展覧会「恋する現代アート」が、7月24日から11月23日まで、長野・軽井沢のセゾン現代美術館で開催される。恋愛は、人類最古の叙事詩と言われる『ギルガメッシュ叙事詩』や、日本で平安時代に生まれた世界最古の小説『源氏物語』など、昔から存在する文学作品に登場する。そして、現代美術作品においても数多くの作家が恋愛をテーマに、また、恋愛からインスピレーションを得た作品を創作してきた。本展では恋愛の要素を中心に、「好きな人に切ないまでに深く想いを寄せること」だけでなく、「昔の場所や事物に思いをはせること」という広義の恋からも着想を得ながら、恋愛にまつわる作品や恋愛を彷彿とさせる作品が主観的に展示される。出展作家には、アンディ・ウォーホルと共にアメリカン・ポップ・アートの旗手として知られるロイ・リキテンスタインや、ニュー・ペインティングの代表的な作家で、近年は『バスキア』や『潜水服は蝶の夢を見る』など映画監督としての活動で知られるジュリアン・シュナーベルの他、A.R.ペンク、篠原有司男、エルズワース・ケリー、ロバート・ロンゴ、宇佐美圭司、箱嶋泰美、小林正人らが名を連ねる。軽井沢の森の中で作品に「恋」をして、一見難しそうな現代アートがいかに簡単で面白いかを感じてみては?【イベント情報】「恋する現代アート」会場:一般財団法人セゾン現代美術館住所:長野県北佐久郡軽井沢町長倉芹ヶ沢2140会期:7月24日~11月23日時間:10:00~18:00(11月は17:00閉館)※最終入館は閉館30分前料金:一般1000円、大高生700円、中小生300円休館日:木曜日(但し8月は無休)
2016年07月20日故デヴィッド・ボウイが所有していた美術作品の数々が、オークションに出品されることになった。1月に死去したデヴィッドが収集していたダミアン・ハースト、スタンリー・スペンサー、パトリック・コールフィールド、マルセル・デュシャンら名だたるアーティストたちの作品約300点が、11月にロンドンにある美術品オークションハウスのサザビーズに出品されることになり、落札予想価格は全体で1,000万ポンド(約14億円)以上とも言われている。サザビーズはオークションに先駆けて一般展示も予定しており、サザビーズ・ヨーロッパのオリバー・バーカー会長は出品内容について「デヴィッド・ボウイのコレクションは、20世紀最高峰の創造的精神を持つ人物の世界が独自のかたちで反映されています」と表現している。落書きのような作風で知られるジャン=ミシェル・バスキアの作品「エア・パワー」は、ボウイがバスキアの指南役であったアンディ・ウォーホールのために演奏をした後に購入したもので、コレクションの中でも最高値の250万から350万ポンド(約3億5,500万から5億円)で落札されると見込まれている。267点の絵画に加え、120点以上の20世紀の家具、彫刻も含まれるコレクションの収益は、ボウイの家族が受け取ることになる。家族は出品理由を保管場所に困ったためとしている。そんなボウイは、「異常なほど夢中に」美術品を買っていることを生前に自ら認めており、アーティストの評判や投資価値を理由に作品を買い集めるのではなく、それぞれの作品に対する自身の感性を大事に作品を選んでいたといわれている。小説家のウィリアム・ボイドは、1994年にアート雑誌『モダン・ペインターズ』の編集に関わるほどアートに精通していたボウイのことを、ただの「セレブ」ではなく、「実際に何かを貢献している」人物だとして称賛していた。「デヴィッドは美術学校に実際に通っていたんです。アーティストや画家、テーマ、ムーブメントについてかなり真剣に話したがっていました」「ですから、あれは趣味や気まぐれではなく、本物の情熱でした」とボイド氏はBBCに話していた。(C)BANG Media International
2016年07月16日現代美術作家・加賀美健とシップスジェットブルー(SHIPS JET BLUE)がコラボレーションしたアイテムが登場。2016年7月1日(金)より発売される。加賀美健は、これまで国内外で様々な個展やグループ展に参加。ドローイングからインスタレーション、スカルプチャーまで表現方法も幅広い。シップスジェットブルーとは過去にもコラボレーションをしてきた。ギブスやゴミ箱、無言電話などをモチーフにしたイラストを描いたTシャツやトートバッグがラインナップ。TシャツはS〜XLまで幅広いサイズ展開で、男女ともに楽しめる。なお7月1日(金)から15日(金)までは、他にもメンズ・レディス問わず様々なブランドのTシャツを取り揃える。また、加賀美健との既存のコラボレーション商品も店頭に並ぶ予定だ。【詳細】KEN KAGAMI × SHIPS JET BLUE発売日:2016年7月1日(金)アイテム:・TEE 5,000円カラー:ギブス、ゴミ箱 白・黒 / 無言電話 白・グレーサイズ:S・M・L・XL・BAG 4,000円カラー:白、黒取り扱い:シップス 渋谷店■T-SHIRT COLLECTION at SHIPS SHIBUYA期間:2016年7月1日(金)〜15日(金)場所:シップス 渋谷店住所:東京都渋谷区神南1-18-1
2016年07月02日ファッションデザイナーの山縣良和が設立したここのがっこうが、世界最高峰のファッション教育機関としても有名なセントラル・セント・マーチン美術大学とのコラボレーションによって8月1日から5日まで、1週間のサマーコースを実施する。セントラルセントマーチンズ美術大学と日本の学校が取り組むことは初の試みである。多くの学生やデザイナーが世界的な舞台で評価を受けるようになった一方で、ファッションデザインを通して世界とコミュニケーションする能力に長けていないがために、なかなか世界へ次の一歩を踏み出せない状況でもある日本。そこで今回は、実際の海外経験で得たノウハウを元に、世界で仕事をする上で大切なことを学べるカリキュラムを1週間のサマーコースとして実施する。講師はセントラルセントマーチンズBAファッション科で講師を務める西尾マリア及び山縣良和。カリキュラムでは英語を交えながら授業を行い、マインドマップを通じて自分自身に向き合い、作品の核となるコンセプトを導きだしていき、最終日にはプレゼンテーションを行う予定だ。各自が持参したポートフォリオ、またはコンセプトやデザインリサーチをまとめたスケッチブックをベースにしながらそれぞれのデザインやアイディアを様々な視点から見ていき、どの様なコミュニケーションで世界に伝えていくかを学ぶ。また近代のデザイナーのポートフォリオ、スケッチブックやインタビューを参考にインスピレーションや作品にまつわるストーリーの要素を見ていく。一対一のチュートリアルを通してそれぞれのインスピレーションの個性的な部分やオリジナリティが何かを考え、それをベースに最終日のプレゼンテーションを作っていくという流れになっている。対象者はデザイン教育を受けたことがある者、英語の基礎がある者(英語でプレゼンテーションを行うため)で、受講料は税込15万円。申し込み期間は7月1日から20日までとなっている。申し込み方法の詳細についてはここのがっこう公式サイト()にて。
