たに構築される。古代ギリシャ詩人エウリピデスの悲劇『ヒッポリュトス』ほかから題材を得て創作された物語では、主人公フェードルの罪深い恋心を発端に、人間たちの疑惑、嫉妬、策略といった激情のうごめく様が、強靭で美しい言葉の応酬によって描かれていく。演出の栗山は「古典に惹かれるのは、今の演劇の言葉の力が弱くなっていると感じるから」と語り出した。本作へのこだわりは、20数年前にアヴィニヨン演劇祭で出会った舞台から始まっていたという。舞台『フェードル』チケット情報「その『フェードル』を観て、まんまとやられた!と感じたんです。それは、“劇作家の書いた言葉を、俳優が声にして表す”という作業が実に素晴らしい形で成し遂げられていたから。ラシーヌ作品の特徴である、アレクサンドラン(一行を12音節で成す韻律)で書かれた力のある言葉たちを、中には気持ちよく歌ってしまう俳優もいる。でも、その音韻に従いながらも、より人間性を表明していける俳優は当然評価されるし、見ていてわかるものです。今回、その“力を持った言葉”のハードルを飛び越えることで、もう一度、演劇とは何だろうということを見つめてみたいと思ったんですね」音楽劇『ピアフ』ほかで何度もタッグを組んでいる大竹については、『ピアフ』を構築している最中にも「この顔はフェードルだな。フェードルのあの台詞を言ったらピッタリだろうな」と感じていたそうだ。フェードルが恋心を燃やす相手、継子のイッポリット役・平岳大を「古典的なたたずまいを持った俳優。この芝居には立ち姿の美しさ、風格が必要」と評し、イッポリットの愛を受ける敵国の王女アリシー役・門脇麦には「鋭さがあってアウトサイダーな匂いのするところが面白い」と期待をかける。層のある言葉に立ち向かう出演陣に望むのは、何よりも声の確かさだ。「これは告白の物語なんです。誰もが告白し始めたら、とにかく長い(笑)。現代劇ならこんなにくどくどとしゃべらないけれど、でもそれが美しい。ものすごく透明でピュアなところから始まり、どんどん狂気に変わっていく。あきらかにこの作品は等身大では演じられません。それでも同じ人間ならば、どこか自分たちの眠っている感性の中に、役と同じものをみつけられるかもしれない。芸術の世界はそういうものでしょう。到達なんてし得ないし、し得なくていいと思う。欲望を持って探っていく作業が重要なのですから」濃密な探求から立ち上がるドラマ、その熱風を早くも感じずにはいられない。「僕にだって作品の全部はわからない。だけどものすごい魅力のある、読んでいてドキドキする作品です。これが俳優の声になった時、もっとすごいものに生まれ変わるだろうな。早く稽古で本読みをやりたいですね」公演は4月8日(土)から30日(日)まで東京・シアターコクーンにて。その後、新潟、愛知、兵庫を巡演。チケットの一般発売は1月21日(土)午前10時より。取材・文上野紀子
2017年01月06日栗山千明、市原隼人、高梨臨、稲垣吾郎らの共演で昨年4月から放送されたドラマ「不機嫌な果実」がスペシャルドラマで復活、「不機嫌な果実スペシャル~3年目の浮気~」として1月6日(金)今夜と13日(金)の2週にわたって放送される。本シリーズは林真理子が週刊文春で連載した同名不倫小説を約20年ぶりにドラマ化したもの。栗山さん演じる人妻・麻也子が、稲垣さん演じる夫・航一に女として見てもらえなくなって結婚生活への不満を募らせ、市原さん演じる情熱的な音楽評論家・通彦と“禁断の愛”に溺れていく様を描いた大人の濃厚ラブストーリー。男女6人が織り成す“禁断の恋模様”が話題となった。昨年の連続ドラマ最終回で麻也子は通彦と再婚、高梨さん演じる親友の久美が航一と不倫から恋人に、橋本マナミ演じる玲子も六角精児演じる夫の茂と夫婦仲を修復、ラストシーンでは「もう不倫は卒業!」と固く誓い合っていたはずだったが、それから3年、今回のスペシャルではそんな彼女たちに“3年目の浮気”のシーズンが訪れる。通彦と再婚して3年、麻也子は派遣社員として働きながら収入の少ない夫を支えていたが、通彦は金銭感覚が鈍く将来に対して根拠もなく楽天的に過ごす日々。そんな麻也子だが派遣切りの対象になって結婚生活に再び不満を募らせていく。一方、航一と付き合っている久美も、いつまで経っても麻也子の名を口にする航一に対し不満が増殖。激しい嫉妬を覚える久美は“恐ろしい策略”を練り始める。久美が経営するワインバーでバイトを始めた麻也子は、路上で通彦が非常勤講師として勤める音大の生徒・神崎葵(南沢奈央)に抱きつかれているのを目にする。通彦の浮気疑惑に動揺する麻也子だが、久美のワインバーにイチゴなどを卸している長身イケメン農園家・相馬宏人(山本裕典)と出会い、その粗野な男らしさに惹かれていく…というストーリー。通彦を誘惑する音大生役の南沢さん、野性的で筋肉質、長身イケメンの農園家役という山本さん、さらに麻也子の前に突然姿を現す謎の女・夏希役でMEGUMIと新たなキャストも加わって、物語はよりドロドロした様相を呈していく。放送当時ネットで「登場人物がクズばかり」と言われた本作だが、3年経っても“クズ”ぶりは抜け切れてない様子。彼らの織り成す“3年目の浮気”の行方をその目で見届けて。「不機嫌な果実スペシャル~3年目の浮気~」前編は1月6日(金)23時15分より、後編は1月13日(金)23時15分より、2週連続でテレビ朝日系にて放送。(笠緒)
2017年01月06日女優の栗山千明が24日、東京・六本木のテレビ朝日で行われた同局系スペシャルドラマ『不機嫌な果実スペシャル~3年目の浮気~』(1月6・13日23:15~)のクリスマスイヴ・イベントに登場。共演するSMAP・稲垣吾郎について「今回も大活躍です!」と見どころを語った。このドラマは、今年4~6月に放送され、ドロドロの不倫愛憎劇を描いたもの。今回のスペシャルは、その3年後を舞台にした物語で、主演の栗山のほか、稲垣や市原隼人、高梨臨といったメンバーが再集結し、あちこちで禁断の三角関係が発生してしまう。稲垣は、栗山演じる麻也子の元夫・航一役で、極度のマザコンで潔癖症という役柄だが、今回のスペシャルでは、麻也子の親友・久美(高梨)と交際中。稲垣はこのイベントに登場しなかったが、栗山は「大活躍なので、ご期待ください」と、代わりにアピールした。栗山は、スペシャルの制作を聞いて「純粋にうれしいという気持ちが大きかったですね」と喜んだそう。「今回も連ドラ以上に白熱したバトルがあるので、撮影中も緊張していました」と現場を振り返った。今作では、麻也子の心を奪う農業男子・宏人役で、山本裕典がドロドロ劇に加入。山本は、麻也子の夫・道彦役を演じる市原に憧れて芸能界に入ったそうで、今回の共演に「よしっ!」とうれしかったそうだが、不倫劇という作品を考えて、「絡みだしたらちょっと恥ずかしいな…」と手放しには喜べなかった様子だ。それでも、山本が「市原君と今日一緒のシーンだ!」と喜んでいたら、栗山に嫉妬されたそうで、栗山は「市原さんが現場にいるときのテンションと、私とのシーンのテンションが違うんです」と不満顔。共演者同士のまさかのドロドロ関係が垣間見られ、2人の愛の板ばさみにあった市原は「番外編、次のスペシャルで」とまとめて会場の笑いを誘った。このイベントには、道彦を誘惑する女子大生役を演じる南沢奈央も出席。「"禁断の恋感"がすごくて、現実ではできないことなので、ちょっと楽しんでやらせていただきました」と、率直な感想を語っていた。
2016年12月24日OL兼漫画家として唯一無二の作風で活躍するカレー沢薫さんの連載コラム登場!徹底した猫至上主義の価値観で考える「猫と男」とは?その辺のダメ男に引っかかっている女性陣。出会いがないと嘆いているあなた。猫の前では男なんて無価値かも?■第1回「猫を飼っている男の特徴」このコラムのテーマは「猫と男」だ。おそらくこのコラムを読んでいる3人中5億人が「男いらなくね?」と思っただろう。そもそも唯一神である猫(以下おキャット様)と人間如きを同列に語ろうというのが間違っているので正式なタイトルは「猫>>>>>>>>>>>越えられない壁>>男」であり、略して「猫と男」だ。「と」はどこから来た、という話は置いておいて、ならおキャット様の話だけすればいいと思われるかもしれないが、まずはこのサイトの全貌を見て欲しい。「男、女、結婚、恋愛」以外の話は許さないという雰囲気だ。それでもおキャット様の話をするために、男という蛇足を付けざるを得なかったのだ、どうか許して欲しい(今のはおキャット様への謝罪であり貴様らに謝ったわけではない)。まず第一回目のテーマは「猫を飼っている男の特徴」だ。別に、考え得る限りでもっともつまらないテーマを選んだわけではない、やる気はあるのだ。まず猫を飼っている男の特徴だが、例外なく言えるのは「いい奴」である。これは「猫ちゃん好きに悪い人はいないょ」という虫歯になりそうな思想ではない、おキャット様を飼う、という重責を担う男が悪かったら困るからだ、だから例外なくいい奴でなくてはならない、これは義務だ。しかし、ここで言ういい奴、というのは人間的にという意味ではないし間違っても「女にとっていい男」という意味ではない。女を風呂に沈めた金で、おキャット様にカナガンのキャットフードを献上しているとしたらそれは「いい男」である。よって猫を飼っている男は例外なくイイ奴なので、女性は安心してつきあい、どんどん貢いで、おキャット様が三食シーバプレミオを食えるようにしていただきたい。猫を飼っている男がいい奴だということはわかったが、ではその性格はどういったものだろう。さっそく「猫好き男特徴」とインターネットに聞いてみた。もちろん「○○だから●●」と断言できることなどほぼないため、薄らぼんやりとした情報しか得られなかったが、一番多かったのは「猫好き男は性格も猫系」というものだった。勘違いされては困るが、おキャット様の性格というのはおキャット様にしか許されない、人間がまねをしたら万死に値する。そもそも猫系の性格とはなんだというと「自由でマイペース」ということである。確かにそういう性格の人間は男女問わずにいるが、少なくともペットを飼う以上ペットに対してだけはキッチリした性格でないと困る、日頃からおキャット様に対し細やかなケアを行い万が一体調を崩されていたら速やかに病院へ連れて行かなければならない。逆に言えば、それ以外に対してはマイペースで構わない、手作り弁当を持ってきた女を前にドミノピザに電話をかけるぐらい自由でいい、許す。つまり、猫飼い男と付き合うときは、自分よりおキャット様を優先されても「それが当然」と思えなければいけないのである。プロフィールカレー沢薫OLであり漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。最新著作『ブスの本懐』(太田出版)を2016年11月16日に発売。
