マカフィーは1月14日、2015年第3四半期の脅威レポートを発表した。レポートでは、2015年Q3はモバイル端末を狙った攻撃が拡大し、クラウド上に保存されたデータ流出の危険性が増していると指摘している。また、ソーシャルエンジニアリングの手法を使って、企業の内部システムへの侵入を試みるマクロ・マルウェアも増えている。マクロ・マルウェアは近年減少傾向にあったが、第3四半期はマクロ・マルウェアによる攻撃回数は過去6年間で最高水準となった。新たな攻撃手法としては、従来の脅威検知技術を回避するファイルレス攻撃が発生している。ファイルレス・マルウェアの攻撃は、ルートキットによる攻撃に取って代わりつつある。これについては、カスペルスキーも同様の指摘を行っている。それ以外にもレポートでは、脅威データの統計を公開。データは、マカフィーの脅威データベース「GTI(Global Threat Intelligence)」で収集したものとなる。これによると、第3四半期は毎分平均327件(毎秒5件以上)の新種の脅威を検出したそうだ。ユーザーをだまして、メールやブラウザ上の検索などを経由して危険なWebページに接続させようとする攻撃が740万件以上、顧客ネットワークをターゲットにしたマルウェア入りのファイル配布が350万件以上、不審なプログラム(PUP)が740万件確認されている。ほかにも、モバイル端末を狙ったマルウェアが、第2四半期から第3四半期にかけて16%増加し、前年同期比で81%の増加となった。新種のモバイル・マルウェアの数は、5四半期連続で増加している。また、Mac OSを狙ったマルウェアが増加傾向にあり、第3四半期は第2四半期の4倍に増えた。増加したマルウェアの大半は、同一種類の脅威だったという。2015年に流行したランサムウェアは、第2四半期から第3四半期にかけて18%増加しており、1年間通して見ると155%の増加になる。一方でルートキット・マルウェアは65%減少し、2008年以来最も低い水準となった。減少した理由は、Windowsの64ビット版が増えたことが考えられる。64ビット版は、ドライバーの署名を強制してPatch Guardを導入するなど、攻撃者のカーネル悪用が非常に困難な設計になっている。
2016年01月15日キヤノンマーケティングジャパンは、「2015年アサヒカメラ賞受賞作品展」を1月14日から開催する。会場は全国5カ所にあるキヤノンギャラリー。入場は無料だ。「アサヒカメラ」の月例コンテストから、1年を通して優秀な成績を収めた応募者に授与されるアサヒカメラ賞の受賞作品42点が展示される。2015年は「カラープリント」「モノクロプリント」「組写真」「ファーストステップ」の4部門で合計4万点の応募があった。開催期間は以下の通り。キヤノンギャラリー銀座2016年1月14日~1月20日キヤノンギャラリー札幌2016年1月28日~2月9日キヤノンギャラリー仙台2016年2月18日~3月1日キヤノンギャラリー梅田2016年3月10日~3月16日キヤノンギャラリー福岡2016年4月21日~5月10日
2016年01月14日シマンテックは1月12日、同社の侵入防止システム(IPS)が保護した実績を基にした2015年の脅威動向をセキュリティブログ上で解説した。これによると、同社が遮断した悪用ツールキットによる攻撃の数は約3億件で、その中でも突出していたのが「Angler」だったという。その攻撃の数は実に2000万件に上る。Anglerによる攻撃対象をOS別に分類すると、最も多かったのがWindows 7で全体の64%を占めた。それ以外では、Windows 8.1が24%、Windows Vistaが5%と続く。また、悪用ツールキットの標的になった国は、トップが米国で全体の45%と大半を占めた。これにロシアが14%、ブラジルが8%、ドイツが7%、英国が7%の続き、日本は8番目の4%だった。OSとアプリケーションの脆弱性を悪用した攻撃は2億4000万件以上を記録。OS別の件数では、Windows XPへの攻撃が全体の71%を占め、続いてWindows 7が12%、Windows Server 2003が9%、Windows Server 2008が7%、Windows Server 2012が1%であった。マルウェアによる攻撃は7億件以上を遮断しており、これによって攻撃を受けたOSは大部分がWindows OSで、Windows 7が最も多く66%となっていた。