2016年07月01日横浜みなとみらいにある「横浜美術館」では、横浜の地元企業である富士ゼロックスと横浜美術館のコラボによる企画展「複製技術と美術家たち-ピカソからウォーホルまで」が6月5日(日)まで開催中だ。本展では、1988年以来「版画もしくはそれに類する手段で複数制作されたもので、その時代の精神や文化を表徴する作品」を指針として、欧米と日本の重要な作家による版画、写真、コピー・アート(ゼログラフィーによる作品)、アーティストブックなどを収集した富士ゼロックス版画コレクションが展示される。その数は現在約950点を擁し、その中の約350点がまとまって展示されるのは本展が初めて。さらに、版画コレクションに加えて、横浜美術館が擁する150点が合わせて展示され、約500点の作品展示を通して、写真印刷や映像などの「複製技術」が発達・普及し、誰もが複製を通して美術を楽しむことができる時代に、ピカソをはじめ20世紀の欧米を中心とする美術家たちが、どのような芸術のビジョンをもって作品をつくっていったのかを検証する。中でも、ドイツの文芸批評家ヴァルター・ベンヤミン(1892年ー1940年)の写真や美術に関する考察や発言に注目し、彼が著作中で言及した写真や美術の作品を展示している。ベンヤミンの論文「複製技術時代の芸術作品」は、その後の美術、写真、映画の評論だけでなく、メディア論や社会学、思想研究に大きなインパクトを与えたが、ベンヤミンの著述に登場する代表的な写真家や美術家たちの実作品を、美術史の流れの中で鑑賞することができる貴重な機会となる。さらに、この企画展では、富士ゼロックスのクラウド発信型音声ガイドサービス「SkyDesk Media Trek(スカイデスク・メディアトレック)」を提供しており、自分のスマートフォンやタブレットに、専用アプリをダウンロードして、無料で音声による展示作品の解説を楽しむことができる。解説は担当学芸員が書き下ろし、作品を目の前にしながら、制作の背景や他の作品とのつながりを知ることができるので、美術史に疎くても安心して作品を鑑賞することができる。気持ちの良い初夏の週末、横浜みなとみらいにお出かけのついでに、ぜひ立ち寄ってみてはいかがだろう。(text:cinemacafe.net)
2016年05月28日現代美術のアートフェア「ART OSAKA 2016」が、2016年7月2日(土)と3日(日)にホテルグランヴィア大阪で開催される。「ART OSAKA」は、日本最大級の現代美術フェア。今回で14回目を迎え、来場者にも長く愛され続けている。独特の審美眼を持ったギャラリストたちが選び抜いた作品はどれも良質で個性豊か。生活空間に近いホテル客室に展示された作品は、気に入ればその場で購入することもできる。本展の見所は、若手作家の手頃な作品から国際的に活躍する著名作家のマスターピースまで、様々なジャンルの質の高い現代美術を堪能できるところだ。例えば、昨年、阪急百貨店のコンコースウィンドウを飾った鴻池朋子の作品や、2016年国立国際美術館にて大規模個展を開催中の森村泰昌の作品の出展が予定。見ごたえのあるラインナップとなっている。また、出展ギャラリーによるテーマ性を持たせた[Exhibition PLUS]、京都市立芸術大学協力による新人作家の展示「アートで目覚める vol.4」と、今日の日本の抽象絵画の可能性を探る「進撃!抽象絵画」展といった企画展示も予定されており、作品の世界観を存分に堪能することができる。現代アート初心者から経験豊かなコレクターまで、誰にとっても特別な1点に出会える最良の機会である本イベント。ぜひ足を運んでみてはいかがだろう。【イベント詳細】ART OSAKA 2016会期:2015年7月2日(土) 11:00〜20:00、7月3日(日) 11:00〜19:00料金:1day pass 1,500円会場:ホテルグランヴィア大阪 26階住所:大阪府大阪市北区梅田3-1-1(JR 大阪駅直結)出展ギャラリー:53ギャラリー出展ブース:67ブースART OSAKA 2016 出展ギャラリー ※印は初出展[大阪]テヅカヤマギャラリー / ギャラリー風 / DMO ARTS / ギャラリーほそかわ / the three konohana / サード ギャラリーAya / FUKUGAN GALLERY / Nii Fine Arts / ギャラリーヤマグチクンストバウ / Yoshimi Arts / 大阪芸 術大学※ / studio J / アートコートギャラリー / YOD Gallery / Yoshiaki Inoue Gallery / ギャラリーノマル / ブルー ムギャラリー※ / Note Gallery[京都]芦屋画廊 Kyoto / ギャルリー宮脇※ / MORI YU GALLERY / アートゾーン神楽岡 / ギャラリー16[奈良]Gallery OUT of PLACE[愛知]JILL D´ART GALLERY / SHUMOKU GALLERY※ / GALLERY APA※ / アイン ソフ ディスパッチ※ / GALLERY龍屋[東京]Gallery Suchi / ギャラリーアートコンポジション / NANZUKA※ / KOKI ARTS / GALLERY 麟※ / GALLERY小暮 / MEM / eitoeiko / みうらじろうギャラリー / 小出由紀子事務所※ / GALLERY TARGET※ / 不忍 画廊 / KANA KAWANISHI GALLERY / ギャラリーかわまつ[札幌]salon cojica[韓国]Gallery SP / Gallery Jinsun / クムサンギャラリー / GALLERY SHILLA[台湾]ART ILE※ / YIRI ARTS / Galerie Grand Siècle[マカオ]Flugent Art Gallery[フランス]galerie bruno massa
2016年05月10日現代美術家の大竹伸朗が、15年から連続刊行しているカタログシリーズ『SO X TN』から新たに2タイトルを発売。あわせてこれまでのカタログを集積する『SO X TN: #1』も限定250部で発売し、5月15日から6月26日まで東京・渋谷のNADiff a /p/a/r/tでこれを記念した展覧会「SO X TN: #1」を開催する。『SO X TN』は、大竹伸朗の展覧会やフェアなどのプロジェクトが行われる度に、東京・東麻布のギャラリー・Take Ninagawaが販売してきたカタログシリーズ。08年に開催された一番最初の展覧会である3部シリーズ『貼、貼貼、貼貼貼』を除くすべての個展プロジェクトが収録されている。5月には、これまでの4種に、新たに『時憶』と『網膜』の2タイトルが加わり、計6タイトルのカタログがラインアップ。これらのカタログを集積する『SO X TN: #1』も限定250部で発売される。なお、見返し部分には大竹伸朗手書きの限定ナンバー入り。今回開催される展示会では、この『SO X TN: #1』の豊富なバリエーションの中から約100点を展示販売。絵画でもあり、彫刻でもある、重厚、膜厚な大竹伸朗ならではのユニークなピースの数々が展開される。5月15日の18時30分から20時までは、トークイベント「大竹伸朗を囲む初夏の夕べ」も開催。5月14日から6月30日までは、Take Ninagawaにて展覧会『時憶』も同時開催される。また、『SO X TN: #1』の購入者には、慶応義塾大学アート・センター企画のShow-Case Project No.3として大竹伸朗が個展を開催した際に制作された、他で手に入らない未販売のカタログ『時憶 / フィードバック』をプレゼント。デザインは同カタログシリーズと同様、Edit.35の小関学が手掛けた。【展覧会情報】「SO X TN: #1」会場:NADiff a /p/a/r/t住所:東京都渋谷区恵比寿1-18-4期間:5月15日~6月26日定休日:月曜日【書籍情報】『SO X TN: #1』著者:大竹伸朗310×240×40発刊:2016年価格:3万5,000円
