●アドビが提唱するモバイル×デスクトップの新ワークフロー - Adobe MAX 2015基調講演Adobe Systemsが主催するクリエイティビティ・カンファレンス「Adobe MAX 2015」が、米カリフォルニア州ロサンゼルスにあるロサンゼルスコンベンションセンターおよびマイクロソフトシアターにおいて、現地時間の10月5日より開幕した。これから7日までの3日間にわたって、基調講演を含む数百のセッションが開催される。Adobeの発表によれば、今年の参加者数は7000人にのぼり、過去最多だという。初日の基調講演では、同社CEOのShantanu Narayen氏(以下、Narayen氏)や、Seinor VicePresidentでありCreative CloudのGeneral Managerを務めるBryan Lamkin氏(以下、Lamkin氏)などが登壇し、Adobe Creative Cloudで提供される新しいツールや革新的な新機能、そしてそれで実現する新しいワークフローについて発表された。○Creative Cloudで実現する「コネクテットワークフロー」とは?Adobe Creative Cloudは、Adobeが提供するさまざまなクリエイティブツールと、各種ツールをデバイスをまたいで連携させるクラウドサービス、そしてマーケットプレイス機能やコミュニティ機能などがセットになった、クリエイターのための統合サービスである。Lamkin氏は、現在のCreative Cloudを特徴づける3つの要素として、「コネクテッドワークフロー」「Creative Liberary」、「Adobe Stock」を挙げた。3つめの要素としてあげられた「Adobe Stock」だが、これは今年リリースされたばかりのストックフォトサービス。さまざまなサービスを包括するCreative Cloudにおいて、現在特に重要なコンテンツとして挙げられた。「コネクテッドワークフローと」は、他のツールや他のクリエイターとシームレスに連携して実現する新しいワークフローである。これを実現するために中心になっているのがCreative Cloud 2015より搭載されている「CreativeSync」だという。CreativeSyncとは、Creative Cloudで提供されるさまざまなツール間で、デスクトップ/モバイルを問わずにアセットを自動で同期する技術のこと。ファイルや写真、ベクターグラフィックスだけでなく、フォントやブラシ、カラーパレットなども最小限のタイムラグで同期することができる。「Creative Library」。これはクラウド上の共有ライブラリで、各種クリエイティブツールからアクセスできるだけでなく、他のCreative Cloudメンバーとも容易に共有することができるようになっている。CreativeSyncがそれぞれのツールのアセットをCreative Libraryに同期することによって、ツール間の連携がシームレスに行えるようになり、Creative Cloud全体をひとつの巨大なクリエイティブツールに見立てることが可能となる。これらの技術によって、デスクトップやモバイルの垣根を越え、複数のツールを行き来しながら作品を作り上げる新しいワークフローを実現することができる。複数のクリエイターによる共同作業も、タイムラグ無く行うことが可能とのこと。基調講演では、さまざまなデモを通して、実際にこのツールをまたいだ新しいワークフローで作品を作り上げる様子が紹介された。●モバイル端末でレタッチを実現する新アプリ○2つの新モバイルアプリを発表基調講演ではさまざまな革新的な機能が紹介されたが、その中で特にAdobeが力を注いでいると感じたのがモバイルツール群の拡充だ。今回、新たにふたつのモバイルアプリが発表された。ひとつが「Adobe Capture CC」、もうひとつが「Photoshop Fix」である。「Capture CC」は、Adobe Brush、Adobe Shape、Adobe Color、Adobe Hueといった既存のモバイルアプリをひとつに統合したもの。これらは作品そのものを制作するためのツールではなく、ブラシやシェイプ、カラーテーマといった、作品制作のための素材を集めるためのツールである。これまではそれぞれが単体のアプリとして提供されていたが、そのラインナップを刷新して、"素材集め"のための機能を提供するツールとなったのがCapture CCというわけだ。「Photoshop Fix」は、モバイル端末で撮影した画像を修正することができる新しいレタッチアプリで、ブラシ加工やゆがみ修正などといった処理を行うことができる。Photoshop Fixは、同社がデスクトップ版Photoshopの開発で培ってきた技術に基づいて開発されており、極めて高性能な処理を実現しているとのことだ。この2つの新アプリのリリースに加えて、Photoshop MixやPhotoshop Sketch、Illustrator Draw、Comp CC、Premiere Clipといった既存のアプリについてもアップデートが行われており、よりパワフルな作業を行うことができるようになっているとのこと。これらのモバイルアプリは10月5日時点ですでにリリースされており、インストールまたはアップデートすることですぐに利用を開始することができる。また、デスクトップ側のモバイル対応強化の一環として、モバイルアプリとの連携可能なUXデザインのための新しいデスクトップアプリも紹介された。この新アプリは「Project Comet」のコード名で開発中とのことで、今回の基調講演では初めてそのデモが公開されている。○タッチ操作に最適化したタッチUIも拡大基調講演では、上記の他にも、デスクトップアプリに関するさまざまな機能強化や、タブレット端末の画面に最適化されたタッチUIの拡張、今年6月に始まったストックフォトサービス「Adobe Stock」へのビデオコンテンツの追加などが発表された。また、モリサワグループとの提携によって、Typekitにおいて20種類のモリサワグループ書体が利用できるようになったこともこの日に発表されている。タッチUIについては、これまではIllustrator CCおよびPhotoshop CCに搭載されていたが、次のアップデートでInDesign CC、Premiere Pro CC、After Effect CC、Charactor Animateといったその他のデスクトップアプリにも搭載されることが明らかにされている。近年ではタッチディスプレイを搭載したノートPCや、WindowsなどのデスクトップOSを搭載したタブレット端末なども普及しはじめている。そこでAdobeでは、それらの端末でも十分なクリエイティビティを発揮できるように、タッチ操作可能なディスプレイへの対応を重要視しているとのこと。現場レベルでどのようなUIがタッチ操作に適しているのか、今後も継続して改善を進めていくとのことである。今回の発表について、Lamkin氏は次のように締めくくっている。「このリリースはクリエイターの皆さんにクリエイティブの自由を与えるものです。そして逆に、クリエイターの皆さんも、そのすばらしい仕事によってAdobeに大きなインスピレーションを与えてくれています。引き続きすばらしい仕事をしていただきたいと思います」そして最後に、「いい写真を撮るためにはいいカメラが必要でしょう」と語り、Adobe MAXの参加者全員に富士フイルム社製のディタルカメラ「X-T10」をプレゼントすることを発表して、会場を大いに沸かせた。
