来春放送の日テレ特別ドラマで女優の竹内結子らが来春放送の日本テレビ系金曜ロードショー特別ドラマ「チープ・フライト」に出演し、キャビンアテンダント役を演じることが分かった。話題となった格安航空会社LCCを舞台にしたドラマで、豪華な面々のCA姿も見どころだ。ドラマは日本初のLCCとして、今年3月に就航した「ピーチ・アビエーション」と関西国際空港の協力により制作されており、ドラマ史上初めて、実機内での撮影も行われたという。ドラマ内のキャビンアテンダント役には、主演の竹内ほか、桐谷美玲、加藤あい、宮崎美子、トリンドル玲奈とバラエティに富んだ豪華な顔ぶれが揃えられており、彼女らのCA制服姿が注目される。替え歌やダンスもキュートに披露ドラマのなかで竹内は、大手航空会社からLCCの新会社へ出向を命じられたキャビンアテンダント、相沢美晴を演じる。それまでの職場とはかけ離れた、素人ばかりの同僚CAや、低コストの徹底されたオフィス環境などに愕然としつつも、少しずつ自分自身の仕事に誇りをもつことができるようになり、初フライトへ向けて奮闘を重ねるという姿が描かれてゆくそうだ。キャビンアテンダントといえば、美しく時代を彩る女性の象徴的な像の代表のひとつであり、数々のドラマも制作されてきているが、LCCを舞台とすることで、このドラマはまさに今の世界が切り取られた新たな作品となることだろう。どんな環境でも、自分らしく明るく輝くことを目指す、現代女性としての美しさ、強さも描写される。劇中には、「黄色いさくらんぼ」の替え歌にのせ、竹内らキャビンアテンダント役のメンバーが機内でダンスするシーンなどもあるとか。ポップでキュートな彼女たちの魅力が発揮されるところとなりそうだ。放送が今から楽しみに待たれる。元の記事を読む
2012年12月25日芸能界における幼なじみ。こちらのそんな指摘に神木隆之介はチラリと隣りの大後寿々花を見やり「そうなんです。珍しいでしょ?」とニッコリと笑う。共に1993年生まれで役者としてのデビューの時期もわずか1年違い。ドラマ「あいくるしい」や映画『遠くの空に消えた』など、これまでもたびたび共演してきた2人がまもなく公開される『桐島、部活やめるってよ』で高校のクラスメイトという間柄を演じている。この春、高校を卒業した2人だが、撮影が行われたのは在学時。彼らの生の息吹が映画に焼きつけられていると言える。高校生活ならではの葛藤、気持ちの変化原作は朝井リョウが大学在学中に著した同名処女小説。バレー部のキャプテンで人気者の桐島がバレー部を退部したといううわさが校内を駆け巡る。彼の周囲の人間がこのうわさに翻弄されていく過程で若者たちの心の内が鮮やかに浮かび上がっていく。「脚本を読んで、高校生活独特の複雑な気持ちや葛藤、心の些細な動きが文面からだけでもひしひしと伝わってきた」と神木さん。大後さんも「本当に何気ない高校生活を描いているんですが、学生にとっては本当に共感できる物語だなと思いました」と頷く。多くの若い俳優陣が出演しているが、吉田大八監督の下で撮影の1か月ほど前からワークショップを実施。劇中のクラス内のグループや所属する部活ごとに分かれて行動し、さらに監督からは自分の役柄の生い立ちや性格といった“裏設定”をレポートとして提出するように指示されたという。原作小説をヒントに自分の役を作り上げていく者もいれば、神木さんのように「全くゼロから前田涼也という役の歩んできた道をオリジナルから考えて作った」という者もいた。「前田はヘタレで臆病者なのですが、実はすごく我慢強くて熱いものを内に秘めていて意志も人一倍強い子だと思います。それは脚本を読んだときやレポートを書いたとき、それから演じているときも強く感じていました」。大後さんが演じた沢島亜矢は吹奏楽部の部長。決して目立つ存在ではないが、前田同様に芯の強さを持った女の子であり、自らに重なる部分もあったようだ。「女子がまとまって騒いでてもそれを遠目に見てるタイプです。でも、すごく純粋で好きな男の子の方を思わず見ちゃうところなんかはかわいいですよね。心の中で思っていることはたくさんあるけど、勇気がなくて言えないところは私と似てます(笑)。沢島が感情を高ぶらせるシーンは、まさに私自身と重ねて言葉にならない思いを感じながら演じました。それから吹奏楽のシーンは音楽の力にすごく助けられましたね」。