2016年05月01日東京都・阿佐ヶ谷のTAV GALLERYは、未来芸術家・遠藤一郎が講師を務める現代アート講座の生徒による、未来美術専門学校アート科展「渦渦」を開催する。会期は4月1日~4月10日(木曜休廊)。開場時間は11:00~20:00。入場無料。同展は、現代アートシーンに数多くの若手作家を輩出してきた東京都・神保町の美学校にて、未来芸術家・遠藤一郎が講師を務めている現代アート講座「未来美術専門学校アート科」の一期生と二期生によるグループ展。「未来美術専門学校アート科」は、未来芸術家である遠藤一郎が「GO FOR FUTURE」のメッセージを発信するため、大きく「未来へ」と描かれた車体に、各地で出会った人々がそのまわりに夢を書いていく「未来へ号」で車上生活をしながら全国各地を走るなか、2014年に同校にて開講された。同展は、講座開講以来、初となる展示となる。キュレーションは遠藤氏が行い、出展者は、石関サエ、奥平聡、川上遥か、木村奈緒、一十三、仲田恵利花、中村留津子、ぶーにゃんほか、これまでの同講座のすべての受講者が参加する。遠藤氏は、同講座開講時に次のように語っている。「どうしようもなく役立たずだけど、究極に役に立つ、最強のど素人、夢バカ。やりたいことをやるのは苦しいけど、負けない。何がアートなのかなんてことを授業でやるつもりはなくて、やりたいことをどういうふうに実現するか、ひも解いていきたい。(中略)大きな課題としては、仕組まれた価値観からの脱却、その先に広がる自由への踏み出し。それはかなり難しい。でも好きなことに命かけていいじゃん。命なんだし、人生なんだし、一つなんだし。あたりまえの自由、それを開放する。(中略)実は素人は最強。そこを夢バカと表現している。夢バカ最強宣言。非実力派宣言。最初の一歩。世の中にはへんなやつが必要だ!!」(美学校「未来美術専門学校アート科 講座紹介」より抜粋)また、関連イベントとして、4月9日にぶーにゃん氏による作品「少女閣下のモノグラム」ライブ&トークショーが開催される。同イベントのゲストには、6人組アイドルユニット「少女閣下のインターナショナル」が参加。カルチャー雑誌「TRASH-UP!!」が設立した音楽レーベル「TRASH-UP!! RECORDS」に所属、メンバー、楽曲、パフォーマンス、衣装、そのどれもがアナーキーでクレイジーであり、既成アイドルの概念をぶち壊さんとする活動が注目を集めている。
2016年03月28日2016年2月に行っておきたい首都圏の美術展を5つ厳選しました。誰でも名前を知っている巨匠の作品展から、小さな美術館の個性的な企画まで、いましか見られない美術展を紹介します。■これは見逃せない! 巨匠の作品展・『フェルメールとレンブラント 17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展』美術の教科書などで誰もが目にしたことのあるフェルメールとレンブラント。実際に鑑賞する機会はそう多くはありませんよね。とくにフェルメールは、生涯に制作した作品数が50ほど。現存するものは約35点しかないのです。《水差しを持つ女》もこの展覧会が日本初公開。今回を逃したら次、日本でいつ見られるかわかりません。《水差しを持つ女》は若い女性の自室でのひとこまを描いた作品。金張りの水差しや部屋のしつらえから、オランダ黄金時代の市民生活の豊かさが伝わってきます。しかし、フェルメールの生活は決して豊かではなかったといいます。彼が愛用した「フェルメール・ブルー」とも呼ばれる絵の具は、ラピスラズリが原料のたいへん貴重なものでした。フェルメールはこの絵の具に夢中になり、財産をつぎこんでしまったのです。フェルメールがこの作品を描いたのは30歳のころ。いまのわたしたちと同世代です。11人の子持ちでありながら、絵の具に財産を使いはたすとは…。しかし、そのおかげでわたしたちはこの作品に出会えるわけですね。ところで、フェルメールはデッサンが苦手だったという説があることを、ご存じですか? 彼はカメラ・オブスクラというピンホールカメラのような装置を使い、箱の内側に投影された像をなぞって下絵を描いたそう。小さい作品が多いのはそのためだといわれています。デッサン苦手説が事実だとしても、それでフェルメールの価値が損なわれるわけではありません。彼の作品に一瞬が永遠につづくような静寂を感じるのは、その作法にこそよるのかもしれませんね。会期:2016年1月14日(木)~3月31日(木)開館時間:10:00~20:00会場:森アーツセンターギャラリー・『リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展』ラファエル前派は、19世紀の英国で起こったムーブメントです。同時代の印象派が屋外で一瞬の光景をとらえる「ライブ感」を追求したのに対し、ラファエル前派は神話や伝説、文学作品に題材を求めました。展示作品をひとことで表現すれば、「ストーリーが感じられる作品」といえるでしょう。たとえば、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作の 《デカメロン》。イタリアの作家ジョバンニ・ボッカチオによる同名の小説に着想を得た作品です。ところが、この物語の登場人物は10人なのに、描かれているのは9人だけ。残るひとりは、この絵を見ているあなたというわけです。物語だけでなく、観衆まで作品に取りこんでしまう手法はさすがです。作品世界に流れるストーリーに想像をめぐらせる、豊かな時間を楽しんでください。会期:2015年12月22日(火)~2016年3月6日(日)開館時間:10:00~19:00会場:Bunkamuraザ・ミュージアム■春が待ち遠しくなる展覧会・冬季展『春に想う―梅・椿・桜・桃―』畠山記念館は、荏原製作所の創業者であり茶人としても知られる畠山一清が収集した、古美術品などを展示するために設立した美術館です。展示では春を象徴する花々をデザインした美術工芸品と、季節の茶道具を見ることができます。こちらの美術館では、展示室でお抹茶(干菓子つき・有料)をいただけるんです。春を思いながら、ほっとひと息つくのも粋ですね。会期:2016年1月16日(土)~年3月13日(日)開館時間:10:00~16:30会場:畠山記念館■童心に返って楽しむ 超絶技巧に舌を巻く 個性派の展覧会・特別展『なぞなぞ? ことばあそび!! 江戸の判じ絵と練馬の地口絵』「判じ絵」は絵から答えを導きだすなぞなぞ。「地口絵」は成句などをもじった言葉遊びを絵にしたものです。たとえば、「花よりほかに知る人もなし」→「腹よりほかに減るものもなし」といった具合。思わずぷっと噴きだしてしまうようなユニークな作品を、童心に返って楽しみませんか?会期:2016年1月30日(土)~3月21日(月・振休)開館時間:9:00~18:00会場:練馬区立石神井公園ふるさと文化館・『世界を驚かせた焼物 吉兆庵美術館蒐集 真葛香山展』1876年のフィラデルフィア万国博覧会に出品されて評判を呼び、海外で人気を博した真葛焼。海外向けとあって華やかな意匠が多いのですが、なかでも必見は「高浮彫」と呼ばれる超絶技巧。今回の目玉であり、香山晩年の最高傑作といわれる《真葛窯変釉蟹彫刻壷花活(まくずようへんゆうかにちょうこくつぼはないけ)》の、水盤に取りついたワタリガニのリアルな質感ときたら! いまにも動きだしそうで、ぞくぞくします。会期:2015年2月17日(水)~2月29日(月)開館時間:10:00~18:30会場:日本橋三越本店 新館7階ギャラリー歴史的名画に春を思わせる雅な美術工芸品、くすりと笑えるユニークな絵から世界を驚かせた焼物まで。早春の1日、感性を豊かにしてくれる展覧会にお出かけしませんか?