2015年10月06日アドビ システムズは、米カリフォルニア州・ロサンゼルスで開催される「Adobe MAX 2015」の基調講演のようすを、日本のアドビ社員の解説とともにプレイバックする「Adobe MAX 2015 基調講演プレイバック!」を10月6日 21時よりインターネット上で配信する。視聴は無料(事前登録制)。「Adobe MAX 2015」は、米カリフォルニア州・ロサンゼルスにて10月5日~7日に開催される、米アドビ主催のクリエイティブ カンファレンス。グラフィックデザイン、イラストレーション、写真、クリエイティブイメージング、映像、電子出版、Webデザイン、アプリデザインなどの各分野において、業界を代表するスピーカーと業界関係者が集う毎年恒例のアドビ最大のイベントだ。開幕日となる10月5日 朝9時30分(日本時間の10月6日 深夜1時30分)からは、7000人収容のマイクロソフトシアターにおいて、同社の社長兼CEO・シャンタヌ ナラヤン氏とデジタルメディア シニアバイスプレジデント・デイビッド ワドワーニ氏による基調講演が行われ、アドビの各製品やサービスの最新情報が発表される予定となっている。このたび配信される「Adobe MAX 2015 基調講演プレイバック!」は、同基調講演の模様を、日本在住のユーザーにも視聴しやすい同日21時から、日本のアドビ システムズ社員(仲尾毅氏、岩本崇氏、古田正剛氏、轟啓介氏)による解説とともに視聴できるUstream放送だ。視聴希望者は、イベント特設ページの申し込みフォームにて事前登録する。ちなみに、昨年の基調講演の模様は「Adobe MAX 2014 まとめ」で参照できる。
2015年09月17日一般社団法人 日本時計学会は9月11日に、東京都・文京区の中央大学後楽園キャンパスにて、2015年度マイクロメカトロニクス学術講演会を開催する。多彩な学術講演と時計セッションが設けられ、一般でも聴講可能。費用(予稿集の代金を含む)は一般が4,000円、学生が1,000円。日本時計学会は時計産業界と大学が主体となり、 時計および時計応用技術の調査研究活動を行っている。2015年の学術講演では、研究成果の発表に加えて、2つの特別講演を実施。ひとつは、山崎光男氏(ノルディックセミコンダクター社)による「コネクテッドウオッチが切り拓く身近なIoT」。もうひとつは、国際的な独立時計師団体「独立時計師アカデミー」(AHCI)に、日本人として初めて正会員に認定された菊野昌宏氏による「独立時計師が考える機械式時計の価値と未来」。プログラムや講演者(敬称略)は以下の通り。詳細は日本時計学会のWebサイトで確認いただきたい。○第1セッション(9:00~10:20)1.)9:00- 9:20掃除ロボットを応用した見守りシステムのやりとり機能東京高専 ○多羅尾進,丸川拡,林丈晴2.)9:20- 9:40定荷重ばねの引き出し力特性に関する解析○吉村 靖夫,土屋 栄夫3.)9:40-10:00血圧脈派計測のためのバンド型無線計測デバイス中央大学 ○土肥 徹次,五嶋 亮祐4.)10:00-10:20放熱性を考慮した CFRP 製筐体の試作東京高専 ○第2セッション(10:35~11:55)5.)10:35-10:55高温圧電材料の機械的強度の検証シチズンホールディングス ○木下 嘉将6.)10:55-11:15衛星電波時計の針位置検出システムシチズン時計 ○加藤明,今村和也,和泉輝7.)11:15-11:35時計用 Bluetooth プロファイルカシオ計算機 ○道蔦 聡実8.)11:35-11:55低周波振動切削技術「LFV」の開発シチズンホールディングス ○第3セッション(13:05~14:25)9.)13:05-13:25GPSソーラーウオッチにおける小型化・薄型化技術の開発セイコーエプソン ○三谷 敏寛,田村 修一,馬場 教充10.)13:25-13:45近距離無線通信機能(NFC)搭載ランニングウオッチの開発セイコーインスツル ○土屋 忠士,野邉 哲也11.)13:45-14:05腕による活動量計測アコーズ ○原 稔12.)14:05-14:25アクティブマトリックスEPDを活用した新しいコンセプトのウエアラブル商品の開発セイコーエプソン ○時計製品紹介セッションA-1. 14:40-15:00 セイコーウオッチ(株) 小野由美A-2. 15:00-15:20 シチズン時計(株) 北川正人A-3. 15:20-15:40 カシオ計算機(株) 牛山和人A-4. 15:40-16:00 セイコークロック(株) 山口英樹○特別講演(1)16:15-17:00「コネクテッドウオッチが切り拓く身近なIoT」講師:ノルディック・セミコンダクター社 カントリー・マネジャー 山崎光男○特別講演(2)17:15-18:00「独立時計師が考える機械式時計の価値と未来」講師:独立時計師 菊野昌宏
2015年08月20日●戦略の発表がなかったFTF 2015の基調講演○過去最短の1時間半で終了した基調講演2015年6月22日から25日(米国時間)にかけて開催された10周年記念となったFreescaleのイベント「FTF 2015 Americas」に関する一連のレポートをお届けしたい。まず最初はCEOの基調講演から始めたいと思う。これまで何度となく書いてきたが、従来のFTFにいけるCEOの基調講演は、まず業界動向とか社会の動きを織り交ぜながら同社の戦略を大きく語るところからはじめ、次いでその戦略の個々の要素に対して同社がどう取り組んできたか、その取り組みの中でどんな製品を提供してきており、そしてこれからどういうものを提供してゆくかを順次語るものになっていた。こうしたフォーマットは別にFreescaleに限ったものではなく、一般にある程度の規模の会社ならば当然こうしたフォーマットを取る事になる。個別の製品発表会ならばともかく、FTFのクラスのイベントであれば一番重要なのは戦略だからだ。ところが今回のCEOの基調講演はこれと大きく異なるものだった。マーケットセグメントごとに同社がどんなポジションにあり、そしてそこにどんな新製品を投入するかを語るという、まるで製品説明会の拡大版になっていた。もちろん今年後半にはNXPによる買収を控えている状態で戦略を語る事に意味は無い訳で、その辺りを反映した結果であろうが、結果として過去最短の1時間半で基調講演が終わることになったのはちょっと寂しさを感じるものだった。さてその基調講演であるが、まずは現時点のFreescaleのポジションの再確認から始まった。まずIoT分野で言えば、eReaderでNo.1、自動車のInfortaiment向けでNo.2、中国ではMCUおよび自動車向けNavigationでNo.1のポジションにある。Network分野では同社がデファクトスタンダードであり、Network MPUではNo.1のサプライヤーであり、しかも64bit ARMとPowerPC製品は16nm FinFETプロセスに移行することも明らかにした。自動車向けとしては100種類以上のMPUをすでに出荷しており、多くの自動車メーカーとの協業を行い、北米ではNo.1、全世界ではNo.2のサプライヤーであるとしている。