JR原宿駅は、旧駅舎の外観を再現する「原宿駅旧駅舎跡地開発」を実施。開業は、2026年度冬を予定している。JR原宿駅の“旧駅舎”の外観を再現へJR原宿駅にて、100年近く原宿エリアのシンボルとして愛されてきた旧駅舎建物。三角屋根や、尖塔をのせたハーフティンバー様式風デザインが印象的で、2020年8月より老朽化などが原因で惜しまれつつも解体されたものだ。そんな原宿旧駅舎が、今回の開発により再び蘇る。取り壊した際に保存していた外装材の一部を再使用し、原宿の街のシンボルとして特徴的な外観を可能な限り再現し、建て替える。これにより、原宿駅の記憶を継承しつつ、毎時神宮の社やまちの緑との調和を図った商業施設が誕生する。規模は地下1階、地上4階建ての建物となり、原宿カルチャーのさらなる進化と発信源となることを目指す。【詳細】原宿駅旧駅舎跡地開発所在地:東京都渋谷区神宮前1-18-20開業:2026年度冬(予定)工期:2024年5月末頃~2026年12月(予定)敷地面積:約760㎡(再現駅舎含む)延べ床面積:約1,170㎡構造・規模:RC造・地下1階、地上4階建て(旧駅舎外観再現含む)・高さ約16m用途:商業施設※画像はイメージ。変更になる場合あり。
2024年04月27日2024年4月27日(土)より、大阪のあべのハルカス美術館では、『徳川美術館展 尾張徳川家の至宝』を開催する。尾張徳川家の至宝を保存・公開している名古屋市、徳川美術館のコレクションより、尾張徳川家の歴史と華やかな大名文化を紹介する展覧会だ。徳川将軍家に連なる御三家の筆頭格で、諸大名の中でも最も高い格式を誇っていた尾張徳川家。家康の九男・義直(1600-50)が創始して以来、この家系には、家康の遺品「駿府御分物(すんぷおわけもの)」をはじめ、歴代当主や夫人たちの遺愛品など一万件余りが伝えられてきた。その精華を紹介する同展では、まず第一章「尚武」で、武家の象徴として大切に守り伝えられてきた、甲冑や刀剣など格式ある「いくさ道具」を紹介。大阪落城で焼けるも再刃された、刀剣ファンに人気の《脇指銘吉光名物 鯰尾藤四郞》も大阪に帰省する。《脇指銘吉光名物 鯰尾藤四郞》、鎌倉時代 13世紀第二章の「清雅」では、大名が礼法や教養として求め られた茶・能・香といった文化的な側面に焦点を当てる。また第三章「求美」では、大名やその家族が「奥」と呼ばれるプライベートな空間で、趣味や教養を高めるために使用した「奥道具」の数々を展示。第四章「至宝」では、現存最古の源氏絵の遺例である国宝「源氏物語絵巻」と、三代将軍家光の長女・千代姫の婚礼調度、国宝「初音の調度」を紹介する。国宝《初音蒔絵旅櫛箱》江戸時代 寛永16年(1639) ※展示期間:4/27~5/26なお、「源氏物語絵巻」は《竹河(一)》《早蕨》《宿木(三)》《東屋(二)》の四場面を、それぞれ約2週間ずつ、「初音の調度」は《初音蒔絵旅櫛箱》と《胡蝶蒔絵掛硯箱》を、約一カ月ずつ展示する。作品や期間については変更する場合もあるので、展示スケジュールは講演会などの関連イベントの詳細と合せて、美術館ホームページで確認を。<開催概要>『徳川美術館展 尾張徳川家の至宝』会期: 2024年4月27日(土)~6月23日(日)※会期中、展示替えあり会場:あべのハルカス美術館時間:10:00~20:00、月土日祝は18:00まで(入館は閉館30分前まで)休館日: 5月7日(火)、5月27日(月)料金:一般1,800円、大高1,400円、中小500円公式サイト:
2024年04月11日東京・上野にある国立西洋美術館で「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」が開催されています。かなり長いタイトルがつけられたユニークな本展について、研究員さんのお話や展示風景などをレポートします!“死者の作品しかない美術館”に現代アートが集結!国立西洋美術館入り口付近※本記事の写真は、主催者の許可を得て撮影しています。【女子的アートナビ】vol. 328本展では、国立西洋美術館で史上初となる「現代アーティストたちが制作した作品」を展示。同美術館が所蔵するコレクションにインスパイアされて新たに制作された作品など、20組以上のさまざまな世代のアーティストたちによる多彩なジャンルのアート作品が紹介されています。本展を担当された国立西洋美術館主任研究員の新藤淳さんは、開催の経緯について次のように述べています。新藤さんこの展覧会は、ひとつの問いからはじまりました。国立西洋美術館は、生きている作家の作品は収められていない状態が続いている、つまり“死者の作品しか存在しない美術館”なのですが、生きているアーティストたちも招いたほうがいいのではないか、という問いです。なぜなら、この美術館には生きたアーティストたちの糧となるために建てられた歴史があるからです。美術館の母体となった「松方コレクション」を築いた松方幸次郎は、当時日本にいた多くの絵描きたちに本物の油絵を見せてあげたいという思いから、コレクションを集めていきました。未来の芸術をつくるアーティストたちの刺激になってほしいという願いが込められていたと考えられるこの美術館に、今生きているアーティストたちの方々を招き、問いを投げかける形で展覧会を構成しました。章タイトルがユニーク!左:ポール・セザンヌ《葉を落としたジャ・ド・ブッファンの木々》(1885-86)、右:内藤礼《color beginning》(2022-23)では、展示作品のなかから、特に印象に残った作品をいくつかご紹介していきます。まず、全体を通してユニークだと思ったのは、各章のタイトル。問いかけるスタイルで、末尾にクエスチョンマークがついています。例えば最初の0章は、「アーティストのために建った美術館?」。この章では、「国立西洋美術館はアーティストのために建ったのではなかったか?」という問いかけを象徴する作品や資料が紹介され、コレクションを築いた松方幸次郎の肖像画や、美術館の基本設計を担当したフランスの建築家、ル・コルビュジエのスケッチなどが並んでいます。続く1章のタイトルは、「ここはいかなる記憶の磁場となってきたか?」。1章で目を引いたのは、内藤礼のアクリル絵画《color beginning》。本作品の隣には、国立西洋美術館の所蔵作品であるポール・セザンヌの油彩画《葉を落としたジャ・ド・ブッファンの木々》が並び、この二作品だけ、ほかのアーティストたちの作品とは離れ、大きな壁で仕切られた端っこにある静かな空間に展示されています。解説によると、セザンヌの『葉を落としたジャ・ド・ブッファンの木々』の隣に、自身の絵画を距離をあけて展示する、というプランを内藤が提案。この展示室を見た感想としては、シンプルに、居心地のいい空間だと思いました。イケアの家具が展示室に!?展示風景より、小田原のどかの作品など続く2章「日本に『西洋美術館』があることをどう考えるか?」では、靴を脱いだ空間で鑑賞する小田原のどかの作品群がユニークです。彫刻家の小田原は、国立西洋美術館の彫刻が免震用台座のうえに展示されていることに興味を示し、彫刻を「転倒」させたインスタレーションを制作。まっすぐ立っているのが当たり前、というイメージがある彫刻が倒れている光景は、なかなかインパクトがあります。彫刻の「転倒」と、人間が思想的に「転向」することを重ね合わせているそうで、深いテーマが含まれた作品です。展示風景より、鷹野隆大の写真など4章「ここは多種の生/性の場となりうるか?」では、ショールームのような、あるいは友人の部屋のような不思議な展示室が出現。写真家の鷹野隆大によるプロジェクトで、彼の写真とイケアの家具、国立西洋美術館の所蔵作品などが並び、かなり異質な光景を見ることができます。解説によると、鷹野は手ごろに買えるイケアの家具が並ぶ日常空間に、個人ではけっして買えない国立西洋美術館の芸術作品を飾ることで生まれる違和感がおもしろいと感じた、とのこと。実際、この部屋に入るとすごくミスマッチな感じがして、なんとも落ち着かない気分になりました。展示風景より、弓指寛治の作品など反─幕間劇─のセクションでは、弓指寛治によるカラフルで強烈な作品群を展示。美術館とは思えない空間で、どこかの学園祭やイベントに迷い込んだ気分になります。国立西洋美術館のある上野公園は、文化エリアといわれていますが、路上生活者の方々も暮らしていました。弓指は、それらの人々にフォーカスし、路上生活者の多い近隣エリアに約1年通った経験をもとに絵画などを制作しました。手前:竹村京《修復されたC.M.の1916年の睡蓮》(2023-24)釡糸、絹オーガンジー作家蔵、奥:クロード・モネ《睡蓮、柳の反映》(1916)5章「ここは作品たちが生きる場か?」では、竹村京の《修復されたC.M.の1916年の睡蓮》と、クロード・モネの《睡蓮、柳の反映》の組み合わせに目を引かれます。国立西洋美術館が所蔵するモネの本作品は、一部が破損した状態のままで保存されていますが、絹糸などを使った竹村の作品と重ねて見ると、まったく新しいタイプの非常に美しいアートに見えます。照明の効果もあると思いますが、布を通して見るとモネの絵が光を放ち、睡蓮の浮かぶ水面が揺れているように感じました。桜と一緒に…!本展ではほかにも映像作品や陶芸、詩なども含めたバラエティー豊かな展示作品が揃っています。性的な表現を含む映像などもあり、テーマやメッセージが含まれているものも多く、見ごたえ抜群です。国立西洋美術館で、これほど多くの現代アーティストたちによる刺激的な作品を見られる機会は、今後あるかどうかわかりません。ちょうど上野ではお花見シーズンに入っていますので、ぜひ桜と一緒に、このユニークな展覧会をご覧になってみてください。Information会期:2024年3月12日(火)~5月12日(日)開館時間:9:30~17:30(金・土曜日、4月28日(日)、4月29日(月・祝)、5月5日(日・祝)、5月6日(月・休)は9:30~20:00)※入館は閉館の30分前まで会場:国立西洋美術館企画展示室休館日:月曜日、5月7日(火)(ただし、3月25日(月)、4月29日(月・祝) 、4月30日(火)、5月6日(月・休)は開館)観覧料:一般 ¥2,000、大学生 ¥1,300、高校生 ¥1,000、中学生以下無料
2024年04月07日刺繍を用いた現代美術作品で知られる、目黒区出身・在住の現代美術家、青山悟の個展『青山悟刺繍少年フォーエバー』が4月20日(土)〜6月9日(日)、目黒区美術館で開催される。「ヨコハマトリエンナーレ2017」ほか国内外で発表している青山は、森美術館や京都国立近代美術館、愛知県美術館など、日本の主要な美術館に作品が収蔵されている作家でもあるが、意外にも今回が日本の美術館で初の個展となる。1973年生まれの青山は、1998年にロンドン大学ゴールドスミスカレッジ テキスタイル アート科を卒業、2001年シカゴ美術館付属美術大学大学院ファイバー&マテリアルスタディーズ科修了後、工業用ミシンを使って制作を行ってきた。近年は世界情勢にも向き合い、人と機械の関係や「労働」の問題を多角的に捉え、自身の制作にも引き付けながら、巧みな技術で描写している。青山悟《News from Nowhere (Labour day)》2019年個人蔵撮影:宮島径 ©AOYAMA SATORU, Courtesy of Mizuma Art Gallery同展では、時代とともに社会から姿を消そうとしているさまざまな「消えゆくもの」に対し、「永遠なんてあるのでしょうか」というメッセージを投げかける。また、刺繍は女性がするものという伝統的な男女の役割の問題についても問いかける。「刺繍少年」という展覧会タイトルは、50代である青山がジェンダーやエイジズム(年齢差別)の問題を暗示するねらいであえて付けたものだ。作品を鑑賞しながら、手仕事とテクノロジーの発達、働く喜びや尊厳と搾取の違い、製品と美術作品の違いなど、さまざまなことに考えが及ぶだろう。なお、5月3日・6月2日には自作について語り、ミシンによる実演も行うアーティストトーク、 5月6日には小泉元宏(立教大学社会学部教授)との対談、5月19日には担当学芸員とのトークイベントもある。美しい絵画のようでいて、ユーモアも含ませながら風刺をチクリと効かせた世界を楽しみたい。<開催概要>『青山悟刺繍少年フォーエバー』会期:2024年4月20日(土)~2024年6月9日(日)会場:目黒区美術館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)休館日;月曜(4月29日、5月6日は開館)、4月30日(火)、5月7日(火)料金:一般900円、大高・65歳以上700円公式サイト:
2024年04月05日あべのハルカス美術館では、日本美術や西洋美術、現代アートなど多彩な展覧会を開催しています。2024年度は4月より「徳川美術館展 尾張徳川家の至宝」、7月より「あべのハルカス美術館開館10周年記念 広重 ー摺の極ー」、10月より「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵 」を開催予定です。(既報のとおり。詳細は別紙参照)上記3本の展覧会に続き、新たに下記展覧会の開催が決定しましたのでお知らせいたします。今後もより魅力的な都市型美術館として多くのお客様にお越しいただけるよう運営してまいります。「生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界」会 期 :2025年1月18日(土)~3月16日(日)共 催 :産経新聞社、関西テレビ放送開 催 趣 旨 :大正ロマンの象徴であり、「夢二式美人」で一世を風靡した竹久夢二(1884-1934)は、明治から昭和前期にいたる日本近代芸術・文化の円熟した魅力をもっとも醸し出した芸術家でした。絵画だけでなく雑誌や楽譜、本の装丁、日用品のデザインなど多岐にわたるジャンルで活躍した夢二の作品は、今もなお私たちを惹きつけてやみません。本展は、夢二の生誕140年を記念し、初公開作品を含む約180点の作品や資料から夢二の画業と魅力を改めてひもときます。「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」会 期 :2025年4月5日(土)~6月22日(日)共 催 :産経新聞社、関西テレビ放送開 催 趣 旨 :ジャン=ミッシェル・フォロン(Jean-Michel Folon 1934-2005)は、ベルギーが生んだユニークなアーティストです。詩的でユーモアに富み、やわらかな色彩と軽やかなタッチで表現されたフォロンの作品は、見る人を空想の旅へと連れ出してくれるとともに、この世界で起きているさまざまなことがらへの気づきをもたらす、豊かなメッセージ性をもそなえています。フォロンの没後20年、そして彼が生前に設立したフォロン財団の25周年を記念する本展は、絵画、彫刻、ポスターなどの多彩な作品約230点によって、そのあたたかく深遠な魅力をご紹介します。※上記1~6の画像データは貸出が可能です。ご希望の方はお問合せください。また、事前に原稿の確認が必要になります。(画像の使用は、本展覧会をご紹介いただく媒体に限ります。ご使用後は破棄をお願いします。)※開催1ヶ月前を目処に詳細なプレスリリースを皆様のもとへお送りします。別紙: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月12日『ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? ──国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ』と題して、国立西洋美術館で初めて「現代美術」を大規模に展示する展覧会が開かれる。会期は3月12日(火)〜5月12日(日)の2カ月にわたる。20世紀前半までの西洋美術を収蔵/保存/展示する国立西洋美術館には、いわゆる「現代美術」は存在しない。しかし1959年に松方コレクションを母体として開館した国立西洋美術館の成立までの歴史を紐解いてみると、開館以後の同時代を生きるアーティストらが所蔵品に触発され、未来の芸術をつくる刺激の場になってほしいという願いがあったことがわかる。では、国立西洋美術館はそのような土壌となってきただろうか。開館から65年目にあたり、そうした問い直しのもとにこの展覧会が立ち上がった。参加アーティストは、内藤礼、長島有里枝、小沢剛、エレナ・トゥタッチコワ、ユアサエボシなど、世代もジャンルも幅広い。例えば、日本の近代彫刻史を研究している彫刻家・評論家の小田原のどかは、かねてから思い描いていた国立西洋美術館の所蔵品を活用した展示を行うという。写真家・鷹野隆大は、「歴史的名画が一般家庭に置かれたらどうなるか」というシミュレーションとなる展示を実施。違和感あるいは普遍性を感じるのか、どんな感覚が起こるか確かめたい。また、日本が西洋美術を受容する近代美術史を顧みながら「美術とは何か」を考え、絵画や陶芸などを制作、私塾やギャラリー運営などにも携わってきた梅津庸一も参加。梅津庸一自身として、また私塾「パープルーム」(梅津庸一+安藤裕美+續橋仁子+星川あさこ+わかもとさき)としても出展する。ほかにも、死者への鎮魂や亡き者への視点を変容させる絵画を描き、空間にインスタレーションする弓指寛治など、国立西洋美術館という枠組みの中で、あるいは枠組みを超えてどのように展開されるのか興味深い。<開催概要>『ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? ──国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ』会期:2024年3月12日(火)~5月12日(日)会場:国立西洋美術館時間:9:30~17:30、金土は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)休館日:月曜(3月25日、4月29日、5月6日は開館)、5月7日(火)料金:一般2,000円、大学1,300円、高校1,000円公式サイト:
2024年02月26日世田谷美術館のある世田谷地域の美術を、私鉄沿線史から紐解く〈美術家たちの沿線物語〉シリーズ。2020年度の『田園都市線・世田谷線篇』、2022年度の『大井町線・目黒線・東横線篇』に続き、小田急線にスポットを当てた『美術家たちの沿線物語小田急線篇』が2月17日(土)〜4月7日(日)、世田谷美術館で開かれる。なお『京王線・井の頭線篇』も本年度同時開催となり、併せてシリーズの完結となる。まず同展の『小田急線篇』では、1927(昭和2)年に新宿〜小田原間で開通した小田急小田原線を取り上げる。世田谷の中央部を大きく東西に横切る小田急線。沿線には、演劇が盛んで劇場が集まる下北沢、小田原線開業に先立ち開発され、まもなく100年の歴史を迎える成城など、独特の文化的土壌を持つさまざまな街がある。同シリーズでは沿線に住む美術家が最も多いエリアで、昭和初期に始まった美術家たちのグループもあった。例えば、経堂〜豪徳寺界隈にアトリエを持つ作家を巻き込んで親睦を深めた「白と黒の会」。「白と黒」とは、美術の原点でもあるデッサンを指すとも、各自持ち寄った新聞カットを指すとも言われ、その名には初心を大切にという思いが込められている。30余名のメンバーには佐藤忠良、舟越保武、向井潤吉などがいる。また、小説家で絵も描く武者小路実篤を中心に成城界隈で始まった「砧人会(ちんじんかい)」など、分野を越えて多数の作家たちが交遊した。ほかに画家の髙山辰雄や横尾忠則、写真家の荒木経惟らの作品も紹介。出品作家数は50組を超え、シリーズ過去最多のボリュームとなる。一方、4月7日(日)まで同時開催される『ミュージアムコレクションⅢ 美術家たちの沿線物語京王線・井の頭線篇』では、明治の文豪・徳冨蘆花や洋画家の山口薫、建築家の石山修武などが紹介される。さらに今回の2篇を含む全4回分の小冊子が、特製タトウ入りフルセットで無料配布(なくなり次第終了)。成城の街を巡る見学会などイベントもあるので、美術館の公式ホームページをチェックしてから出かけよう。アートファンのみならず鉄道や街歩きファンも必見だ。<開催概要>『美術家たちの沿線物語小田急線篇』会期:2024年2月17日(土)〜4月7日(日)会場:世田谷美術館 1階展示室時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)休館日:月曜(2月12日は開館)、2月13日(火)料金:一般500円、大高・65歳以上400円、中小300円公式サイト:
2024年02月06日東京国立近代美術館では、「美術館の春まつり」を2024年3月15日(金)から4月7日(日)まで開催する。桜など春にちなんだ作品が集結桜の開花時期に合わせて、東京国立近代美術館で開催される毎年恒例の「美術館の春まつり」。期間中は、所蔵品ギャラリーの所蔵作品展「MOMATコレクション」にて、桜をはじめとする花を描いた作品などを含めた作品約200点を、12の展示室ごとにテーマを設けて様々な切り口から紹介する。会場では、春の時期のみ公開する東京国立近代美術館の代表作のひとつ、川合玉堂による重要文化財《行く春》、雨に濡れる吉野の桜を描いた菊池芳文《小雨ふる吉野》などを展示。また、木の枝や桜など自然を対象とした絵を多く描いた現代作家・児玉靖枝の《ambient light - sakura》のほか、“樹”をモチーフにし続けてきた日高理恵子、20世紀に活躍したスイスの画家、パウル・クレーらによる春にちなんだ作品も鑑賞することができる。開催概要「美術館の春まつり」会期:2024年3月15日(金)~4月7日(日)会場:東京国立近代美術館住所:東京都千代田区北の丸公園3-1開館時間:10:00〜17:00(金・土曜は20:00まで)※入館はいずれも閉館30分前まで※同時開催の企画展「中平卓馬火―氾濫」■所蔵作品展 「MOMATコレクション」会期:2024年1月23日(火)~4月7日(日)会場:4-2階 所蔵品ギャラリー観覧料:一般 500円、大学生 250円※金・土曜日の17:00以降は一般 300円、大学生 150円※高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳の所持者と付添者は無料※所蔵作品展入館当日にかぎり、コレクションによる小企画「新収蔵&特別公開|ジェルメーヌ・リシエ《蟻》」も観覧可■同時開催・企画展「中平卓馬火―氾濫」会期:2024年2月6日(火)~4月7日(日)会場:1階 企画展ギャラリー観覧料:一般 1,500円、大学生 1,000円※高校生以上および18歳未満、障害者手帳の所持者と付添者は無料※企画展入館当日にかぎり、所蔵作品展「MOMATコレクション」、コレクションによる小企画「新収蔵&特別公開|ジェルメーヌ・リシエ《蟻》」も観覧可・コレクションによる小企画「新収蔵&特別公開|ジェルメーヌ・リシエ《蟻》」会期:2024年1月23日(火)~4月7日(日)会場:2階 ギャラリー 4※所蔵作品展「MOMATコレクション」の観覧料で鑑賞可【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)