2016年02月24日伊勢丹新宿店では、現代の新しいテクノロジーを用いた芸術作品を紹介する作品展「近未来美術展 DOORS」を、2月17日から22日まで、同店本館7階催物場で開催している。新技術が次々と開発され、社会に大きな変化をもたらしている昨今。同展では、デジタルやセンサーなどのテクノロジーを用いることで従来にない新しい作品を生み出しているアーティストらによる未来感溢れる作品が紹介される。CGアーティストの高山穣は、独自開発のコンピューターアルゴリズムが整形する精微な造型を応用し、宝飾品のような表現を試みた作品「Orb」(税込5万4,000円)を紹介。会場では同氏が独自開発したというコンピューターアルゴリズムを用いたCG映像や、3Dプリンタによる造形作品が展示されている。同氏の作品制作は、ある程度プログラムに任せており、プログラム自身が無限に様々なパターンを生成し続けることで大量の作品データが蓄積され、その中から最も美しいと思えるものを選別、構成したものを映像や静止画パネル等の形式で展示するという。抽象的なものから具象的なもの、装飾的なものまで様々だが、全て自作プログラムによるものであり、市販のCGソフトウェアは使用していないそうだ。特にメタボールというアルゴリズムを独自に改良して用いており、メタボール自身が作り出す偶発的な造形を応用し、精緻なパターンの生成を行うという。MATHRAXは、三角形のオリジナルLED基板に夜景の色彩データを取り込むことで様々な形や色を表現する「ひかりのミナモ〈星〉」(税込25万9,200円)を紹介。大石雪野は自身の姿を撮影した約6時間分の映像を2分18秒に縮め、彫刻作品に投影した「Time continuity seen on her surface」(※展示のみ)を紹介している。会場ではこのほか、小学生たちが描いた絵画をコンピューターでモザイク状に抽象化する田中和人による「Untitled Composition」(税込17万2,800円)をはじめ、数学の2変数関数を金属加工技術を用いて立体グラフ化したアートオブジェ「GAUSSIAN(ガウス関数)」(税込3万8,880円)、アクリルやオイル、LEDなどの素材を組み合わせ構造物の美しさを追求した川崎広平の「Untitled」(税込19万4,400円)などの作品を紹介している。会期中の20日、午後2時から午後2時45分までは、デジタル復元師の小林泰三によるギャラリートーク「匠を救うデジタル科学」、21日、午後2時から午後2時45分までは、現代アートコレクターの宮津大輔をゲストに招き、出品アーティストによるギャラリートークも開催する。
2016年02月19日東京都・広尾の山種美術館は、江戸時代から近代・現代まで、「HAPPY」を切り口に日本美術をたどる特別展「伊藤若冲 生誕300年記念 ゆかいな若冲・めでたい大観 ―HAPPYな日本美術―」を開催している。会期は3月6日まで(月曜休館)。開館時間は10:00~17:00(入館は16:30まで)。入館料は一般1,200円、大高生900円、中学生以下無料、きもの割引も実施している。同展は、幸福への願いが込められためでたい主題や、思わず笑みがこぼれる楽しいモティーフの日本美術作品約70点を集めたもの。祭事・婚礼などの慶事や節句、あるいは日常の営みの中で用いる図様として、日本美術ではさまざまな吉祥画題が表現されてきた。同展では、その中から長寿や子宝、富や繁栄などを象徴する美術に焦点をあて、おなじみの鶴亀、松竹梅、七福神など現代人からみてもラッキーアイテムとなる対象を描いた絵画が紹介される。さらに、ユーモラスな表現、幸福な情景など、HAPPY な気持ちをもたらす作品も展示されるということだ。同展で注目すべき作品として、初公開作品5点を含む伊藤若冲の墨画が挙げられる。おどけた様子の七福神《布袋図》や《恵比寿図》(以上2点は初公開)、表情豊かに動物の姿を描いた《河豚と蛙の相撲図》、押絵貼屛風《群鶏図》など、大胆なデフォルメと機知にトンだ富んだ表現を観ることができる。また、歌川国芳のユーモアあふれる猫や金魚の戯画(会期中、展示替え有り)、鮮烈な色彩と滑稽さが魅力の吉祥画・柴田是真《円窓鐘馗》、重厚感のある筆力が際立つ河鍋暁斎《五月幟図》など幕末・明治時代の作品も展示される。そして、日本を象徴する霊峰富士の堂々たる姿を描いた横山大観《心神》、陰影や立体感を意識し、近代的な人物表現を取り入れた下村観山《寿老》など、伝統的な画題を土台としながらも、時代に即した新しい表現を試みた近代の画家たちの優品も見どころということだ。
2016年01月28日ブラジル・サンパウロ生まれのアーティスト、ヴィック・ムニーズ(Vik Muniz)。現在はニューヨークとリオデジャネイロを行き来して活動を行っている。その彼が「Pictures of Magazines 2」と称されたシリーズ作品を展開している。そのシリーズは雑誌や書籍の一部分を手でちぎり取り、貼りあわせたもので絵を完成させるというもの。その途方もない制作行程を経て作り上げられたのは、なんとゴッホ、マネ、セザンヌの歴史的に有名な名画だ。作品に使われた素材は、再現した絵画とは全く無関係な雑誌や書籍。じっくりと細部を見てみるとタブロイド誌の切り抜きと思われるスカーレット・ヨハンソン、ジョン・レノンとオノ・ヨーコ、『STAR WARS』の人気キャラクターC3POなど、見れば見るほど様々な人物を見つけ出すことができる。しかしどの素材も特別扱いをせずすべてに等しい価値、存在感を持たせているのだという。現代では過剰ともいえる多量の情報の中で私たちは生活しており、その情報の中には価値のあるものもあれば、ゴミのようなものもある。この「Pictures of Magazines 2」シリーズでは絶え間無く情報が入り乱れている様子を表しているそうだ。ヴィックは他にも、チョコレートで写真を見事に再現した「Pictures of Chocolate」、ゴミ捨て場から集めた廃棄物で巨大な絵を描いた「Pictures of Garbage」など独創的なシリーズを展開している。※本記事は (引用元: 、VAGA info@vagarights.com) に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。