Analog/MEMS分野では、特に自動車向けのAirbag/Rader/Tire Pressureといった製品群でNo.1のサプライヤーであり、しかもISO26262の対応も済んでいることを説明、最後にRFは年率57%で成長しており、特に中国における基地局ビジネスで強みを持っているとした。そうした説明の後で、先に述べた通りNXPと今年後半に合併を行うことになるが、これによってメモリを除くと世界第2の半導体会社となり、自動車向けのNo.1サプライヤーとなること、両社の持つリソースを組み合わせることでIoTのSolution全体を提供できるサプライヤーになること、両社の提供するポートフォリオが相互に補完しあえるものであり、これによって完璧なポートフォリオが実現することなどを説明した。またこの合併に当たっては、顧客のシームレスな移行を実現すべく、合併チームが現在懸命に作業を行っていることも明らかにした。●注力市場であるIoT/セキュリティ/自動車の各分野に向けた新製品群さて、ここからは新製品紹介に切り替わった。まずConnected Deviceが2020年には200億台にも達するとし、こうしたConnected Devicveが安全に接続されるためには高いセキュリティ性能が求められる。これに向けて低消費電力で低コスト、かつ高い性能を持つプロセッサが必要ということで同社のNancy Fares氏(Photo02)が登壇、「i.MX 6Dual SCM」を発表した(Photo03)。これは同社のi.MX 6DualをベースにFlash MemoryとDDR SDRAM、PMICまでをPoP(Package on Package)の形で積層したSCM(Single Chip Module)である。またInhand Electronicsが8週間で開発したとする、i.MX 6Dual SCMをベースにしたボードも披露された(Photo04)。次はIoT Truckの紹介が行われたが、こちらの紹介はTechnology Labsと合わせて行うことにして今回は割愛する。次いでIoTにおけるセキュリティの重要性をあらためて説明した後で、Gowri Chindalore氏(Head of Technology & Business Strategy)が登壇、同社が新しく発売した「Kinetis KW40Z」の紹介と共に、Proximityの開発したIoT Device Management Softwareをi.MX/Kinetis向けに提供してゆくことを明らかにした。基調講演ではこれに続き、Kevin Mitonick氏(Photo06)を招いてセキュリティに関するさまざまな話題を取り上げた。話題は多岐に渡り、またTwitter経由での質問も受け付けたりしたのだが、一番聴衆を沸かせた話題は「Hackingの成功率は100%」と断言したことだろう。Reverse EngineeringとSocial Engineeringを組み合わせることで、Hackingが出来なかった例は無い、とした事だろう。また最後に披露されたMitonick氏の名刺(Photo07)もなかなか沸かせるものだった。セキュリティ繋がりで次に紹介されたのが、新しい「Kinetis K8xシリーズ」である。これはCortex-Mプロセッサをベースに高いセキュリティ性やAnti-Tampering性を持たせたもので、汎用ではあるものの、POS端末などセキュリティ要件が高いマーケット向けのものである。これに加え、ネットワーク分野に向けてRubicon LabsとAkamaiで協力していることを紹介(Photo08)。同社がAkamaiと開発しているZero Knowledge Keyという技術がFreescaleのNetwork Processor上にインプリメントされていることを説明した。次に話は自動車分野に移った。ここではGMのJohn Capp氏(Photo09)を招き、GMの取り組んでいるより安全な運転システムについてビデオを交えて紹介。そのシステムが2017年モデルのキャディラックに搭載されることも明らかにされた。最後に紹介されたのは、「SAM Project」への取り組みである。これは元Indy CarのRace Driverであり、2000年に負った怪我でリタイアしたSam Schmidt氏(Photo10)に、再び運転を出来るようにしようというもので、Arrow ElectronicsとFreescaleのコラボレーションで成立しているものだ。「四肢麻痺の状態でどうやって運転を行うか」はProjectサイトの動画を見てもらうのが早いが、要するに首の動きでハンドルを、口に咥えたチューブへの圧力でアクセル/ブレーキのコントロールを行うというもの。この首の動きやチューブの圧力検知はKinetisで、その検知結果から車を制御する部分のシステムはi.MX 6をベースとしており、システム全体はArrow Electronicsが構築した。こちらのデモはTech Labsでも展示されたので、これはまた改めて紹介したい。●NXPとの合併により自動車向けの最大サプライヤーに○NXPのCEOも参加したCEO Roundtableさてこの基調講演後にCEO Roundtableが行われたが、そこにはGregg Lowe氏に加えてNXPのCEOであるRichard L. Clemmer氏も同席した(Photo11)。まず合併によるシナジーとして、「Freescaleの持つMCUのポートフォリオに、NXPのSecurityのポートフォリオを組み合わせることで完璧なIoT向けのポートフォリオが完成する」(Clemmer氏)とした上で、ネットワークのインフラ向け製品やRFに加え、自動車向けの最大のサプライヤーになる事を強調、特にADASなどの運転安全性に向けた取り組みは相互のポートフォリオが補完し合えるとし、現在は顧客がシームレスに移行できるように作業を急いでいるとした。また合併について、「両社は共に有力な半導体製造会社であり、また同じような経緯をたどってきており(親会社からスピンアウト、一度IPOをするもののファンドにMBOされ、Private Companyの時期を経て再びIPO)文化的に近い」とした。また重複する部門については、「すでにNXPはRFの部門を売却しており、FreescaleのRF部門はそのまま残ることになる。また自動車分野は重複がほとんど無いので、現在はどういう形で統合するのがよいかを検討している最中。MCUについては、Geoff Lees(SVP & General Manager, Microcontroller。元はNXPで同じ職にあった)がSecurityとConnectivityを核にConnected Deviceの実現に向けて(統合を進めて)いる。Network Processorに関しては、Power Architectureは大きな市場をすでに獲得しており、合併後の会社でもこれは大きな売り上げになると期待している」(Clemmer氏)とした。ただし明確にされたのはこのあたりで、例えば今後の製造に関しては「例えばMCUは90nmを経て28nmに向かっているし、我々もそうしたトレンドは理解しており、適切な時期に適切なプロセスを使うことになる。ご存知の通り90nm以上は内部の、65nm以下は外部のFabを使っているが、今後どうして行くかは現時点ではまだ発表できない」(Lowe氏)といった感じで、明確にはされなかった。また統合に伴うリストラに関しては「合併によって、例えばR&DコストとかEDAツールのライセンスなどのコストが削減できることになる」(Clemmer氏)とし、リストラそのものについては明言されなかった。深読みすれば、例えばR&Dコストの削減というのはかなりの部分それに携わる人間の削減に繋がるし、間接部門のコスト削減についてもしばしば人員の削減が必然的に発生する。ただ、現時点ではこれをどの程度の規模で行うかまで、まだ煮詰めは終わっていないと思われる。このあたりは、実際に合併が行われるまで外部からはうかがい知る事はできなそうだ。
