こんにちは。コラムニストの鈴木かつよしです。筆者と妻は間もなく夫婦生活30年になります。自分がいわゆるサラリーマンではないので、“定年退職”というものはありませんが、体力的な理由からしても今後は仕事が“量”より“質”重視になっていくと考えられ、 リタイア男性同様、自宅にいる時間は増えてくることが予想されます。そんな夫が妻と良好な関係を続けていくうえでの鉄則とは何でしょうか?共通の趣味を持つことでしょうか?それも良いことですが、筆者は“妻の楽しみを理解すること”こそが第一であると思っています。実例を見ながら一緒に考えましょう。●妻には妻の育んできた世界がある30代の後半から50代の始めごろまで小さな個人企業を経営していた筆者は、収入面での浮き沈みがとても激しかったため、その谷間を埋めるために下の子が小学校に上がってからは妻が公的機関の職員となって働いてくれました。妻の仕事は江戸時代の文化や動植物に関する知識、造園技術や都市社会学への造詣が必要とされるため、妻は自らの楽しみのためにもそういった分野の勉強に積極的に励み、おかげで多くの知的な趣味を持つようになりました。能や狂言、浮世絵の鑑賞をはじめとして野鳥や植物の観察、市営農園での野菜づくりなど、妻は筆者があずかり知らない趣味の世界をたくさん持っています。そんな妻に、野球やラグビー観戦、国内外のフォークやロック音楽の鑑賞が趣味の筆者が「俺と一緒の趣味を楽しもうよ」などとしつこく迫ったら、彼女はうんざりしてしまう ことでしょう。妻には妻の育んできた世界があるのです。夫婦がたまたま共通の趣味に恵まれて一緒に楽しむことができればそれはそれで素晴らしいことではありますが、多くの場合、そううまくはいきません。そこで夫が肝に銘じておかなくてはならないことは、亭主風を吹かせて「共通の趣味を持とうぜ」などと主張することではなく、妻が妻の人生の中で培ってきた楽しみを“理解する”ということだろうと思います。●リタイア後に夫婦関係が「よくなった」と答えた男性には共通点がある朝日新聞、2017年4月9日付朝刊の『Reライフ』面の記事の中で、リタイア後に夫婦関係が「よくなった」と答えた男性には共通点があるように見えることを、具体的なインタビュー事例をあげて示唆しています。ざっと引用いたしますと、**********・時間ができ、余裕が生まれたのかよく話すようになった(神奈川県/65~69歳)・夫婦の会話が増え、お互いの考えを理解できるようになった(神奈川県/65~69歳)・接する時間が増えて、お互いをより理解できるようになった(青森県/65~69歳)・定年前より話をするようになった(東京都/60~64歳)・仕事最優先で生活していたが、定年後は妻にも配慮が出来るようになった(京都府/70~74歳)**********このようなかんじです。これを見ると、リタイア後に夫婦関係がよくなった男性には、“時間ができたことで妻と落ち着いて話すようになり、妻が大切にしているものや妻の楽しみなどが理解できるようになった” という共通点があることがわかるかと思います。●旅行はどんな夫婦にも共通の趣味になるので無理して共通の趣味を持とうとしないでいいまた同じ記事の中では、やはり“リタイア後に夫婦関係がよくなった”とする男性の体験談として、“旅行の効用”をあげたものも紹介しています。**********・(リタイア後は)一緒に旅行したり、手伝いではない家事をしたりできる(三重県/65~69歳)・自由な時間が出来た現在は、日常の夫婦間の会話のみならずお互いの趣味の自慢話が出来たり、旅行や車での近距離ドライブなどにお互いの貴重な時間を使えるようになれてとても関係が良くなった(千葉県/75~79歳)**********考えてみれば、肩肘張って「これからは夫婦共通の趣味を持つぞ」などと意気込まなくたって、旅行であればどんな夫婦にとっても共通の趣味になります よね。なぜなら、旅行はまず計画の段階で夫婦による話し合いや資料集めといった共同作業が必要となる。次に、列車やバス、船、飛行機といった乗り物に乗ることが、夫婦に日常では味わいにくい新鮮な風景と会話を提供してくれる。そして、住み慣れた家から遠く離れた旅館やホテル、民宿といった施設に一緒に宿泊することは、夫婦にこれまで歩いて来た道程を振り返る機会と「住み慣れた家へまた帰りたい。一緒に帰ろう」という気持ちを生じさせてくれるからです。旅行の効用を最大限に活用すれば、「無理をしてでも夫婦共通の趣味を持たなければ」といった精神的な焦りから解放されます。その分の気持ちの余裕を「妻の楽しみを理解する」「妻のライフスタイルを尊重する」という方向にもっていけばいいわけです。●“卒婚”のように大げさに考えなくても、妻の人格を尊重するだけでいいフリーライターの杉山由美子さんは、その著書である『卒婚のススメ 人生を変える新しい夫婦のカタチ』を通して、夫婦が結婚という形式は維持しながらもお互いに干渉しないという新しい夫婦のあり方を“卒婚”という造語を使って提唱されました。杉山さんの提案の中には、ご自身も実行された“別居婚”という形も“卒婚”の有力な一形態として入っていますが、筆者はそこまで大げさに考えなくても、わが国の一般的なリタイア後夫婦にとっては“卒婚”という概念の中にある「夫婦がお互いの人格を尊重する」という基本姿勢を再確認するだけで意義がある と思っています。とくに男性の場合、「なんだかんだ言ったって俺と一緒に過ごした方が女房も楽しいだろう」みたいな勘違いをしている人は相変わらず多いです。ただでさえ30年もこんな男と苦楽を共にしてくれたのですから、もう十分ではありませんか。奥様には奥様の世界があり、奥様には奥様の楽しみがあるのです。リタイア夫の鉄則とは“妻の楽しみを理解すること”です。そしてその態度は、“妻の人格を尊重する”だけで自然に養われてくるものだと思います。【参考文献】・『卒婚のススメ 人生を変える新しい夫婦のカタチ』杉山由美子・著●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)●モデル/REIKO(SORAくん、UTAくん)