2024年01月26日戦後日本を代表する伝説的写真家・中平卓馬の約20年ぶりの大回顧展が、 2024年2月6日(火)から4月7日(日)まで、竹橋の東京国立近代美術館で開催される。初期から晩年までの約400点の作品と資料を展示する没後初の本格的な回顧展である。中平卓馬(1938-2015)は、日本の戦後写真の転換期となった1960年代末から70年代半ばにかけて、実作と理論の両面において大きな足跡を記した写真家だ。1960年代末に「アレ・ブレ・ボケ」と称された、既成の写真美学を逸脱した作品を発表した中平だが、1973年の評論集で自己批判と方向転換の宣言を行い、翌年にはカラー作品《氾濫》を発表。1977年に急性アルコール中毒による昏倒で記憶喪失に陥って活動を中断するも、再起をはたし、2010年代初めまで写真家として活動を続けている。こうした中平の存在は森山大道や篠山紀信ら同時代の写真家を刺激し、後続世代にも多大な影響を与えてきたが、そのキャリアを彩る劇的なエピソードが、かえって中平像を固定し、その仕事の詳細を見えにくくする面もあったという。同展は、その中平の仕事を改めて丁寧にたどり、再検証する試みだ。1970年代半ばの模索期の仕事や、再起後の作品の位置づけなどに特に焦点をあてている。大きな見どころは、多くの未公開作が並ぶこと。近年になってその存在が確認された《街路あるいはテロルの痕跡》のヴィンテージ・プリントや、日本では未公開の《デカラージュ》などが特に注目される。また、1974 年の東京国立近代美術館での『15 人の写真家』展に出品された48点組の大作《氾濫》が、半世紀ぶりに同じ会場に並ぶことも話題となろう。この《氾濫》をはじめとしたカラー写真の重要作が一挙に展示されること、また中平が社会にイメージを流通させる手段として重視していた雑誌の仕事を掘り下げるため、多数の掲載誌が紹介されるのも見どころとなっている。常に時代や社会に批判的に対峙し、ラディカルな挑発の姿勢を貫いた写真家だった中平は、没後も国内外で大きな関心を集めている。同展は、充実した作品群と資料とともに、近年の研究成果も交え、中平の思考と実践の軌跡をたどれる待望の展覧会だ。<開催概要>『中平卓馬火―氾濫』会期:2024年2月6日(火)~4月7日(日)会場:東京国立近代美術館1F 企画展ギャラリー時間:10:00~17:00、金土は20:00まで(入館は閉館30分前まで)休館日:月曜(2月12日、3月25日は開館)、2月13日(火)料金:一般1,500円、大学1,000円公式サイト:
2024年01月11日あべのハルカス美術館では、日本美術や西洋美術、現代アートなど多彩な展覧会を開催しています。2024年度は4月より「徳川美術館展 尾張徳川家の至宝」、7月より「あべのハルカス美術館開館10周年記念 広重 ー摺の極ー」の開催を予定しております。(既報のとおり。詳細は別紙参照)上記2本の展覧会に続き、新たに2024年度後半に開催する展覧会が決定しましたのでお知らせいたします。「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」会 期 :2024年10月12日(土)~2025年1月5日(日)共 催 :読売テレビ、産経新聞社開 催 趣 旨 :19世紀後半、モネへの酷評に始まるも西洋美術の伝統を覆した印象派。フランスに留学していた画家たちは、革新的な表現手法を持ち帰り各国で独自に展開していきました。本展では、1898年にアメリカ・ボストン近郊に開館して以来、早くから印象派の作品を収集してきたウスター美術館の所蔵品を中心に出品。とくにアメリカにおける印象派の諸相に注目し、その衝撃と影響をたどります。This exhibition was organized by the Worcester Art Museum※上記の画像データは貸出が可能です。ご希望の方はお問合せください。また、事前に原稿の確認が必要になります。(画像の使用は、本展覧会をご紹介いただく媒体に限ります。ご使用後は破棄をお願いします。)※開催1ヶ月前を目処に詳細なプレスリリースを皆様のもとへお送りします。別紙: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年12月12日入谷【Inoubliable】上野【Chanfe Tokyo/シャンフェ東京】上野【鮨尽誠】上野【中国料理古月池之端本店】上野【ブラッスリーレカン】入谷【Inoubliable】本格フレンチを厳選ワインと堪能。スタイリッシュな店内も話題に美しいロゼ色、柔らかな食感の『仔羊のロティ』モダンフレンチの【Inoubliable】は東京メトロ・入谷駅から徒歩2分。長野県産の「野菜」や北海道産「ミルキーポーク」など、生産者が真心込めてつくりあげたこだわり食材をふんだんに使用した、独創的な世界観を表現する逸品がそろいます。オシャレな雰囲気の中、至福のひと皿が堪能できるはず。U字方のカウンターはひとりにもカップルにもオススメ。居心地抜群北欧のカフェを思わせるカジュアルな雰囲気の店内に設置されるのは、12席のカウンター席と8席のテーブル席。木調の温かみのある空間は一人でもリラックスできる雰囲気で、西洋絵画に親しんだ後などにピッタリのお店です。フランス産のものを中心にセレクトしたワインとおいしい料理で寛ぎの時間を過ごしてみては。Inoubliable【エリア】上野【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】4000円【ディナー平均予算】8000円【アクセス】入谷駅 徒歩2分上野【Chanfe Tokyo/シャンフェ東京】厳選素材を革新的なメニューで提供。アイデア光る魅惑のコースワンタンの皮で包んださつま芋をサクッと素揚げした『芋の天ぷら』上野・不忍池近く。東京メトロ・上野駅から徒歩10分の【Chanfe Tokyo/シャンフェ東京】は、独創性あふれるコース料理が堪能できるダイニングバー。魚介類は朝一番に豊洲へ出向いてシェフ自らが目利きするなど、素材のクオリティを徹底重視。洗練と華やかさを備えた盛付けは目にもおいしい限りです。計算された照明が心地よく、席に着いた瞬間から日常を忘れさせてくれますカウンター席を中心に、ゆったり過ごせるソファ席も用意。落ち着いた雰囲気に一輪挿しの花を添えるといった空間づくりの妙は、特別な日を過ごすのにピッタリです。席数には限りがあるので、予約して訪ねるのがベター。カリフォルニア産を中心とした70種以上のワインも自慢です。Chanfe Tokyo/シャンフェ東京【エリア】湯島【ジャンル】ダイニングバー【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】6000円【アクセス】上野駅 徒歩10分上野【鮨尽誠】目利きの素材で旬のおまかせ握りを満喫。個室の夜景も思い出に旬素材の逸品料理を織り交ぜた『特上おまかせ握りコース』各線・上野駅からの徒歩1分という絶好アクセス。【鮨尽誠】は大将自らが厳選した新鮮な魚介類を、一つ一つ工夫を凝らして丹念に仕上げた料理の数々が自慢。名店で修業を重ねた職人が織り成す握りと、旬素材を活かした一品料理が存分に楽しめます。おまかせ握りコースで味わうのがオススメ!凛とした空気感が漂うカウンター席。店主との会話が緊張をほぐします落ち着いた和の空間の中心は洗練されたカウンター席。店主のおもてなしも心地よく、鮨店のカウンターデビューにもピッタリです。4名からの小グループから利用できる個室は夜景も見事。旬が香るコース料理と相性抜群の日本酒やワインも取りそろえるなど、ドリンクメニューも充実しています。鮨尽誠【エリア】上野【ジャンル】鮨・寿司【ランチ平均予算】3000円【ディナー平均予算】8000円【アクセス】上野駅 徒歩1分上野【中国料理古月池之端本店】レトロムードに包まれた一軒家レストランで出合う、体にやさしい会席中国料理中国と日本の精進料理の長所を掛け合わせた『夜の精進料理コース』東京メトロ・根津駅から徒歩3分。JR上野駅からも徒歩圏内の【中国料理古月池之端本店】。昭和初期から残る風情あふれる一軒家で味わえるのは、伝統的な技法を駆使した斬新な会席風の中国料理。1つのコースに20もの野菜を盛り込むこだわりは、「栄養薬膳大師」の資格をもつ実力派ならではです。襖を外せば大広間としても使える座敷席。多彩なシーンに活躍します豊かな緑に包まれた閑静な一角に立つ一軒家は、まさに大人の隠れ家。店内には、座敷席や畳のテーブル席など趣の違う大小5つの個室があり、特別なひとときを過ごすのに最適です。昭和初期の建具なども活かしたレトロな雰囲気も魅力的。博物館帰りに、展示の話題を語り合うのにオススメです。中国料理古月池之端本店【エリア】上野【ジャンル】中華料理【ランチ平均予算】5000円【ディナー平均予算】12000円【アクセス】根津駅 徒歩3分上野【ブラッスリーレカン】歴史を刻んだ旧貴賓室でいただく、エスプリが香り立つフランス料理魚介のうまみたっぷり。スペシャリテ『末竹シェフの特製ブイヤベース』JR上野駅の改札口を出てすぐという好立地。【ブラッスリーレカン】は、駅に残る旧貴賓室を利用したクラシックなレストランです。テーマは「自由に楽しむもう一つのフランス料理の世界」。各国から厳選した素材でコース料理だけでなく、日本の季節感を大切にアラカルトも豊富にそろえます。由緒ある旧貴賓室を活かした空間は、都会の喧騒を忘れさせてくれる存在昭和7年に造られたアールデコ様式の店内は、当時のままのレトロなインテリアが残るエレガントな雰囲気に満ちています。テーブル席とソファ席を含め座席は全56席で、貸切りも可能。特別な時間が流れる空間は、美術館での余韻にひたるにはベストな選択です。ワインの品ぞろえにも自信あり。ブラッスリーレカン【エリア】上野【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】3000円【ディナー平均予算】6000円【アクセス】上野駅 徒歩1分※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報や営業時間は店舗にご確認ください。