2016年01月14日1月13日、帝国データバンクと東京商工リサーチから2015年)の全国企業倒産の集計結果が発表された。同年同期の倒産件数と負債総額は、帝国データの発表では8517件/2兆108億800万円、商工リサーチの発表では8812件/2兆1129億8200万円となっている。○帝国データバンクの調査結果2015年の全国企業倒産の件数は8517件(前年9180件、前年比7.2%減)と、6年連続で前年を下回り、2005年以来、10年ぶりに9000件を下回った。四半期別では、第3四半期まで減少基調で推移していたが、第4四半期は、2013年第2四半期以来、10四半期ぶりの前年同期比増加に転じた。2015年の全国企業倒産の負債総額はは2兆108億800万円(前年1兆8678億円)と、前年を7.7%上回り、3年ぶりの前年比増加となった。四半期別では、第2四半期を除く3四半期で前年同期を上回り、特に第3四半期以降は2四半期連続で前年同期比2ケタの大幅増加となった。その要因として、大型倒産は各種金融支援や大企業を中心とした好業績などを背景に低水準にとどまったが、負債1000億円以上の倒産は3件(前年1件)発生したことが挙げられている。業種別では、全7業種で前年を下回った。なかでも、建設業(1612件、前年比13.3%減)、運輸・通信業(345件、同16.5%減)、不動産業(270件、同15.4%減)の3業種は前年比2ケタの大幅減少した。地域別では、全9地域で前年を下回った。なかでも北陸(230件、前年比21.5%減)は12月を除く11カ月、中国(367件、同15.0%減)は10カ月、前年同月を下回り、前年比2ケタの大幅減少となった。○商工リサーチの調査結果2015年の全国企業倒産件数は8812件で、前年比9.4%減(919件減)だった。7年連続で前年を下回り、1990年(6468件)以来、25年ぶりに9000件を割り込んだ。その要因として、金融機関が中小企業のリスケ要請に柔軟に応じるなどの金融支援、大手輸出企業を中心とした業績拡大に牽引される形で景気が底上げされていることが影響したほか、為替の円安基調が続く中で、原油や鉄鋼関連価格の低下などの資源安も経営環境を緩和したと見られるという。2015年の全国企業負債総額は2兆1123億8200万円で、前年比12.7%増(2383億1700万円増)で、3年ぶりに前年を上回った。その要因として、負債100億円以上の大型倒産が15件(前年7件)と2倍増になったことがあるという。MARU(旧:AIJ投資顧問(株)、負債1313億円・12月)と第一中央汽船(株)(同1196億700万円・9月)の2件(前年1件)は1000億円超えの負債となっており、負債を押し上げたとしている。産業別では、農・林・漁・鉱業・建設業・製造業・卸売業・小売業・金融/保険業・不動産業・運輸業・情報通信業・サービス業他の10産業すべてで前年を下回った。建設業は1686件(前年比14.1%減)で7年連続の減少、公共工事拡大などの影響から地区別では全国9地区のうち東北と九州を除く7地区で前年を下回った。小売業も1211件(同2.7%減)で7年連続の減少、製造業1290件(同8.0%減)と情報通信業371件(同5.8%減)は、いずれも6年連続で減少した地区別では、北海道・東北・関東・中部北陸・近畿・中国・四国・九州の9地区のうち、九州を除く8地区で前年を下回った。
2016年01月14日IDC Japanは1月13日、国内IT市場の2015年~2019年の地域別予測を発表した。これによると、2015年の国内IT市場は円安が大都市圏とそれ以外の地域での格差を量的、質的両側面において広げているという。円安の進展により、2015年は東京を中心とした首都圏、名古屋、大阪、福岡などの大都市圏に多く立地する輸出比率の高い大企業の業績がプラスとなりIT投資が増加した一方、それ以外の地域では原材料費の高騰により業績が圧迫されている企業が多く、IT支出をほぼ止めてしまっている中小企業も出ているという。民間部門においては、大都市圏が大きなシェアを占める一方、公共・教育・医療福祉部門においては大都市圏以外の地域の割合が高い。今後、格差を埋めるためには、いかに公的部門の支出を地域の成長に結びつけることができるかがカギになるとしている。同社のITスペンディンググループマネージャーである廣瀬弥生氏は「ITベンダーは、大都市圏においては第3のプラットフォームを活用した戦略的IT投資を積極的に提案していくことが重要である一方、それ以外の地方では、政府の補助金を活用して、業績が伸び悩んでいる企業の成長を支援する地方創生ビジョンを描く必要がある」と分析している。
2016年01月13日ボーイングとエアバスはこのほど、2015年(1~12月)の業績を発表。ボーイングは民間航空機部門において762機、エアバスは635機(10社の新規顧客を含む85社)となり、ともに過去最高の引き渡し機数となった。内訳は、ボーイングでは737が495機、747が18機、767が16機、 777が98機、787が135機で前年比39機増の762機となり、エアバスはA320ファミリーが491機、A330が103機、A380が27機、A350 XWBが14機で、前年比7機増の635機となった。一方、純受注数(総受注からキャンセルを引いた機数)を見てみると、ボーイングは768機となったが、エアバスは53社から1,036機の純受注数を獲得している。なお、2015年12月時点での受注残は、ボーイングは同社最大の5,795機、エアバスは航空史上最大の6,787機となっている。