2015年06月29日米Intelは2日、台北市で開催中のイベントCOMPUTEX TAIPEI 2015で、基調講演を行なった。同社の上級副社長でクライアントコンピューティング事業部担当のカーク・スカウゲン氏が、「イノベーションの50年」、「次は何か」、「プラットフォームのリーダーシップ」の3つをテーマに講演した。最初の「イノベーションの50年」とは、提唱されてから50年を迎えるムーアの法則のこと。Intelは、この法則にのっとり半導体を進歩させてきた。「次は何か」(What’s Next)では、2020年には、500億台のデバイスが存在することになると予測、これにより天の川の星の数よりも200億倍も多い数データが作られることになるという。こうしたデータが生み出されるのはIoTのためだが、スカウゲン氏は台湾の自転車レンタルのシステムを例に、新しいIntel IoT Gatewayのリファレンスデザインを紹介した。これは、さまざまなIoT機器からのデータを集約してクラウド側などに転送するゲートウェイ装置で、最新のリファレンスモデルでは、マイクロソフトやウィンドリバーのOSにくわえ、CanonicalのSnappy Ubuntu Core(Linuxベース)のOSも利用できるようになったという。次に「New User Experiences」として、Intel RealSenseによるナチュラルユーザーインターフェースや顔認証機能を紹介、さらに「No Wire」を実現するための技術を紹介した。3つめの「プラットフォームのリーダーシップ」では、Intelはいまやシリコンだけでなく通信機能も提供する企業だとした。また、このComputexのタイミングでの新製品を紹介、ステージには、AcerのST Liew社長やASUSのJonny Shih会長などが登場した。また、データセンター向けのXeon E3-1200 v4を紹介、同プロセッサは、Xeon系ではじめてハイエンドのIris Pro Graphics P6300やQuick Sync Videoを内蔵する。最後に2015年後半の発表を予定する次世代プロセッサ"Skylake"こと、第6世代Intel Coreプロセッサを搭載した2in1 PCと4Kディスプレイ内蔵のオールインワンPCのリファレンスモデルを紹介。"Skylake"は、2015年7月末のリリースが発表されたWindows 10のメリットを最大に生かせる設計だとした。今回のIntelの基調講演は、同社の現状をざっとなぞったものだった。Microsoftの基調講演が6月3日に控えており、ハードウェアメーカーの中には、マイクロソフトの基調講演後に詳細を公開すると言っていたところもあるため、IntelとしてもシステムとしてのPCを言いにくい部分はあったかもしれない。ただ、プレスリリースによれば、中国でハイアールとワイヤレス給電を推進するといった発表があり、次世代PCに向けた準備は進めてはいるようだ。また、Computex直前には、Rockchp(ARMベースのSoC半導体メーカー)との提携を発表。2014年に買収したベースバンドモデム内蔵SoC半導体メーカーSPREADTRUMと合わせ、Atomベースのモバイルプラットフォームを中国の製造メーカーを浸透させるべく努力しているようだ。中国では、SoCを製造する半導体メーカーが、スマートフォンやタブレットの設計や製造に関するソリューションを製造メーカーに提供して、製造メーカーは、これらを使って安価な製品を製造している。おそらく、Intelも新興国向け市場を狙い、この流れに乗ることを考えているのだと思われる。
2015年06月03日エムキューブは3月12日、製薬会社向けの新たなWeb講演会サービス「pkgQ(パッケージキュー)」を発表した。4月1日より本格的に提供開始する。同社は、2014年4月にエムスリーとブイキューブの合弁会社として、製薬会社と医療機関や医師など医療従事者がコミュニケーションできるプラットフォームの開発とサービス提供を開始。新サービスは同社にとって初の医療業界向けソリューションという。同サービスはエムスリーが運営する医療ポータルサイト「m3.com」と連携し、従来の講演会では難しかった全国からの集客を容易にするとともに、受講医師個々のニーズの把握が可能で、医師への円滑な医薬品情報の提供やサポート活動(マーケティング活動)を行えるとしている。また同サービスはWeb講演会のライブ配信システム提供に加え、効率的なマーケティングを実現させるために必要な集客や運営、開催後のフォローもサポートしているという。例えば、症例データの写真や動画を、高画質で効果的に用いた説明が可能であり、リアルタイムのアンケートや質問など、講師と受講者の間で双方向性のWeb講演会を実現できるとしている。受講する医師はPCの他、スマートフォンやタブレット端末から専用のアプリをインストールせず受講可能であり、開始時間に遅れた場合でも冒頭からの追いかけ視聴や録画コンテンツでの視聴が可能とのことだ。さらに、配信専用スタジオや専任のプロデューサーによる配信サポートもある。同社では同サービスを利用することで、製薬会社はMR(医薬情報担当者)による病院の個別訪問ではサポートしきれなかった医師からの要望を把握し、適切なタイミングで情報提供を行えるとしている。医師は自宅や勤務先などから「いつでも、どこでも」気軽に情報収集できるとのことだ。
2015年03月13日岡山県倉敷市にあるライフパーク倉敷 倉敷科学センターは、「世界・日本の宇宙取材の現場から」と題した科学講演会を2015年3月7日に開催する。今回の講演会では、25年以上にわたって日本、米国、ロシアなどでロケット打ち上げや宇宙関連施設、無重力飛行などを取材し、国によって異なる現場や人々の魅力に虜となったと語るサイエンスライターの林公代氏が登壇し、国内外の宇宙に関わる現場での取材や宇宙飛行士、天文学者などへのインタビューを通して感じた宇宙の魅力について、実際の現場写真などを交えて講演を行う予定だという。具体的な内容としては、ロシアについては宇宙服の製造会社や、宇宙飛行士が訓練する星の街、ガガーリンが乗ったカプセルの実物があったエネルギア社の博物館、バイコヌール宇宙基地で見た発射、若田さん打ち上げまでの様子や表情などを、米国については、NASAケネディ宇宙センターでのシャトルの打ち上げやヒューストンの訓練施設の話などを、そして日本については、種子島宇宙センターでの打ち上げの様子や筑波宇宙センターなどの様子などを語る予定だという。また、各地で出会った宇宙飛行士、宇宙技術者、天文学者といった宇宙に携わる人々の魅力についても語る予定としている。なお、対象は小学生以上(小学生は保護者同伴)としており、定員は200名。参加料は無料で、申し込み方法は、倉敷科学センターに直接電話で申し込み(086-454-0300)、定員となり次第、締切となる予定だという。○倉敷科学センター 科学講演会「世界・日本の宇宙取材の現場から」日時:平成27年3月7日(土) 19:00~20:30講師:林公代(サイエンスライター)会場:倉敷科学センター プラネタリウム対象:小学生以上(小学生は保護者同伴)定員:200名(先着順)参加費:無料