2016年12月22日主演の木村拓哉をはじめ、福士蒼汰、市原隼人、戸田恵梨香、北村一輝、栗山千明、満島真之介、市川海老蔵ら豪華キャストで贈る『無限の住人』。この度、市原さんと栗山さんの劇中カットが初解禁された。かつて100人斬りと恐れられた伝説の人斬り万次。罠にはめられ妹を失い「生きる意味」を失ったとき、謎の老婆に無理やり「永遠の命」を与えられてしまう。斬られた傷は、勝手に再生、死にたくても死ねない「無限の体」になってしまった。生きるには十分すぎるその時間は、剣術の腕も鈍らせ、彼は永遠の時をただ孤独に生き続けるだけだった。ある日親を殺され、仇討ちの助っ人を依頼をしたいと現れた少女。だがそれは、不死身の万次をも追い込む予想外の戦いの始まりだった――。原作は、その圧倒的な画力と斬新な殺陣描写により「時代劇」というジャンルを超えたアクションコミックとして話題を呼び、累計発行部数750万部を突破した沙村広明によるカリスマコミック。監督は、『クローズZERO』シリーズや来年公開予定の『ジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない 第一章』も手がけ、国内外で高い評価を受ける三池崇史。海外も視野に入れた作品としても大きな期待がかかっている。このほど到着したのは、木村さん演じる不死身の用心棒・万次と雇い主・凜に共闘を持ち掛ける「無骸流」の剣客ふたりを演じる、市原さんと栗山さん劇中カット。市原さんが演じるのは、逸刀流を狙う集団「無骸流」に所属し、己の欲望だけに生きる極悪非道の銀髪剣士・尸良。福士さん演じる天津影久を倒すべく、用心棒・万次と雇い主の少女・凜に共闘を持ちかける役どころだが、実はある思惑が…。解禁された場面写真からは、凄みのある表情から尸良が底知れぬ強さと恐ろしさを持つキャラクターであることが伺える。市原さんは今回の役どころについて、「間違いなくこれまで演じたことのない最恐の役」と語る。また、武士の情けどころか、常識も一層通用しないキャラクターということで、「ここまでやっていいのかなと演じていて気持ち良かったです。観ているお客さんが、出てくる度に『うわ、めんどくせぇな』とか『うわ、出てくんなよ』と思って頂けたら嬉しいです」とコメントしている。一方、栗山さんが演じるのは、尸良と同じく「無骸流」に所属する姉御肌の金髪美女剣士・百琳。今回は黒髪を封印し、原作通りの金髪に染め上げて撮影に挑んでおり、場面写真の眼光鋭く異様な姿は、尸良と同様に測りしれない恐ろしさを漂わせ、万次にどんな罠を仕掛けるのか?と期待せずにはいられない。果たして、剣客2人の思惑とは…!?彼らの仕掛けた“規格外の罠”で万次を完全包囲!不死身の男と少女・凜の運命はいかに?『無限の住人』は2017年4月29日(土・祝)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年11月18日今年4月期に放送された「不機嫌な果実」が、来年1月に「不機嫌な果実スペシャル~3年目の浮気~」として放送されることが決定。また栗山千明、市原隼人、高梨臨、稲垣吾郎らお馴染みのキャストも再集結することも分かった。原作は、林真理子の同名不倫小説。夫・航一(稲垣吾郎)に女として見てもらえなくなり、結婚生活への不満が募った人妻・麻也子(栗山千明)が、情熱的な音楽評論家・通彦(市原隼人)と“禁断の愛”に溺れていく様を描いた大人の濃厚ラブストーリーだ。「夫だけでは、満たされない」。そんなセンセーショナルなキャッチコピーとともに幕を開けた本ドラマは、理屈では割り切れない感情と欲望を胸に秘めた男女6人の“禁断の恋模様”を赤裸々に描き、ネット上でも「登場人物がクズばかりなのに、楽しい!」と話題になっていた。前作の最終回では、麻也子は通彦と晴れて再婚し、親友・久美(高梨臨)は航一と不倫関係から“堂々たる恋愛関係”へとステップアップ。そして、不倫三昧だった玲子(橋本マナミ)も夫・茂(六角精児)と夫婦仲を修復するなど、それぞれ落ち着くべきところに落ち着いた3人の女たち。通彦が航一も真っ青のマザコンだったことが判明したり、久美と航一の母・綾子(萬田久子)の熾烈なバトルが始まったり…と、順風満帆とまではいかないものの、幸せを手にした彼女たちはラストシーンで「もう不倫は卒業!」と固く誓い合っていた。今回のスペシャルでは、それから3年、女たちはやっぱり満たされなかった…!?という愛し合っていた夫婦やカップルに必ずと言っていいほど訪れる危機=3年目の浮気を描いていく。それぞれがお互いに少し飽き、不満を抱え、またもや一線を踏み越えてしまうことから、物語は始まりまり、前作以上にドロドロとした展開になっていくようだ。主人公・麻也子役の栗山さんは、前回の連続ドラマの撮影は楽しかったので、スペシャルが決定して本当に嬉しいと喜び、「今回も恋愛に友情に盛りだくさんになるようです。より楽しんでいただけるように、スタッフさんキャストの皆さんに支えていただきながら、息を合わせて体当たりで臨みたいと思っています」と意気込み。久美役の高梨さんは「スペシャルで戻ってくると聞いたときは正直、驚きました。連続ドラマのときは最初こそ、初めての大人な役に少し戸惑いもありましたが、だんだん悪女の久美を演じるのが楽しくなっていました。スペシャルドラマで、また久美を演じられるのが楽しみです」とコメント。さらに自身の役柄を「“大嫌いだけど、大好きな人”みたいな存在」と語った稲垣さんは「そういう自分の中の“ある種の違和感”を、今回も思う存分楽しみたいと思います。主人公をハチャメチャにかき回すクセモノを、皆様の期待に応えられるよう演じたい」と話していた。さらに、今回は新キャラクターとして、野性的で筋肉質しかも長身イケメンの農業男子が出現!現在の夫・通彦には無い雄々しさを持った彼に、麻也子はついつい…。また、お互いうまくいかない現実を抱えたまま、麻也子と航一が再会。“あわや復縁か!?”という状況が導かれる中、前作でも視聴者を恐怖のどん底に陥れた久美の“憎悪の火”が再燃し、阿鼻叫喚の女のバトルが繰り広げられる。一方、麻也子の夫・通彦にも新たな動きが!非常勤講師として勤めている音楽大学の教え子が、“進路相談”と称して急接近。麻也子一筋の通彦、一体どうする!?あちこちで繰り広げられる“禁断の三角関係”。果たして、麻也子らの本能はどう反応し、一体どんな答えを出すのか?決して他人事ではない彼らの動向に今回も目が離せない。「不機嫌な果実スペシャル~3年目の浮気~」は2017年1月、テレビ朝日にて放送予定。(cinemacafe.net)
2016年11月05日女優の栗山千明が、11日に放送された日本テレビ系バラエティ番組『行列のできる法律相談所』(毎週日曜21:00~21:54)にゲスト出演。お笑いコンビ・ロッチの中岡創一のことを「受け付けられない…」と本気で嫌がった。今回のテーマは「私が嫌われている人実名発表」。過去に同局の『PON!』でロッチが栗山にインタビューした際、ロッチのどちらがタイプかという質問に栗山は「コカドさん」と即答するなど中岡に冷たく接したといい、「苦手なタイプだったので、思わずキツく接してしまいました。絶対嫌われちゃったと思います」と振り返った。相方のコカドケンタロウとともにVTR出演した中岡は、「受け付けないと言われるのはある意味慣れっこ。ただ栗山さんの目つきが本気だったので、ほんまに苦手なんやなと気付きました」と当時を回顧。「栗山さんのことは、嫌いではないけど好きなタイプではない」と上から目線で話した。また、「(栗山のことを)いろいろ調べさせてもらった」と切り出し、「緊張しいだと。僕も緊張よくするので、その点では話が合うといえば合う」「あと匂いフェチ。自分も独特の匂いを発しているので友達にはなれるんちゃうかな」「ドラマで濃厚なラブシーンを見たけど、プライベートもあんな感じだったらうまいこといくかも」と好き勝手に発言。コカドが「正式に事務所通じて怒られたらええのに」と突っ込んだ。これに見た栗山は「あの…やっぱ受け付けられない…」と顔をしかめ、「見た目だけじゃなくて、コメントを含めて…」と告白。MCの宮迫博之が「見た目だけじゃなかったらあいつどうしようもない。せめて見た目だけにしてあげて」と同情すると笑いが起こった。