2016年01月13日solid ITはこのほど、「Oracle is the DBMS of the Year」において、2015年に最も多くの関心を引いたデータベースとして、Oracleが2015年のデータベース・オブ・ザ・イヤーに輝いたと伝えた。solid ITは3年前からデータベースの人気ランキングを「DB-Engines Ranking - Trend Popularity」において公開している。同ランキングでは、Oracleの後にMongoDBとCassandraが続いている。第2位のMongoDBは2013年と2014年にデータベース・オブ・ザ・イヤーを獲得しており、2015年も1位のOracleに匹敵する値を出している。それ以外に2015年に優れた値を示したデータベースとして、PostgreSQL、MySQL、SQLite、MariaDBも挙げられている。なお、2016年1月におけるデータベース人気は1位がOracleで、これに2位 MySQLと3位 Microsoft SQL Serverが続いている。4位以降はMongoDB、PostgreSQL、DB2、Microsoft Access、Cassandra、SQLite、Redis、SAP Adaptive Server、Elasticsearch、Solr、Teradata、Hiveが続いている。
2016年01月13日エクスペディアが1月12日に発表したランキングによると、2015年の海外旅行先の人気ランキングで上位3位はソウル(韓国)、バンコク(タイ)、台北(台湾)で前年と変わらず、上位10カ所のうち7カ所をアジアが占めており、円安の影響を強く受けたこともあって短期間の休暇に低価格で行けるアジアが安定した人気を示したという。同ランキングは、同社が予約状況に基づき集計したもの。9位のマニラ(フィリピン)は2015年に初めてランク入りし、2015年2月にマニラ湾を埋め立てて造成した大型カジノリゾートである「シティ オブ ドリームズ マニラ」や、同年6月にはドリームワークスによる子供向けテーマパークの「ドリーム・プレイ」がオープンしたことが注目されたという。また、7位にランクインしている上海(中国)には2016年6月にディズニーランドが開園予定でおり、2016年は人気をさらに集めると同社は予想する。2015年に人気が急上昇した海外旅行先に目を転じると、こちらも上位3カ国をアジアが占めている。有名都市ではなく、台湾の高雄やベトナムのダナンなど各国の第2・第3の都市が人気を博しており、少し「ディープなアジア」が注目を集めた年になったとのことだ。4位の米アナハイムは、カリフォルニア・ディズニーランドが2015年に60周年を迎え記念イベントなどを開催していることで、人気が急上昇したという。豪ケアンズは、トロピカル・ノースクイーンズランド観光局とクイーンズランド州政府観光局が日本人訪問者数の増加に注力していることが要因のようだと同社は見ている。アメリカ・オーストラリア・イギリス・ブラジルの4カ国で人気の海外旅行先を見たところ、国によって選ばれる旅行先が大きく異なった。アメリカの人気海外旅行先ランキングでは、1位から5位までが全て大都市であり、アメリカ人は都市観光を好む傾向にあるという。また、東京が5位にランク入りしており、アメリカ人の日本人気が高まっていることが見受けられるとしている。訪日アメリカ人旅行者は、日本の伝統文化・歴史やポップ・カルチャー、日本食、ショッピング、ナイトライフなどに興味関心を示しているといい、全ての要素が集まっている東京が人気を博しているようだと同社は見る。イギリス人もアメリカ同様に都市観光を好む傾向にあるが、移動時間の短い都市が多く選ばれている。オーストラリアのランキングでは、1位がバリ島、2位がシンガポールと、東南アジアの人気観光地が上位にランク入りしている。バリ島はオーストラリアから渡航する航空券が安く、島内でも豪ドルを利用できる場所が多数あることが人気の理由とのことだ。ブラジルのランキングでは、1位から3位までをアメリカの都市が占めた。韓国・台湾・香港・タイの4カ国で人気の海外旅行先では、東京・大阪・沖縄という日本の都市・地域が上位3位に多くランク入りしている。韓国と台湾では上位3位までを日本の都市・地域が独占しており、香港とタイでも日本の都市・地域が2カ所選ばれている。韓国のみでは東京よりも大阪や沖縄が上位にあり、日本の中心地である東京よりも第2都市やリゾート地に目を向けていることが伺えるとしている。