2015年02月20日子どもの教育で気になることは?と聞かれた時、「英語」と答えるママも少なくないのでは? 小学校でも英語の授業が行われるようになり、幼児期からの英語教育が気になる! でも、どうしたらいいのかわからない! というママのために、おすすめの講演会をご紹介します。■「子供英語教育の今がわかる」アレン玉井光江先生による保護者のための講演会講演会を主催するのは、株式会社小学館集英社プロダクションのエデュケーション事業局 子ども教育センター。3月1日(日)に、東京都の千代田区立日比谷図書文化館にて、幼児~小学生の子どもをもつ保護者を対象とした講演会を開催します。講師は、小学館アカデミー教育アドバイザーでもあり、長く児童英語教育の現場に携わってきたアレン玉井光江先生(青山学院大学教授、教育学博士)。子どもたちがこれからの国際化社会で活躍できるようになるために・子どもたちになぜ英語が必要か・どうすれば英語を話せる人になるのか・家庭で親ができることはなにか・小学校英語はこれからどう変わるのかについてわかりやすくお話ししてくれるそうです。今回は、子ども向けのプログラムも用意されています(定員あり・要事前予約)。年少児~小学生の子どもが講演中、別室にてアレン先生が開発した英語を楽しむプログラム「ストーリーベースカリキュラム」を体験することができるのだとか。興味のある人は、ぜひ子どもさんと一緒に参加してみては? 参加費は無料。講演会の申し込みは、下記のURLで受け付けています。<講演会のお申し込みフォーム>(WEB受付のみ・定員になり次第締め切ります) ※講演会に関するお問い合わせは、上記リンク先の株式会社小学館集英社プロダクション エデュケーション事業局 子ども教育センターまでお願いいたします。「21世紀型の英語教育を求めて ・・・これからの子どもたちの英語教育とは ~未来のGlobal Communicatorへ!大切な家庭の役割~ 」講演会詳細【日 時】 2015年3月1日(日) 10:30~12:00( 開場10:00 )【会 場】 千代田区立日比谷図書文化館 B1F 大ホール 東京都千代田区日比谷公園1番4号(旧・都立日比谷図書館)【対 象】 幼児~小学生のお子さんをもつ保護者の方/英語教育に興味のある方【主 催】 株式会社小学館集英社プロダクション 子ども教育センター【講 師】 アレン玉井光江<講師プロフィール>青山学院大学教授、教育学博士。日本児童英語教育学会(JASTEC)理事。幼児・児童英語教育の第一線で長年活躍し、実際に3歳から12歳の英語教育現場にも携わる。主な著書に「小学校英語の教育法―理論と実践」(大修館書店)、「ストーリーと活動を中心にした小学校英語」、「Story Trees」、「Story Trees2」(小学館集英社プロダクション)、中学教科書「New Horizon1、2、3」(東京書籍:編集委員)など多数。小学館アカデミー教育アドバイザー。【参加費】 無料【申し込みフォーム】
2015年02月10日楽天証券は18日、パシフィコ横浜で、今年で10回目を迎える「新春講演会2015」を開催し、3,147人の個人投資家が参加した。会場では、豪華講師陣によるメイン講演のほか、ミニセミナーや各サービスのブースが並んだ。ブースでは、業界初となるMac対応の取引ツール「MARKETSPEED for Mac」のタッチアンドトライコーナーも展示され、楽しそうに体験する姿が目立った。オープニングスピーチでは、楽天証券代表取締役社長の楠雄治氏が新年の挨拶。また、2016年からのスタートに向けて検討されている「子どもNISA」にも触れ、将来の社会保障に対する不安と、個人資産を形成することの重要性を説明した。講演では、慶応義塾大学グローバルセキュリティ研究所所長兼教授の竹中平蔵氏や楽天証券経済研究所の窪田真之氏、ホリコ・キャピタル・マネジメントCEOの堀古英司氏など、豪華講師陣が登場し、2015年の政治・経済・為替について予測し、会場を盛り上げた。
2015年01月27日北米時間で1月6日、米国ラスベガスでCES 2015が開幕した。初日の基調講演に米IntelのCEO、Brian Krzanich氏が登壇、同社が実現を目指す未来のコンピューティング技術の姿を披露した。全体的にはデジタルワールドとフィジカルワールドが合流する未来像を強調し、その内容は超小型SoC「Curie」など具体的な製品の発表から、RealSense技術を駆使し3D空間を通して人とコンピュータとのインタラクティブを変革するコンセプトまで多岐に渡った。CES 2015にあわせてBroadwellベースの第5世代Intel Coreが発表となったが、講演の主役は、これまで同社のビジネスの主役であり続けたこれらPC向けプロセッサではなかった。スポットライトは第一に、「ウェアラブル」というキーワードに当たっていた。そして、ウェアラブルデバイスをターゲットに、QuarkベースのSoCにストレージや各種センサ等を組み合わせた超小型モジュール「Intel Curie」(キュリー)を公開した。Curieのモジュールには、32bitのIntel Quark SE SoCのほか、384kBのフラッシュメモリ、80kBのSRAM、Bluetooth Low Energy、バッテリ充電機能、独自のパターンマッチング機能を備えたDSP、6軸の加速度センサ、ジャイロスコープといった一式を実装。モジュールのサイズは"ボタン"と同等で、コイン大のバッテリで駆動する。今年後半に出荷を予定し、リアルタイムOSを含む開発キット「IQ Software Kits」も用意する。Curieを用いることで、時計はもちろん、「指輪など装飾品、衣服などに組み込んで様々なウェアラブルが可能になる」とする。その証拠に、Curieデバイスの開発でコラボレートする企業のなかには、服飾関連の企業が含まれている。さらにアイウェアで知られるOakleyからはCEOのColin Baden氏がゲストで登場し、Curieを用いたアスリート向けのメガネ型ウェアラブル端末の開発がスタートしたことが明かされた。あわせて今回、特に大きくフォーカスされたのは、「Intel RealSense」モジュールの応用事例である。3Dカメラや深度センサを備えるRealSense技術によって、現実世界をデジタルで拡張して体験することができるものだ。これまでは、PCの操作をジェスチャ等で拡張する用途や、娯楽や教育寄りのARでの用途などが紹介されてきた。同社はこのRealSenseの技術を、もっと広い分野で活用したいと考えている。そのひとつが、RealSenseのカメラ/センサで周囲の物理的な情報を認識することで、ドローンやロボットのリアルタイム処理による衝突回避機能が実現できるというものだ。まずはゲストとしてiRobotのCEO、Colin Angle氏が自走"ロボット"で登場。"Angleロボット"はRealSenseを用いてステージ上のリアルオブジェクトを認識し、動き回っても自動で回避行動をとる。