2016年09月12日声優の沢城みゆきが、この秋、完全新作で蘇る『デスノート Light up the NEW world』に新たに登場する真っ白な姿の死神・アーマの声を務めることが決定した。犯罪のない社会を目指し、デスノートで世界を変えようとしたキラこと夜神月。暴走する彼を阻止しようとした世界的名探偵・L。天才VS天才の対決から10年経ったある日、世界中のネット回線がジャックされ、キラによるメッセージが発信された「デスノートを手に入れろ―」。死神により地上にもたらされた6冊のデスノート。同時多発的に発生する大量の殺人事件。そんななか、三島(東出昌大)が率いるデスノート対策本部に、Lの後継者・竜崎(池松壮亮)が加わり、無差別殺人事件の現場で1冊のデスノートを手に入れる。一方、その現場には、キラの信奉者・紫苑(菅田将暉)の姿が。いま、それぞれの譲れない“正義”を懸けた、3人の壮絶な頭脳戦が始まる──!死神・リュークの声を、歌舞伎役者の中村獅童が続投する本作。今回、本作に新たに登場する死神の“1人”となるのが、死神・アーマだ。原作の“シドウ”をベースにデザインされ、漫画原作の小畑健監修のもと、制作が行われた。VFXアドバイザーを務めた土井淳氏は、前作映画から10年を経ていることもあり、リアリティを追求し存在感のある死神を目指したという。「色気と美しさのある死神」という佐藤信介監督からの要望もあり、その要素をどうデザインに落とし込むか、描いては壊しが繰り返された。そうしてでき上がったアーマは、死神の“友達”を持たず、むしろ人間にシンパシーを感じているようなキャラクターで、マスカットが好物。「まあね」が口癖で、仕草や話しぶりもエレガントな、“女性”の死神だ。そんな愛嬌がある死神・アーマに息を吹き込むのは、 「べるぜバブ」(ベル坊)、「HUNTER×HUNTER」(クラピカ)、「テガミバチ」(ラグ・シーイング)、「GO!プリンセスプリキュア」(紅城トワ:キュアスカーレット)ほか、ナレーション、洋画&海外ドラマ吹き替え、舞台でも活躍中の沢城さん。「週刊少年ジャンプ」作品でお馴染みの沢城さんは、「佐藤監督からお声がけいただきまして、なんとも豪華な俳優陣の中に、恐縮ながら参加させていただくことになりました」と真摯にコメント。「死神ってこういうもの、という何か共通項があるのかなと思っていたら、私たち人間同様、本当に三“神”三様だったのが印象的です」とふり返っている。果たして、沢城さんが声を務めるアーマは、誰にデスノートをもたらすのか!?先日解禁となった本予告には、“金色”の新たな死神も映りこんでおり、リュークに関しては獅童さんのフェイシャルキャプチャーが行われ、よりリアリティを追求したという本作の死神たち。フルCGによって誕生する、“演技派”な死神たちの活躍もまた見逃せない。『デスノート Light up the NEW world』は10月29日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年09月12日映画『秘密 THE TOP SECRET』に出演する栗山千明と大友啓史監督が8月18日(木)、都内劇場で上映後の舞台挨拶に登壇し、公式サイトに寄せられた質問や映画を観終えたばかりの観客からの質問に答えた。生田斗真、岡田将生、松坂桃李ら人気俳優陣をメインキャストに迎え、清水玲子の人気漫画を映画化した本作。死んだ人間の記憶を映像化するという最新の技術を駆使してある事件の解決に挑む警察内のエリートチーム“第九”の面々の活躍を描く。栗山さんは、監察医として第九を支える女医の三好雪子を演じている。雪子の死んだ恋人・鈴木(松坂さん)は、主人公の薪(生田さん)の親友で、彼と共に第九を創設したメンバー。捜査で、ある殺人鬼の脳内の記憶を見たことをきっかけに錯乱し、薪に自分を撃つように迫り、最終的に薪によって心臓を撃ち抜かれて死んだ男でもある。そんな複雑ないきさつがあるにもかかわらず、事件後も第九のそばで監察医の仕事を続ける雪子について栗山さんは「私だったら、仕事を辞めるか移るかして、逃げてしまうと思います。受け止められないし、そこにいる限り忘れられずに苦しむと思う」と語る。一方で、それでも残ることを決めた雪子の心理について「それ(=苦しみ)以上に、見守りたい、見続けないといけないという使命感を持っているんだと思う」と分析する。栗山さんがクランクインした日に行なわれたのは、薪が鈴木の記憶をのぞくという重要かつ、映像的にもかなり過激なシーンの撮影。大友監督は「人間はいろんな気持ちを抱えて生きている。雪子も、恋人の鈴木を奪った薪への憎しみも当初はあったと思うけど、鈴木をよく知り、いろんなことを共有していた存在が薪だということも知ってて、憎しみきれないんじゃないかと思う。その辺をどう出すのか?雪子(の演出)はこだわりました」と栗山さんの存在がいかに重要かを口にする。雪子が、恋人である鈴木の死体を解剖するというシーンもあるが、栗山さんは「胸が苦しく、つらかったです。複雑な雪子の心情を丁寧に撮ってもらいました」と述懐する。一方で、このシーンに関しては、栗山さんだけでなく、死体役の松坂さんもかなり大変だったよう。このシーンはカットを割らずに1カットで撮影されており、その間、死体である松坂さんは微動だにすることさえ許されない状況だったという。ちなみに映画の中で、雪子と鈴木の過去の幸せだったころの時間を示すのは、薪が持っている1枚の写真のみで、それ以外には回想シーンなどもなく、そうした過去を栗山さんは想像した上で演じなくてはならず、さらに難しさが増したという。栗山さんとは「『ハゲタカ』からの長い付き合い」という大友監督は「素晴らしかったです!」と栗山さんを絶賛する一方で「まあでも、そこを埋めていくのが俳優さんだから(笑)」とあえて厳しい言葉を口にし、栗山さんへの信頼度の高さをうかがわせた。観客からは、映画の中に出てくる、人は死の間際に理想の世界を目にするという描写に絡めて「栗山さんにとって、一番大切な人は?」というストレートな質問も!栗山さんは「やはり、家族になると思います。母やペット…みなさんの中にもそういう人は多いのでは?」と笑顔で答えていた。『秘密 THE TOP SECRET』は公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年08月19日人気コミックを実写化した『秘密 THE TOP SECRET』の初日舞台挨拶が8月6日(土)、都内で行われ、生田斗真、岡田将生、松坂桃李、栗山千明、織田梨沙、大森南朋、大友啓史監督が出席した。この日、会場の視線をクギづけにしたのは日本を代表するクール・ビューティの栗山さん。胸元が大きくV字に開いた黒のセクシーなドレスは、腰元の部分が透け生地になっており、妖艶さもワンランクアップ。当然、フラッシュの嵐を浴びることになり、主演の生田さんも「カメラマンさん、栗山さんばっかり撮らないで…。確かにすごいドレスですけど」とヒヤヒヤ(?)していた。清水玲子によるミステリーコミックを原作に、被害者の脳に残った記憶をスキャンする「脳内捜査」を専門とする警察庁の特別機関「第九」の捜査官たちが、精神崩壊の危険にさらされながら、迷宮入り事件の真相を暴き出す。生田さんは「誠心誠意ぶつかった作品。見終わった後には、普段見ている景色が変わるほどの衝撃を受けるはず」とアピールした。“脳内捜査”にちなみ、「誰の脳に潜入したい?」の質問には、「アーティストがどういう思考回路で作品を生み出しているのか知りたい。例えば、横尾忠則さん」と生田さん。「猫ひろしさん」(岡田さん)、「織田信長がどう死んでいったのかが分かれば、歴史は変わるはず。それに漫画家の井上雄彦さん」(松坂さん)、「イケメンになって、キャーキャー言われたい」(栗山さん)、「うちの飼い犬」(織田さん)、「やっぱり、生田斗真の脳でしょ」(大森さん)と思い思いの回答が飛び出した。『秘密 THE TOP SECRET』は公開中(text:cinemacafe.net)
2016年08月06日女優・栗山千明が6日、生田斗真主演映画『秘密 THR TOP SECRET』初日舞台挨拶に、共演の岡田将生、松坂桃李、栗山千明、織田梨沙、大森南朋、大友啓史監督とともに登場した。同作は清水玲子原作の少女漫画『秘密』を映画化した近未来サスペンス。死んだ人間の脳をスキャンして事件を解決する警視庁科学警察研究所法医第九研究室、通称「第九」の室長・薪剛を生田、監察医・三好雪子を栗山が演じる。栗山は胸元がざっくりと開き、ボディラインに沿ったセクシーなドレスで登場。上品な佇まいで大人の魅力を見せた。報道陣がカメラを構えると、生田が「栗山さんのドレスがすごいからってそればっかり撮らないで!」と笑いながら制止する場面も見られた。また、作品にちなみ「脳の中を覗いてみたい人は?」という質問に対して、栗山は「イケメンの脳内映像を見てみたいです。キャーキャー言われたりとか、違う風に見えるんじゃないかなと。体験してみたいです」と回答。生田、岡田、松坂といったイケメン陣も興味深げに話を聞いていた。
2016年08月06日きょう10日に最終回を迎えるテレビ朝日系ドラマ『不機嫌な果実』(テレビ朝日系、毎週金曜23:15~24:15 ※一部地域を除く)。主演を務める女優の栗山千明は、結末について「ヘンに沈むことなく、アハッと笑って終われる感じ」と予告している。このドラマは、稲垣吾郎演じる夫・航一との結婚生活に不満が募った、栗山演じる水越麻也子が、情熱的な音楽評論家・工藤通彦(市原隼人)と"禁断の愛"に溺れていく様を描くラブストーリー。栗山は「最終回はホンットに内容がギッチリ詰まった回となっています。麻也子はもちろんですけど、航ちゃん、久美(高梨臨)、玲子(橋本マナミ)…それぞれがどう変わって、幸せになれるのか、はたまた幸せになれないのか!? ぜひ期待していただきたいです!」と見どころを語る。最終話では、麻也子と久美が大バトルを繰り広げるシーンも。栗山は、全7話の中で最も緊張したそうで、「怖かったぁ…! とにかく本気の取っ組み合いが展開されるシーンなので、『本当に引っ掻いちゃったらどうしよう!?』と、ビビッちゃいました」と振り返った。航一が久美と不倫関係にあったことを知った麻也子が通彦との愛に走り、実家に挨拶に行くと、航一の入院先で知り合った早苗(名取裕子)が通彦の母親であることが分かり、結婚に対して猛反対にあう。麻也子は失意の中で帰宅すると、航一から「卒業証書だよ」と言って離婚届を渡される。この結末は、栗山の予想を裏切るものだったというが、「このドラマにはピッタリなんじゃないかな、と思いました」と感想。「"ヘンに沈むことなく、アハッと笑って終われる感じ"の結末ですから」と予告している。