2017年06月13日*画像はイメージです:住居に関する会社の福利厚生は、住宅手当や社宅制度があります。社宅制度の内容は会社によってまちまちでしょうが、社有社宅にせよ借上げ社宅にせよ、退職時には社宅から退去することが一般的です。では、従業員が退職するときに「退職したんだから明日社宅を出ろ!退去が遅れたら退職日以降の賃料を払え!」と言われた場合、このような即時退去または賃料全額負担の要請に応じなければならないでしょうか。今回は、退職時の社宅退去時期などについて解説します。 ■「明日出ていけ」という要請には応じなくともよいある程度の規模の会社で社宅制度を導入している場合には、社宅管理規程が置かれていることが多く、自己都合退職であれば2週間から1ヶ月程度の退去のための猶予期間が置かれていることが多いです。もし、社宅に関する規程がなかった場合であっても、上記程度の合理的な猶予期間なくなされる即時退去には応じる必要がありませんし、会社の元従業員に対する賃料相当額の損害賠償請求も認められないでしょう。なお、賃料に占める社宅使用料の割合にもよるのですが、社宅制度による補助は給与と同視されますので、会社が即時退去に応じないことを理由に未払給与から社宅使用料を超える金額を天引きすることは違法の可能性が高いです。 ■社有社宅と借上げ社宅とで違いはあるか社宅制度は、居住者が役員または従業員の地位を有する者その他会社の認める者であることを前提に、福利厚生の一環として、一定期間に限定して従業員に安く住居を利用させるものです。ですから、会社が物件を所有している社有社宅であろうと、民間の賃貸物件を借りている借上げ社宅であろうと、会社と従業員との契約は、条件付使用貸借または独自の社宅利用契約であるといえます。賃貸借契約とされることはないといってよいでしょう。そのため、会社と従業員等の関係では、社有社宅と借上げ社宅の場合とでとくに違いはなく、基本的には社宅管理規程によって定まります。「明日出ていけ」という要請に応じる必要がないことも同じです。会社によっては、従業員個人名義の契約でも借上げ社宅制度が利用できたり(まぁこれは住宅補助に当たるでしょうが)、退職時に法人名義から個人名義への変更を認めて退職後も同じ住居に住み続けたりもできるようです。このように、社宅制度は基本的に会社が内容を自由に決められるものですが、「明日出ていけ!無理なら賃料相当額の全額を払え!」という極端な要請についてまで従業員が従う義務はないというのが結論ですね。 *著者:弁護士 木川雅博 (星野法律事務所。通信会社法務・安全衛生部門勤務を経て、星野法律事務所に所属。破産・再生・債務整理を得意とする。趣味は料理、ランニング)【画像】イメージです*tkc-taka / PIXTA(ピクスタ)
2017年05月24日もし、今の彼との間に子どもができたらどうしますか?結婚して退職しようと思ったあなた、もっとよく考えた方が良いですよ。今回は、デキ婚による退職についてお話します。日本はデキ婚率25%→離婚率80%「デキ婚」は、「授かり婚」や「おめでた婚」などと呼ばれることもありますね。でも、「デキちゃった婚」はあくまで「デキ婚」であり、「作っちゃった婚」ではありません。予期せぬ妊娠をして、そこで初めて結婚するかどうかの選択を迫られるという状況は、やはり順番が逆だと言えます。でも、あるデータによると日本の夫婦は約25%がデキ婚で、そのうち約80%が5年以内に離婚しているそうです。これは二人の交際期間や結婚に対する意識によっても大きく差が出ますが、結婚してから出産するまでの“二人が夫婦になるための時間”が少ないことも大きな原因だと考えられます。水商売や風俗を選ばざるを得ない可能性デキ婚でなくても離婚の可能性はありますが、“デキ婚は離婚する確率が高い”という事実から目をそむけることはできません。それは、デキ婚したあなたが数年後にシングルマザーとして一人で子どもを育てているかもしれない、ということです。それなのに、そんな簡単に退職を決めてしまっても良いのでしょうか?シングルマザーの就活は本当に大変です。あなたの親御さんは、子どもが熱を出したときにお迎えに行ってくれますか?残業や休日出勤はできますか?子どもの学校行事のときは休みますか?実は、これらは就活の際に面接官が質問してくることです。就活に苦戦した挙句、仕方なく水商売や風俗を選ぶシングルマザーは少なくありません。今の職場で産休や育児休暇が取れないなら、デキ婚は避けた方が良いでしょう。離婚してから「子どもがデキなかったら結婚しなかった」と言うことがないように、くれぐれも用心してくださいね。
2017年05月23日「自営業には退職金がない」と嘆く人もいるが、諦めてはいけない。実はあまり知られていない「小規模企業共済」で、自営業者でも退職金は作れるという。そのメリットを経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた。 【1】目的 「確定拠出年金(以下・確定拠出)と国民年金基金(以下・基金)は『年金づくり』が目的ですが、小規模企業共済(以下・共済)は『退職金代わり』が目的です」 【2】所得控除 「3つとも、掛け金全額が所得控除の対象ですが、控除の上限が決まっています。確定拠出と基金は同じ年金目的なので、合わせて月6万8,000円まで。共済は単独で月7万円まで控除されます」 【3】節税効果 「節税効果はどれも同じで、税率と掛け金で決まります。たとえば所得税率10%の方の掛け金が月5万円の場合、所得税、住民税合わせて年約12万円の節税になります」 【4】受け取る時期 「“体が資本”といわれる自営業は、いつまで働けるのか、不安な方も多いでしょう。確定拠出は原則60歳から、基金は65歳からの受け取りですが、共済は年齢と関係ありません。