そしてロボットの頭部に見立てたディスプレイ越しにKrzanich氏とセッションし、同社のロボット技術にRealSense技術を組み込む協業を目指してことが発表となった。続いて、Ascending TechnologiesがRealSenseを活用したドローンを開発予定であることも発表された。会場には試作のRealSenseモジュール搭載ドローンが持ち込まれ、複雑な地形であっても、人間がわざとぶつかろうと近づいても、それをリアルタイム認識したドローンが自動で回避する様を披露して見せていた。また、視覚に障害を抱えているというIntelの社員のひとりが、RealSenseのモジュールと、それと連動する何枚かの振動板のようなものが組み込まれた服を着て登場した。杖などをつくこともなく、歩行もスムーズだ。RealSense技術で周囲の人や物などを認識し、それを振動板のふるえ方で感じることができるのだという。先のCurieによるウェアラブルの推進とも関連してくるのだが、RealSenseのような現実認識の技術があり、その情報を処理できるコンピュータが小型化、またはより処理に適したコンピュータと連携できる小型コンピュータがあり、あらゆるモノに組み込めるようになれば、上記のような活用例が実現に近づく。「人間とコンピュータとのかかわり方にも変革が訪れる」とKrzanich氏は説明している。
2015年01月07日お茶の水女子大学は12月14日に同大理学部主催で、「第2回 宇宙講演会 ~子どもから大人まで宇宙に夢中!~」を開催する。2回目となる今回は、アンデスの世界最大の電波望遠鏡「ALMA(アルマ)」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙科学研究所にて宇宙科学広報・普及主幹として宇宙科学研究に関わる普及・教育・渉外活動などを務め、現在は国立天文台チリ観測所に勤務される阪本成一 教授が語るほか、国際宇宙ステーション(ISS)へ荷物を届ける無人補給機「こうのとり(HTV)」について、「こうのとり」のフライトディレクターであり係留運用ファンクションマネージャなども務めるJAXAの麻生大氏が講演を行う。また、これらの講演のほかに、「私も宇宙へ行く時代を目指して」と題した有人宇宙開発パネルディスカッションも子ども・宇宙・未来の会理事の菊地涼子氏などを交えて行われる予定となっている。なお誰でも自由に参加可能で参加費は無料、事前申し込みも不要(ただし、小学生以下は保護者同伴での参加が必要)。会場は文京区大塚のお茶の水女子大学 微音堂(講堂)で、開場時間は12月14日の14時~17時(受付開始は13時30分開始予定)となっている。また、駐車場はないため、クルマでの来場は控えてもらいたい旨、ならびに南門は閉鎖されているため、正門より来場してもらいたい旨が主催者よりアナウンスされている。
2014年12月09日平易な言葉と優しい語り口で幅広く活動するスピリチュアリストの江原啓之が、2015年の年頭にあたって恒例の『新春講演会』を開催する。今回は東京と大阪に加え、仙台でも講演。さらに第一部(11:30開演)と第二部(15:00開演)では異なるテーマで語る予定だ。「せっかく聞きに来てくださるのだから、講演会ではいろんなことを話したいんです。レストランのメニューでも品数が多いほうがいいでしょう」と笑う江原に、その内容について聞いた。テーマは各会場毎に異なるが、東京講演の第一部のテーマは『あなたを強運な人生にするために』。「たとえば40代は仕事や家庭、それから介護と、さまざまなことが押し寄せてくる世代。周りで余計なことをいう人もいるし、上と下に挟まれて、まさに“はざま”の頃ですよね。そんな大変な状況のなか、どう生きるか悩んでいる人は多い」と江原は言う。続けて「もちろんどんな世代の人たちも、そろって暗い気分になっているのが今の世の中。それでも幸せに生きる方法は必ずあります。そのことを皆さんにお伝えしたいですね」と口調は熱を帯びた。そして第二部は『災いから身を守る 霊的秘儀』をテーマに講演。ここでは8月に出版された書籍と同テーマで、さらに詳しく話す予定だ。「この本には護符が付いているのですが、実はこういう種類の本ってこれまで出しているように見えて(笑)、実は今回が初めてなんです」と江原。「これまではなるべく広い範囲で、私なりの生き方や考え方をお伝えするようにしてきました。でもここ数年、理由なき殺人や理不尽なストーカー事件がすごく増えてきて、お子さんをもつお母さんや徘徊する親御さんを介護中の方など、いっそう恐怖心に身をすくめて過ごされているのが現実。それはとても不幸なことですよね。なによりもまず安心したいという人たちのために本も書きましたが、“転ばぬ先の杖”じゃないけれど(笑)、新春講演会では、さらに心丈夫に生きていくための心得をお伝えしたいと思っています。取材中、「最近の大学は講義中、質問は手を挙げずにメールでするんですってね」、「オレオレ詐欺ならぬ、(赤ちゃんが)出来ちゃった詐欺があると聞きました」など、話題は多方面に広がった。いずれも江原が気になるのは、「誰もがふた言目には“つながっている”と言うけれど、フェイスブックなど画面だけの関係で、本当に人とつながっていると言えるのかな」ということ。「最近は特に閉そく感に悩んでいる人が多いと感じます。でも自分なりのルールを決めて、腹をくくって、時には転ぶこともいとわずに毎日を充実させれば、人はもっと人とつながれるはずですよね」と話す江原。ふと呟いた「人の幸せは一様ではないから」との言葉が、柔らかい笑顔と共に印象に残った。講演は1月11日(日)大阪・森ノ宮ピロティホール、1月17日(土)宮城・電力ホール、1月25日(日)東京・国際フォーラム ホールCにて。チケットぴあでは東京公演のインターネット先行抽選を10月25日(土)午前11時より受付。取材・文佐藤さくら
2014年10月24日「オーソモレキュラー.jp」オープニング記念講演会一般社団法人オーソモレキュラー.jpは、8月31日(日)に東京・有楽町朝日ホールで「オーソモレキュラー.jp」オープニング記念として「“一般向け無料講演会”~ 何をどう食べるか。あなたと家族の未来が決まる ~」の開催を発表した。会場では「「疲れ」がとれないのは糖質が原因だった」(著者:溝口 徹、出版社:青春出版社、発売日:未定)の先行発売が行われる。講演会概要タイトルは「オーソモレキュラー.jp」オープニング記念講演会~ 何をどう食べるか。あなたと家族の未来が決まる ~。日時は2014年8月31日(日)10:00~16:00(9:30開場)、場所は有楽町マリオン11階有楽町朝日ホール。定員750名、参加費は無料。申込みはFAXまたはWEBフォーム、電話。講演は「今こそしりたい!美しく続けられる糖質制限食とは」講師:大柳 珠美、「栄養療法は、医師と患者の関係を変える」講師:溝口 徹、「栄養療法で変わる日本の医療」講師:姫野 友美、「本気でアンチエイジングフード!」講師:白澤 卓二。講師は3人による「未来の医療のあるべき姿とは!?」と題したパネルディスカッションも実施。オーソモレキュラー.jpオーソモレキュラー療法(orthomolecular medicine)は、栄養素-適切な食事やサプリメント・点滴、糖質コントロール-を用いて、様々な病気を治す療法。単純なサプリメントの投与ではなく、体質、病態に応じ薬効を期待した栄養療法。オーソモレキュラー.jpはオーソモレキュラー療法を実践する医師および医療従事者、そして一般人への情報発信、養成・資格取得、および商品販売を行う組織。▼参考・オーソモレキュラー.jpプレスリリース・Orthomolecular.orgHP