2016年01月24日京都府、京都日本画家協会、京都工芸美術作家協会は、琳派400年記念展 現代作家200人による日本画・工芸展「京に生きる 琳派の美」を開催する。会期は、2016年3月16日~28日。会場は東京都・中央区の日本橋タカシマヤ 8階ホール。開場時間は10時~20時(入場は19:30まで)。入場料は一般 800円/大学・高校生 600円/中学生以下 無料。同展は、琳派誕生400年を記念して、京都日本画家協会と京都工芸美術作家協会が合同で開催する企画展。2015年に京都府・京都文化博物館で開催されたものを、琳派 400年記念事業のラストを飾る展覧会として、都内で開催するものだ。上村淳之、中路融人、岩倉壽、山﨑隆夫、重岡良子、猪熊佳子など計97名の京都日本画家協会会員のほか、伊藤裕司(漆芸作家)、今井政之(陶芸家)、中井貞次(染織作家)、 森野泰明(陶芸家)、羽田登(染色工芸家)、永樂善五郎(千家十職)などの104名の京都工芸美術作家協会会員、あわせて201名の京都を代表する日本画・工芸作家が「琳派」 をテーマに作り上げた作品201点が展示されるという。また、関連イベントとして、同展の出品作家のうち、上村淳之、中路融人、今井政之、森野泰明、村山明など、25名の選りすぐられた人気作家による小品展「京に生きる琳派の美小品展 <日本画・工芸>」が、日本橋タカシマヤ6階の美術画廊でも開催される。こちらの会期は2016年3月16日~3月22日 10時~20時。入場無料。
2015年12月25日昭和シェル石油は、 同社が選出する「シェル美術賞2015」の受賞・入賞作品を展示する「シェル美術賞展2015」を開催している。会期は12月21日まで(15日は休館)。開館時間は10:00~18:00(入館は17:30まで/11日、18日は夜間開館10:00~20:00、入館19:30 まで/最終日は10:00~16:00、入館15:30まで)。会場は東京都・乃木坂の国立新美術館 1階展示室1B。入場料は一般400円、大学生200円、高校生以下および70歳以上は無料。同展では、昭和シェル石油が現代美術を担う将来性のある若手作家(40歳以下)の発掘を目的として1956年に創設した「シェル美術賞」の44回目となる「シェル美術賞2015」の受賞・入賞作品53点を展示する。2015年は552名の作家から807点の作品応募が寄せられた。同賞においてグランプリは選出なしとなったが、石井奏子さんの「雪の研究」と矢島史織さんの「モンスター」といった計2点を準グランプリとして選出。このほか、審査員賞3点、 審査員奨励賞3点を含む計53点の受賞・入選作品を決定、同展にて公開。それに加え、過去受賞・入選作家の活動サポートを目的に過去受賞入選作家4名の作品を展示する「シェル美術賞アーティストセレクション(SAS)」も併設する。なお、同賞の本江審査員長、保坂審査員と受賞作家8名によるトークショーを展覧会場内で実施する。開催日時は12月12日 14:00~15:00。
2015年12月10日金沢21世紀美術館で、「同時代」を問いなおす展覧会シリーズ「ザ・コンテンポラリー」が始まった。前回の「われらの時代:ポスト工業化時代の美術」に続き、9月19日から始まる「誰が世界を翻訳するのか」では、異なる文化背景をもつ11組の現代美術作家をフィーチャーし、彼らが属する共同体を取り巻く世界の有り様をどのように捉え、伝えようとしているのかを探っていく。テキスタイル、版画、彫刻、インスタレーション、映像など手法も素材も異なる表現は、現代の現代美術の多彩な魅力を楽しむことができる。ガーナ出身でナイジェリア在住の2015年ヴェネチア・ビエンナーレ栄誉金獅子賞受賞作家エル・アナツイの新作も発表される予定で、ポーランド出身のアルトゥル・ジミェフスキや中国のチウ・ジージーエ、アルゼンチン生まれのリレーショナル・アートを代表する作家であるリクリット・ティラヴァニなど、世界的に活躍する現代作家の作品が揃う。異文化間を移動、横断することが常態化する現代社会において、あらゆる関係が流動的であり、これまでに描かれた歴史や価値観も、誰がそれを伝えるかによって、さまざまな意味を浮き彫りにする。作品は作り手から発せられる言葉や振る舞いであり、作り手が自信を取り巻く世界をどのように認識しているかの表れだとすると、ポスト・コロニアル批評を経た現在、文化的背景が異なる土壌から生まれる表現について、私たちはどのようにアプローチすべきなのか。12月には、「人々の国連総会」と題した、出品作家ペドロ・レジェスによる2日間にわたるワークショップも開催される。本展覧会やワークショップに足を運び、感じ、作家の試みに参加することで、様々な国から参加する表現者の表現との関係性を創造し、世界を翻訳しようとする試みを自らも体験してほしい。【イベント情報】ザ・コンテンポラリー 2 誰が世界を翻訳するのか会期:2015年9月19日~ 12月13日営業時間:10:00~18:00(金・土曜は20:00まで)休場日:月曜(ただし9/21、10/12、11/23は開場)、9/24、10/13、11/24会場:金沢21世紀美術館 展示室料金:一般 1,000円、大学生 800円、小中高生 400円、65歳以上 800円
2015年09月23日東京都・小平市の武蔵野美術大学 美術館・図書館は、同大学の"助手"有志による展覧会「助手展 2015武蔵野美術大学助手研究発表」を開催する。会期は11月24日~12月19日(日曜休館、ただし12月13日は特別開館)。開館時間は10:00~18:00(土曜・特別開館日は17:00閉館)。入場無料。同展は、研究室のスタッフとして授業運営はじめ多様な学務を担う"助手"48名の研究成果を一堂に展観するもの。専門性を活かし各研究室で活躍する助手たちは、表現者、研究者として、学外での活動も盛んに行っており、会場には、日本画・油絵・版画・彫刻・グラフィックデザイン・工芸・建築・写真・映像・メディアアートなど、様々なジャンルで第一線を走る若手作家が同展に合わせて制作した最新未発表作が展示される。運営には15名の助手が集い、会場構成からイベント、広報、記録集発行までを行う。多彩な表現を、その展示空間もあわせて楽しむことができる展示となっているということだ。また、関連イベントとしてアーティストトークが開催される。開催日時は12月5日14:30~。入場無料、予約不要。そのほかのイベントに関しては同館Webサイトにて告知されるということだ。
2015年09月20日美術出版社は、9月17日発売の「美術手帖」10月号にて、「女子のための入門!春画」特集を掲載する。価格は1,600円(税別)。この特集は、9月19日から東京都・永青文庫で開幕する「春画展」にあわせて掲載されるもの。2013年、大英博物館で初めて「春画」のみの展覧会が開催され人気を博し、特に女性が数多く集まったことでも話題となったが、日本国内で本物の春画が並ぶ展覧会が美術館で開かれるのは初めてとなる。同社は、同特集を組んだ理由として、日本での開催が決定するまでに、国内のほとんどの美術館が春画の展示に場を提供するのを拒んだ状況を挙げ、春画への偏見を取り払うという目的を掲げている。また、特集内では、春画の基礎知識を師岡とおるのイラストと共に掲載。春画が男女や女同士、あるいは大勢で一緒に見て楽しむものであったり、嫁入り道具に使われたりと、日常生活で親しまれていたものであることを紹介する。巻頭は、「春画」をテーマに、蜷川実花が壇蜜を撮り下ろし。そのほかにも、辛酸なめ子・峰なゆか・ろくでなし子が参加する「オトナ女子の春画講座」、会田誠・山本タカト・木村了子3作家による鼎談「現代美術における性表現とタブー」、蔡國強・横尾忠則・タカノ綾が登場する「アーティストが選ぶマイベスト春画」などのコンテンツが掲載される。