2016年06月10日女優の栗山千明が主演を務めるテレビ朝日系ドラマ『不機嫌な果実』(毎週金曜23:15~24:15 ※一部地域を除く)が、あす10日に最終回を迎えるのを受け、栗山に加え、高梨臨、橋本マナミ、萬田久子の女性キャスト4人が、自身が演じる役の"名言"を選んだ。このドラマは、稲垣吾郎演じる夫・航一との結婚生活に不満が募った、栗山演じる水越麻也子が、情熱的な音楽評論家・工藤通彦(市原隼人)と"禁断の愛"に溺れていく様を描くラブストーリー。そんな中で栗山が「印象的」という理由で選んだ麻也子の名言は「本当に私は、ついてない」「やっぱり私は損をしている」。自らの不運を憂うセリフだが、栗山は「麻也子だけがそう思っているだけで、実はそんなについてなくないし、損をしてないかもしれませんね。どこかで自分に自信があるから、もっと自分は幸せになれるはず、と高望みしてしまうんでしょう」と分析する。さらに栗山は、最終回から「男なんて、みんな一緒だよね」というセリフもセレクト。「知ったような発言をしてますが、『知らず知らずのうちに、自分から同じような人を求めるのでは?』とも思えます。女性同士の会話だから言えること」と、挙げた理由を語ってくれた。一方、麻也子の親友・竹田久美役を演じる高梨が選んだのは、最終話の「女はね、男が思ってるより強い生き物なの。女、なめんじゃないわよ」。航一と不倫関係を続けてきた中で、「ケジメをつけようとして言ったこのセリフが気持ちよかったです」と、スカッとしたそうだ。同じく麻也子の友人の遠山玲子役を演じる橋本は、第1話の「愛なんて他の男にもらえばいい」。航一の母・水越綾子役の萬田は、最終話の「航くん 大丈夫よ 大丈夫。何があっても母さんが傍にいるわ!」と、それぞれのキャラクターが表れているセリフを選んだ。最終話は、航一が久美と不倫関係にあったことを知った麻也子が通彦との愛に走り、実家に挨拶に行くと、航一の入院先で知り合った早苗(名取裕子)が通彦の母親であることが分かり、結婚に対して猛反対にあう。麻也子は失意の中で帰宅すると、航一から「卒業証書だよ」と言って離婚届を渡される。
2016年06月09日女優の栗山千明がこのほど、主演を務めるテレビ朝日系ドラマ『不機嫌な果実』(毎週金曜23:15~24:15 ※一部地域を除く)のクランクアップを迎え、最終話の撮影にウエディングドレス姿で臨んだ。このドラマは、稲垣吾郎演じる夫・航一との結婚生活に不満が募った、栗山演じる水越麻也子が、情熱的な音楽評論家・工藤通彦(市原隼人)と"禁断の愛"に溺れていく様を描くラブストーリー。全ての撮影を終えた栗山は、共演者に囲まれ「皆さんのおかげで最後まで突っ走ることができました。今すごくスッキリしています!」と笑顔を見せた。栗山は、自身初となったドロドロ恋愛劇で、女性の心の機微を演じながら、セクシーなシーンにも挑んだ。劇中では"満たされない女"役だったが、自身はこの作品で"満たされた"様子。約2カ月半に及んだ撮影を、明るく場を盛り上げたキャストらに感謝しながら「本来なら緊張しそうなシーンの時も本当に助けられました」と振り返った。また、ラブシーンについても「ある程度コミュニケーションが取れている人が相手の方が、変に気を遣わなくていいので、ラク」と語る。今回は、以前に共演経験もあった成宮寛貴が最初の相手。初共演の市原との濃厚なシーンも「ほほ笑ましいシーンを重ねて距離を縮めた後だったので、安心して挑めた」と打ち明け、充実感をにじませた。そんな理屈だけではない感情と欲望を秘めた、男女6人の"禁断の恋模様"を赤裸々に描き、ネット上でも「クズばかりなのに、楽しい!」と話題の本作。栗山は「きっと麻也子に自分を投影してドラマを見ながら、疑似体験を楽しんでくださってるんでしょうね」と視聴者の見方を推測し、「純粋にうれしい!」と喜んだ。きょう3日放送の第6話から、物語は最終章へ。通彦にプロポーズされた麻也子が航一に離婚を切り出すともみ合いになり、頭を強打した航一が記憶喪失になってしまうが、それにより、人が変わったかのような"純粋で心優しい航一"に触れる。そんな中、病院で知り合った女性・早苗(名取裕子)が、"思わぬ難敵"として麻也子の前に登場するが、栗山は「一体何者なのか!? 予想しながら見ていただいても面白いと思います」と呼びかけた。
2016年06月03日女優の栗山千明が、主演を務めるテレビ朝日系ドラマ『不機嫌な果実』(毎週金曜23:15~24:15 ※一部地域を除く)で、"一番クズだと思うキャラクター"を発表。「やっぱり久美ですかね(笑)」と、高梨臨演じる友人役を挙げた。このドラマは、稲垣吾郎演じる夫・航一との結婚生活に不満が募った、栗山演じる水越麻也子が、情熱的な音楽評論家・工藤通彦(市原隼人)と"禁断の愛"に溺れていく様を描くラブストーリー。それにとどまらず、ほかの登場人物たちも次々と欲望のままに男女の関係になっていくことから、ネット上などで「クズばっかりなのに楽しい!」と話題を呼んでいる。そんな中で久美は、夫に不倫されて離婚したにもかかわらず、大学時代からの友人・麻也子の夫である航一と不倫関係に陥ってしまうというクズっぷりを披露。栗山は「航ちゃんのことを純粋に好きになってしまっていて、麻也子には会いづらいという感じなら、まだ気持ちも分かるんですけど…。久美は普通に麻也子と接するし、むしろ第5話(27日放送)では麻也子と通彦が会うように仕向けたりもする! 何食わぬ顔をして、陰でヒドいことをするのが、一番リアルで怖いです」と、No.1クズに挙げた理由を語った。一方で栗山は、携帯・レシートチェックや、門限、身体検査といった自身への監視と束縛を強める夫・航一についても「激しすぎて怖いです」と苦笑。「絶対に無理! 私だったら、家を出てると思います。そう考えると、麻也子は頑張ってるし、ある意味では"いい人"と言ってもいいかもしれませんね」と、自身の役柄の"非・クズ"を暗に強調していた。
2016年05月27日女優の栗山千明が19日、東京・六本木のテレビ朝日で行われた、同局系主演ドラマ『不機嫌な果実』(29日スタート、毎週金曜23:15~24:15 ※一部地域を除く)の制作発表会見に登場。エロチックな共演シーンが多い成宮寛貴を、撮影現場で"セクシー先生"と呼んでいることを明かした。このドラマは、夫・航一(稲垣吾郎)に女として見てもらえなくなり、結婚生活へ不満が募った、栗山演じる水越麻也子が、情熱的な音楽評論家・工藤通彦(市原隼人)と"禁断の愛"に溺れていく様を描く濃厚なラブストーリー。林真理子氏の不倫小説を約20年ぶりに連続ドラマ化する。成宮は、麻也子の最初の不倫相手役で、撮影は「本当に栗山さんとはエロチックなシーンが多い」という。そんな成宮について、栗山は「現場では監督含め、"セクシー先生"と勝手に呼んでいまして…」と紹介。成宮がモニターを見ながら「この角度の方がきれいだ!」とアドバイスするなど、セクシーシーンを指南していることを明かし、「セクシーなシーンで、実際に結構頼らせていただいてます」と、感謝の言葉を伝えていた。今作は、ほかの出演者たちにもエロチックなシーンが多く、同席した原作の林真理子氏は「(原作を出版した)当時、『なんて下品なことを書くんだ』とずいぶんたたかれましたけど、あれから20年たちまして、(今作の)脚本を読ませていただきましたら、もっと過激になっていまして、ドキドキドキドキしています」と興奮。麻也子の大学時代からの友人・竹田久美役の高梨臨は「内容は言えないんですけど、初めての体験もありまして、監督とかマネージャーさんとかに『初々しさが出過ぎている』と言われるので、このドラマとともに、そういうシーンも成長していければ」と語る。さらに、同じ大学時代からの友人で、こちらも不倫している遠山玲子役の橋本マナミは「毎回現場に行くたび、キスシーンやベッドシーンが、地上波でここまでやっていいんですか?っていうくらい濃厚なシーンばかりで、私もドキドキしながら演じさせていただいております」と、"国民の愛人"ながら驚き、「このご時世、今、不倫がすごく厳しい時代なので、このドラマを見て皆さんが疑似体験していただけるようなものになれば」と意気込みを示した。
2016年04月19日今回のテーマは「飲み会に誘われた際のうまい断り方について」である。正直飲み会の断り方に上手いも下手もない、あるのは心が強いか、弱いか、それだけだ。○誘いを断る時、我々は宇宙の塵にすぎない何故我々は、行きたくもない飲み会の誘いを断れないのか。女子力アピールだけ達者なバランス感覚のない女が取り分けたドレッシングしか入ってないサラダをすすった上、二次会のカラオケまで断れず、全くマイクが回ってこないのに割カン料だけ払い、冷えて粘土のようになったポテトをひたすら口に運ぶマシーンになってしまうのか。それはもう、己の心が弱いからとしか言いようがない。まず「上手く断りたい」などという人間は驕りすぎている。海とか地球とかをテーマにした壮大系のドキュメンタリーを72時間ぐらい見て、「自分は宇宙の塵にすぎない」というところから勉強し直した方がいい。つまり、「自分がこの誘いを断ることにより相手が気分を害すかも」と思う時点で思い上がっているのだ。まず冷静さを保ったまま半裸になり、両手を両乳首に当て、足はがに股、焦点の合わない瞳で相手を見つめ、自分が誘われた理由を考えてみるといい。そうすれば誘ってきた相手は、あなたの返事を待たずにどこかへ行くだろう。それでもなお誘ってきた相手が去らないようであれば、本当にあなたに来てほしいのだろう。それならば参加してもいいし、参加できないようなら相手が気分を害さないよう、両乳首に当てた手を徐々にスライドさせ、胸の前でバッテンを作り、参加不可の意を伝えるぐらいの配慮は必要だろう。だが、上記の半裸メソッドを実行するまでもなく、こういった誘いのうち、九割は断ったところで何も起こらない。つまり多くの場合、相手はあなたが参加しようがしまいが、どうでも良いと思っているのだ。大方、声をかけた理由は「部署の人間を全員誘ってるから」くらいのものなのである。それをイチイチ「上手く断らないと」などと思うのは思考力の無駄であり、逆に相手に失礼でもある。だからと言って、「〇〇へ行かなければいけないから」など、具体的な行けない理由を言うのはさらに下の下だ、相手にとって、興味のない人間の夜の予定を聞かされるなど、もはやハラスメントと言ってもいい。よって、簡潔に「用がある」と言うのがベストなのである。そう言う事で相手がどう思うかなどを考えるのは弱さであり、自意識過剰でもあるのだ。○気乗りしない誘いを断るために要される「勇気」だが「断ることで輪からはずされてしまうかも」と考える、さらに弱者思考の人もいるだろう。しかし、「参加でも不参加でもどうでもいい奴」というのは、参加したとしても、やはり「いてもいなくてもどうでも良い動き」しかしないものなのだ。おそらく、我先にと女子力アピールを試みる女が持ちあげたサラダボウルの裏を見つめているのが関の山だ。やれたとして、机が狭くなってきた際、店員に皿を下げさせるため、ちょっとだけ残っているカッチカチの冷めた鳥軟骨を処理する係ぐらいのものである。つまり、「輪から外されたくなくて参加した飲み会なのに、参加したところで輪に入れていない」ことがほとんどなのだ。