2014年08月09日日興アセットマネジメントはこのほど、同社が運営する投資ゲーム「世界の投信王」に関連し、学生のための講演会『グローバル人材になろう!』を開催した。同講演会では、”グローバル人材”になるためにはどのような資質・行動が必要であるかという視点から、グローバル化が進む世界経済の流れについて説明がなされた。講演会はパネルディスカッション形式で行われ、モデレーターとして、「タダコピ」を運営するオーシャナイズの小林直樹氏、パネリストとして、日興アセットマネジメントの妹尾園子氏と野村学氏が参加した。冒頭では、小林氏が、「グローバル化」について説明した。小林氏は、自身が大学を卒業した1996年が、デフレ、大震災直後、就職氷河期などの点において、「今の環境にそっくりだ」と指摘。そのころのキーワードの一つに「産業空洞化」があるとし、バブル後の不況でデフレ化し、消費者物価が下がるのと同時に流通支配力が上がる中、コスト削減のため、「製造拠点のグローバル化」が起きたと説明した。その後に起こったのが、「市場のグローバル化」と「金融のグローバル化」。市場がグローバル化された世界では、原料の調達や生産、加工を世界中で最適化して生産活動を行い、それを発達したサプライチェーン(物流)を活用して売ることになる。こうした流れの中、日本企業でも多くの企業が「グローバル化」して、世界で活躍していると述べた。また、金融もそれに応じてグローバル化し、資金調達も世界視野で行われるようになった。小林氏によると、小林氏が学生の頃は、「グローバル化」ではなく、「国際化」という言葉が使われていた。だが小林氏は、「国際化」の場合は、あくまで日本を中心に物事を考えていたのに対し、「グローバル化」は、”世界”という観点から物事を見ていくことだと分析し、「国際化」ではなく、「グローバル化」することの重要性を説いた。また小林氏は、「グローバルスタンダード(世界基準)」についても言及。冷戦終結後、すでに自国企業がグローバルに展開していた欧米が、世界の市場が一体化する中で、会計などの基準を統一して決めていこうというもので、日本もそれに巻き込まれざるをえなかったと話した。同氏は、こうした「グローバル化」の進展に関し、日興アセットマネジメントの妹尾氏に、日本の企業のグローバル化の現状について質問した。妹尾氏は、現在の日本企業について、売上高の約半分を海外で売り上げていると説明。しかも、大手電機メーカーなどの輸出関連企業だけでなく、世間的には内需型といわれる企業も海外売上高を伸ばし、「グローバル企業化」していると述べた。例えばある醤油メーカーでは、55年前から海外展開をし、米国に早い時期から進出。米国の家庭の半分の家庭には、醤油が置いてあるという。妹尾氏によれば、そのメーカーは和食を持ち込むのではなく現地の食材にあった醤油の使い方を提案することで、現地に浸透していった。妹尾氏は他にもゲーム機メーカーや調味料メーカーを挙げ、「多くの日本企業が、先を見て行動していることを知ってもらいたい」と話した。また、社会に貢献している日本企業として、ある化学メーカーを挙げた。同メーカーは、電子部品のフィルムやプラズマディスプレイをきれいに見せるための塗料など、高収益事業を世界規模で展開する一方、年間5億人が発症し100万人以上が命を落としている「マラリア」の感染を防ぐため、マラリアを媒介する蚊を防ぐ「蚊帳(かや)」を生産し、サハラ砂漠を中心にアフリカ諸国に提供していることを紹介。ただし、無償では同社が生産するのを止めてしまうことを懸念し、世界銀行が有償で購入しているという。さらに、ある化学繊維メーカーでは、水をきれいにしたり、海水を淡水に変えるための膜(フィルター)を、水不足に悩む国に提供していることも示し、日本企業が海外で稼ぐだけでなく、社会貢献している実例を具体的に説明した。妹尾氏は、前述の醤油メーカーの人から、知識やノウハウ、技術などは全て日本国内にあると聞いたとし、「皆さんはすでにグローバル化の中にいる」と話した。次に、日興アセットマネジメントの野村氏は、自らの人生の「幸せの曲線」について説明。同氏はもともと、資金運用をやりたかったので同社に就職、これまで転職をせずに同社一筋で勤務してきた。20代のころは、主なマーケットが日本国内で、顧客も運用も日本国内であり、好きな仕事をできて「幸せ曲線」は右肩上がりが続いた。だが、30代になり、「エンロン・ショック」などの金融危機で社員が多く辞め、外国の方が社長になるなど、社内で”グローバル化”が進展した。この時点で、野村氏の「幸せ曲線」は下降をたどり始めたという。野村氏は、講演会に参加している学生に、「なぜだと思う?」と問いかけた。学生の一人から「言語」との答えがあったが、同氏は「言語ではなかった」と述べ、「一番大変だったのは、『コミュニケーションの方法』だった」と説明した。同氏によると、ずっと同じ会社で働いてきた仲間同士であれば暗黙の了解で済むものが、バックグラウンドの違う相手と仕事をする場合、「これはいつまでに、ここまでやるということでいいですよね?」などときちんと相手に合意を得ながら進めていく必要があり、ここが大切だと強調。この「お伝え力」が、グローバル人材になるためのスキルであると述べた。この「お伝え力」を身に付けることで、野村氏の「幸せ曲線」は再び急上昇。現在に至っているという。これについて小林氏も、「グローバル化と言う以前に、人に対するときに相手の立場をいかに気遣うかなどの『地頭のよさ』が必要」と賛同。いろんな国の人々のバックボーンを知った上でコミュニケーションを行っていく能力が必須になると話した。野村氏は今度は、「グローバル化に成功している企業は、なぜ成功しているか?」とのテーマを提示し、インドにおける冷蔵庫の話をした。インドの冷蔵庫には、暑さでだめにならないように、化粧品や医薬品を入れるボックスがあったり、盗難を防ぐための鍵があることなどを紹介。日本の冷蔵庫などにはないこうした冷蔵庫の特徴の必要性を、同国の冷蔵庫市場で高いシェアを占める韓国企業がどのようにつかんだかについて、野村氏は、「その国や地域に行って、現地に”潜る”ことでしか分からない」と説明。自らを「グローバル化」するためには、TOEICの点数を上げたりすることもいいけれども、日本と他の国の違いを知るために現地に行くことも大切だと述べた。小林氏はこれについて、「これこそが現地のマーケティングである」と強調。どんな会社に入ろうが、どんなビジネスをしようが、「生活者」のことを知り、その課題を解決するための商品やサービスを提供することが必要であると訴えた。さらに、日本の企業は、前述の醤油メーカーのように昔は現地に潜って「現地化=生活者のマーケティング」を実践していたのが、最近は海外に行っても「駐在員」という形で、いずれは日本に戻ってくることを前提にした「縦の組織体質」になっているのではないかと問題提起。真の「グローバル化」のためには、現地組織にどんどん意思決定の権限を移していくべきではないかと話した。さらに妹尾氏は、グローバル化している世界経済の現状と今後の方向性について説明。