2015年09月16日東海汽船は、東京都大島町で8月29日~9月13日にかけて開催される「アートアイランズTOKYO 現代美術展」に合わせ、出展作家が乗り込みレクチャーを行う「ツアーバス」を運行する。参加費はおとな1万1,100円、小学生6,000円。このツアーは、「アートアイランズTOKYO 現代美術展」におけるアート鑑賞のほか、会場へ向かう途中、大島特産の椿油を搾るための「椿の実拾い体験」もコースに組み込まれたもの。料金には東京~伊豆大島往復ジェット船船賃、島内バス代、昼食弁当代、保険料が含まれる。会期中2日間限定の催行で、現在募集しているのは9月13日に実施されるもの(既に8月30日のツアーは満席)。東京都・竹芝を8時頃出発し、10:00頃伊豆大島着。貸し切りバスでアート展会場や椿の実拾いの会場を回り、15:30に同島を出発。17:30頃に竹芝へ戻る予定となっている。なお、申し込みは東海汽船のWebページ、あるいは電話より行える。
2015年08月27日SENSE OF PLACE by URBAN RESEARCH(センスオブプレイス バイ アーバンリサーチ)は、8月21日より俳優・宮沢りえを起用した2015年 秋冬のイメージビジュアルを展開する。このたび公開されたイメージビジュアルには、フォトグラファーとして、ニューヨークを拠点に活躍する現代美術家・INA JANG(イ ジ ン)が招請された。アパレル企業の広告ビジュアルを、商業写真家ではなく現代美術家が手がけるケースは珍しい。今回発表されたビジュアルのテーマは「"anonymous"=匿名」。現代女性の憧れである宮沢りえに内在する「女しての尊厳」や「存在するだけで人の心を動かす力」 といったエネルギーのビジュアル化に挑戦したとのこと。宮沢りえ、INA JANG、そしてクリエイティブディレクターも含め女性で構成された制作体制だったことも、このテーマを象徴しているという。なお、同ブランドでは2015年春のビジュアルに俳優・古田新太がレディスファッションに身を包んだビジュアルを発表して注目を浴びたこともある。この次に発表された2015年春夏ビジュアルでも宮沢りえが起用されており、このときはカメラマンのQUENTIN JONES(クエンティン・ジョーンズ)が撮影を担当した。
2015年08月20日東京都・小平市の武蔵野美術大学 美術館・図書館は、演出家や作家の舞台美術を手がける同大学空間演出デザイン学科教授・堀尾幸男の仕事を紹介する「堀尾幸男『対(ツイ)』」を開催する。会期は10月13日~11月7日(日曜・祝日休館、ただし10月25日・11月3日は特別開館)。開館時間は10:00~18:00(土曜・特別開館日は17:00閉館)。入場無料。同展は、野田秀樹、三谷幸喜、いのうえひでのり、中島みゆきなどの、演出家や作家の舞台美術を手がける堀尾氏の仕事を、模型やスケッチ、図面などの舞台美術資料で紹介するもの。500公演を超える舞台美術のなかから厳選した、詳細な舞台模型や構想時に描かれたスケッチや図面などから、堀尾氏の舞台美術が立ち現れる過程、発想の瞬間に注目する展示となっている。また、展示空間は堀尾氏自身が会場デザインを手がけており、舞台空間さながらの会場で、堀尾氏の手がける舞台美術を体感することができるということだ。そのほか、別会場の美術館ホールでは、舞台公演の記録映像が特別に上映される。公演のなかで舞台美術がどのように存在し、機能しているかを観ることができるということだ。なお、堀尾氏は1946年広島県に生まれ、1965年に武蔵野美術大学 造形学部産業デザイン学科芸能デザイン専攻に入学。在学中に旧西ドイツのベルリン芸術大学に留学し、ヴィリー・シュミット教授の下で多様な空間造形を学びながら、自身の表現のかたちを探求した。卒業後は映画の特撮美術の仕事を経て、舞台美術家の金森馨氏に師事。1975年にはホリオ工房を設立し、81年のオペラ「ルチア」の美術を担当以後、現代劇、ミュージカル、オペラ、歌舞伎、落語など500公演を超える舞台美術を手がけており、朝日舞台芸術賞、読売演劇大賞最優秀スタッフ賞ほか多くの評価を得ている。また、吉祥女子中学・高等学校、武蔵野美術大学、東京藝術大学では非常勤講師として教鞭をとり、2010年からは武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科教授に着任している。また、関連イベントとして、会期中に堀尾氏とスペシャルゲストが出演するイベントが予定されている。日時などの詳細は、決まり次第同館ウェブサイトにて告知されるということだ。
2015年08月19日東京都・阿佐ヶ谷のTAV GALLERYでは、20名の現代美術家が"幽霊画"に挑むグループ展「現在幽霊画展」を開催している。会期は2015年8月23日まで。入場は無料。本展は、「幽霊画」という日本美術史における伝統的モチーフを、20名の現代美術家たちがそれぞれの解釈によって表現するグループ展。2014年にインターネット上で開催された「幽霊画展2014」の流れを汲んで開催される展示会で、絵画はもちろん、映像、写真、染色、彫刻、フィギュア、イラスト、パフォーマンスなど、さまざまな形式の作品が展示される。出展作家は、精神疾患を抱える現役芸大生による展覧会「メンヘラ展」の主催者・あおいうに氏、炎上アート集団・じゃぽにかの主要メンバーとしても活躍する杉田陽平氏、インターネットから生まれた芸術集団・カオス*ラウンジの創設者である藤城嘘氏など現在のアートシーンを象徴する気鋭の若手作家から、「幽霊画展2014」にて大賞を受賞した内田すずめ氏、子どもをモチーフとして現代社会が抱える問題を表現する下田ひかり氏、鉄彫刻作品を数多く手がける藤井健仁氏といった実力派作家など、主催者の美術作家・笹山直規氏のキュレーションによって選出された20名となっている。なお、笹山氏は本展のコンセプトについて、「古来より自然の中にある『気配』を敏感に感じ取ってきた日本人の美意識に注目したい。(中略) 本展は『妖怪・幽霊画』といった日本美術の歴史と、アーティスト達の『現在』が重なった新しい表現を追求してみたい」と語っている。詳細はTAV GALLERY公式サイトにて。