2人の間で役作りは必要なかった?冒頭で2人の劇中での関係をクラスメイトと書いたが、前田と沢島は決して仲が良いわけではない。そんな2人がそれぞれの“事情”を抱えて少しずつ交差していく。幼い頃から互いを知り尽くしている神木さんと大後さんが、恋愛感情も友情もない何とも微妙な前田と沢島の関係性を作り上げているところがおもしろい。神木さんは「あのシーンについて、2人で事前に演技について話をすることは全くなかったんですよ。ね?」とイタズラっぽい笑みを浮かべる。「噛み合わない前田と沢島だけど、どこかで互いに分かり合える部分を持っていると思うんです。だからこそ前田の沢島に対する最後の言葉が出てきたんだろうな、と。大後さんとは何度も共演して、互いにお芝居の仕方だけでなくひとりの人間としての中身もよく知っている。それがあったからこそ、あのどこかで繋がっている2人の関係性をきちんと表現することができたんじゃないかなと思うんです。逆に、例えば橋本(愛)さんのことは僕はほとんど知らなくて、一緒のシーンがある最終日まで『おはよう』しか会話を交わしたことがなかった。実際にぎこちなくて、映画の中の前田とかすみ(橋本)の関係そのままなんです(苦笑)。芝居をしていても互いに距離感が掴めずにズレをすごく感じる。撮影後にようやく喋れるようになったのですが、そういう意味でこの映画はキャスト同士の距離感が絶妙だったと思います」。安心感がある。心地よい幼なじみの関係幼なじみにして、同じ俳優としての道を歩んできた同志でもある2人。この機会に改めて互いの性格や魅力についてマジメに語ってもらおう。神木さん、ずばり大後さんはどんな人?「すごく頭がいいです。とにかく回転が速い!周りに気を遣えるし、しっかりしています、近寄りがたいくらいに(笑)。それが、芝居となるとフワーっと優しく包み込んでくれるんです。僕のイメージでは、黄緑色の薄いカーテンに包まれるような心地いい感じ(笑)。あの感じはいつも共演しながら『すごいな』と思って尊敬してます」。そんな神木さんの言葉に大後さんは頬を赤らめながら、神木さんが共演者にもたらす「安心感」を語ってくれた。「神木さんとは本当に小っちゃい頃から一緒なので、私もリラックスして気負いなく現場にいられます。どんな芝居をしても受け止めてくれる安心感があるんです。普段の神木さんは…すごく優しいですよ(笑)。本当にそのひと言に尽きます。お芝居のことでもそれ以外のことでも、私が考え込んでいるときにその空気を察してフッと温かいひと言をかけてくれる。それがすごく嬉しくて、悩んでたことも『そんなに悩まなくていいんだな』って思えたり。ひと言で私を変えてしまうくらいすごく影響を与えてくれます」。これからも幾度となく共演することになるであろう2人だが、この作品に閉じ込められている感情は間違いなくあのとき、あの場所でしか表現することができなかったものである。懐かしさを感じるもよし、胸の痛みにのた打ち回るもよし、モヤモヤとした何とも言葉にできない、だが限りなく美しい感情を2人の姿を通じて感じてほしい。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:桐島、部活やめるってよ 2012年8月11日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「桐島」映画部©朝井リョウ/集英社
2012年08月08日山本裕典、本仮屋ユイカ、原田夏希、竹内寿、福士誠治という、実力を兼ね備えた5人の若手俳優が出演する舞台『パレード』。この作品が1月16日、東京・天王洲 銀河劇場にて開幕した。本作は、『悪人』『パーク・ライフ』などでも知られる吉田修一による2002年山本周五郎賞受賞作の小説が原作。この小説に惚れ込んだ行定勲が2010年に自ら脚本も手がけ映画化、今回の舞台版も演出を担当している。脚本は『世界の中心で、愛をさけぶ』など、映画化された作品の舞台版も手がけているモダンスイマーズの蓬莱竜太。小説と映画版が5人の登場人物それぞれの独白をオムニバスとして構成しているのに対し、舞台版は5人が暮らす2LDKのマンションでの生活を時系列に見せる形をとった。また、小説とも映画版とも全く違ったラストを用意しているのも注目すべき点だ。物語は都内の古びた2LDKのマンションが舞台。