参加したところで何の評価も得られないし、むしろ「こいつ全然動かないな」と評価を下げられる場合の方が多い。ならば逆に、参加しない方が良かったとも言えるのだ。しかし、飲み会を断る時に必要な心の強さというのは、行きたくない会の誘いにはっきりNOと言える強さだけではない。真に必要なのは、その後やってくる孤独に耐える強さだ。「断ったら輪から外されるかも」というのはある意味正解で、断り続けていたら誘いというのはこなくなるものである。そこで「行きたくなかったけど、いざ誘われなくなると寂しい」などと思うような惰弱な精神の持ち主は、もう大人しく飲み会に参加して、粘土と化したポテトを氷の溶けきったジンジャーエールで流し込んでおけばいい。私なども、OLの端くれとして、入社当初はランチに誘われることもあった。しかし相手が私を誘う理由は「職場の女性は全員誘ってるから」以外には何もなく、私も「行かなきゃ悪いかも」以外に行く理由はなかった。そんな動機であるため、ランチの間私は何もしゃべらず、話しかけられもせず、ただ他のOLが談笑するのに合わせ愛想笑いをしながら、399円のカルボナーラを胃に流し込むだけであった。当然そのパスタは腐葉土の味であったし、合わせて飲むコーヒーからはドブの臭いがした。そして、ある時開眼した。「なぜ貴重な昼休みに、腐葉土とドブを食わなければいけないのか」と。そう気づいた私は、前述の通り「用があるから」と言って、同僚からの誘いを全部断ることにした。その結果、見事に誘われなくなった。正直言うと、誘われなくなった時は一抹の寂しさを感じ、「私の選択は間違っていたのかもしれない」と思った。しかし、私の昼休みはそれから一変し、片手でクリーム玄米ブランを食いながら、もう一方の手で乙女ソシャゲをし、その合間にTwitterでエゴサをするという、パーフェクトすぎる時間を過ごしている。そして自信を持って「孤独になったのではない、自由になったのだ」と言えるようになった。しかし、社内で孤立しているのも確かであり、故に困ることもある。それが嫌だと思うならやはり多少我慢をして腐葉土を食っていた方がいいだろう。自由には責任が伴うというが、時として孤独もついてくるのだ。とはいえ、私もまだまだ修行中の身であり、ランチぐらいなら断って自由を謳歌できるが、出席しなければまずそうな飲み会などは、ヘコヘコと参加している次第である。もっと鍛錬を重ね、最終的には正月に必ず行われる夫の実家での親戚の集まりを「用がある」と言ってバッくれるところまで到達したいと思っている。<作者プロフィール>カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年、文庫版2015年)、Web連載漫画「ヤリへん」(2015年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。「やわらかい。課長起田総司」単行本は1~3巻まで発売中。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は2016年4月12日(火)掲載予定です。
2016年04月05日今回のテーマは「ネット上のフレンド」についてである。私のTwitterアカウントをフォローしている人などには「こいつ24時間Twitterやってるな」と思われているかもしれないが、実際は48時間ほどやっている。時間軸が歪むほどTwitterをやる理由は話せば長くなるのだが、簡潔に言うと「イカれた理由を紹介するぜ!売名行為!…以上だ!」である。つまり、Twitterを通じて私の事を知ってもらいたいという気持ちが、理由の5億%を占めているのだ。そして、知ってもらった暁には私の単行本を全部買って、全部燃やして、また全部買ってほしいと思ってやっている。それ以外の理由は特にない。他に理由を探すとすれば、承認欲求を満たすためだろう。前に「漫画を描くのは金と承認欲求のため」と書いたが、Twitterも同じである。むしろ私がそれ以外の理由で動くと激しい下痢嘔吐をしたり、全国的に空からバールのようなものが降ってきたりするので、皆さまのためにも、それ以外の理由では1ミリたりとも行動しないようにしている。○カレー沢薫とインターネットの邂逅このように、現在ネットをコミュニケーションツールとしては使っていないので、実を言うと「ネットフレンド」というのはほぼいない。単行本などの情報は一方的に発信しているし、やりとりするのはリアルの知り合いか仕事の関係者のみである。もちろん、1日48時間Twitterをやっているので、熱心に応援してくれている読者の方などは自ずと覚える。だが、かといって密にやりとりしたり、いつもポケットに直入れしているぼたもちをこっそりあげたり……、などということもほぼない。そもそも「mixi疲れ」とか「Facebook疲れ」とかしてしまうのは、そこで人付き合いをしてしまったせいである。現実世界でも人を一番疲れさせるのは、人付き合いのはずだ。それをネット上でもやってしまったら、「そりゃ疲れるぜ」としか言いようがない。私も今でこそそう思っているが、漫画家としてデビューする以前は、もっぱらネットに出会いを求め、積極的に疲弊していたクチだ。私がネット環境を手に入れたのは、高校生の頃だった。僻地のオタクの惨状は最近書いたばかりだが、当然同志に恵まれているとは言いがたい状況だった。だから、その手の話がわかる数少ない友人にFAXを送りつけてまで自作のイラストや漫画を見せるという、相手が出るところに出れば逮捕されてもおかしくないようなことをしてまで承認欲求を満たしていたのだ(今思い起こせば友人は全く私を承認していなかった)。そのため、ネットで二次創作を載せている個人HPを見つけた時、こんな画期的な方法があったのかと衝撃を受けた。そして、パソコンに触るのすらほぼ初めてだったにも関わらず、「俺の描いた最強の“斜め45度を向いたイケメンのバストアップイラスト”を世界に発信してえ」という一念のみで、クソダサHPをこの世に産み落としたのだ。それだけではなく、他の二次創作サイトの掲示板に「ああああなたの描かれる●●(キャラ名)が超絶好みでドプフォ…!(鼻血)」などと書きこんだり、チャットに参加したりと、積極的に交友関係を広げようとした。もともと同じ作品が好きで、二次創作を趣味としている者同士、さらにネット上のみでのやりとりなので、割とすぐ仲良くなれたし、そういう人たちとの交流はとても楽しかった。それがなぜ疲れに繋がるかと言うと、まず作品に対する飽きがある。これはオタクの宿命であり、ずっと同じテンションで同じ作品を愛し続けられる人間は稀だ。「作品のことは好きだが、そのイラストや漫画を描こうというところまでの情熱がなくなる」日がほぼ確実にやってくる。そうなった時、今まで嬉しかったはずの、ネッ友(ネット上のオタク友達)たちによる「拙者!続きを全裸待機!」が一転して重荷になってくるのである。その結果、実際は暇すぎてあなたのキスや夜の足音の代わりに自分の指毛を数えているような状況でも、サイトのトップページに「多忙ゆえ更新を停止します」と掲げて行方をくらませなければならないこととなる。○オタ友をめぐる「責任」と「人間関係」さらに、ネット上のオタ友との関係も、お互いが「そなたのイラストは大変麗しゅうございますで候!ブヒブヒブヒー!」と褒め合っているうちぐらいは良いのだが、仲良くなりすぎて「二人はプリキュアだよね」というような段階にまで行くと危険信号だ。つまり同人用語で言うところの「相方」と呼び合うようになると、二人で悪と戦う代わりに「合同で同人誌を作ろう」とか「何かネット上で企画をしよう」という話になったりする。もちろんやりとげる奴らも多いが、途中で片割れが「あっこれ、めんどくせえ」と気が変わるパターンも少なくはない。私も去年同人誌を出してみてわかったが、好きな時に好きなキャラの絵を描いてネットにアップしている時は楽しかったのに、それが締め切りのある原稿作りになると、途端にクソ面倒くさくなるのだ。一人でも面倒なのに、相方がいるとなると「責任」という重荷が加わり、さらに関係者が複数人になるとその面倒くささは急増し、「やはり俺に仲間など必要なかったのだ…」と中二っぽいことをつぶやいてどこかに消えたくなるのだ。そこで再び「多忙につき」「体調不良により」「家庭の事情で」などと言って、企画自体をなかったことにしようとするパターンも散見される。だが、締め切りのある原稿を描くのは面倒くさくても、前述の通り好きな時に好きなものを描くのは面倒ではないため、「多忙」「体調不良」「家庭の事情」と言っておきながら、ネットにイラストなどをアップしてしまったりする。そんなことをすると、「お前忙しいんじゃなかったのかよ」と、約束を反故にされた相方は怒りの力によってキュア阿修羅へと変身し、相手が複数であれば「キレすぎて逆にスマイルなキュア某」たちに撲殺される。もちろん責任感のない奴が1番悪いのだが、こういうことが起こるのはネット上で密な人間関係を作ってしまったからだ。そういう相手がいなければ、好きな時に描いて、飽きたらやめれば済んだのだ。ネットのみならず、趣味というのは「責任」「強制」「人間関係」が入ると途端に嫌になってしまうものなので、いかにそれを排するかが重要なのかもしれない。そんなこともあり、私は、Twitterで特定の仲の良い人などを作らず、リプライも気が向いた時にしか返さず、できないことは言わないようにしていたのだが、先日ついうっかり「2月か3月にLINEスタンプを作る」と言ってしまった。正直に言うと全く作っていないのだが、もちろんそれは多忙かつ、体調不良、家庭の事情のためなので、件のツイートを読んでしまったみんなは今持っている武器を置いて、スマイルで待っていてほしい。<作者プロフィール>カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年、文庫版2015年)、Web連載漫画「ヤリへん」(2015年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。「やわらかい。課長起田総司」単行本は1~3巻まで発売中。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は2016年4月5日(火)掲載予定です。