2015年08月17日今年、10周年を迎えた金沢21世紀美術館が、「ザ・コンテンポラリー 1 われらの時代:ポスト工業化社会の美術」を8月30日まで開催。同展は、金沢21世紀美術館の開館から10年を迎えたことを機に企画された、“美術の今”を問い直す展覧会シリーズ「ザ・コンテンポラリー」の一環となるものだ。3つの展覧会のうち第1弾となる同展では、現代の日本にフォーカス。工業を中心とする社会からサービス業や情報産業へ軸足を移し、少子高齢化や孤独死の増加といった社会問題から関係性を創ろうとする試みが強まる一方、SNSなどの個人メディアが発達と進化を遂げている現在の日本の姿を“ポスト工業化社会”という言葉で表現し、こうした時代に生きる10人の作家たちの作品を紹介する。参加する作家は、テクノロジーによって変化していく人間の在り方や社会に強い関心を持ち、社会問題を軽快なポップミュージックで表現するスタイルで新しい人間像を提示するスプツニ子!を始め、個体がたえまなく流動的に変化していく様を立体作品で表現する金氏徹平、大久保あり、宇川直宏、小金沢健人、泉太郎、三瀬夏之介、束芋、八木良太など。日本を始めとした世界21カ国が共同運用する史上最大規模の高性能電波望遠鏡「アルマ望遠鏡」を用いたアート作品も登場する。【イベント情報】「ザ・コンテンポラリー 1 われらの時代:ポスト工業化社会の美術」会場:金沢21世紀美術館住所:石川県金沢市広坂1-2-1会期:4月25日~8月30日時間:10:00~18:00(金曜、土曜は20:00まで)料金:一般 1,000円、大学生 800円。小中高生 400円、65歳以上800円休館日:月曜日(8月17日は開館)
2015年08月06日パルは31日より、細田守監督作品の背景美術を特集する特別展示「美しいアート(背景美術)の世界。」を開催している。会期は8月30日まで。開場時間は11:00~20:00。会場は東京都・原宿の「Gallery HARAJYUKU」(パル秋田ビル2F 特設会場)。入場無料。同展は、東京都・渋谷ヒカリエで開催中の「細田守監督作品『バケモノの子』展」の連動企画として行われるもの。細田守監督作品の背景美術について、オリジナルを含む約30点を展示する。また、期間中は会場内の店舗(Ciaopanic 原宿店/Kastane 原宿店/mystic 原宿店/who’s who Chico 原宿店)にて一定金額以上購入すると、細田守監督の最新作『バケモノの子』と同社グループがコラボレーションしたノベルティ(非売品)がプレゼントされる。なお、ノベルティはなくなり次第終了となるということだ。
2015年07月31日東京都・小平市の武蔵野美術大学美術館は、同大学教授・小野皓一の作家活動の軌跡と同大学での教育・研究成果を展覧する「小野皓一展武蔵野美術大学教授退任記念」を開催する。会期は9月1日~9月26日(日曜・祝日休館、ただし9月21日は特別開館)。開館時間は10:00~18:00(土曜・特別開館日は17:00閉館)。入場無料。同展は、小野氏の在独時から近年の作品まで約60点を一堂に集め、美術作品における物質性を一貫して追求してきた作家活動の軌跡と、同学での教育・研究の成果を展覧するもの。小野氏は、1970年本学油絵学科を卒業後まもなく渡独、国立ベルリン美術大学を修了後ベルリンを中心に制作を続け、2009年に同大学教授に着任し、2017年3月をもって退任する。小野氏は、今日の「絵画」が成立する要因と意味について研究を深め、物質が美術作品となることの境界を明らかにしようと試みてきており、この試みは、小野氏の代表的シリーズ《Writing Over Squares on Canvas》、《Destroying Squares on Canvas》などのシリーズとして発表され、現在までもその探求は続けられているということだ。なお、同展では、小野氏の代表的シリーズ《Writing Over Squares on Canvas》、《Destroying Squares on Canvas》、《Plate Tectonics》の中から、ベルリンで制作された70年代の作品から近年の作品までを揃え、その軌跡を通覧することができる。また、《Destroying Squares on Canvases》シリーズのうち、80年代から90年代にかけて制作された5色の大型作品、Earth・Water・Fire・Wind・Emptinessの全作が揃う、初めての機会となるということだ。また、関連イベントとして、和田浩一(宮城県美術館学芸部長)・小野皓一(武蔵野美術大学 通信教育課程教授)による対談が開催される。開催日時は9月3日16:30~18:00。入場無料。
2015年07月06日東京都・清澄白河の東京都現代美術館は、戦後美術の歴史や、作品の素材・表現に着目した展覧会「MOTコレクション 戦後美術クローズアップ」を開催する。会期は7月18日~10月12日(月曜休館、ただし7月20日・9月21日・10月12日は開館、7月21日・9月24日休館)。開館時間は10:00~18:00(7~9月の金曜日は21:00まで)。観覧料は一般500円、大学・専門学校生400円、高校生・65歳以上250円、中学生以下無料(企画展のチケットがある場合は別途観覧料は不要)。同展は、戦後70年の節目にあたる年度の「MOTコレクション」として、戦後美術の歴史や、作品の素材・表現に着目した展示を1階と3階、ふたつのフロアに分けて行うもの。1階では、戦後美術の流れを軸にした通史的な展示が行われる。おおよそ制作年代順に展示される作品からは、当時の社会状況を読み取ることができる構成となっている。また、3階では、古くから制作の素材である木と石、その現代の表現に焦点を当て、作品が開示する多彩な世界観を5つの部屋で探る。とくに、天井高のある3階では、小さな作品から大きな作品までが様々に組み合わさって展示される予定となっており、それぞれの作品のもつスケール感を楽しむことができる。なかでも、全長20mにおよぶ遠藤利克の「泉」は、14年ぶりの公開ということだ。なお、関連企画として、担当学芸員によるツアー「もっと!MOTコレクション」が開催される。開催日時は8月29日、9月26日の15:30より1時間程度。そのほか、会期中にトーク等のイベントを予定されている。詳しくは美術館ホームページにて。