廃業や、事業を引き継いだときに、何歳からでも受け取ることができます」 【5】掛け金の払い込み 「逆に、自営業の強みは“生涯現役”でいられることです。掛け金は、確定拠出は60歳まで、基金は最長で65歳までと制限がありますが、共済は働いている間、何歳まででも掛け続けられます。また、定年退職後にシニア起業した方も、共済は利用できます」 【6】利回り 「確定拠出は、自分で選んだ運用の成績で利回りが決まり、ハイリターンも望めますが、元本割れの危険性もあります。基金の予定利率は1.5%ですが、死ぬまで受け取る終身年金は、何歳まで生きるかによって受取り総額が変わります。長生きするほどお得ですが、早く亡くなると元が取れない可能性もあります。共済は、掛け金の払い込みを終了した時点で、受取り総額が確定します。予定利率は1%で、途中解約しない限り、払い込んだ総額を下回ることはありません」 【7】契約者が亡くなった場合 「確定拠出と共済は、遺族が残金を受け取れます。特に共済では、終身働いて掛け金を払い続け、遺産として残すことを希望する方もいます。基金は、保証期間内に契約者が死亡した場合、遺族に一時金が支払われます。しかし、保証期間のないタイプでは、遺族一時金は1万円のみです」 【8】事業資金に困ったら 「共済は貸付制度があり、また途中解約して事業資金に回すことができます。しかし、確定拠出と基金は、契約者死亡など以外の理由で受給年齢前の払い出しはできません」 比較してみると、年齢に関係なく早く受け取ることも、死ぬまで掛け続けることも可能な共済が、自営業には使い勝手がよさそう。備えを万全に、元気に働いて、楽しい老後を迎えたい。
2017年03月10日エン・ジャパンは3月29日、「円満退職」に関する調査の結果を発表した。対象は同社サイト「エンウィメンズワーク」を利用する435名の女性。期間は2016年1月28日~2月24日。○円満退職に大切だと思うこと、1位は「段取り」「退職までに、一番苦労したことは何か」を聞いたところ、1位は「退職の意思表示」(34%)だった。次いで2位は「担当業務の引継ぎ」(24%)、3位は「上司からの留意」「年金・保険・失業保険などの各種手続き」(ともに11%)、5位「退職申請後の給与・賞与の減額」「各種書類のやりとり」(ともに6%)と続いた。「円満退職のために、一番大切だと思うことは何か」を質問したところ、33%で「段取りをよく考えた行動をすること」が最も多くなった。次いで「退職のタイミングを見計らうこと」(25%)、「自分の意思を固めること」(17%)。以降「周囲としっかり話し合うこと」(12%)、「しっかりと引継ぎをすること」(11%)、「そのほか」(2%)となった。「会社に退職の意向を伝えてから、実際に退職するまでどのくらいかかったか」を聞くと1位は「1カ月」(34%)。次いで2位は「2カ月」(18%)、3位は「3カ月」(16%)。以降「即日~1カ月」(15%)、「4~6カ月未満」(10%)、「6カ月以上」(7%)と続いた。
2016年03月30日IICパートナーズは3月29日、「退職金・企業年金に関する会社員の意識調査」の結果を発表した。対象は20代~50代の正社員1,000名。調査は2016年1月に実施。○退職金・企業年金の用途、82.7%が「老後の必要資金」「退職金・企業年金の用途として想定するもの」を聞いたところ、1位は「老後の必要資金」(82.7%)だった。次いで2位は「住宅ローン等の返済のための資金」(20.7%)、3位は「資産運用の元手」(17.6%)。以降「転職活動中の必要資金」(14.8%)、「老後のボーナス」(14.6%)、「独立開業など退職後の活動費用」(12.3%)と続いた。「退職金・企業年金が老後の生活においてどんな役割を果たすことを期待するか」を質問すると、57.1%で「公的年金の補完(生活費の上乗せ)」が最も多くなった。次いで「万が一の備え(貯蓄)」(27.4%)、「ゆとりをもたらすボーナス(遊興費)」(9.9%)、「わからない・考えてない」(3.2%)が上位にあがった。「勤務先に退職金・企業年金制度がない」と回答した人に対して「老後の生活に備えるため、お勤め先の企業に期待したいこと」を聞いたところ、「退職金・企業年金の充実」(63.8%)が最も多くなった。次いで「老後も働けるしくみ」(50.9%)、「保険・積立など自助努力の補助となるしくみの提供」(30.1%)、「資産形成、生活設計に関する教育、情報提供」(20.4%)と続いた。「務め先において、今後退職金・企業年金制度について何らかの対応してほしいと思うか」を聞いたところ、68.2%で「制度を設けてほしい」が最多だった。次いで「制度は不要だが、その分(給与等に)上乗せしてほしい」(13.1%)、「制度があれば良いと思うが、なくても特に問題はない」(12.1%)となった。
2016年03月29日IICパートナーズは3月16日、「退職金・企業年金に関する会社員の意識調査」の結果を発表した。対象は20代~50代の会社員1,000名。調査は2016年1月に実施。○退職金・企業年金制度、53.2%が「知っている」「勤め先の退職金・企業年金制度についてどれくらい知っているか」を聞いたところ、53.2%が「知っている」(「だいたい知っている」27.8%+「それなりに知っている」25.4%)、34.6%が「知らない」(「あまり知らない」22.2%+「ほとんど知らない」12.4%)、「なんともいえない」の割合は12.2%だった。「退職金・企業年金制度に関してお勤め先の会社から説明がなされているか」を質問した。結果、49.6%が「されていない」(「あまりなされていない」22.2%+「ほとんどなされていない」27.4%)、40.1%が「されている」(「ある程度なされている」29.1%+「詳しくなされている」11.0%)。10.3%が「なんともいえない」と回答した。「退職金・企業年金制度に関して、どんな情報を把握しておきたいと思うか」を聞くと、82.0%が「もらえる金額」で最多となった。次いで「制度内容」(68.2%)、「会社の方針・意図」(29.0%)。以降、「他社との比較」(18.4%)、「特にない」(3.7%)、「その他」(0.6%)と続いた。