2023年10月16日「古代エジプト美術館展」が、東広島市立美術館にて2023年10月10日(火)から11月26日(日)まで開催される。福岡アジア美術館でも開催された巡回展だ。古代エジプト専門美術館「古代エジプト美術館 渋谷」所蔵作品を紹介「古代エジプト美術館展」は、古代エジプト専門美術館である「古代エジプト美術館 渋谷」の所蔵作品を紹介する展覧会だ。同館が所蔵する古代エジプト遺物は1,000点以上にのぼり、先王朝時代からローマ支配時代までを網羅。それらコレクションからは、古代エジプト文化の全貌をうかがい知ることができる。ミイラや木棺・ツタンカーメンの指輪など約200点を展示本展では、「古代エジプトの神々と信仰」「ファラオが率いた国家」「古代エジプト人の衣・食・住」「古代エジプトの死生観ー再生とミイラ」の4つのテーマに分けて作品を展示。ミイラやミイラマスク、人型木棺、神殿の石柱、ツタンカーメンの指輪といった当時の生活様式が分かる作品など約200点を展示する。古代エジプトの神々と信仰古代エジプト人は、この世界や宇宙は創世神によって創造されたもので、後に多くの神々が誕生したと考えていた。中でも、動物は人間にはない特別な能力を持つものと信じられていたことから、多くの動物神が信仰されていた。第1章「古代エジプトの神々と信仰」では、そんな動物神の信仰に着目し、多様な神々の護符や神像、動物のミイラを扱う。ファラオが率いた国家&古代エジプト人の衣・食・住このほか、第2章「ファラオが率いた国家」では、常に絶対的権力を行使していた国王ファラオや、人口の約10%にあたるエリート高官たちにフォーカスし、ファラオをモチーフとした像やレリーフ、神殿の柱などを展示。また第3章「古代エジプト人の衣・食・住」では、ツタンカーメン王の指輪や化粧用容器、ジュエリーなどを展示することで、当時の人々の生活様式に迫る。古代エジプトの死生観ー再生とミイラまた、古代エジプト人は、死後に再生し永遠なる生命を得ると信じており、死者の遺体をミイラとして保存していた。現在確認できている最古のエジプトのミイラは、先王朝時代に自然乾燥により作られたものだ。そして、第3中間期にミイラ作りの技術が頂点に達して以降、末期王朝時代からプトレマイオス朝、ローマ支配時代にかけても多くのミイラが作られた。第4章「古代エジプトの死生観ー再生とミイラ」では、少女のミイラや人型木棺、副葬品などを紹介する。ピラミッドの最新調査の様子も紹介さらに本展では、過去100年間学術調査がほとんど行われなかったメイドゥム(マイドゥーム)・ピラミッドの最新調査も紹介。古代エジプト人が築いた神々への信仰や国家、暮らし、死生観など多様なテーマから、3,000年にわたる巨大文明の歴史を紐解いていく。展覧会概要「古代エジプト美術館展」会期:2023年10月10日(火)~11月26日(日)会場:東広島市立美術館 2階・3階展示室住所:広島県東広島市西条栄町9-1時間:9:00~17:00(入館は閉館30分前まで、ただし10月10日(火)は10:00開館、10月28日(土)・11月25日(土)は19:00まで開館)休館日:月曜日観覧料:・前売券 一般 1,040円、大学生 720円・当日券 一般 1,300円、大学生 900円、高校生以下無料※当日券に限り20名以上の団体2割引き。※学生料金は学生証の提示が必要。※後期高齢者医療被保険者証・身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付対象者は提示により、観覧無料。※11月3日(金・祝)は無料開館日。前売券販売所:東広島市立美術館、セブンチケット(セブンコード:102-269)※販売期間:2023年8月10日(木)~10月9日(月・祝)/東広島市立美術館での販売は休館日を除く。【問い合わせ先】東広島市立美術館TEL:082‐430-7117
2023年09月28日デンマークのコンセプチュアルアーティスト、イェンス・ハニング被告に対し、コペンハーゲンの裁判所は18日、作品の制作費として美術館から借り受けた53万デンマーク・クローネ(約1120万円)を、ほぼ全て返還するよう命じた。一体何があったのだろうか。ハニング被告は、デンマークのクンステン近代美術館に収蔵されている『オーストリア人の平均年収、2007』『デンマーク人の平均年収、2007』の制作者。オーストリア人とデンマーク人の平均年収に相当する額の紙幣をキャンバスに貼り付けた作品で、BBCによると美術館は’21年にこの2作品の最新版を制作するようハニング被告に申し入れたという。ハニング被告は貼り付ける紙幣を調達するために53万デンマーク・クローネを貸与されたが、彼が美術館に送ったのは2つの空白の額縁だった。ハニング被告曰く、この作品のタイトルは「Take the Money and Run(金を持って逃げろ)」であり、低賃金という問題を自分なりに解釈したもの。「契約違反」もこの作品の一部だ、と自信たっぷりに館長あてのメールで解説したという。当時、CNNのインタビューでハニングはこう語っている。「私の芸術的見地から言わせてもらえば、彼らの想像をはるかに超える作品を作ることができたと思っているよ。私は金を盗んだとは考えていない。芸術作品をつくったんだ。それも、計画されていたものより10倍も、100倍も良い作品をね。何が問題なんだ?この新しいアートは、宗教や結婚といった社会構造、制度について考えることを人々に促しているんだ。そして、必要であれば……金を持って逃げろ」クンステン近代美術館は送りつけられた額縁に、プリントアウトしたハニング被告のメールを添えて展示。そして、制作費を着服したとして全額の返済を求めハニング被告を提訴したという。ハニング被告は支払いを拒否し、法廷闘争に発展した。およそ2年にも及ぶ裁判の末、裁判所は「ハニングは2つの異なる作品を美術館に納品することに同意していたが、美術館との契約内容に鑑みると『Take the Money and Run』には欠陥がある」として、ハニング被告側に貸与された制作費のうち、諸費用を差し引いた49万2549デンマーククローネ(約1050万円)を返還するよう命令を下した。ハニング被告は判決後、TV2 Nordの取材に応え、「この事件をめぐる報道のおかげで、美術館は投資した額よりずっとずっと儲かったんじゃないか?」と語った。
2023年09月20日あべのハルカス美術館では、日本美術や西洋美術、現代アートなど多彩な展覧会を開催しています。2023年度後半は9月16日(土)から11月12日(日)まで「安野光雅展」、11月23日(木・祝)から2024年1月21日(日)まで「コシノジュンコ 原点から現点」、2月2日(金)から4月7日(日)まで「あべのハルカス美術館開館10周年記念 円空―旅して、彫って、祈って― 」 を開催予定です。(既報のとおり。詳細は別紙参照)上記の展覧会に続き、2024年度に「徳川美術館展 尾張徳川家の至宝」「あべのハルカス美術館開館10周年記念 広重 ー摺の極ー」 の開催が新たに決定しましたのでお知らせいたします。「徳川美術館展 尾張徳川家の至宝」会 期 :2024年4月27日(土)~6月23日(日)共 催 :徳川美術館、読売新聞社開 催 趣 旨 :徳川家康の九男・義直(1600~50)によって創始された尾張徳川家は、名古屋城を居城とした大大名で、紀伊徳川家・水戸徳川家とともに御三家の一つに数えられていました。徳川美術館は、その尾張徳川家に伝えられた大名道具を有しており、その所蔵品は家康の遺品「駿府御分物」をはじめ、歴代当主や夫人たちの遺愛品など一万件余りにのぼります。本展では、数ある名品の中から、甲冑や刀剣など武具のほか、茶道具や香道具、能道具、婚礼調度、書画などを通して、尾張徳川家の歴史と華やかな大名文化をご紹介します。現存最古の源氏絵である国宝「源氏物語絵巻」と、三代将軍家光の長女千代姫が尾張徳川家に嫁ぐ際に持参した国宝「初音の調度」という、同館コレクションの精華というべき存在であり、日本を代表する名品も特別出品されます。「あべのハルカス美術館開館10周年記念 広重 ー摺の極ー」会 期 :2024年7月6日(土)~9月1日(日)共 催 :NHK大阪放送局、NHKエンタープライズ近畿、朝日新聞社開 催 趣 旨 :広重は、北斎とともに浮世絵版画の世界に風景画と花鳥画のジャンルを確立したことで高い評価を得ています。国民的な浮世絵師ともいえる知名度と人気を誇る広重ですが、大規模かつ総合的な展覧会は近年開催されていません。そこで、初期から晩年までの画業を総覧し、広重作品のすばらしさを再確認していただくとともに、あまり知られていない魅力的な作品を紹介し、広重のトータルなイメージを再構築いたします。※上記1~5の画像データは貸出が可能です。ご希望の方はお問合せください。また、事前に原稿の確認が必要になります。(画像の使用は、本展覧会をご紹介いただく媒体に限ります。ご使用後は破棄をお願いします。)※開催1ヶ月前を目処に詳細なプレスリリースを皆様のもとへお送りします。別紙: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年08月03日イギリスを代表する美術館、テート美術館のコレクションから「光」をテーマにした作品を紹介する展覧会『テート美術館展光― ターナー、印象派から現代へ』が、7月12日(水)に国立新美術館にて開幕、好評を博している。18世紀末から現代までの約120点の作品がならぶ展覧会は10月2日(月) まで開催される。テートは、英国政府が所有する美術コレクションを収蔵、管理する組織で、ロンドンのテート・ブリテンとテート・モダン、テート・リバプール、テート・セント・アイブスの4つの国立美術館で構成されている。この展覧会はそのテートが誇る約7万7000点のコレクションのなかから「光」をテーマに約120点をセレクトし紹介する国際巡回展。2021年、上海の美術館を皮切りにソウル、メルボルン、オークランドを巡回し、日本が最終会場となる。展覧会は7章で構成され、それぞれテーマに沿った作品が展示される。第1章「精神的で崇高な光」は、光と闇をもって宗教的主題や精神世界の表現を追求した作品が並ぶ。詩人であり画家であったウィリアム・ブレイクの《アダムを裁く神》では、神の背後に後光が描きこまれているが、これは威厳や権威を表現したもの。ジョン・マーティンの《ポンペイとヘルクラネウムの崩壊》では、イタリアのヴェスヴィオ火山の噴火と逃げまとう人々を光と闇を用いてドラマティックに描き出した。また、バーン=ジョーンズの《愛と巡礼者》では、天使のような人物が黒い服をまとった巡礼者を誘導する場面で光と闇を対比的に用いている。ウィリアム・ブレイク《アダムを裁く神》1795年ジョン・マーティン《ポンペイとヘルクラネウムの崩壊》1822年~2011年修復エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズ《愛と巡礼者》1896~97年第2章「自然の光」は、自然のなかにある光をありのままに捉えようとした画家たちの動きを追う。ジョン・ブレット《ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡》は、雲の間を抜け、海に光を落とすやわらかい光を描いている。ターナーやコンスタブルなどイギリスを代表する画家や、モネやシスレーなど印象派の画家たちの作品もならぶ展示室中央には草間彌生による鏡の作品《去ってゆく冬》が据えられており、周囲の作品や人物、そして光を映し出す印象的な空間になっている。ジョン・ブレット《ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡》1871年中央:草間彌生《去ってゆく冬》2005年第3章「室内の光」は、室内の光を捉えようとした画家の作品に焦点を当てる。デンマークの画家、ヴィルヘルム・ハマスホイは、自宅の一室を何度となく描き続けた。第4章「光の効果」では、科学的なアプローチなどを用いて光と対峙した絵画、インスタレーション、写真などを取り上げている。左:ヴィルヘルム・ハマスホイ《室内》1899年、右:ヴィルヘルム・ハマスホイ《室内、床に映る陽光》1906年第5章の「色と光」は、色と光の関係を探求した作品を紹介する。光を探求し、さまざまな切り口の作品を制作するゲルハルト・リヒターの《アブストラクト・ペインティング(726)》は、なにかが描かれていた画面から絵具がスキージ(へら)で削り取られ、その結果抽象的な作品へと変化した作品。先に描かれていたと思われる絵はぼんやりとした形で残されていて、光に包まれているようにも見える。ゲルハルト・リヒター《アブストラクト・ペインティング(726)》1990年アメリカ人作家、ベー・ホワイトによる《ぶら下がったかけら》は、482本の糸と色とりどりの紙片で構成された作品だ。ペー・ホワイト《ぶら下がったかけら》2004年第6章「光の再構成」は、人工の光を素材とするアーティストに着目する。デイヴィッド・バチェラーの《ブリック・レーンのスペクトル 2》は夜の都市のような光を作り出し、オラファー・エリアソンは《黄色vs紫》で、特殊なフィルターが貼られた黄色いディスクに光を当てるインスタレーションを展開している。プロジェクターから投射された光は、ディスクを通して、2種類の色を壁に映し出されている。左:デイヴィッド・バチェラー《ブリック・レーンのスペクトル 2》2007年、右:デイヴィッド・バチェラー《私が愛するキングス・クロス駅、私を愛するキングス・クロス駅 8》2002〜07年オラファー・エリアソン《黄色vs紫》2003年そして最終章となる第7章「広大な光」では、光をよりダイナミックに扱う作家の作品を紹介する。ジェームズ・タレルの巨大なインスタレーションや、四方に光を投げかけながら回転するオラファー・エリアソンの《星くずの素粒子》などは、時間を忘れて見つめてしまうはずだ。オラファー・エリアソン《星くずの素粒子》2014年単なる名品展にとどまらず、18世紀の絵画作品から現代アートまで幅広い作品を通して「光」について考えることができる非常に刺激的で新しい発見に富んだ展覧会。夏休みにぜひ訪れたい展覧会だ。取材・文:浦島茂世<開催情報>『テート美術館展光— ターナー、印象派から現代へ』2023年7月12日(水)〜10月2日(月)、国立新美術館にて開催