ここに年齢も職業も異なる4人の若者がルームシェアしている。先輩の彼女に恋する大学3年の良介(山本)、若手人気俳優と熱愛中らしい無職の琴美(本仮屋)、飲んだくれのイラストレーター兼雑貨屋店長である未来(原田)、映画会社勤務で一番しっかりしていそうな直輝(福士)。細かい生活ルールも喧嘩もなく、他人に踏み込みすぎぬよう一見楽しく日々を送る彼らの前に、ある夏、男娼をするサトル(竹内)が現れ、同居することになる。近所で女性を狙った通り魔事件が頻発していたこの頃、サトルの同居を機に、徐々に4人の住人の心の闇が露わになる。時は過ぎ冬、またも通り魔事件が起こる。それでもサトルを除く4人は表面上当たり障りのない生活を続けていて……。ルームシェアを支える兄貴的な役割を果たす、福士演じる直輝は舞台版のキーマン。一見、コミュニケーション能力に長けていそうなのだが、時おり電話でキレまくり、物語に不穏な空気をもたらす。また周りの雰囲気に流されて、つい盛り上げ役を買って出てしまう良介役には山本が扮する。5人の中では一番素直な性格で、共同生活に波風が立たないよう注意を払っている。酒に飲まれて常に生活に嵐を巻き起こす未来役の原田、一見平穏な共同生活に疑問を投げかける得体の知れないサトル役の竹内は好演。働きもせず一日中熱愛中らしい有名俳優の連絡を待ち続ける琴美役の本仮屋は、後半になるにつれ大人しい佇まいが不気味に感じられた。登場人物の誰かがストーリーを引っ張る芝居ではない。マンションで共同生活を送る5人の若者の生態を通して、彼らの無自覚な残酷さや心の隔たりをあぶり出す舞台だ。東京公演は1月27日(金)まで同劇場にて。2月4日(土)・5日(日)は大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで上演する。チケットはいずれも発売中。
2012年01月18日吉田修一の人気小説を舞台化した「パレード」の公演初日を前に1月15日(日)、通し稽古の模様が報道陣に公開。一昨年の映画化に続いて本公演でも演出を手掛ける行定勲と山本裕典、福士誠治が取材に応じた。山本さん、福士さん、本仮屋ユイカ、原田夏希、竹内寿を迎えて舞台化された本作。都会でルームシェアをする若者たちの心の闇を暴き出していく。公演初日を翌日に控え、山本さんは「ずっと稽古してきてチームワークもいいし、それぞれが台本を深く読みこんで自分なりの『パレード』を考えてきました」と晴れ晴れとした表情。行定監督は「自分で映画を演出しているのを忘れて全く別物としてやってます。かなりいい仕上がりになっていると思います」と自信をのぞかせる。山本さんは見どころとして「パンツをさらしてます!」とセクシーショットを告白。行定監督から「見せたいんだよね?」とツッコまれると「さらしたいんです」と頷き、「(パンツは)いくつか用意してもらっています。見てのお楽しみで(笑)」と期待をあおった。福士さんは「小説、映画とあって、今回の舞台ではラストが少し変わっています」と見どころを明かすも「一番言いたいけど言っちゃいけないところ(笑)。舞台では珍しく、雨を降らしてもらってびしょ濡れになりますが、それ以上は言うなと言われています」と原作、映画との違いをほのめかした。行定監督も「映画では(原作の)2~3歩先を見せましたが、舞台はかなり先を見せてます。そこをやりたかったんです」と強い思い入れを明かした。ちなみに、山本さんは公演中の1月19日に24歳の誕生日を迎えるが「まだまだ若いと思ってましたが(笑)、大人に近づいてます。良い1年のスタートにしたい」と抱負を語るが、「プレゼントは?」と報道陣から尋ねられた行定監督、福士さんはあっさりと「しないですね」と即答。山本さんは「女性陣には優しいのにメンズにはあたりが厳しいですよね」と苦笑いを浮かべていた。舞台「パレード」は1月16日(月)より29日(日)まで東京・天王洲銀河劇場にて、2月4日(土)、5日(日)に大阪・シアター・ドラマシティにて上演。■関連作品:桜蘭高校ホスト部 2012年3月17日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 葉鳥ビスコ・白水社/映画「桜蘭高校ホスト部」製作委員会■関連記事:山本裕典「120%はじけたい」人気ドラマ『桜蘭高校ホスト部』映画化決定!