2016年03月16日産育休から復帰したママ社員から突然の退職届。あなたが上司ならどう感じるでしょうか。ここでは、退職経験のあるママたちへのインタビューをもとに、どのような理由で退職を決意したかを紹介していきます。前編に続く今回は、職場環境や子育てをする上での社会インフラに絞ってお話をしていきます。○会社や周囲のこういうサポートがあれば……そもそも、子育てしながら働く大前提であるはずの制度が整っていない会社がまだ多くあり、制度を整えてほしいという声が目立ちました。声が上がっていたのは、フレックスや在宅勤務制度、サテライトオフィスでの仕事や各種子育て支援制度です。今回ヒアリングしたママは偶然なのか、すべて2人以上のお子さんがいらっしゃる方ばかり。子どもの人数が増えれば増えるほど、制度に柔軟性がないことによる負担は重くなることを証明しているようにも思いました。また、この次に多かったのは、時短制度の取得により、やりがいのある仕事から外されてしまい、モチベーションが低下したという声です。時短ということだけですべての評価が下がり、仕事で活躍したくても、挑戦させてもらえない、発言力が弱くなるといったことから、モチベーションが徐々に落ちていった。そして、何のために働いているのか、わからなくなった、という悪いスパイラルにはまった末に……というわけです。もちろん、自ら環境や周囲に期待するのではなく、目標に向かって自ら状況を打開して行動できる真の自立型人材になるという「自律型モチベーション」という考え方もあります。しかし、そうはいっても自分だけの心の持ち方では立ち行かない部分をどうケアできるのか、職場環境の重要性を感じました。○子育てをどうするか次に、筆者自身も課題認識しているのは、子育てしながら働く環境を支える社会インフラです。ママたちの問題意識であがってきたのは、特に小学生以上の子どもたちに対するケアの問題です。遅くまで預かってくれていた保育園とは異なり、小学校に入ると学童保育や塾以外の選択肢がほぼありません。さらに、その質や安全体制にも疑問を抱くママも。また、学童に行きたがらなくなったときに、どこに居場所を求めるのか。受験も視野に入れながら塾に通わせる以外の選択肢は多くはありません。現代では、公園も安全で思い切り楽しめる場所ではなくなってきています。多感な時期に子どもたちをどのようによい環境で育めるのか、日本の未来にかかる問題にもかかわらず、対応が追いついていないのが現状です。このように、子育てしながら働き続けるためにはママ自身の努力次第、とは言い切れない厳しい側面があります。さらに、実際にはママもさまざまで、やりがいや社会への貢献性を考えている人と、そうではない人にもわかれており、企業側も見極めが難しい点もあります。それ以外にも、社会インフラや社内制度を整えることには時間がかかる側面もあります。ただ、周囲がよく本人を観察して、対話を重ねながら伸びたいと思っている人材をどう見つけて、頑張れるケアをするのか、というのは今後企業が生き残るための分かれ道になるといっても過言ではないのではないでしょうか。頑張ればよいというわけではなく、目標を一緒に設定し、期限を決めて、できなかったときにどうするかを決める。頑張ることだけにフォーカスするのではなく、成果も問うような厳しさも盛り込みながら、温かくサポートするような環境の整備が求められているように思います。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール株式会社グローバルステージ代表取締役 大洲早生李慶應義塾大学商学部商学科卒業後、株式会社日立製作所に入社。2003年より宣伝部愛知万博プロジェクトにて日立パビリオンの総合プロデュースおよび広報を手掛ける。4年半の単身赴任生活を送った後、2008年に双子を妊娠。両立不可能となり退職。その体験から働くママ支援プロジェクト「キラきゃりママ」を立ち上げる。直後に第三子を出産。「母と子のリアルを、みんなで支える」をビジョンに、働くママの支援活動を開始する。2011年4月に法人化、株式会社グローバルステージ代表取締役に就任し、ママと子どもを基軸としたマーケティング / PRコンサルティングを国内外で展開。2013年9月に一般社団法人日本ワーキングママ協会を立ち上げ、母たちが戦略的にキャリアを築き、能力を発揮できる社会の実現を目指す。6歳の男女双子、4歳男児の母。株式会社グローバルステージ東京ワーキングママ大学
2015年10月07日「一身上の事情により、○月末をもって退職します」この言葉を上司に伝えるのは一生で数えるほどしかないはず。でも、伝えるまでに相当悩み、考え、次のステップへの不安も抱えながら思い切って伝える方がほとんどでしょう。今回は、「育休から復帰して働いていたママが辞めるとき」がテーマ。辞める決意をした、辞めた経験のあるママたち数名にインタビューしてみました。その理由はさまざまですが、インタビューにより、日本社会で子育てしながらフルタイムで働くママたちの行く手を阻むいくつかのポイントが見えてきました。そのポイントは3つ。ママ自身の努力でどうにかなること、周囲のサポートが必要なこと、社会システムによる支援を必要としていることの3つです。今回は後半の2つについて理由を分析しながら、ママたちが働き続けるためのよりよい姿を考えていきます。ママたちの心の声に耳を傾けながら、それぞれ読み手の立場でできること、次へのアクションのヒントとしてお役立てください。