2023年07月26日小企画展「美術館の悪ものたち」が、東京・上野の国立西洋美術館にて、2023年9月3日(日)まで開催される。国立西洋美術館に潜む「悪ものたち」に着目国立西洋美術館が所蔵する作品には、多くの「悪ものたち」が登場する。お金に目がくらむ若者、若い女性にうつつを抜かし、あるいは嫉妬する老人、盗人たち。ひいては悪魔や魔女といった悪を象徴する存在やその手下たち、死の象徴でもある憎々しい骸骨などがその例である。小企画展「美術館の悪ものたち」は、国立西洋美術館が所蔵する作品に見られる「悪ものたち」に着目した展覧会。15世紀から20世紀初頭にかけての所蔵版画作品を中心に紹介する。画面の中に描かれた個性的で、時にコミカルな姿で表される悪ものたちの姿を通じて、芸術家の豊かな空想力を感じることができる。会場では、「罪深い人々」「悪魔と魔女」「魔物」「死」「近代都市の悪ものたち」に分けて版画数十点、絵画数点を展示。特にマルカントニオ・ライモンディやアルブレヒト・デューラーが描いた各ジャンルの「悪ものたち」の作品を鑑賞できる。悪に対するかつての西洋の価値観を垣間見るはるか昔に描かれた「悪」や「正しくないこと」は、現代の価値観とマッチするものもあれば、理解に苦しむものもある。たとえば殺人や嫉妬は「悪」であり「正しくないこと」であるのに対し、大食いが罪とされるのには違和感を覚えるように、善悪の線引きは、古来より変わらないものもあれば、時代や地域、社会によって異なるのである。18世紀末期以降に脱宗教化・世俗化が進むと、「悪」を客観的に捉え社会批判を含んだ絵画なども多く描かれるようになる。「近代都市の悪ものたち」の章では、フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテスやオノレ・ドーミエらによる作品も展示される。本展は、「悪」に対する西洋の価値観の一端にも触れることができる展覧会となっている。展覧会概要小企画展「美術館の悪ものたち」会期:2023年6月27日(火)~9月3日(日)会場:国立西洋美術館 新館2階 版画素描展示室住所:東京都台東区上野公園7-7開館時間:9:30~17:30(金・土曜日は9:30~20:00)※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日※ただし8月14日(月)は開館観覧料:一般 500円(400円)、大学生 250円(200円)※( )内は20名以上の団体料金(オンラインにて要事前予約)※高校生以下および18歳未満、65歳以上は無料(入館時に学生証または年齢の確認できるものを提示)※心身障害者および付添者1名は無料(入館時に障害者手帳を提示)※7月9日(日)、8月13日(日)、9月3日(日)(Kawasaki Free Sunday)は本展および常設展は観覧無料※8月26日(土)(にぎやかサタデー)は本展、常設展および企画展は観覧無料※本展は常設展の観覧券または企画展「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」(7月4日(火)~9月3日(日))観覧当日に限り、同展観覧券で観覧可【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2023年07月24日写真家・笠原秀信がヨーロッパ周遊旅行の途中で切り取ったランドスケープ「THE ROAD」の第11弾・フランス・ルーヴル美術館編をお届けします。第11弾の舞台は、フランス・ルーヴル美術館ルーヴル美術館は1793年に開業し、38万点以上の美術品が現在所蔵され、年間の入場者数は1千万人を超える世界一の美術館です。12世紀にフィリップ2世がパリのセーヌ川右岸に城壁として建設。その後建物の増改築を経て、1989年にはガラスのピラミッドがメインエントランスと目を引く施設となりました。所蔵美術品は古代から19世紀初頭までの絵画・彫刻・工芸品・古代オリエント・古代エジプト・古代ギリシャなどの歴史的文明に関する美術品など幅広い分野の作品が展示されています。ルーヴル美術館ルーヴル美術館の中庭古代エジプト美術部門タニス遺跡の大スフィンクスタニス遺跡の大スフィンクスタニス遺跡の大スフィンクスタニス遺跡の大スフィンクスライオン頭の女神セクメットの像ラムセス2世像家畜の飼育場面ウンスーの墳墓の壁画ラムセス3世の石棺アンテフ王・セケムラー =ヘルウヘルマアトの棺の蓋ジェドルの石棺婦人マジャの棺様々な木棺エジプトのミイラ石棺男性のミイラデル・エル=メディーナ(ディール・アル=マディーナ)の東墓地、クルネト・ムライ丘の墓の再現 古代オリエント美術部門アッシリア帝国の彫刻左:バケツと杉の円錐形を持つ翼のある魔神のアッシリアのレリーフ 真ん中:サルゴン 2 世宮殿での公務員のアッシリアのレリーフ右:サルゴン2世の宮殿からのアッシリアの戦士の救済のレリーフ門番=守り神をラマスのレリーフ/足が5本ある馬車の扉や馬に乗る人等、王様に仕える人々など様々なレリーフレバノンからの杉材の輸送(壁画)ライオンを抱くギルガメッシュハムラビ法古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門ミロのヴィーナスアテナ、通称「ヴェレトリのパラス」刑罰に処せられたマルシュアス絵画部門アポロンのギャラリー天井に美しい絵画があります。チマブーエ「荘厳の聖母(6人の天使に囲まれた玉座の聖母)」フラ・アンジェリコ「磔刑」レオナルド・ダ・ヴィンチ 「モナ・リサ」ジャック・ルイ・ダヴィッド「皇帝ナポレオン 1世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠」ヴェロネーゼ 「カナの婚宴」他にも沢山の美術品や絵画がありますので是非機会がありましたら、訪問してみてください。コロナ流行りで世の中のリモート化が急速に進んだ一方、誰かとの他愛もない会話だったり、道端の花を愛でる時間だったり、アナログとして大事にしなければならないものが確かにある。そんな思いが交錯するかのような道と人々と街が織りなすストーリー「THE ROAD」。静かで温かな空気感をとらえる笠原秀信のアートのようなフォトグラフィーに、とくと注目したい。過去と現在、そして未来を見つめながら、私たちの道はまだまだ続いていく。「THE ROAD 」by Hidenobu Kasahara : Hidenobu KasaharaTHE ROAD 掲載中の写真を下記HPにて販売開始をいたしました。
2023年06月23日ル・コルビュジエ建築の世界遺産「国立西洋美術館」の知られざる舞台裏を描くドキュメンタリー映画『わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏』より、井浦新がナレーションを担当した予告編が公開された。上野にある「国立西洋美術館」は、東アジア最大級の西洋美術コレクションを誇り、日本を代表する美術館として知られる。本作では、2020年に創建当時の姿に近づける整備のために休館した美術館の内部にカメラが入り、1年半の長期にわたり密着。所蔵作品のお引越しの全貌を記録したほか、絵画や彫刻の保存修復作業、コレクションの調査研究や国内・海外の美術館への巡回展、特別展の企画開催など、知られざる舞台裏に迫った。今回公開された映像は、数々の美術番組に出演、ガイドブックや展覧会グッズの制作にも関わるなど、美術愛の深さで知られる井浦さんが、知られざる美術館の舞台裏の世界へと誘いこむ。所蔵作品が展示される美術館のシーンから始まり、休館し観客がいなくなった場面へと移り変わる。前庭リニューアル工事の模様をはじめ、普段は決して見られない収蔵庫の内部、展覧会の打ち合わせ風景や購入作品決定の会議など、貴重なシーンが登場。関係者のインタビューでは、美術館の目前に迫る危機的状況が明かされる。ナレーションを終え、井浦さんは「美術館で働く人々のことは、お客さんは知らなくても良いかもしれない。だけど、知ってから美術館に行って美術を見ると、もっと楽しくなる」と言い、「この映画を見て、国立西洋美術館に行ったら、見る前とは国立西洋美術館の見方や過ごし方がきっと変わる。映画を見てから美術館に行くのもいいし、行ってから映画を見ても、どっちも楽しい。無機質に感じるかもしれない美術館も、実は生き物なんです」とコメントを寄せている。なお、井浦さんが担当したのは、予告編のナレーション。本編にはナレーションは入っていない。『わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏』は7月15日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:わたしたちの国立西洋美術館 ~奇跡のコレクションの舞台裏~ 2023年7月15日よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開©大墻敦