2012年01月16日今年で24回目を迎えた「東京国際映画祭」(開催中)の大きな取り組みの一つに、若年層へのアピールが挙げられる。趣味の多様化によって、映画離れが進んでいる若い世代に“映画を見ること”、そして“映画を通して世界を知ること”の喜びと楽しみを体験してもらおうと、あの手この手のアプローチが展開中だ。チケットブースの様子まず、発表直後から大きな話題を集めた“学生当日券500円”の割引制度(公式オープニング作品・特別オープニング作品・公式クロージング作品は除く)。一般料金1000円のところ、当日券購入の際に劇場窓口で学生証を提示すれば、半額の500円で国内外の話題作を鑑賞できるのは、実際うれしい試みだ。「朝早くから若いお客様が当日券の列に並んでいる姿を見かけますし、映画祭全体を見渡しても、例年より若い方が多い印象です」(尾上朝美さん/東京国際映画祭事務局コミュニケーション広報グループ宣伝チーム)。尾上さんによれば、前売り券が完売した上映も当日券は発売されるため、「ダメ元でチャレンジしたら、チケットが取れたと喜んでらっしゃる学生さんも。社会人に比べて、時間の融通も利くと思いますので、ぜひ学生のみなさんはチャレンジしてみてはいかがでしょうか」とのこと。ぜひ来年以降も実施してほしい学生の“特権”である。今年は、映画祭を応援するために結成されたイケメン軍団“TIFF BOYS”も活躍中だ。メンバーはミュージカル『テニスの王子様』でブレイクした佐藤永典、第20回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストのグランプリ受賞者である竹内寿、第3回D-BOYSオーディションで準グランプリを受賞した牧田哲也の3人。ライフスタイルマガジン『Time Out Tokyo』誌とコラボレートした『TIFFパーフェクトガイドブック』をはじめ、各メディア上で映画祭をPRしている。また、7名の大学生で構成された“TIFF 学生応援団”は公式ブログ上で連日、イベントレポートを掲載したり、映画祭スタッフにインタビューを試みたりと大忙し。こだわりは“学生目線”。会期中は、六本木ヒルズ内で行われる公式記者会見にも足を運び、国内外の映画人に積極的に質問をぶつける姿も見受けられる。そんな彼らの姿は、少なからず海外の映画関係者の記憶に残ることだろう。こうした挑戦によって、東京国際映画祭が日本の映画文化の未来を担う若い世代にとって、より気軽に足を運べる映画祭になることを期待したい。「第24回東京国際映画祭」30日(日)まで開催中
2011年10月27日2010年に行定勲監督により映画化された『パレード』の、舞台版の制作発表が10月26日に行われ、演出を手掛ける行定と、出演する山本裕典、福士誠治、本仮屋ユイカ、原田夏希、竹内寿が会見に出席した。『パレード』チケット情報舞台作品の原作となる『パレード』は、吉田修一が2002年に山本周五郎賞を受賞し、話題となった小説。都内のマンションでルームシェアをしている4人の若者たち。そこへ男娼をしている男が現れ、なんとなく一緒に住む事になるのだが、同じ頃、近所で女性を狙った連続暴行事件が起こり始める。一方で、お互いを干渉せずに過ごしてきた4人の日常が少しずつ変化していき……。会見で行定は「『パレード』は、僕にとっての集大成になった映画です。これを演劇化するという話を聞いて、他の人にやられたくないな、という気持ちがあって。(原作は)時代を凌駕した若者像を捉えた小説で感銘を受けました。それをまた演劇でやらせていただくのは光栄」と話し、映画は自身でシナリオを書いたが、舞台版では「蓬莱竜太さんという、ずっと一緒に仕事をしたかった若手の作家の方に頼みました。自分で作った映画版を裏切ろうというのがテーマなんで、すごくそこは自分自身楽しみにしています」と映画との違いも明かした。また、演じる側の山本は「舞台ならではの見せ方で、舞台を見に来た人をひとりでも多く魅了したい」と意気込みを語ったかと思えば、ルームシェアをしたら見られたくない姿はと言う質問に、「友達の家に遊びに行った時に、夕飯をご馳走になった後、トイレで大きい方をしたら音が鳴ってしまって。