○ママの声を聞いてみて感じたこと「これから30年のキャリアを考えた時に、新しい働き方を見つけたいと思った」「有休を取らない風土の中、子どもの病気などで休むことへの視線がつらかった」「『母、女性、主婦』としてのあり方と、会社が目指している方向がずれていた」「フルタイム勤務の男性や女性のほうがやりがいある仕事へアサインされていくのを見てるうちに、モチベーションが低下した」「子どもをお金を出してまで預けて働く理由が見えなくなっていた」これ以外にも多くの内容がありましたが、一部を除き、全体的に読んでいて心が空虚になるようなコメントが多く、会社を辞めるにいたる「事実」としてしっかり見つめる必要があると感じました。それぞれ、辞めた後はフリーランスになったり、一部業務委託を受けながら起業を目指したりと、さまざまな新しい働き方を選んだママたち。会社や組織風土によるしがらみから解放されて、ある程度自由があり、自分自身が価値を見いだせる分野で存分に実力を発揮できることで表情も明るくなっていて、それはそれでよかったようにも思います。もちろん自分自身でやっていく決意を固めるわけで、稼ぐのは自分次第となり、独立に伴う責任は大きくはなります。一方で企業側の視点に立つと、貴重な人材を失うという大きな痛手にもなっている可能性があります。どこでボタンの掛け違えが生じたのか、その原因を探ってみたいと思います。続く後編では、職場環境や子育てをする上での社会インフラについてお話していきます。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール株式会社グローバルステージ代表取締役 大洲早生李慶應義塾大学商学部商学科卒業後、株式会社日立製作所に入社。2003年より宣伝部愛知万博プロジェクトにて日立パビリオンの総合プロデュースおよび広報を手掛ける。4年半の単身赴任生活を送った後、2008年に双子を妊娠。両立不可能となり退職。その体験から働くママ支援プロジェクト「キラきゃりママ」を立ち上げる。直後に第三子を出産。「母と子のリアルを、みんなで支える」をビジョンに、働くママの支援活動を開始する。2011年4月に法人化、株式会社グローバルステージ代表取締役に就任し、ママと子どもを基軸としたマーケティング / PRコンサルティングを国内外で展開。2013年9月に一般社団法人日本ワーキングママ協会を立ち上げ、母たちが戦略的にキャリアを築き、能力を発揮できる社会の実現を目指す。6歳の男女双子、4歳男児の母。株式会社グローバルステージ東京ワーキングママ大学
2015年09月18日東京商工リサーチは7月8日、2015年上半期の「希望・早期退職者募集状況」調査の結果を発表した。同調査は、2015年1月以降、希望・早期退職者募集の実施を情報開示、具体的な内容を確認できた上場企業を抽出したもの。同社によると、アベノミクス効果による円安の進行に伴い、輸出企業を中心に企業業績が改善し、希望・早期退職募集などの人員削減に動いた上場企業は調査を開始した2000年以降で最少ペースで推移しているという。同期に希望・早期退職者の募集実施を公表した上場企業数は、前年同期比3件減の18社となった。募集人数はシャープの大規模な募集が影響して6598人(同3395人)に上っている。募集または応募人数の最多は、シャープ(グループ会社を含む)の募集3500人だった。これに、横河電機(グループ会社を含む)の応募1105人、サニックスの募集600人、電通の募集300人、タカギセイコーの募集230人、丸順の募集200人と続く。募集または応募人数が100人以上は9社(前年同期9社)だった。同社は、人員削減の動きは沈静化しているとしながらも、工業計器最大手の横河電機が主力の石油化学プラント向け機器の国内市場縮小をにらんで希望退職者募集を行ったように、業績が好調な上場企業でも事業の市場縮小やグローバルな競争に適応するため、事業規模の適正化や経営資源の効率化の一環として人員削減に踏み切る企業が出てくる可能性が高いとコメントしている。
2015年07月09日大和証券はこのたび、顧客の退職後の生活に関わる「お金」についての漠然とした悩みや不安を和らげ、一人ひとりの退職後の理想の暮らしの実現に向けて手伝うことを目的として、10月(予定)より、「ダイワのリタイアメントプランニングサービス"これかラライフ"」を導入すると発表した。○「ダイワのリタイアメントプランニングサービス"これかラライフ"の概要退職した顧客、および退職予定の顧客に対して、同社全支店(営業所除く)にてキャッシュフロー分析や最適なポートフォリオ設計を行なうプランニングサービスを提供する。さらに、顧客一人ひとりのライフプランや投資方針に適した、具体的な資産運用商品について案内する。サービスの流れ(1)キャッシュフロー分析による将来の貯蓄残高推移予測(2)顧客のライフプランや投資方針等に適した資産配分(ポートフォリオ)の設計(3)具体的な資産運用商品の案内(4)継続的な見直し利用方法同サービスは来店予約制。10月から新設予定の「これかラライフ」Webページまたは、専用ダイヤルから予約可能となる。予約の確定後、来店することで、経験豊富な担当者が個別相談に応じる利用できる人個人の顧客費用同サービスの相談は無料
2014年09月26日会社ぐるみのいじめ?今、退職を強要されています!会社が私に探偵をつけて、あらを探し、退職に追い込もうとしています。この間は会議室に呼びだされ、役員や関係部署の10人程度に囲まれて、尋問のように質問を浴びせられました。そのとき、携帯は録音されないように一時的に没収されました。訴えを起こして問題になると同じ業界で働きづらくなるので、我慢していますが、くやしくて会社に行くのが辛いです。どうしたらいいでしょうか?これはよくある話です。いや、探偵をつけるってことじゃないですよ。会社が、辞めさせたいと考えている人間をターゲットにして“あら探し”をすることです。さすがに探偵をつけてまで“あら探し”はやり過ぎですが、会社が貸与しているPCの中身を見たり、仕事の様子を観察させたりして“あら探し”をする会社は多いといえます。