2016年03月29日今回のテーマは「親の期待のかわし方」である。誠に残念かつ遺憾、慙愧の念に堪えないのだが、当方、親にこれといって期待をされた記憶がない。この連載では、今まさにゴミ箱に頭を突っ込んでいる最中の人に対し「成功の秘訣は?」と聞くようなテーマがたまに寄せられるのである。○かんぴょうと酢飯からフレンチは生まれるか子どもに大した期待をかけない親のことは後ほど触れるとして、その対極にある「子どもへ過度な期待を寄せる親」というのも、何を考えているのかわからない。もちろん、自分たちが博士や大臣、松坂牛であるというのなら、子どもに同じような将来を望むのもまあわかる。だが、父がかんぴょうで母が酢飯なら、子はかんぴょう巻になることは大体予想できることであり、「シェフの気まぐれフォアグラテリーヌ~季節の野菜を添えて~」になれ、というのは酷なことである。原材料が自分たちであるということを忘れているんじゃないかと思う。もちろん、材料はともかく調理(教育)次第でどうとでもなるという意見もあるだろう。確かに、平凡な両親から偉人が生まれる例もあるが、残念ながらかんぴょうをフォアグラにするより、フォアグラを残飯にする方が簡単なのである。むしろ過度な期待と教育でかんぴょう巻にすらなれなれず、もはや「料理」というより「一般には理解されない系アート」みたいになってしまうこともままある。しかし親バカと言う言葉があるように、可愛さ故に、自分の子どもが実際より優れて見えてしまうのは、ある程度仕方のない事なのかもしれない。その点、私の両親が私に望んだことは一貫して「安定した職につき、豊かでなくていいから食べるに困らない生活をしてほしい」という、実に最低限かつ堅実なものであった。この決して高くないハードルを「売れない漫画家になる」という形で華麗にくぐって見せたものだから、もはやうちの親は私に何も期待していないだろう。おそらく、元々低かったハードルの高さが「逮捕はされるな」もしくは「実刑だけは食らうな」くらいにまで下がっていると思う。親の期待通りに育つことも親孝行かもしれないが、親に期待させすぎないことも立派な孝行であると思う。とはいえ、突然親の期待を裏切ってはいけない。どこに出しても恥ずかしくない自慢の息子がいきなりパンツ泥棒で捕まってニュースに登場するのは、これ以上ない親不孝だ。徐々に、親自身もいつ諦めたかわからないぐらい、自然に諦めさせなければいけない。つまり、何かやってしまった時、親に「まさかうちの子に限って!」などと言わせるようでは親不孝なのだ。無表情で「やはり…」と言わせるのが真の親孝行である。○親孝行はコツコツと、が鉄則正直に言うと、私は中学生の段階では勉強ができた。この「中学生まで」できた、モテた、という実績がいかにその後の人生の足を引っ張る要素であるかはまたの機会に言いたいと思う。とにかく、中学生時点ではまだ親に期待されてもいいぐらいだった。しかし、もうその時点で、親は私に期待というより不安を抱いていたのだ。何故なら、中学に入ってすぐ、担任が抜き打ち家庭訪問に来るという珍事が起こったからだ。それも、「いつも一人でいる」という理由で。一切仕込みナシの訪問だったためもちろん私も家におり、担任が親に「私には友達がいない」と話すのを、隣室からライブで聞いていたのだ。その時、手近なところに金属バッドがなくて本当に良かったと思う。本件、私も痛かったが、親にとっても激痛だっただろう。例え成績が学年1位でも、「こいつはヤバい」と思わせるのに十分な惨事であった。親にとって、自分の子が「勉強ができない」あるいは「運動ができない」と言われるよりも、「友達が作れない」と言われたほうがダメージは大きいのだ。本当に親を期待させたくなかったら、いかに人間的にヤバいか、社会性がないかをアピールすることが肝要なのである。その点、私は齢7歳で、親に「お前は被害妄想が強い」と断じられたエリートである。もちろん7歳であるが故に意味はわからなかったが「おっ! 今何かすごいこと言われた!」という記憶だけはある。他にも、友達がいないことはもちろん、片づけができない、もらった小遣いをすぐ使うなどまともな大人になれない要素満載であり、実際まともにならなかった。成人するころには、「頼むから他人に迷惑をかけないでくれ」くらいにまで親の期待値は下がっていたと思われる。時は流れて現在。私は前科もなく、屋根のあるところに住み、リボ払いやキャッシングはまだしていない(数十年の住宅ローンはある)状態である。つまり今、親は「思ってたよりは良く育った」と思っているはずなのだ。幼少のころからコツコツ親をがっかりさせたおかげで、今では立派な孝行娘というわけである。しかし、世の中には、意識しなくても成績優秀、運動神経抜群、人望も厚く異性にもモテてしまい、親にどうしても期待させてしまうという人もいるだろう。そういう方は、一点だけで良いので、親に不安を抱かせる要素をチラ見せしておけば良いと思う。男性ならお母さんより年上の熟女が登場するDVDを大量に隠し持つとか、女性なら男児用白ブリーフ(未使用)をコレクションしてみるとか、「法には触れてないが、そのうち何かしでかしそう」な雰囲気を出すのだ。つまり、親を安心させきってはいけないということである。いつか悪い意味で新聞に載ってしまう日に備え、平素は孝行者でも「いつ爆発するかわからないニトロを積んでいる」ということだけは、ちょくちょくアピールしておくべきなのだ。<作者プロフィール>カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年、文庫版2015年)、Web連載漫画「ヤリへん」(2015年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。「やわらかい。課長起田総司」単行本は1~2巻まで発売中。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は2016年3月29日(火)掲載予定です。
2016年03月22日今回のテーマは「地方でオタクをやることのメリット・デメリット」である。カレー沢は地方のオタクである。ソシャゲに課金し、ピクシブを一日中巡回して暮らした、と、まさかの二回連続メロス引用による開幕である。しかしこれは私の表現力が低いのではなく、太宰がすごすぎるのだ。○地方はオタクにとって「マッドマックス」私は地方の生まれであり、生まれてこの方地元を出たことがない。おそらくこれからも、離婚や家の全焼、あるいはそれに類するようなよほどのことがない限りは出ないだろう。私の地元は住むには良い所だが、オタクとして活動するにはデメリットしかないようなところである。特にネットが普及する以前はひどく、当時坊主頭に麦わら帽子をかぶった中学生だった私はセーラー服の袖口を鼻水でカピカピにしながら、「コミケってどんなところだっぺなー」と、るろうに剣心あたりのキャラを模写しながら夢想したものである。同年代の女子が渋谷や原宿に憧れていたころ、私は一人ビッグサイトを思い描いていたのだ。人生というものは、割と早い段階から勝負がついているという好例である。都会住みでも、中学生から同人活動をしている人間は少ないだろうと思われるかもしれないが、おらが村に関して言えば本屋すらなかった。同人活動をする以前に、漫画等、萌えの燃料の補給場所すらなく、オタクにしてみればマッドマックス級に荒廃した世界観だったのだ。辛うじて、菓子や文房具を併売しているような個人書店で「週刊少年ジャンプ」ぐらいは読めたが、そこには10年前に刊行されていた漫画の単行本がさも最新のタイトルであるかのように並べてあり、それすらも何故か5巻だけ置いてあるという地獄の様相であった。よって最新の単行本を手にいれようとしたら、田舎の小中学生の大半が着用を義務付けられているヘルメットという名の兜に、蛍光色のチョッキという鎧をまとった上、ジープ(自転車)に跨り、「ヒャッハー!」と狸や鹿、果ては老人などが跋扈する荒野を30分ほど走って、緑の都(隣町のやや大きめの本屋)を目指さなければいけないのである。そして「チャリで来た」と宣言しながら店内に入り目当ての漫画を探すも、田舎の本屋には変わりないので、目当ての物はないことの方が多い。その場合は当然また30分かけて撤収だ。そしてその漫画を手に入れるには、静まりかえった店内で欲しい漫画の名を店員に告げて、待つこと数週間。荒野を1時間かけてもう一往復し、目的のブツを強奪しに行かなければならないのだ。○「キンプリはいい」かどうか確かめられない理由このように、ただ漫画を買うのにもエクストリームな行いが必要だった時代に比べると、通販で大体の物が手に入るようになった今、オタクにとっての地方格差はずいぶん解消されたと言える。しかし、イベント事、またはその場でしか手に入らないグッズなどの入手に関しては未だに歴然とした差がある。中学生の頃憧れたコミケは未だに憧れのままであり、21世紀になった今でもビッグサイトの方がこちらに来たということは一度もない。それに、やれ好きな漫画が舞台化するだの、声優がコンサートを開くだの言われても、我が村の公民館でやることはまずなく、大体都心での開催である。また、アニメ映画などもちょっとコアなものになるとこちらでは上映されない。今話題のアニメ映画『KING OF PRISM by PrettyRhythm』(キンプリ)も当然こちらでは未上映だ。しかも「キンプリってどんなの?」と鑑賞済みの他人に聞くと決まって「見ればわかるから、見ろ」と新興宗教に目覚めたブルース・リーみたいな顔で言われるのだ。だがこちとら見たくても見られない。世の中にはスターウォーズとワンピースしか上映せず、ミニシアターでやってるようなマニアックな映画を見て周りに差をつけたいサブカル野郎が憤死するしかない不毛の地があるのだ。悔しいので「キンプリってキングプリムゾンの略か」と100億人ぐらいが考えつきそうなことを言ったら、「キンプリを馬鹿にするな、不思議なプリズムで消すぞ」と怒られた。本当に地方のオタクに良いことはない。そして、オタクはどこ住みでも怖い。○1キロ先のにぎりめしと、ガンジス川のまんじゅうそれでも無理やり、地方でオタクをやることの利点を挙げるとすれば「諦めがつきやすい」という点だと思う。