それを友達に聞かれて大爆笑されました」と恥ずかしい話をポロリ。同じ質問に本仮屋も「眠っている時の顔がよくないと友人に言われて。それから寝る時は暗くして見られないようにしてます」とマル秘エピソードを告白。この日が初対面という人もいる中、会見の場ですっかり打ち解けた様子だった。そのやりとりを横で聞いていた福士と原田は苦笑しつつも「(秘密を抱えている役で)映画とは違った裏切りを見せられるんじゃないかなと思います」(福士)。「自分が今までやったことがない役で、(自分とは)違うキャラクターですが楽しみです」(原田)とそれぞれ意欲を語った。この日18歳の誕生日を迎えた竹内は「男娼(という言葉)すらも知らなくて。想像もつかないし、どうやって演じたらいいか解らなくて……」と難しい役どころに悩みながらも、「この先輩方と一緒にできるのが嬉しい」と明るく答えていた。舞台『パレード』は、2012年1月16日(月)から29日(日)まで東京・天王洲銀河劇場、2012年2月4日(土)から5日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。チケットは、東京公演は現在プリセール(WEB先着先行)実施中、大阪公演は10月27日(木) 21:00より実施。10月29日(土)より一般発売開始。
2011年10月27日2002年に山本周五郎賞を受賞し、行定勲監督によって映画化された「パレード」が、行定監督自らの演出で舞台化されることになり、10月26日(水)、都内で製作記者会見が行われた。出演するのは山本裕典、本仮屋ユイカ、原田夏希、竹内寿、福士誠治という人気、実力を兼ね備えた若手俳優たち。都内の2LDKマンションでルームシェアをして生活する若者たちの無機質な人間関係を通して、現代人が抱える閉塞感と狂気をえぐり出す群像劇で、「個人的にはホラーだと解釈している」(行定監督)。一方、出演者は「僕自身、ルームシェアには向いていないかも。他人にはぐいぐい踏み込むけど、他人には踏み込まれたくない性格なんで(笑)」(山本さん)、「私は寝顔が良くないって評判なので、誰かとルームシェアしても、それだけは見られたくないですね」(本仮屋さん)とこれから舞台上で始まる“共同生活”への思いを語った。行定監督にとって映画『パレード』(’09)は「集大成と言える作品だった」。それだけに「演劇化を他人にやられたくないなと思った」といい、「確かに一度作り上げたものを、作り直すには大変だと思うが、逆にとても光栄で新しい挑戦になると感じている」と意気込み十分。行定監督が脚本を担当した映画版に対して、今回、シナリオを手がけるのは演劇界で注目を集める蓬莱竜太である。「シナリオを若い蓬莱さんに託すことで、映画版を裏切ろうという気持ち。どんな化学反応が生まれるか、自分自身も楽しみにしている」と期待を寄せる。もともと「一年のうち、映画よりも演劇を観る回数が多いと思う」と演劇ファンを自認する行定監督。すでに頭の中には、演劇的要素をいかに組み入れていくかイメージが沸いているのだとか。山本さんは「一つの空間にいながら、どこか自分たちを俯瞰する若者。そしてそれを外から見ている自分がいるという映画の独特な世界観に魅了された。今度は僕らが、舞台ならではの見せ方で(観客を)魅了できたら」。本仮屋さんが扮するヒロイン・琴美は、映画版では本仮屋さんの大親友である貫地谷しほりが演じており「お互いすごく驚いた。『絶対観に行く』と言ってくれたので、その日は一番緊張しそう」とプレッシャーを感じている様子だ。「(映画とは違う)新たな世界観で、いい意味で裏切りを見せることができれば」(福士さん)、「いままでやったことがないタイプの役どころなので、どう役作りをしようか考えている」(原田さん)。この日18歳の誕生日を迎えた竹内さんは、男娼役という難しい役どころで「そもそも男娼というものすら知らなかったので、どういう気持ちで演じたらいいか…。先輩方との共演は嬉しい反面、プレッシャーもありますが、先輩方に負けないよう頑張りたい」と抱負を語った。