その結果、業務中に検索していたインターネットのページが業務と無関係であること、私用メールをしていたこと、離席が多いことなどを追及され、退職に追い込まれてしまいます。会社からすれば、きちんと仕事をしているか否かを管理するための正当な行為であるといいたいのでしょうが、管理も行き過ぎると従業員に対して過度にストレスを与えるだけの、職場環境を悪化させるだけの行為に他ならず、しかも管理の目的が従業員の“あら探し”となれば、これはもう会社ぐるみのいじめといえます。従業員の業務を管理するという大義名分がある分だけ、単なるいじめと比べてかなり悪質といえるでしょう。ところが、“あら探し”によってみつかった“あら”は自分の落ち度に他なりませんから、こうした悪質ないじめから従業員が逃れようとしても、一筋縄ではいきません。会社内部のしかるべき機関に相談しても、「でも、業務中にネットサーフィンしてたんでしょ?」などと言われてしまい、むしろ「悪いのはお前なのに責任転嫁してる」とすら思われてしまうケースも少なくありません。では、どうしたらいいのか。実は、会社の“あら探し”行為自体に対しては、有効的な対応策といえる対応策がないことが現状なのです。そもそも“あら探し”をしなければ解雇できないような社員は、“あら探し”をしてまで解雇することが想定されていないと言った方がいいかもしれません。今回のケースでは、会議室に呼び出し、尋問のような質問を浴びせられ、私物であるはずの携帯電話を承諾なく取り上げるなどすることにより、必要以上の心理的圧迫を与えたことを問題視することが可能ではありますが、これではそこに根ざしている真の問題は解決しません。解雇を争う裁判でも、会社は後付けのようにパソコンを精査して見つけたほんのわずかな違反を主張してくることがありますが、そうなった時点で裁判には勝てないのですから、悪あがきはやめてもらいたいものです。お互いに望まない裁判をして泥試合をするくらいなら、会社には、“あら探し”をして従業員を退職に追い込む前に、きちんと話し合いの場を設けてもらいたいものです。相談者さんも、訴えを起こすことまでは考えていないようですが、我慢するくらいなら、思い切って訴訟も視野に入れて専門家に相談してみてはいかがでしょう。アディーレ法律事務所刈谷龍太弁護士(東京弁護士会所属)中央大学法科大学院卒業。司法修習第64期。弁護士法人アディーレ法律事務所で、パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を専門に扱う部署に所属。問題点を的確につく仕事ぶりは、評価が高い。趣味はサッカー・フットサル。特技はモノマネ。テレビも大好きで、ニュースだけでなくドラマからバラエティ番組まで幅広くチェックしている。公式ブログ「こちら弁護士刈谷龍太の労働相談所」では、労働問題などの気になる記事を「実おもニュース」(実におもしろいニュース)として、独自の視点から解説している。●刈谷龍太プロフィールページ●労働トラブル解決サイト●こちら弁護士刈谷龍太の労働相談所
2014年02月20日エン・ジャパンは、5,000名を対象に「退職理由」に関するアンケートを実施した。調査期間は7月4日~9日。会社(人事)に伝えた退職理由がホンネとは異なるか聞いたところ、「はい」が45%、「いいえ」が55%となり、約半数にのぼる人が、会社(人事)に本当の退職理由を伝えていないことがわかった。また、退職を決めたときに、最初に報告をした相手を聞いたところ、約7割の人が「上司」と回答。上司に報告後、人事や経営者へと退職が伝わっていくことを考えると、上司に伝えた退職理由が既に”タテマエ”である可能性が高いことが考えられる。会社(人事)に伝えた退職理由として最も多かった回答は「家庭の事情(32%)」。プライベートなことであるため上司や人事が踏み込みにくい領域であり、引き止めることが非常に難しい理由だからこそ、退職理由としてよく使われることがうかがえる。一方、本当の退職理由は「人間関係」が26%で最多となった。2位の「社風や風土(18%)」も人間関係との相関が深いと考えると、4割以上が仕事内容や給与・待遇といった”労働条件”とは異なる理由で退職していることがわかる。また、タテマエ上の退職理由として最も多く挙げられた「家庭の事情」はわずか3%と本当の退職理由では最も低い割合となり、「家庭の事情」という理由がいかに利便性だけで使われているかがうかがえた。会社(人事)に本音の退職理由が言えなかった理由は、「円満退社したかったから(34%)」が最多。会社に対して様々な不満を抱えながらも、最後は丸く収めたいという退職者特有の心理がうかがえる。次いで、2位は「話しても理解してもらえないと思ったから(20%)」、3位は「会社批判になってしまうから(16%)」、4位は「言う必要がなかったから(10%)」だった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年08月09日春になり、退職や職場移動などのシーズンが到来。もし、自分がそんな立場になったら、いつもお世話になっていた方や仲良くなった職場の同僚になにかを配ってお礼を伝えたい…。そんな時に、手軽に配れるおすすめお菓子を探してみた。紹介するお菓子は2つ。どちらもローソンの「マチカフェ COFFEE MEETS SWEETS」シリーズの商品だ。 まず1つめは「抹茶のタルト(¥150)」。 辻利一本店の宇治抹茶を使用した抹茶生地はしっとり抹茶風味豊か。さくっとしたタルト生地と抹茶生地の間にはベルギー産ホワイトチョコが挟まれており、ミルキーな甘さを加えてくれている。 2つめは「焼きショコラタルト(¥150)」。 こちらはどっしり濃厚なチョコ生地が入ったタルト。チョコは適度な苦さも感じられ甘いだけで飽きる、といったこともない。また、タルト生地との間にはパリッとしたチョコが挟まれており、食感にアクセントが加わっている。チョコ好きな人は大満足なタルト菓子だ。以上2つ紹介したローソンの焼き菓子。配る側として嬉しいのはまずパッケージがおしゃれであり、1つ食べただけでも満足感がたっぷりなこと。また、お値段も1つ150円と手軽でコンビニで簡単に入手できる、といったところだ。最後にポイントなのはこのローソンの焼き菓子、パッケージに値段が記載されていないのだ!まさに人に配るのにはぴったりなローソンの「マチカフェ」シリーズ。もちろん、人に配るだけでなく自分で食べても美味しいぞ。気になった方は是非。