いくら都心住みでも、行きたいイベントに全て行き、買いたいものを根こそぎ買えるわけではないだろう。やはり時間的、経済的理由で断念せざる得ない場合もあると思う。その場合、行ける距離であればあるほど諦めがつかないものである。例えば、1キロ先の路上に握り飯が落ちていると聞けば、ほとんどの人が拾いに行って食うと思う。しかしインドのガンジス川にまんじゅうが浮いていると聞いたら、ちょっとは考えるが「さすがに無理だ」と思うだろう。地方のオタクにとって、都会のイベント事は「ガンジス川のまんじゅう」のようなものであり、最初から食うことを諦める姿勢をとる。たまに一念発起して拾いに行くぐらいのものだ。逆に、都会のオタクにとって、あらゆる都会のイベント事は「拾える距離にある握り飯」といえるだろうが、落ちている量があまりにも多すぎて、全部拾いには行けず、どの握り飯を諦めるかを考えなければいけない。だったら、最初から絶対拾いにいけない場所にあった方が良かったと思うだろう。かといって、「地方のオタクは誘惑が少なく経済的」かと言うとそうでもない。たまに「ガンジス川のまんじゅう」を拾いに行くためにおびただしい額の金を使うからだ。私にとって未だコミケはグランドラインぐらい遠い存在だが、同人デビューは去年果たした。巷では「同人は儲かる」などと言われているらしいが、活動にあたって必要な支出に「同人誌の印刷費」だけでなく、「飛行機代」、「宿泊代」が加算される時点で「お察しください」と言うしかない状態である。結局、都会だろうが地方だろうが「オタクは金がかかる」という点だけは共通している。やはりニコ動で無料アニメを見て、完全無課金プレイヤーなのにソシャゲのメンテ遅延に激怒し、邪智暴虐の運営を除こうとしているぐらいがちょうどいいのかもしれない。<作者プロフィール>カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年、文庫版2015年)、Web連載漫画「ヤリへん」(2015年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。「やわらかい。課長起田総司」単行本は1~2巻まで発売中。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は2016年3月22日(火)掲載予定です。
2016年03月15日ドラマ『牙狼』で脚光を浴び、現在CX系ドラマ『お義父さんと呼ばせて』にレギュラー出演するなど、注目の若手俳優・栗山航の初主演舞台『リビング』が3月2日、東京・赤坂RED/THEATERで開幕した。舞台『リビング』チケット情報主人公の青年・マタロウは自宅のリビングで生活する、いわゆるひきこもり。ただし、周囲はおとなしく彼をひきこもらせてはくれない。父親に愛想をつかして家出していた母が突然帰宅し、なぜか同居している母親の愛人は何かとマタロウの面倒を見、幼馴染以上・恋人未満の彼女も入りびたり、そしてアル中の父親はマタロウ同様に2階でひきこもっている。さらに、マタロウの元上司がクレーマーだった客を連れやってきて……。個性的すぎるキャラクターが好き勝手に感情を爆発させ、リビングは大混乱。ドタバタコメディの様相を呈す物語に、客席からは絶え間なく笑いが起こるも、結末は意外な方向へ……。作・演出は、宝塚歌劇団出身で、大作ミュージカルも数多く手がける荻田浩一。耽美的な作風で知られる荻田が、そのパブリックイメージを覆す、アットホームでハートウォームな愛らしい舞台を作り上げた。さらに、7名という少数精鋭の出演者も芸達者揃い。舞台初主演の栗山は、ひきこもり青年という難しい役どころを、どこかしら母性本能をくすぐる可愛さと素直さで好演。その彼女役の舞羽美海は、オタクな少女を思い切りのよい演技で楽しげに演じていたのが印象的だ。初日開幕前には、栗山と舞羽の会見も行われた。初座長となる栗山は「不安と楽しみが半々。客席が近く、お客さまがどんな表情をしているのかが、たぶん全部わかってしまう。皆さんが笑顔であることを祈ります。ほかの6人の共演者が大先輩ばかりなので、僕が引っ張っていこうなどとは思わず、学ぶところは学んでいきたい」と謙虚に意気込みを。その後は、劇中キュートなコスプレ姿を披露する舞羽が「台本を見てびっくりしました。セーラー服を着るのも初めて」と話したところ、栗山から「どのコスプレがお気に入りですか?」と質問が飛び、舞羽が「私は意外と戦隊モノのコスプレが好きなんですが、初めて衣裳を着た時に、栗山さんが私を見て笑ったんです、ひどい!」と苦言を呈すなど、劇中同様の息のあったやりとりで記者たちを笑わせていた。公演は3月7日(月)まで同所にて。チケットは発売中。
2016年03月03日ドラマ『牙狼』で脚光を浴び、現在CX系ドラマ『お義父さんと呼ばせて』にレギュラー出演するなど、注目の若手俳優・栗山航の初主演舞台『リビング』が3月2日、東京・赤坂RED/THEATERで開幕した。舞台『リビング』チケット情報主人公の青年・マタロウは自宅のリビングで生活する、いわゆるひきこもり。ただし、周囲はおとなしく彼をひきこもらせてはくれない。父親に愛想をつかして家出していた母が突然帰宅し、なぜか同居している母親の愛人は何かとマタロウの面倒を見、幼馴染以上・恋人未満の彼女も入りびたり、そしてアル中の父親はマタロウ同様に2階でひきこもっている。さらに、マタロウの元上司がクレーマーだった客を連れやってきて……。個性的すぎるキャラクターが好き勝手に感情を爆発させ、リビングは大混乱。ドタバタコメディの様相を呈す物語に、客席からは絶え間なく笑いが起こるも、結末は意外な方向へ……。作・演出は、宝塚歌劇団出身で、大作ミュージカルも数多く手がける荻田浩一。耽美的な作風で知られる荻田が、そのパブリックイメージを覆す、アットホームでハートウォームな愛らしい舞台を作り上げた。さらに、7名という少数精鋭の出演者も芸達者揃い。舞台初主演の栗山は、ひきこもり青年という難しい役どころを、どこかしら母性本能をくすぐる可愛さと素直さで好演。その彼女役の舞羽美海は、オタクな少女を思い切りのよい演技で楽しげに演じていたのが印象的だ。初日開幕前には、栗山と舞羽の会見も行われた。初座長となる栗山は「不安と楽しみが半々。客席が近く、お客さまがどんな表情をしているのかが、たぶん全部わかってしまう。皆さんが笑顔であることを祈ります。ほかの6人の共演者が大先輩ばかりなので、僕が引っ張っていこうなどとは思わず、学ぶところは学んでいきたい」と謙虚に意気込みを。その後は、劇中キュートなコスプレ姿を披露する舞羽が「台本を見てびっくりしました。セーラー服を着るのも初めて」と話したところ、栗山から「どのコスプレがお気に入りですか?」と質問が飛び、舞羽が「私は意外と戦隊モノのコスプレが好きなんですが、初めて衣裳を着た時に、栗山さんが私を見て笑ったんです、ひどい!」と苦言を呈すなど、劇中同様の息のあったやりとりで記者たちを笑わせていた。公演は3月7日(月)まで同所にて。チケットは発売中。
2016年03月03日今回のテーマは「暴力からの卒業」である。まるでヤンキーの更生話のようだが、「カレー沢暴力」を名乗ってすでに2カ月、そろそろ面白くもなんともなくなってきているから戻しては、という提案であろう。正直言って、全然卒業したくない。暴力に留年しまくりたいと思っている。○実は多い「二つ名」の作家たち「カレー沢暴力」、やはり惚れ惚れするほどカッコいいペンネームだ。さすが他人が考えたものをパクってきただけのことはある。「カレー沢」というペンネームの唯一の利点は、エゴサーチがしやすいというところだ。確かな情報筋によると、ペンネームにカレー沢という苗字を持つ作家は日本に私一人らしい。自分の名前に「カレー」を入れると言うセンスの奴が2人も3人もいたら、いよいよ日本終わった感が漂うので、ひとまず安堵である。下の名が「薫」でも「暴力」でも、カレー沢である以上、エゴサのしやすさは変わらない。ならばカッコいい方を選ぶのが道理と言える。しかし、前も言ったが、ただでさえ無きに等しい知名度を、「薫」と「暴力」で分散させてしまうリスクを考えると、今のうちに「薫」に戻した方が利口ではあるだろう。だが、ペンネームを複数もっている作家というのは、実はそんなに珍しくない。成年向けやボーイズラブ漫画を描く時は別名義にする、という作家も多くいるのだ。よって、私も上記のような仕事が来た際には「暴力」と名乗れば解決である。しかし、ここで新たな問題が浮上する、私に仕事をよこす成年向けやBL誌がこの世に存在しないのだ。仮にいたとしても、私に仕事をふってくるようなところであれば、すぐにこの世から消滅するであろう。どうやら出版社には、皆既月食の如く数年に1度、編集や編集長の判断力が最も鈍る瞬間があるらしく、そういう時に私にお呼びがかかるのだ。とはいえ、どれだけ編集部全体が集団インフルエンザ状態でも、絵の上手さが特に重視されるだろう成年向けやBL方面からのオファーが来るとは思えない。ハレーすい星ぐらいの周期でならそういう瞬間がやってくるかもしれないが、だとしたら次は2061年ということになり、当方約80歳である。多分寝たきりか恍惚の人状態だろうが、耳元で「カレー沢先生!リブレ出版から依頼です」とでかい声で言ってもらえれば、おもむろにパラマウントベッドから立ち上がり、虚空を見つめていた目に光が宿るであろうから、逆に今から2061年に依頼をしてくれる成年向け、BL出版社を募集したいと思う。○「左のワキ出身のワキ毛」の矜恃しかし、私はよく「私はオタクだがBL好きのいわゆる腐女子ではない」という主張をしている。これは例えるなら、ワキ毛が「私は左のワキ生まれのワキ毛で、断じて右のワキから生えたのではない」と言っているような至極どうでもいい内容だが、「腐女子ではない」と明言している以上、BLの仕事がくるはずないだろうと思われるかもしれない。だが、デビュー前から乙女ゲーの二次創作をし、これだけ乙女ゲーが好きだと言っていても、今まで乙女ゲームの仕事が来たことは1回もない。だったら逆に、思ってもみない依頼が舞い込んできても良いはずだ。それにオタク女界も、BLが好きな女と嫌いな女しかいないわけではない。