2023年06月19日2023年6月29日より、国立新美術館とサンローランは国際的に大きな注目を集めてきた現代美術家、蔡國強(ツァイ・グオチャン/さい・こっきょう、1957年生)の大規模な個展「蔡國強 宇宙遊―〈原初火球〉から始まる」を開催します。蔡國強、「原初火球 The Project for Projects」 P3 art and environmentでの展示風景、1991 年。 撮影:萩原義弘 提供:蔡スタジオ展覧会の開幕に先立ち蔡國強は、福島県いわき市で三十年前に地元の友人達と協働で実現した爆発プロジェクト《地平線:外星人のためのプロジェクトNo. 14》と同じ海岸で、サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロからのコミッションワークである昼花火《満天の桜が咲く日》をプロジェクト実行委員会の主催により実施します。アンソニー・ヴァカレロがリードするサンローランにとって、本展を開催することは、同ブランドの使命ともいえる、ビジュアルアートや映画、音楽など、様々なクリエイティビティへのサポートの最も新しい機会となります。蔡國強、「胎動II:外星人のためのプロジェクト No.9」の制作風景、1991 年。 提供:蔡スタジオ蔡は数十年にわたり、東洋古来の哲学や思想に立脚しつつ、風水や占星術にもつながる宇宙、そして目に見えない世界に魅了されてきました。同時に、そうした果てしない世界への現代的アプローチとしての科学技術への興味や、現代の社会問題への感受性と省察を原動力に制作しています。蔡の芸術の大きな特徴は、火薬を創造的に用いて作品を生み出してきたことです。神話的で人類学的な壮大な世界観を表明した火薬ドローイングやインスタレーション、屋外爆発プロジェクトなどスケールの大きな制作は国際的に高く評価されてきました。蔡國強 「影:庇護のための祈り」 1985 – 86 火薬、墨、蝋燭、油彩、キャンバス、木製パネル 155 x 300 cm 提供:蔡スタジオ本展覧会蔡國強 宇宙遊―〈原初火球〉から始まるは、蔡國強が30年前に発表した展覧会「原初火球」を彼の芸術的宇宙大爆発の原点と捉え、そして、この爆発を引き起こしたものは何であり、その後今日まで何が起こったかを探求します。宇宙と見えない世界との対話を主軸に、作家として歩み始めた中国時代、芸術家としての重要な形成期である日本時代、そしてアメリカや世界を舞台に活躍する現在までの創作活動と思考を遡る本展覧会は、宇宙が膨張するかのように拡大してきた蔡の活動をたどる壮大な旅路のような個展です。蔡國強 「銀河で氷戯」 2020 火薬、ガラス、鏡 205 x 915 cm 撮影:蔡文悠 提供:蔡スタジオ国立新美術館の柱も壁もない2000㎡の大きな企画展示室1Eの、広場のような悠々とした空間で、一方には、歴史的なインスタレーション〈原初火球〉が再現され、その中には、ガラスと鏡を使った新作火薬絵画3作品が展示されます。隣り合ったもうひとつの核は、LEDを使った大規模なキネティック・ライト・インスタレーション《未知との遭遇》であり、観客は作品の中を自由に歩きながら体感することができます。本展覧会では、国内の国公立美術館と作家が所蔵する約50件の作品が展示され、知られざる多数の貴重なアーカイブ資料や記録映像、そしてアーティスト自身による一人称の説明が掲示されています。開催概要展覧会名:蔡國強 宇宙遊 ―<原初火球>から始まる会期:2023年6月29日(木)~8月21日(月)休館日:毎週火曜日開館時間:10:00-18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで会場:国立新美術館 企画展示室1E[東京・六本木]主催:国立新美術館、SAINT LAURENT観覧料 (税込)一般1,500円、大学生1000円 ※高校生、18歳未満の方(学生証または年齢のわかるものが必要)は入場無料。 ※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は入場無料。チケット情報は後日、美術館ホームページ等でお知らせします。アクセス・東京メトロ千代田線 乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結)・東京メトロ日比谷線 六本木駅 4a出口から徒歩約5分・都営地下鉄大江戸線 六本木駅 7出口から徒歩約4分 ※美術館に駐車場はございません〒106-8558東京都港区六本木7-22-2お問合せ:050-5541-8600 (ハローダイヤル)美術館ホームページ:www.nact.jp#サンローラン #Saintlaurent #ysl蔡國強プロフィール1957年に中国の福建省・泉州市で生まれた蔡は、上海戯劇学院で舞台芸術を学んだ後、1986年12月から1995年9月まで日本で活動しました。日本では筑波大学に在籍し、その後、東京、取手、いわきなどで制作するなかで、火薬の爆発による独自の絵画を開拓して一躍注目を集めました。1989年の多摩川での最初の屋外爆発プロジェクト以来、彼は数十年にわたって世界中で一連の爆発プロジェクトを実現してきました。特に最近では、昼花火の新たな可能性を探求しています。1995年にニューヨークに拠点を移して以降ますます創作活動の幅を広げた蔡は、2006年のメトロポリタン美術館や2008年のグッゲンハイム美術館での回顧展など、さまざまな国や地域で重要な個展を開催し、国際的にもっとも影響力の大きい芸術家の一人として活躍しています。2005年には、ヴェネチア・ビエンナーレ初の中国パヴィリオンのキュレーターを務めて展覧会企画にも才能を発揮し、2008年の北京オリンピックと2022年北京冬季オリンピックでは、開閉会式視覚特効芸術と花火監督を務め、世界中の人々を魅了しました。爆発プロジェクト《スカイ·ラダー》は2015年に蔡の故郷の泉州で実現し、同名のドキュメンタリー映画がNETFLIXで全世界に配信されました。主な受賞歴- 第48回ヴェネチア・ビエンナーレ「国際金獅子賞」(1999)- 第7回「ヒロシマ賞」(2007)- 第20回「福岡アジア文化賞受賞」(2009)- 第24回「高松宮殿下記念世界文化賞」(絵画部門)(2012)- 「米国国務院芸術勲章」(2012)国立新美術館について国立新美術館は、芸術を介した相互理解と共生の視点に立った新しい文化の創造に寄与することを使命に、2007年、独立行政法人国立美術館に属する5番目の施設として開館しました。以来、コレクションを持たない代わりに、人々がさまざまな芸術表現を体験し、学び、多様な価値観を認め合うことができるアートセンターとして活動しています。具体的には、国内最大級の展示スペース(14,000m2)を生かした多彩な展覧会の開催や、美術に関する情報や資料の収集・公開・提供、さまざまな教育普及プログラムの実施に取り組んでいます。サンローランについて1961年にフランス、パリで設立されたイヴ・サンローランは、世界で最も著名なファッションハウスの一つです。当初はオートクチュールのメゾンでしたが、後にプレタポルテのパイオニアとなり、伝説的な創業者がファッション、アート、社会の関係に革命を起こしました。サンローランは、創業当初から、ファッションにとどまらず、さまざまなクリエイティブな形態と関わり、影響を与え続けてきました。この多様な芸術表現との対話はアンソニー・ヴァカレロの先見の明と、フランチェスカ・ベレッティーニのリーダーシップのもと今も続いており、これを通じてブランドは世界観を広げさらに発展を続けています。お問い合わせ:サンローラン クライアントサービスTEL 0120-95-2746
2023年06月08日東京・サンシャインシティプリンスホテルから、“泊まれる美術館”をテーマにしたイギリス国立美術館「ロンドン ナショナル・ギャラリー」とのコラボレーション宿泊プランが登場。期間は、2023年6月17日(土)から10月31日(火)まで。イギリス国立美術館「ロンドン ナショナル・ギャラリー」とコラボ“泊まれる美術館”テーマの「ファン・ゴッホ」コンセプトルームサンシャインシティプリンスホテルがタッグを組むのは、数多くのアート作品を保有しているイギリス国立美術館「ロンドン ナショナル・ギャラリー」。コラボレーションプランでは“泊まれる美術館”をテーマに、ファン・ゴッホの名画を散りばめたコンセプトルームを用意する。コンセプトルームの壁にはファン・ゴッホの作品を展示。ベッドには、コラボレーションプランのために特別に作られたクッションや「ロンドン ナショナル・ギャラリー」のロゴをあしらったベッドスローを設置する。さらに、 宿泊者限定のオリジナルグッズとして、ファン・ゴッホの絵画をデザインしたトートバッグ、キーホルダー、ハンカチタオル、クリアファイル、カードキーの5種をプレゼントする。ゴッホの代表作《ひまわり》モチーフのパフェ期間中は、「ロンドン ナショナル・ギャラリー」所蔵のファン・ゴッホの代表作《ひまわり》をモチーフにしたパフェも販売。黄色やオレンジ色をベースカラーに採用し、ソースやゼリー、アイスクリーム、クッキーなどを重ね、仕上げに“ひまわり”をイメージしたチョコレートを飾った。名画の複製画を展示さらにホテル館内では、「ロンドン ナショナル・ギャラリー」所蔵名画の複製画全9点を展示。《ファン・ゴッホの椅子》や《アニエールの水浴》を鑑賞できる。【詳細】「ロンドン ナショナル・ギャラリー」コラボレーションプラン期間:2023年6月17日(土)~10月31日(火)場所:サンシャインシティプリンスホテル住所:東京都豊島区東池袋3-1-5■コンセプトルーム宿泊プラン※1日2室限定予約開始日:2023年5月26日(金)12:00~※予約はホテル公式ウェブサイト内専用ページにて受付開始。料金:1名 13,400円~※1室2名利用時※料金には、1名の1泊室料、オリジナルグッズ、サービス料が含まれている。※そのほかに、パフェ「ひまわり」付きの宿泊プランも用意。※料金は、宿泊日、利用人数により異なる。※詳細はホテル公式ウェブサイト内専用ページを要確認。【問い合わせ先】サンシャインシティプリンスホテル 宿泊予約TEL:03-5954-2238 (受付時間:10:00~17:00)■パフェ「ひまわり」場所:カフェ&ダイニング Chef’s Palette(ホテル1F)提供時間:12:00~19:00(ラストオーダー18:30)料金:1名 2,900円(コーヒ・紅茶付き)※サービス料込。※仕入れの状況より、メニュー・食材に変更がある場合がある。【問い合わせ先】カフェ&ダイニング Chef’s PaletteTEL:03-5954-2254(受付時間:10:00~18:00)※画像はイメージ。
2023年05月27日フェイラー(FEILER)から、国立新美術館にて開催される展覧会「ルーヴル美術館展 愛を描く」とのコラボレーションハンカチ「ラシーブルダムール(LA CIBLE DAMOUR)」が登場。2023年5月3日(水)より、国立新美術館「ルーヴル美術館展」会場内特設ショップ、フェイラー銀座本店にて発売される。「ルーヴル美術館展」とのコラボハンカチフェイラーと、展覧会「ルーヴル美術館 愛を描く」がコラボレーション。ドイツ・シュニール織のコットン100%のハンカチに、展覧会で展示されているフランソワ・ブーシェ《アモルの標的》から着想を得て、キューピッドをモチーフとしたデザインを落とし込んだ。華やかに咲く色とりどりの花々や、ハートに刺さった矢などがキュートだ。ハンカチを縁取るカラーは、アイボリーとブルーの2色を用意する。【詳細】フェイラー×「ルーヴル美術館展 愛を描く」コラボハンカチ※予約不可発売日:2023年5月3日(水・祝)販売場所:国立新美術館 1E「ルーヴル美術館展 愛を描く」会場内特設ショップ、フェイラー銀座本店価格:「ラシーブルダムール」2,970円サイズ:約25×25cm※オリジナル箱入り※特設ショップは6月12日(月)まで※フェイラー銀座本店での予約、発売後の取り置き、代引き配送は不可※フェイラー銀座本店では、混雑状況により販売方法が変更になる場合あり※フェイラーでは、フェイラー銀座本店以外のショップでの販売はなし※「ルーヴル美術館展」は、5月8日(月)以降は、全てのチケットが事前予約(日時指定)不要となる※ひとり1点までの購入※購入点数制限は、一定期間経過後に解除する場合あり※販売数には限りあり