2015年06月17日加島美術は、ドイツ生まれの現代美術作家 コーネーリア・トムセンの作品を約20点展示する展覧会「コーネーリア・トムセン- Stripes and Structures」を開催する。会期は6月6日~6月20日(会期中無休)。開館時間は10時~18時。会場は東京都・京橋の加島美術。入場無料。同展は、旧東ドイツ出身で現在はニューヨークで活躍する女流画家、コーネーリア・トムセン氏の日本では初めてとなる個展。海の風景を青を基調とした異なる幅の直線で表現した"Stripes(ストライプス)"シリーズの作品と、同氏の解釈する自然の本質をモノクロームの点描で表現した"Structures(ストラクチャーズ)"という対照的な作品が展示されるということだ。なお、コーネーリア・トムセン氏は1970年、ルドルシュタット(旧東ドイツ)に生まれ育ち、当時の政府が推奨していた社会主義リアリストの作品や、育った土地の古城で見たバロック絵画、絵付師として働いていたマイセン窯の美意識に大きな影響を受ける。1989年のドイツの再統一で東西の行き来が可能になったことで、画家を志し、マイセン窯を退職してダルムシュタットの The Pohle-Stiehl Art School に進学。その後オッフェンバックの The University of Art and Design で学び、現在はニューヨーク拠点に、アメリカ国内やヨーロッパなどで数多くの個展やグループ展を開き作品を発表している。出版物に「Works on Paper」(2005年)、「Stripe Paintings」(2011年)がある。
2015年05月29日横浜美術館は、中国を代表する現代美術家・蔡國強(ツァイ・グオチャン/さい こっきょう)による個展「蔡國強展:帰去来(ききょらい)」を開催する。会期は2015年7月11日~10月18日。入場料(当日)は、一般1,500円、大学・高校生900円、中学生600円、小学生以下無料。「蔡國強展:帰去来」は、中国を代表する現代美術家・蔡國強による作品を集めた、国内では7年ぶりとなる大規模な個展。日本でも約9年にわたって創作活動を行っていた蔡は、その滞在中に火薬の爆発による絵画を発展させたといい、2008年に開催された北京オリンピックでは、開会式・閉会式の視覚特効芸術監督として花火を担当し、一躍注目を集めた。今では、世界の名だたる美術館での個展はもちろん、万里の長城やセーヌ川での大規模なプロジェクトや、ヴェネチア・ビエンナーレの国際金獅子賞受賞など、世界を代表するアーティストとして認められているが、本展タイトルには、そんな自身がアーティストとして自由な創作を開始した"日本という原点に戻る"という意味が込められているとのこと。本展では、近年の代表作「壁撞き(かべつき)」が登場。99匹の狼の群れをなして壁に挑む姿が話題となった全長40メートルにおよぶ大型作品で、日本では初公開となる。また、240枚の白い磁気パネルに四季の草花や生き物を描いた「春夏秋冬」のほか、横浜美術大学との恊働で制作されるテラコッタによるインスタレーション、横浜の歴史をふまえて作られたという大規模な火薬ドローイング、さらにその制作過程を記録したドキュメンタリー映像なども公開されるという。なお、7月11日には、蔡國強本人が登壇し、自身について語るアーティストトークも実施される。参加は無料だが、事前の申込が必要となる(定員240名を超える場合は抽選)。また同日には、親子を対象としたワークショップ「昼間の花火を描こう」も開催予定。このほか、詳細および申し込みは「蔡國強展:帰去来」特設サイトまで。
2015年05月25日月刊誌『美術手帖』で知られる美術出版社は、2015年3月に民事再生法の適用を申請していたが、このたび同社の事業再建に協力するスポンサーとして、カルチュア・エンタテインメントを選んだと発表した。美術出版社は3月11日の民事再生手続開始直後から、事業再建を目指してスポンサーの選定を進めていた。今回、多数の候補者の中から選ばれたというカルチュア・エンタテインメントは、TSUTAYA、蔦屋書店、およびTポイントプログラムを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブのグループ会社で、映像、音楽、出版などの企画・制作を行っている。同社はアート系書籍や雑誌を含む幅広い出版物を取り扱うほか、近年では美術関連事業にも注力するなど、美術出版社との親和性が極めて高いことから、スポンサーに選ばれたという。両社は監督委員の同意を得て、すでに基本合意書を締結したとのこと。美術出版社は今後、スポンサーであるカルチュア・エンタテインメントのもとで事業の再建を目指し、全社一丸となって事業の再生に取り組んでいくという。
2015年05月20日『美術手帖』によるアートニュースサイト「ビテチョー(bitecho)」が、5月15日にオープンした。同サイトでは、これまで『美術手帖』で取り上げてきたコンテンポラリーアートを始めとして、アート、デザイン、写真、建築、イラスト、工芸、雑貨、音楽、旅、映画などの幅広い分野で、『美術手帖』編集部のネットワークを活かしたアートの裏話を始め、季節モノや時事に合わせた特集記事などをアップ。さらに、展覧会の開催情報やアート界での最新の出来事なども掲載していく予定だという。読み物記事としては、「ミラノサローネで有田焼!? これからのARITAを世界に発信」や「危機をいかに乗りこえるか? 狩野派絵師たちに学ぶ3つの処世術」、「日本最高峰のパフォーマーが揃うバーレスク&ピンナップの祭典!」など、『美術手帖』ならではの切り口のものが並んでいる。なお、同サイトで掲載される記事は、SNSでもチェックすることが可能。Twitterでは最新の記事を随時紹介。Facebookでは読者に人気の記事をピックアップして展開していく。また、Instagramでは、編集部が取材で訪れた展覧会の写真などを配信。ハッシュタグ「#bitecho」を用いることで、作品や展覧会の写真をシェアすることも出来る。
2015年05月18日2015年3月に民事再生法の適用を受けていた、現代美術の雑誌「美術手帖」を発刊する美術出版社は15日、 新たなアートニュースサイト「bitecho(ビテチョー)」を公開した。「bitecho」は、"創造力を社会に生かす"というコンセプトのアートニュースサイト。これまで「美術手帖」で取り上げてきたコンテンポラリー・アートに留まらず、デザイン、 建築、 ライフスタイル、イラスト、工芸、雑貨、音楽、旅、映画など、カルチャー全般の情報を幅広く発信していくという。また、同サイトでは季節や時事に即した特集記事や、「美術手帖」編集部のネットワークを活かしたアートの裏話などを配信予定。それ以外に、 記事配信以外のプロジェクトも進行中とのこと。最新情報は、同サイトのFacebookやtwitterで発信し、Instagramにて編集部が取材で訪れた展覧会の写真などの配信を行う。なお、同社は民事再生法による再建を目指しており、適用後も「美術手帖」(2015年4月号、5月号)は発行されている。
2015年05月15日