BLは好きではないが嫌悪感もない者、嫌いじゃないが自分の好きなキャラのBLは受け付けない者など、端から見れば全部ワキ毛であるが、かなり細分化される。メタルやデスメタル、ゴシックメタルを「全部同じ鼻毛じゃないか」と言ったら怒り出す人がいるように、ワキ毛にはワキ毛なりの棲み分けがあるものなのだ。私などは積極的にBLを見ることはないが、何か落ち込むことがあった時などに「ここは一発エグイBLでも読んでみるっぺか!」と景気づけBLを飲る(やる)ワキ毛である。話を戻すと、作家がどれだけ「この雑誌でこういう漫画が描きたい」と思っていても、なかなか実現するものではない。それができるならとっくにジャンプで描いている。結局、需要がないから話が来ないだけなのであるが、これではいつまでたっても「カレー沢暴力」が正式に名乗れない。2061年には名乗れるとしても、すでに鬼籍に入っている恐れもある。暴力を名乗れずに死ぬなんて、地縛霊になること必至だ。そこで、別名義を名乗る定義を持って広くしようと思う。今までいろんな雑誌で漫画を描かせてもらったが、ほぼすべて青年誌だ。なので、もういっそのこと、青年誌以外の依頼があったら「暴力」でいくことにする。というわけで少女漫画誌からなどの依頼を待ちたいと思うが、前に「少女漫画誌で描きたい」とつぶやいた後に連絡をくれたのは漫画ゴラクだったので、はっきり言って望み薄である。それに、よく考えてみたら、本名と違う名前を名乗れるのはペンネームやハンドルネームだけではない。例えば、大好きだと言い続けている乙女ゲーがまさにそれだ。灯台下暗しとはこのこと、青い鳥は割と近くにいたのである。よって、これから乙女ゲーをプレイする時は、ヒロインの名前を一律「カレー沢暴力」とする。2次元のイケメンに「好きだカレー沢…」「愛してる、暴力…」と囁かれながら、青年誌以外のオファーを待ちたいと思うので、何卒お願い申し上げる。―カレー沢暴力拝―<作者プロフィール>カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)、Web連載漫画「ヤリへん」(2015年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。連載作品「やわらかい。課長起田総司」単行本は1~2巻まで発売中。10月15日にエッセイ「負ける技術」文庫版を発売した。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は2016年1月5日(火)掲載予定です。
2015年12月29日今回読者から寄せられたテーマは、「なぜ女は金と時間をかけてまで美人になりたいのか…ブサイクはいやなのか… 哲学的な内容ですが、カレー沢先生に尋ねてみたいです」である。○美しくなりたい=男にモテたいではない深いテーマだ。私も今でこそ体全体で「諦め」という文字を表現してしまっているが、20代の頃は美しくなりたかった。今でも美しくなる努力はしたくないが、神に「美しくしてやろう」と言われれば「まあお前がそう言うなら」と甘んじて受け入れ、美しくなるつもりである。だが、美しくなりたい=男にモテたい、という結論は短絡的だ。男だって、ギターを始めた、などの行為を全部「女とやりたいからだろう」で片づけられたら、手にしたギターを弾くより先に、そいつをぶん殴ることに使うはずである。とはいえ、この手の決めつけには、女のほうがより激しく怒る傾向がある。もしダイエット をしている女に「モテようとして」などと言ったら、「このガール様が男にちやほやされるために痩せようとしていると思っているのかァーーーッ!!」と、ジョジョの岸部露伴並みにキレること請け合いである。そう、美しくなろうとするガール様の志は「男にモテたい」などという些末なものではなく、もっと高く広いものなのだ。つまり、「美しくなれば全部うまくいく」と思って美しくなろうとしているのである。当然、その中には「男にモテる」も含まれている。こう言うと、「美人だからと言って全てが上手くいくわけではない。むしろ美人ゆえの苦労もある」と言われるかもしれないが、こちとら美人になったことがないからわからないのである。石油王に「いや、石油があるのも大変だよ」と言われてもこちらは「石油がある苦労」というが全く想像できないのと同じだ。それに、努力し美を手に入れ、「美しくはなったけど、何も変わらなかった」とわかるならまだいいが、大体の女が途中で挫折し、「美しくなれさえすれば人生変わったのに」と一生言い続けながら死ななければいけないのである。しかし、当然ながらすべての女が美を求めているわけではない。シケモクのごとく燻っている現状を打破する神の一手として美を選んだにすぎず、キャリアアップのために勉強をはじめたり、インドに行ってみたり、とりあえずインテリアを北欧風にしてみたりと、方向性は様々だ。○「ありのまま」が引き寄せる不幸それでは一体何が欲しいのだと問われると、それは「自信」な気がする。もっと端的に言えば「自分を好きになりたい」のだと思う。一生自分として生きていかなければならないのに、自分が嫌いというのは不幸とも言える。とはいえ、超高校級のブスあるいはバカ、ブスバカ界ぶっちぎりのドラフト一位で、全監督が獲得のために生放送の中でも殴り合いを始めるような逸材としてこの世に生を受けたとしても、不幸になるとは限らない。毎朝鏡にうつった自分に「やあ、今日も神がかってブスだね…」と言い、呼吸を止めてうっとり3分ぐらい自分と見つめ合い、最後にキッスしてから出勤するというならブスでも人生明るいと思う。一方、美人でも自分の顔が嫌いで鏡もまともに見られないというなら不幸だろう。つまり、美しくなる=自分を好きになれる=自信がつく=人生が良くなる、という方程式から、女は美を求めるのではと推察される (先述の通り求めるものは必ずしも美ではなく、インド放浪やキャリアアップなどでもいい)。この反動がいわゆる「ありのままの自分を愛せ」という風潮につながるのだと思うが、「美人になれば幸せになれる」という考えが浅はかなら、「ブスでも馬鹿でも自分が自分を好きならオールオーケーハッピー」という考えも疑ってかかるべきだろう。「美人ゆえの不幸」が存在するというなら、「自分が好き故の不幸」もあるはずだ。まず、自分が好きな人間は他人が自分に寄せる好意も疑わないであろうから、だまされやすいとも言える、その点、自分に自信がない人間は慎重である。うまい話は全部罠だと思っているし、話しかけてくる男は全部、キャッチか宗教だと思っている。もしイケメンに名前を尋ねられることでもあれば、まず「私にお金はありません」と中学生英語の直訳みたいな返答をしてしまうのである。また、突発的な不幸に対し、常人なら「なぜ自分がこんな目に…」と自らの不運を嘆いてしまいがちだが、自己評価の低い人間だと「まあ俺ごときの人生!こういうことも起こりますわいな!」と、突然の不幸を「必然」として処理できてしまう。そういう人生が楽しいかと言われれば「否」かもしれないが、そう生きることが一番楽と感じる人間もいるのだ。「美人になって幸せになった」「インドに行って人生変わった」という人がいるのも確かだろうが、「すべてを諦めることにより、人生楽になりました」という人がいるのも事実であり「〇〇して人生良くなった」の〇〇は自分で見つけ出すしかないのである。しかしこの「完全に諦める」という行為こそが一番難しい。私も見た目的には完全に「終わっている人」だが、実はまだ人生逆転できる一打を求めており、今はどの壺を買うのがベストか、模索しているところである。<作者プロフィール>カレー沢暴力漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)、Web連載漫画「ヤリへん」(2015年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。連載作品「やわらかい。課長起田総司」単行本は1~2巻まで発売中。10月15日にエッセイ「負ける技術」文庫版を発売した。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は12月15日(火)昼掲載予定です。
2015年12月08日女優の栗山千明、俳優の竹中直人、タレントの小堺一機がこのほど、都内で行われた、WOWOWの無料放送イベント「TOUCH!WOWOW2015」の特集「ジェームズ・ボンドに愛を込めて」の収録に参加した。「TOUCH!WOWOW2015」は、WOWOWが28日に開催する無料放送イベント。映画『007 スペクター』(12月4日公開)とコラボした同特集では、『007』シリーズ過去作品を放送するほか、キャスト&スタッフの独占インタビューなどを紹介する。番組MCを務める栗山は、ゲストで『007』シリーズファンの竹中、小堺、プロ野球・阪神の金本知憲監督との収録を終え、「緊張したけど、みなさんコアなファンなので色々教えて頂きました。車とか秘密兵器とかにも注目して見てみたい」とにっこり。ボンドの魅力については、「異性というよりも単純に格好良い。エレガントで大人の色気を感じる」と話し、「私みたいに『007』をよく知らない人でも分かりやすく楽しめる内容になりました」とアピールした。一方、初代ボンドのショーン・コネリー版からリアルタイムで見続けてきたという竹中は、「小学生の頃は、外国のスターといったらショーン・コネリー。エロいシーンは母親に目隠しされたりしてましたね」とエピソードを明かしつつ、「(現ボンドの)ダニエル・クレイグがアストン・マーティンの前に立つ姿は、本当に格好良い。『007』なりのボンドの立ち方があるんですよね。今は、ダニエル・クレイグが理想のボンドです」と熱弁。また、シリーズの魅力について、「『007』を知らない人はいない。20世紀のアクションの形を作った作品だと思う。他のアクションと違うのは、スーツで戦うところ。そこが格好良い」と語った小堺。「ボンドは、荒唐無稽な夢物語を見せてくれる憧れの存在」だと言い、「今は格好つけると格好悪いという時代だけど、ボンドは『格好良いだろ!』という仕草をやってくれる。似合わないから真似しないけど、真似したくなるくらい格好良い」と興奮気味に話していた。
2015年11月13日