世界の名目DGPは、2000年に32兆米ドルだったのに対し、2016年には91兆ドルと、約3倍になることが見込まれている。特に新興国の勢いがすごくて、人口も増え、どんどん豊かになっていると話した。その中でも中国の勢いが突出しており、2010年に5.9兆ドルだった名目GDPは、2016年には12兆ドルとなることが見込まれ、2010年時点での中国が、2016年にもう一つの中国ができることと同じであると説明した。妹尾氏は、こうした状況について、「今や日本だけでなく世界を見ないとどうにもならない時代になっている」とした上で、「これだけ経済規模が拡大するということは、どの国の企業にとっても”収益獲得のチャンス”があるということ」と強調した。野村氏は、金融商品についても、こうした世界経済の流れを受けて、以前と比べてどんどん投資先が変わっていると説明。「これから先を考えると、日本以外の国のことを考慮していかなければいけない時代になっている」と述べた。一方、妹尾氏は「グローバル化」の弊害についても言及。資金・ノウハウ・物(資源など)がある国は発展していっているが、新興国の中には、そうした要素がない国もあると指摘。「頑張れる国」と「取り残される国」があり、取り残される国をどのように救っていくかについても、学生を含む多くの人が考えていかなければいけない課題であると話した。講演会の後は、「グローバル人材の定義」や、「グローバル化のイメージと現実のギャップ」などについて、三氏と学生の間で活発な質疑応答が行われた。その後、日興アセットマネジメントが提供している投資体感ゲーム「世界の投信王」についての説明があった。「世界の投信王」は遊びながら「グローバル」な経済感覚を身につけられるオンライン投資体感ゲームであるが、これまで数多くの学生が参加してきているという。今年は日中国交正常化40周年ということで、新たに日本と中国の学生がチームで参加する「日中学生団体対抗戦」が2012年7月から開催される。世界の投信王「日中学生団体対抗戦」は、3人一組で構成される日本と中国の学生チームが、日中学生No.1の座を賭けて戦うもの。参加チームは7月2日から8月31日の2カ月間、仮想の10億円/1億人民元を使って、世界35カ国の株式と連動する架空のインデックスファンドに投資し、その運用成績や分析能力、報告能力を競い合う。全参加チームの中から審査で日中各3組(計6組)の代表チームを選出し、9月27日に日本と中国で同時開催する決勝戦で、日興アセットマネジメントグループの、日中のプロフェッショナルの厳しい審査のもと、日中学生No.1のチームを決定する。決勝戦は日本側の会場となる日興アセットの東京オフィスと中国側の会場となる香港オフィスをテレビ会議システムでつなぎ、日中双方で同時審査することになっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月22日みなさんは「ALD」(エイエル ディー)という病名を耳にしたことがあるだろうか?「ALD」とは「副腎白質ジストロフィー」という、先天性代謝異常症の難病である。この難病治療の未来について積極的に取り組んでいくNPO法人「ALDの未来を考える会」が、このたび発足された。理事長である本間りえ氏の今年22歳となる息子さんが「ALD」と診断されたのは、今から17年前のこと。当時、「ALD」という難病はあまり知られていないため、何をしてよいのかもわからず、孤独と闘っていたという本間氏。大きなショックを受けた本間氏は、「同じ境遇で苦しんでいる人と話がしたい!」という強い想いから、“ロレンツォのオイル”(※)の患者連絡網をもとに「ALD親の会」をスタートさせた。それから12年の歳月を経て、NPO法人化が実現された。※“ロレンツォのオイル”=ALDの治療薬。実話を映画化した ロレンツォのオイル/命の詩 (1992年公開)はアカデミー賞ノミネート作品ここまでの道のりは決して平坦ではなかったが、様々な出会いによって支えられてきたという。2010年1月、“もっとこの活動を広めていきたい!”と思っていた頃、本間氏は、日本ロレアル株式会社が新たな社会貢献活動として実施していた「100 LOVE HANDS」プロジェクトに出会う。このプロジェクトは、日本ロレアル独自のハンドマッサージなどの“タッチセラピー”プログラムを通じて、女性癌患者や難病の子供を抱える母親たちに、しばし癒しのひとときを提供する取り組みだ。昨年夏に行われた「ALD 夏の勉強会」においても “タッチセラピー”プログラムを通じて、患者や介護をしている家族のみなさんを癒したという。そんなご縁もあり、NPO法人設立式の司会進行は、本間氏と親交も深い日本ロレアルの安尾美由紀氏が登場した。発足当初は、会報からスタートした「ALD 親の会」も、いまでは本間氏による勉強会や大学や各所での講演会にまで広がった。また、雑誌「Story」に赤裸々に綴られた息子さんへの想い、家族への想い、介護で見失っていた“美容”に対する想いには、同じ母であり女性である読者たちに大きな影響を与えた。「愛」の反対は「無関心」だ、と語る本間氏。「今までは医療者が中心になっていた医療現場も、現在では「ALDの未来を考える会」をはじめとし、患者たち自身が中心となって考え、知識を増やして広めていくという活動が増えてきています。もっと皆さんにこの活動や現状について関心をもって頂きたい。「愛」を持って頂けたら…そのために、これからも幅広い活動を続けていきます」「ALD」という難病の存在をもっと知ってもらうため、本間氏による講演やセミナー等は、今後は関東のみならず西日本エリアでも開催していくという。もしもあなたのお子さんが「ALD」だったら…あなたはどう考え、どう行動し、どう家族とともに生きていくだろうか?一度想像してみて欲しい。 ALD 親の会ホームページ NPO法人A-Future/ALDの未来を考える会 facebookページ 日本ロレアル「100 LOVE HANDS」プロジェクト
2012年06月15日講演講師の依頼代理業務を行うぺルソンは、同社が運営する講演依頼ポータルサイト「講演依頼.com」で1月から3月までの間に講演依頼が多かった、人気の講演テーマを発表。第1位は、挑戦・行動・意識など「モチベーションアップ」に関する講座だった。続いて、第2位は「成功事例に学ぶ」、第3位は「コミュニケーション/リーダーシップ」だった。この時期は事業期の期末にあたる企業も多く、人気のテーマには企業の社員向けや労働組合からの依頼ニーズが反映されたものと同社は分析。今年「モチベーションアップ」が人気の講演テーマとなったのは、経済状況に不安を持ちつつも、どうモチベーションを高めていくか、というところに多くの人の興味が特に集まっているのではないかとみている。また、2000年より講演講師の依頼代理業務を行っている同社によれば、その年に人気となる講演テーマから、その年の経済状況と似た傾向がみられるという。例えば、自殺率が国内過去最高となった2003年前後には「メンタルヘルス」、製造業への派遣解禁の翌年であり、次世代育成支援対策推進法が施行された2005年には「ワークライフバランス」、リーマンショックが起きた2008年には「経済展望」といったテーマが人気だった。東日本大震災のあった昨年2011年は、「防災」をテーマとした講演依頼が増えたという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月25日