2023年05月05日諸橋近代美術館では、写真家フィリップ・ハルスマン(1906-1979)が芸術家サルバドール・ダリ(1904-1989)とともに制作した写真作品60点が新収蔵されたことを記念し、2023年4月20日(木)から6月25日(日)まで展覧会「ダリとハルスマン」を開催いたします。《私は原子爆発に思いふける》1954年フィリップ・ハルスマンは1930年代から写真家として活動し、アルベルト・アインシュタインやマリリン・モンローなど著名人のポートレートを数多く撮影しました。アメリカの大衆雑誌『ライフ』では101回にわたって表紙を撮影し、生前(1958年)にはポピュラー・フォトグラフィーが実施した国際世論調査で、世界のトップ写真家10選の一人にも選ばれています。「大きく見開いた目に尖った口ひげ」というダリの典型的なイメージもまた、ハルスマンのポートレートによる偉大な功績です。また、ダリとハルスマンは単に被写体と写真家の関係に留まらず、37年間にわたって友好を築き、想像と創造を追い求める共同制作者として写真表現の可能性を切り拓いてきました。《サルバドール・ダリ》1954年本展は2人の軌跡にフォーカスし、交友を重ねるなかで生まれた共同作品を一堂にご紹介します。デジタルによる画像加工が登場する以前、ダリとハルスマンが共謀し挑んだ革新的で遊び心にあふれた表現をお楽しみください。尚、本展は2020年に新型コロナウイルス感染拡大よる緊急事態宣言で会期を短縮した同展の再開催です。リバイバル開催となる今回は、ダリの絵画制作との比較や2人の創作活動に通じる現代の写真作品も併せてご紹介します。新しい試みにもご注目ください。《ダリ・アトミクス》1948年【展覧会概要】「ダリとハルスマン」会期 : 2023年4月20日(木)~6月25日(日) ※会期中無休会場 : 諸橋近代美術館(福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字剣ヶ峯1093番23)観覧料 : 一般 1,300円/高校・大学生 500円/中学生以下 無料 <常設展示も含む>※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保険福祉手帳のご提示で所有者と付添者(1名のみ)は無料です。時間 : 9時30分~17時00分 ※入館は閉館時刻の30分前まで企画監修: エリオット・H・キング(ワシントンアンドリー大学 准教授)企画協力: フィリップ・ハルスマン・アーカイブ(ニューヨーク)URL : Photo by Philippe Halsman (C) The Philippe Halsman Archive 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年04月07日展覧会「古代エジプト美術館展」が、福岡アジア美術館にて2023年4月8日(土)から5月28日(日)まで開催される。古代エジプト専門美術館「古代エジプト美術館 渋谷」コレクションを紹介「古代エジプト美術館展」は、古代エジプトを専門とするの日本唯一の美術館「古代エジプト美術館 渋谷」が所蔵する作品を紹介する展覧会。国内では質量共に優れた内容を誇るコレクションは、先王朝時代からローマ支配時代までを網羅し、古代エジプト文化の全貌を知ることができるものだ。ミイラや木棺・ツタンカーメンの指輪など約200点を展示本展では、「古代エジプトの神々と信仰」「ファラオが率いた国家」「古代エジプト人の衣・食・住」「古代エジプトの死生観ー再生とミイラ」の4つのテーマを設けて展示を構成。ミイラやミイラマスク、木棺、神殿の柱、ツタンカーメンの指輪といった世界的に貴重な遺物や、当時の生活様式が分かるジュエリーやレリーフなど約200点を展示する。古代エジプトの神々と信仰古代エジプト人は、この世界や宇宙は創生神によって創造され、その後多くの神々が誕生したと考えていた。中でも古代エジプトでは多くの動物神が信仰されていた。動物には人間にはない特別な能力を持つものと信じられていたためだ。本章では、《アテフ冠を被ったトト神像》や《ウラエウス厨子装飾》など、多様な神々の護符や神像、動物のミイラを紹介する。古代エジプトの死生観ー再生とミイラ死後に再生し、永遠の生命を得ると信じていた古代エジプト人は、長きにわたりミイラを作ることで、死者の遺体を保存してきた。ミイラ作りの技術が頂点に達して以降、末期王朝時代からプトレマイオス朝、ローマ支配時代にかけても多くのミイラが作られた。「古代エジプトの死生観ー再生とミイラ」では、プトレマイオス朝時代などに作られたミイラマスクや人型木棺、少女のミイラなどを紹介する。ファラオが率いた国家&古代エジプト人の衣・食・住このほか、「ファラオが率いた国家」では、常に絶対的権力を行使し国家を運営していた国王ファラオや、人口の約10%にあたるエリート高官たちにフォーカス。ファラオをモチーフとした像やレリーフ、神殿の柱などを展示する。一方、続く「古代エジプト人の衣・食・住」では、ツタンカーメン王の指輪や化粧用容器、ジュエリーなどを多数展示し、当時のエジプト人たちの生活様式を浮き彫りにする。「ペコちゃん」コラボグッズを販売なお、展覧会オリジナルグッズとして、不二家(FUJIYA)の人気キャラクター「ペコちゃん」とコラボレートしたクリアファイルやウォーターボトル、マグネットなどを販売。また、「世界一おもしろいお菓子屋さん」アート・キャンディ・ショップ「PAPABUBBLE/パパブブレ」とのコラボレーションキャンディ、文具・雑貨メーカーのハイタイドとのコラボレーショングッズなど多数展開される。【詳細】「古代エジプト美術館展」会期:2023年4月8日(土)~5月28日(日)会場:福岡アジア美術館 7階 企画ギャラリーA・B・C住所:福岡県福岡市博多区下川端町3-1 リバレインセンタービル7階観覧時間:9:30~18:00(毎週金・土曜日は20:00まで)※最終入場は30分前まで観覧料:一般 1,600円(1,400円)、高大生 1,300円(1,100円)、小中生 800円(600円)※( )内は前売り料金※チケットは、ARTNEチケットオンライン、ローソンチケット(Lコード 82255)、セブンチケット(セブンコード 098-803)等で販売■巡回情報・東広島市立美術館会期:2023年10月10日(火)~11月26日(日)住所:広島県東広島市西条栄町9-1・鳥取県立博物館会期:2024年4月6日(土)~5月12日(日)※予定住所:鳥取市東町2-124【問い合わせ先】西日本新聞イベントサービスTEL:092-711-5491(平日9:30〜17:30)
2023年03月31日東京・丸の内にある美術館「三菱一号館美術館」が、修繕工事のため2023年4月10日(月)から2024年秋まで長期休館する。「三菱一号館美術館」が修繕工事のため長期休館2010年4月に開館した「三菱一号館美術館」は、1968年に老朽化のため解体された洋風事務所建築「三菱一号館」を可能な限り復元した美術館。丸の内の文化発信拠点として、休館前最後の展覧会となる「芳幾・芳年―国芳門下の2大ライバル」を含め、これまでに40本の展覧会を開催している。今回の修繕工事では、展示作品の環境保全のための空調設備入れ替え、屋内外各所の照明をLEDに変更、レンガ建築に由来する電波環境の悪さの改善を実施。また、汚れの除去や各所の点検・補修など、建物全体のメンテナンスも同時に行う。なお、5月中旬から2024年夏ごろまでの期間は、「三菱一号館」の外壁を取り囲む大型の仮囲いを設置。仮囲いには、美術館のロゴマークをデザインした服部一成による、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック作品をモチーフにしたコラージュ作品が描かれている。概要「三菱一号館美術館」長期休館休館予定期間:2023年4月10日(月)〜2024年秋仮囲い設置予定期間:2023年5月中旬〜2024年夏ごろまで
2023年02月27日東京・六本木の国立新美術館では、3月1日(水) から6月12日(月) まで、世界最大級の美の殿堂であるパリのルーヴル美術館のコレクションから、「愛」をテーマとした名画を厳選した特別展が開催される。同展は、2018年から2019年にかけて東京と大阪で開催され、約70万人もの来場者を迎えた『ルーヴル美術館展 肖像芸術――人は人をどう表現してきたか』に続くもの。多彩なコレクションを誇るルーヴル美術館では、様々な切り口で企画展を構成することが可能で、今回は、16世紀から19世紀までの73点の名画を通じて、西洋絵画における「愛」の表現の諸相を紐解く試みだ。ひとくちに「愛」と言っても様々なかたちがあり、表現がある。古代のギリシア・ローマ神話に登場する神々の愛、キリスト教における神が人類に注ぐ無償の愛や、人間が神に寄せる愛、家族愛、恋人同士の愛、官能的な愛、悲劇的な愛など、ヨーロッパ各国の主要な画家たちによる多様な愛の表現を楽しめるのが同展の大きな魅力だ。また、同展は、おおまかに美術史の流れをたどる構成となっている。イタリアや北方のルネサンス期の神話画や宗教画から、17世紀オランダの風俗画や室内画、18世紀フランスのロココの画家たちによる官能的な絵画、そして19世紀フランスの新古典主義やロマン主義の絵画まで、国と時代による表現様式の変遷や違いも見てとることができるだろう。26年ぶりに来日をはたすフラゴナールの《かんぬき》やジェラールの《アモルとプシュケ》といった著名な傑作のほか、隠れた名画の初来日作など、いずれの絵画にもそれぞれの物語が織り込まれている。人物の表情や仕草、あるいは描き込まれた象徴物や小道具、背景などを細やかに見ていくと、豊かな愛の物語が浮かび上がってくる。描写の美しさや巨匠たちの優れた技を楽しめると同時に、「愛」をキーワードとして、1点1点の絵画を読み解いていく奥深い体験もできる展覧会となっている。ぜひ、たっぷりと時間をとって会場を訪れたい。ピーテル・ファン・デル・ウェルフ《善悪の知識の木のそばのアダムとエバ》1712年以降Photo (C) RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Franck Raux / distributed by AMF-DNPartcomアントワーヌ・ヴァトー《ニンフとサテュロス》1715-1716年頃Photo (C) RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Stéphane Maréchalle / distributed by AMF-DNPartcomシャルル・メラン《ローマの慈愛》、または《キモンとペロ》1628-1630年頃Photo (C) RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Tony Querrec / distributed by AMF-DNPartcomサッソフェラート (本名 ジョヴァンニ・バッティスタ・サルヴィ)《眠る幼子イエス》 1640-1685年頃Photo (C) RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Stéphane Maréchalle / distributed by AMF-DNPartcomジャン=オノレ・フラゴナール《かんぬき》1777-1778年頃Photo (C) RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado / distributed by AMF-DNPartcomギヨーム・ボディニエ《イタリアの婚姻契約》1831年Photo (C) RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Mathieu Rabeau / distributed by AMF-DNPartcomウジェーヌ・ドラクロワ《アビドスの花嫁》1852-1853年頃Photo (C) RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Franck Raux / distributed by AMF-DNPartcom<展示情報>『ルーヴル美術館展 愛を描く』会期:2023年3月1日(水)~6月12日(月)会場:国立新美術館 企画展示室1E休館日:火曜(3月21日、5月2日は開館)、3月22日(水)時間:10:00~18:00、金土は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)料金:一般 2,100円/大学 1,400円/高校 1,000円※2023年3月18日(土)~31日(金) は高校無料(学生証の提示が必要)※事前予約制(日時指定券)を導入展覧会HP:
2023年02月16日2023年2月3日は節分。豆や恵方巻などを準備する家庭もあるでしょう。節分に向けて、香川県小豆島にある妖怪美術館(@meipam_meiro)が準備した貼り紙に注目が集まっています。どんなものなのかというと…。日本全国の鬼の皆さま小豆島の妖怪美術館よりお知らせです。当館では皆様が安心してお過ごしいただけるよう万全の体制でお待ちしております。どうぞお気をつけてお越しください。 #節分 #節分鬼まつり pic.twitter.com/r0P4Ubwsfw — 妖怪美術館(@meipam_meiro) January 30, 2023 鬼殺隊および桃太郎関係者の入店お断り!なんと、大ヒット漫画『鬼滅の刃』に登場する鬼を狩る組織『鬼殺隊』や、鬼退治でお馴染みの『桃太郎』の入店をお断りする貼り紙です。妖怪美術館が「日本全国の鬼の皆さま小豆島の妖怪美術館よりお知らせです」とツイートし、全国の鬼に向けて発信しました。鬼たちが安心して過ごせるように、一風変わったお知らせをしたようです。ちなみに、妖怪美術館では同月28日まで節分鬼まつりを開催中!鬼の仮装で入館すると割引きになる『鬼割』や、節分の翌日には『節分お疲れ様会』も行われます。そのほかにも、鬼でなくても安心して楽しめるイベントが目白押し!気になる人間のみなさんは、妖怪美術館の公式アカウントをチェックしてみてください![文・構成/grape編集部]
2023年02月03日展覧会「入江明日香展 時空の旅人」が、名古屋の松坂屋美術館にて、2023年2月4日(土)から26日(日)まで開催される。福岡アジア美術館でも開催された巡回展だ。版画家・入江明日香の個展が名古屋に入江明日香は、1980年東京生まれの版画家だ。その作品の特徴は、西洋の銅版画技法をベースとしつつ、日本画や浮世絵などの技法も取り入れている点。日本とフランスの今昔を行き交いつつ、異次元にいる人物や動物、物語の人物をモチーフに、確かな描写力に基づいた画面を構成している。展覧会「入江明日香展 時空の旅人」は、2018〜2019にかけて開催された大回顧展以来3年ぶりとなる入江の個展。《Zéphyr violet iris》や《江戸淡墨大桜》をはじめ、初期から直近に至る代表作や人気作を展示するほか、日本の暦をテーマとしたシリーズも初公開する。展覧会概要展覧会「入江明日香展 時空の旅人」会期:2023年2月4日(土)〜26日(日) 会期中無休会場:松坂屋美術館住所:愛知県名古屋市中区栄3-16-1 松坂屋名古屋店 南館 7階開館時間:10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)入館料:一般 700円(500円)、高校・大学生 500円(300円)、未就学児 無料※( )内は前売および優待料金※障害者手帳、小児慢性疾患手帳、被爆者健康手帳、特定疾患医療受給者証の所持者本人および付添者1名まで無料※前売券、当日券は、松坂屋美術館、チケットぴあ、ローソンチケット、イープラス、Boo-Wooチケット、セブンイレブン、ファミリーマートにて販売【問い合わせ先】松坂屋名古屋店TEL:052-251-1111 (大代表)
2023年01月30日アートアクアリウム美術館 GINZAは、お正月イベント「アートアクアリウムのお正月」を2023年1月9日(月)まで開催する。「アートアクアリウム美術館 GINZA」のお正月イベント「アートアクアリウム美術館 GINZA」は、“百華繚乱~進化するアート~”をテーマにした、金魚アートの常設施設だ。7つのエリアで構成される館内では、色とりどりの金魚とともに、非日常的な空間を楽しむことができる。そんなアートアクアリウム美術館 GINZAが、謹賀新年ならぬ“金魚新年”のお正月仕様になって登場。期間中は、松の木が生い茂るトンネル型のイルミネーションや門松など、華やかなお正月飾りが館内を彩る。“紅白カラー”の美しい金魚が集結「アートアクアリウムのお正月」では、縁起の良い“紅白カラー”が美しい金魚が集結。白銀の体に、頭の上の赤い肉りゅうが特徴的な金魚「丹頂」や、”金魚の女王”とも称される大きな尾が魅力的な金魚「土佐錦」などが、お正月飾りで彩られた水槽の中で優雅に泳ぐ。新作の水槽作品「障子リウム」を初披露また、新作の水槽作品「障子リウム」も初披露する。戸枠の一部がガラスになっている障子“雪見障子”をモチーフにした水槽で金魚が舞い泳ぎ、日本庭園を思わせる美しい景色を楽しむことができる。「金魚おみくじ」が期間限定で登場さらに、2023年1月2日(月)から1月9日(月)までの期間限定で「金魚おみくじ」を用意。アートアクアリウムのオリジナルおみくじで、2023年の運勢を占ってみてはいかがだろうか。【詳細】「アートアクアリウムのお正月」開催期間:2022年12月27日(火)~1月9日(月)※2023年1月1日(日)は休館場所:アートアクアリウム美術館 GINZA住所:東京都中央区銀座4-6-16 銀座三越 新館8階営業時間:10:00~19:00(変更になる場合あり)※12月31日(土)は10:00~17:30(最終入場16:30)休館日:銀座三越の休館日に準ずるチケット価格:当日券 2,400円、WEBチケット 2,300円※当日券は銀座三越新館1階にて発売【問い合わせ先】銀座三越TEL:03-3562-1111(代表番号)
2023年01月01日アートアクアリウム美術館 GINZAは、クリスマスイベント「燈りにきらめく冬金魚」を2022年12月26日(月)まで開催する。「アートアクアリウム美術館 GINZA」のクリスマスイベント“百華繚乱~進化するアート~”をテーマにした、金魚アートの常設施設「アートアクアリウム美術館 GINZA」。7つのエリアで構成される館内では、色とりどりの金魚とともに、非日常的な空間を楽しむことができる。2022年の冬は、華やぐクリスマスシーズンに向けて「燈りにきらめく冬金魚」を開催。クリスマスならではの鮮やかなイルミネーションの光で館内を彩る。トンネル型のクリスマスイルミネーション中でも目玉となるのは、”提灯”に見立てた球体の水槽作品が並ぶ「提灯リウム」エリアだ。レッドカラーやゴールドカラーのオーナメントを飾った、クリスマスツリーを思わせるトンネルが出現。水槽の下には、プレゼントボックスを置いて心躍る楽し気なムードを演出する。優しく光る星の飾り日本の寺社建築に見られる回廊を表現した「金魚の回廊」では、クリスマスの飾りを代表する、”ヘルンフートの星”の明かりが灯る。赤と白に光るヘルンフートの星と、左右に並ぶ色とりどりの金魚の水槽がマッチする、幻想的な世界を楽しむことができる。幻想的なクリスマスツリーが登場そのほか、竹をイメージした円柱水槽がぐるっと並ぶ「金魚の竹林」には、美しくライトアップされたクリスマスツリーが登場。「アートアクアリウム美術館 GINZA」ならではのクリスマス空間で特別なひと時を過ごしてみてはいかがだろうか。【詳細】「燈りにきらめく冬金魚」~アートアクアリウムのクリスマス~開催期間:2022年11月29日(火)~12月26日(月)場所:アートアクアリウム美術館 GINZA住所:東京都中央区銀座4-6-16 銀座三越 新館8階営業時間:10:00~19:00(変更になる場合あり)休館日:銀座三越の休館日に準ずるチケット価格:当日券 2,400円、WEBチケット 2,300円※当日券は銀座三越新館1階にて発売【問い合わせ先】銀座三越TEL:03-3562-1111(代表番号)
2022年12月04日展覧会「柚木沙弥郎 life・LIFE展」が、京都の美術館「えき」KYOTOにて、2022年11月11(金)から12月25日(日)まで開催される。染色家・柚木沙弥郎の“くらし&人生”を感じる展覧会柚木沙弥郎は、2022年に100歳を迎えた現在も現役で活動する染色家・アーティストだ。染色のほか、版画、人形、絵本などさまざまな作品を制作・発表。国内の公立美術館のみならず、フランス国立ギメ東洋美術館でも展覧会を開催するなど国内外で評価されている。「柚木沙弥郎 life・LIFE展」では、“くらし”と“人生”をテーマに、柚木が1990年代から手掛けるカラフルで愉快な絵本作品の原画約80点や、紙粘土と布で作られた人形、型染めで布に模様を大胆に染めた色とりどりの染色作品約30点を展示する。“ワクワク楽しい”展覧会限定グッズも本展では、柚木の作品にちなんだグッズを多数展開。A3変形型の判型で作られた大きな作品集は、広巾布の長さが2~3メートルほどもある染色作品をはじめ、愉快な絵本の原画、紙粘土と布で作られた人形の図版を収めた図録。今回キュレーションを務めた林綾野による柚木のインタビュー「心を形で残す」も収録し、大充実の特製アートブックだ。“イヌ”と“スケボー”ワンポイントのトレーナー日本製Tシャツの先駆けとなる「色丸首」を開発したTシャツメーカー、久米繊維工業とコラボレートしたトレーナーも登場。柚木によって描き下ろされた“イヌ”と“スケボー”の絵柄をワンポイントとした、染み込みプリントのヴィンテージ風に仕上げた。マグやポストカードなどもまた、長崎の波佐見町でつくられた白山陶器による別注豆皿やマグ、染色作品や絵本の原画を採用したポストカード、マスキングテープなど見て楽しいカラフルなグッズが多彩に展開される。【詳細】柚木沙弥郎 life・LIFE展会期:2022年11月11日(金)~12月25日(日)会場:美術館「えき」KYOTO住所:京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 ジェイアール京都伊勢丹7階隣接開館時間:10:00~19:30(入館は閉館30分前まで)入館料:一般 900円、高・大学生 700円、小・中学生 500円※障害者手帳の提示者と同伴者1名は、当日料金より各200円割引。※作品展示やイベント内容は変更、または中止になる場合あり(最新情報は美術館ホームページにて確認のこと)グッズ:・展覧会図録『柚木沙弥郎 life・LIFE展』5,500円※図録表紙は4種類。数量に限りある商品あり。※図録には京都展で展示のない作品も収録されている。・KYOTOピンバッチ 880円・ポストカード(11種) 各165円<展覧会限定>・大判ポストカード(8種) 各220円<展覧会限定>・白山陶器 life・LIFE豆皿(4種) 各2,200円<展覧会限定>・白山陶器 life・LIFEマグ(2種) 各4,950円<展覧会限定>・マスキングテープ(2種)各825円<展覧会限定>・Life・LIFEカスタムタイル(12種) 各880円<展覧会限定>・くるみボタンブローチ(10種) 各1,320円・久米繊維工業 life・LIFE トレーナー(2種/M・L) 各6,600円<展覧会限定>・久米繊維工業 life・LIFE Tシャツ(4種/S・M・L) 各4,950円<展覧会限定>※数量限定商品があるため、品切れの場合あり。※本展は写真撮影が可能。・撮影には注意事項あり。会場内の掲示を確認のこと。・混雑時などは撮影を制限する場合あり。・状況により中止の場合あり。【問い合わせ先】TEL:075-352-1111 (ジェイアール京都伊勢丹・大代表)
2022年11月14日