2013年05月01日山口フィナンシャルグループの山口銀行と北九州銀行は15日、退職金を有利に預入れることができるという「退職記念」特別金利定期預金の取扱いを開始した。なお、同グループのもみじ銀行では2012年7月から同商品を取扱いしている。商品名は、「退職記念」特別金利定期預金。利用できるのは、同行で年金受取口座(国民年金、厚生年金、各種共済年金などの同行所定の公的年金)の予約または指定をしている個人の顧客。予約は55歳以上70歳未満の人。利用条件は、退職金の受取日から1年以内の預入れで、申込時に「退職所得の源泉徴収票」等、退職金の入金を確認できる資料、退職金受取口座の預金通帳、および年齢を確認できる資料を提示する。1人1回のみ利用できる。預金の種類は、スーパー定期300または自由金利型定期預金(大口定期)。預入金額は300万円以上(退職金の支給範囲内)。預入れ期間は3カ月。金利は特別金利年2.0%(税引前)で、初回満期日まで適用される。特別金利は当初3カ月のみ適用で、満期後は自動継続し該当する預金種別の継続時の店頭表示利率が適用される。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年03月18日今さら聞けない社会人のマナーをクイズ方式でお届けします。覚えておけば役に立つことウケアイですよ。Q:定年退職される方に、皆でお礼を贈ることになりました。贈り物の表書きで適切でないのはどれでしょうか?A:御餞別B:寿C:御祝(答えは矢印の下です!)↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓解答:B:寿解説:定年退職・退官の方への贈答に「寿」は用いません。「寿」は就職祝い、栄転祝い、長寿祝いなどで用いられます。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月12日シャープは20日、「希望退職の募集」の結果及び特別損失の計上に関して発表した。希望退職募集の対象会社は、同社及び主要国内連結子会社で、募集人数は2000人程度。募集期間は2012年11月1日~11月14日で、退職日は2012年12月15日。募集の結果は、希望退職者数は2960人。応募者数が募集人数を超えたため、2012年11月9日に募集を締め切った。希望退職の募集に伴い発生する費用は、同社及び主要国内連結子会社合計で約253億円で、2013年3月期第3四半期決算において特別損失として計上する予定。なお、この費用は2012年11月1日に公表した2013年3月期通期連結業績予想に織り込み済みとなっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月20日東京商工リサーチはこのほど、「2012年主な上場企業希望・早期退職者募集状況調査」の結果を発表した。同調査は、上場企業を対象に2012年1月以降、希望・早期退職者募集の実施を情報開示し、具体的な内容を確認できた企業を抽出したもの。資料は、原則として会社情報適時開示の「会社情報に関する公開資料」(2012年8月30日公表分まで)に基づいている。それによると、2012年1月以降、希望退職および早期退職者募集を実施した上場企業のうち、具体的な内容を確認できた企業は50社に上り、前年(1月~12月累計58社)を上回るペースで推移していることが明らかになった。総募集人数(募集人数が不明の場合は応募人数をカウント)は1万5,174人となり、2011年通年の8,623人と比べて現時点で1.7倍を記録。募集人数の1万5,000人超えは、2008年9月のリーマン・ショックに端を発した世界同時不況の影響で、上場企業のリストラが増大した2009年の2万2,950人以来、3年ぶりとなるという。個別企業で募集人数(募集人数が不明の場合は応募人数をカウント)が最も多かったのは、半導体大手のルネサスエレクトロニクス(グループ会社を含む)の5,000人。以下、日本電気(同)の応募人数2,393人、シャープ(同)の募集人数2,000人、軽自動車の受託生産を行う八千代工業の応募人数771人、液晶パネル製造装置大手のアルバック(同)の募集人数700人と続いた。募集または応募人数が100人を超えた企業は19社となる。総募集人数が8月までに1万5,000人を超えた要因として、日本電気やシャープなどの大規模な人員削減が大きく影響していると考えられる。東京商工リサーチは、「高止まりした円高で価格競争力が低下した電機メーカーなどの深刻な業績不振を浮き彫りにした格好だ。今後はメーカー下請など中小企業の雇用面への波及が懸念される」と分析している。業種別で最も多かったのは電気機器の14社で、構成比は28.0%。次いで、小売5社、機械、金属製品、情報・通信が各4社との順となった。一方、市場区分では、東証1部が最も多く24社で、構成比は48.0%。これに東証2部が11社、ジャスダックが7社と続いている。同社によると、人員削減を計画しながら具体的内容が未公表のため今回の調査に集計されない大手上場メーカーもあるという。大規模な人員削減はさらに拡大する動きをみせており、年内に計画が実行されると、2012年の上場企業における希望・早期退職者の総募集人数は2万人を突破し、リーマン・ショック時を上回る恐れもある。