舞台版「パレード」は東京・天王洲 銀河劇場で2012年1月16日(月)〜1月29日(日)、大阪・シアター・ドラマシティで2月4日(土)〜2月5日(日)にて上演。東京・大阪公演ともに10月29日(土)からチケットの一般発売が始まる。■関連作品:パレード 2010年2月20日より渋谷シネクイント、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010 映画『パレード』製作委員会Camellia カメリア 2011年10月22日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010 BALCON/SIDUS FNH■関連記事:『カメリア』ソル・ギョングインタビュー「平凡であろうと、努力はしているかもしれない」来年こそは行ってみたい?ココだけの釜山国際映画祭の楽しみ方を伝授!吉高由里子×行定勲監督インタビュー“放し飼い”から生まれた“風”のような一篇韓国の名優ソル・ギョング、吉高由里子の第一印象は「中学生くらいかな?」吉高由里子、韓国で行定勲監督に「放し飼いにされました」
2011年10月26日今年で24回目を迎える東京国際映画祭(TIFF)の開幕を前に、21日に会場となる六本木ヒルズで記者会見が行なわれ、東京国際映画祭チェアマン依田巽、事務局長の都島信成らと、特別ゲストとしてコンペティション部門に選出された『キツツキと雨』の沖田修一監督と主演の役所広司が登壇した。会見のもよう今年の東京国際映画祭は、公式オープニング作品にポール・W・S・アンダーソン監督のアクション超大作『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』と、特別オープニング作品として、来日も予定しているジャッキー・チェンが主演と総監督を務めた『1911』で幕を開ける。映画祭の柱、コンペティション部門はエントリー作品975本の中から選ばれた15作品が最高賞“東京 サクラ グランプリ”などの各賞を決定するほか、日本未公開作品を集めた「特別招待作品」や、アジア圏で製作された「アジアの風」など、さまざまなジャンルの作品を9日間上映。クロージング作品には、ブラッド・ピット主演の『マネーボール』が決定している。今年で就任4年目となる依田チェアマンは、「“信じよう。映画の力。”ということで、映画の力を全面に出し、東日本大震災の被災者の方々も含め日本に多くの勇気と力を届けたい。また作品力、交流力、情報発信力、をテーマに、もっと若い人にも映画祭の魅力をアピールするため、TIFF BOYS(佐藤永典、竹内寿、牧田哲也)を結成しました。ここ数年、東京国際映画祭の個性として打ち出している“グリーン”“エコ”のイメージも継続しつつ、社会的な使命も果たすべくTIFFを成功させたい」と意気込みを語った。役所は「沖田監督の前作『南極料理人』を観てぜひ一緒に仕事をしたいと思った。初めてお会いしたときは学生さんみたいに若くてビックリしたが、現場ではスタッフやキャストをその気にさせる“魔力”を持った素晴らしい人」と話し、沖田監督は「必死でやってるだけ。出来上がったばかりの作品が、コンペティション部門という注目される場で上映していただけるのでとても興奮しています」とコメント。サプライズとして、出演者のひとりである小栗旬から会場に届けられたメッセージ「この作品は映画製作を知らない人に、こんなふうに映画は作っているんだと知ってもらえる作品。まさに映画を作る人たちが集まる映画祭で上映されることはとても意味のあることです」を読み上げた。「第24回東京国際映画祭」期間:10月22日(土)から30日(日)まで会場:六本木ヒルズほか都内各所で開催