東京商工リサーチは、「国際競争力の低下に伴う生産拠点の海外移転が、国内の雇用不安につながる悪循環を断ち切ると同時に、雇用の受け皿となる産業の育成が急がれる」と指摘している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月03日三井住友銀行は26日、「退職金限定 円定期預金特別金利キャンペーン」を開始した。期間は7月31日まで。同キャンペーンは、同行口座に退職金を入金した個人顧客が対象。期間中、同行のコンサルタントに相談し、かつ同行が指定する条件を満たした顧客に対して、初回特別金利年1.8%(税引後年1.44%)を適用する。条件として、「『ご相談アンケート』の記入」、「『ライフプランシミュレーション』『未来年表』『ポートフォリオ診断書』『投資信託比較レポート』のいずれかを作成」、「『資産運用に関するご意向承り書』または『平準払保険等に関するご意向承り書』の記入」、「資産運用に関する『ご提案書』または『ご確認書』の記入」のいずれかを満たすことが求められる。対象資金は、受取日から1年以内の退職金(退職一時金、企業年金等の一時金、退職手当などの退職所得)で、対象定期預金は、預入期間3カ月のスーパー定期・大口定期(ともに自動継続型のみ)。申込金額は500万円以上、退職金受取金額以内となる。利用は1人1回、申込みは同行店頭窓口にて受け付ける。詳細は同行Webサイトまで。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月27日人事院は7日、年金(使用者拠出分)、退職一時金を合わせた退職給付総額での官民比較について、民間が2,547万7,000円、国家公務員が2,950万3,000円で、402万6,000円国家公務員が上回るとする調査結果を発表した。2011年8月、国家公務員の退職給付制度を所管している総務大臣及び財務大臣から人事院総裁に対し、民間企業における企業年金及び退職金の実態調査の実施と調査結果に基づく見解について要請。2006年にも内閣から同様の要請を受けて調査を実施した経緯があることなどを踏まえ、今回、2006年と同様に退職給付の調査及び退職給付の官民比較を実施した。調査対象と内容は、企業規模50人以上の民間企業約3万5,700社から層化無作為抽出法によって抽出した6,314社に対し以下を調査。回答は3,614社だった。退職給付(企業年金及び退職一時金)制度の有無、その内容2010年度中に退職した勤続20年以上の事務・技術関係職種の常勤従業員の退職給付の支給額(母集団復元後の退職者数:定年65,053人、会社都合18,382人)これによると、年金(使用者拠出分)、退職一時金を合わせた退職給付総額での官民比較について、民間が2,547万7,000円、国家公務員が2,950万3,000円で、402万6,000円国家公務員が上回った(同職種の者について、退職事由及び勤続年数を合わせて比較)。人事院では、国家公務員の退職給付に係る見解として、「官民均衡の観点から、民間との較差を埋める措置が必要」とした。国家公務員の退職給付の見直しに当たっては、「国家公務員の退職給付が終身年金の共済職域と退職手当から構成され、服務規律の維持等の面から重要な意義を果たしてきた経緯や、民間では企業年金を有する企業が過半を占めていることを考慮した対応が必要」とした。また、「過去に退職手当の引下げが行われた際には経過措置が講じられており、今回も所要の経過措置を講じることが適切と思料」としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月08日社員による会社評価サイト『Vorkers』を運営する(株)ヴォーカーズが、官公庁・公社・独立行政法人の「退職検討理由」と、生命保険・損害保険業界での「女性の働きやすさ」の情報掲載を、8日に開始した。企業評価情報は、11月に限定して無料公開!同社では、「キャリア環境評価レポート」を通じて、ビジネスパーソンから現在の所属企業や過去に在籍した企業の職場環境に関する評価やコメントを集積しており、今回の掲載情報は、11月限定の無料公開コンテンツとしている。11月度の「社員による会社評価」公開コンテンツ〇官公庁・公社・独立行政法人の「退職検討理由」どのような理由でこの企業からの転職(退職)を考えたか、感じた限界は?の問いに、113名の旧(現)職員が回答〇生命保険、損害保険業界業界の「女性の働きやすさ」女性がやりがいを持って働き続けやすい会社と感じたかの問いに、405名の各社社員が回答このほか『Vorkers』では、就職・転職を控えた学生やビジネスパーソンへ、企業の実情を把握するための参考情報として、良い点も悪い点も含めた「社員による会社評価」を提供している。現在、大手企業を中心に国内最大規模の16万件以上の評価情報を集積しているという。また『Vorkers』のコンテンツは、経営者や人事部の方が、現場の社員は職場環境についてどのように考えているのかを知り、人事制度等の改良に取り組むための情報源として利用できるとしている。
2010年11月10日損保関連各社がメンタルヘルス対策サービス企業において心の病を抱えてる社員の存在は経営上の脅威。そういった企業のメンタルヘルス対策のサービスに力を入れる損害保険関連会社が増えている。損保ジャパン・ヘルスケアサービスでも損保ジャパン・ヘルスケアサービスでは、従業員の心の病の予防から復職支援までのサービスを提供。07年に設立した同社は、設立直後に比べて今年の顧客数が6倍となる見通しだ。同社では、医師や看護師などの専門家によるメンタルヘルス対策や研修も行い、職場環境の改善を推進するなど、企業側にも変化を促す。うつ病などの病気の場合、治療を受け回復した従業員を同じ職場環境に戻した場合、再発する恐れが大きいため、企業側の対応も必要なのだという。企業にとって「人」は大事な資産厚生労働省によると、自殺やうつ病による09年の国内の損失は、約2兆7000億円に上るという。企業の資源は人であり、心の病で退職したり休んだりすることの損失に企業が気づき始めたようだ。
2010年10月27日