2011年09月21日「人のために優しくなれる女優になりたい」──大人顔負けのセリフをさらりと語るのは、弱冠16歳にして数多くの映画やドラマに出演する大後寿々花。今年だけでも『おっぱいバレー』や『カムイ外伝』など、話題作への出演が続く売れっ子女優だ。本作『女の子ものがたり』は「毎日かあさん」のテレビアニメ化、「いけちゃんとぼく」の実写映画化が記憶に新しい漫画家・西原理恵子の自叙伝的漫画が原作。西原の分身とも言えるヒロインの菜都美(なつみ)を深津絵里、その高校時代を大後寿々花が演じている。「その場で自分が感じ取ったまま動いてみよう、と」子役として多くの役を演じてきた彼女だが「子供から大人に変わる瞬間を演じるのは初めてだった」と、これまでとは一味違う挑戦があったと話す。「小学生、高校生、現在──なつみは3世代に分かれていて、私はその真ん中の時代を演じました。大人になっていく変化を演じるのは初めてでしたが、原作のなつみと、映画のなつみの両方を大切にすることで、その繋がりをうまく演じられるのかなと思いました」。11歳のときに出演した『SAYURI』でハリウッドデビューを果たしているだけあって、役に対するアプローチも子役の域を優に超えている。そんな彼女があえて深く考えずに演じたシーンがあると言う。それはずっと仲良くしてきた3人に訪れる、別れの瞬間。女の子の喧嘩とは思えない取っ組み合いの大喧嘩が描かれる、何とも印象的な一幕だ。3人それぞれの感情も高まる緊張感あるシーンで、きみこ役の波瑠はあまりにも感情移入し過ぎて撮影が終わるまでほかの2人と距離を置いたというほど。だが、大後さんはその逆。考えずに挑んだその理由は?「なつみはきいちゃんから“この街から出て行け”なんて言われるとは想像していなかった。だから、その場で自分が感じ取ったまま動いてみようと思ったんです。最初は男の子の喧嘩みたいにお腹を蹴ったりするシーンが多くて、前日にはスタントの人を交えてリハーサルをしたりしました。でも、女の子の喧嘩はもっとこうなんじゃない?ああなんじゃない?と、現場で意見を出し合ってシーンが変わっていきました」。脚本を読んだときから、とても大切なシーンになると思ったと言う。また、3人の感情を高めるために監督は、現場でそのシーンに合った音楽を流すことがあり「音楽でイメージをつかむという演出は初めてだったけれど、音楽を聴いていると自然に涙が出てきたりして…言葉に表せないものを感じることができました」。新しい感覚を手にしたと語る。「大抵は“大丈夫”と言って隠してしまう性格」楽しいことも、辛いことも、情けないことも、全てを受け入れてくれる友達の存在は何にも代え難い宝物。大後寿々花もなつみを演じながら「この3人の、自分をさらけ出せる関係が羨ましい!」と思ったそう。「なつみが泣きながら“何も知らないことは恥ずかしいことなんだよ…”って自分のことを話すシーンがとても印象的で。というのは私自身、友達に相談をしたり、友だちの前で泣いたりしたことはあるけれど、大抵は“大丈夫”と言って隠してしまう性格なんです。だから、なつみを通じて感情をさらけ出したことが思い出深いんです」。ちょっぴり遠慮がちなその性格も彼女の個性のひとつ。けれど、今回の現場では「撮影をしていくうちにどんどん仲良くなっていくのが嬉しくて。私が一番年下なので、しばらくは敬語でしたけど(笑)」。やはり彼女らしい。新しい友情を得た16歳の女優が今後どんな一面を見せてくれるのか楽しみで仕方ないが、まずはいくつもの変化をもたらしたという『女の子ものがたり』の大後寿々花を見てほしい。(text:Rie Shintani/photo:Yoshio Kumagai)「シネマカフェsweet」『女の子ものがたり』特集 interviewvol.1 波瑠vol.2 高山侑子vol.3 大後寿々花■関連作品:女の子ものがたり 2009年8月29日よりシネクイントほか全国にて公開© 2009西原理恵子・小学館/「女の子ものがたり」製作委員会■関連記事:「明るくて変な子なんですよ、みさも私も(笑)」『女の子ものがたり』高山侑子の素顔持田香織が熱唱も、だんだん足が開いてしまう?“女子力”の低さに苦笑波瑠、大後寿々花と本気で取っ組み合い!?「あんなに感情的になったのは初めて」女子の友情は最強!『女の子ものがたり』ノベライズ版を3名様にプレゼント大後寿々花ら女友達3人、浴衣姿で『女の子ものがたり』×「毎日かあさん」コラボ
2009年08月25日