2016年01月13日Samsung Electronicsは1月8日、2015年通期の連結決算速報値を発表した。それによると、総売上高(半導体だけではなく、スマートフォンなどを含めた全製品の売上高の総和)は200兆3400億ウォン(約20兆円)と3%減ったものの、営業利益は26兆3700億ウォン(約2.6兆円)と前年比5%増えた。2015年10~12月期に限れば、売上高は1%増の53兆ウォン、連結営業利益は前年同期比15%増の6兆1000億ウォンだったが、前期比では17.4%減だった。営業利益の前期比減は5四半期ぶりで、2014年第3四半期(7~9月)に同第2四半期7兆1900億ウォンから4兆1000億ウォンへと減益となって以来、前期比で増加傾向にあった営業利益が再び減少に転じた。同社関係者によると、第3四半期まで好調だった半導体分野が10-12月期に急に不振に転じた影響だと言う。分野別の業績は月末にならないと最終集計が出ないが、関係者の話では、AppleのiPhone向けプロセッサの大量受注やメモリビジネスの好調で半導体部門の売り上げ、利益とも年間では大きく増加したものの、10-12月期の半導体分野の営業利益は減少に転じ,これがもろに会社全体の利益減少(前期比)をもたらしたと言う。2015年第3四半期の半導体分野の営業利益は3兆6600億ウォンを計上したが、第4四半期は、多くのアナリストの予想を下回り、3兆1000億ウォン程度(未確定値)にとどまるのではないかとみられる。スマートフォン市場の成長が鈍化し、年末から年初にかけてiPhoneはじめスマートフォンの減産が相次いでいる模様で、2015年初めには1個あたり3.5ドルだったDRAM価格は年末には2ドルを切るまで落下している。これらが、年末に向けての半導体の業績不振をもたらしているようだ。なお、Samsungの分野別業績(確定値)は現在集計中で、1月末に公表される予定である。
2016年01月13日米国半導体工業会(Semiconductor Industry Association:SIA)は、2016年1月5日(米国時間)、2015年11月度の世界半導体売上高(3カ月移動平均)を前年同月比3%減、前月比0.3%減の288億8000万ドルと発表したが、地域別では、統計を取り始めてから初めて中国での半導体売り上げが、世界の他地域を抜いてトップに躍り出た。最近、半導体消費国として急成長する中国が注目されているが、減速経済の中で今後ともトップの地位を維持し成長を続けられるか注目される。SIAは過去数十年に渡り、世界市場を米州欧州日本日本を除くアジア太平洋の4地域別に分割して集計してきたが、今後の中国市場の急成長を見こして2015年3月からは、米州欧州中国日本中国・日本を除くアジア太平洋地域の5地域に分割して集計をとっている。かつて世界市場でシェア52%を誇ったことのある日本は、大陸別集計の中で唯一別格扱いのままであるが、昨春から中国も別格扱いになった。2015年11月度の地域別半導体売上高は、中国86.8億ドル(前年同月比+5.3%)、日本・中国を除くアジア太平洋地域(具体的には台湾・韓国・シンガポール・マレーシアなどを指す)85.2億ドル(同-4.1%)、米州60.7億ドル(同-7.1%)、欧州29.3億ドル(同-8.0%)、日本26.8億ドル(同-8.6%)。前年同月比で成長を遂げたのは世界中で中国だけだった。日本はこのところ連続して最下位。なお、日本市場の売上は円ベースで換算すると前年比3.6%減の約3283億円となった。
2016年01月13日LINEは1月7日、「LINE NEWS」の月間アクティブユーザー数(以下、MAU)が2015年12月時点で2,200万人を突破したことを発表した。LINEではこれまで、LINEのユーザー基盤・アクティブ率を背景としたプラットフォーム戦略の一環として、ひと目で最新の話題やニュースが把握できる「やさしいニュース」というコンセプトのもと、2013年7月にスマートフォンニュースアプリ「LINE NEWS」を公開。それ以降、LINE NEWS公式アカウント(LINE ID : @linenews)を通じて1日3回ダイジェスト形式でニュースを配信する「LINE NEWS DIGEST」、スマートフォン時代における雑誌の役割を担うサービスとして「LINE NEWS マガジン」を展開してきた。2015年12月には、これまでのニュース事業運営において培ったスマートフォン向けのニュース配信におけるノウハウを活かし、LINEの公式アカウントを使ったニュース配信機能を外部メディア向けに開放する「LINEアカウントメディア プラットフォーム」の提供を開始。これによりユーザーは、自社メディア4媒体を含む全38メディア(2016年1月7日時点)の中から自分が好きなメディアが配信するダイジェスト形式のニュース記事を無料で購読することが可能に。公開後37日で購読者数が1,000万人を記録するなど、好調に推移しているという。
2016年01月08日2015年のホリデーシーズンに、AppleのApp Storeの売上高が過去最高を記録した。2015年12月21日から2016年1月3日までの2週間に、アプリとアプリ内購入の売上高が11億ドルを突破。2週続けて週間トラフィックと週間売上の新記録を達成した。また日単位の売上高でも、昨年の12月25日に過去最高を記録したのに続いて、1週間後の1月1日に1億4,400万ドルを超えて再び記録を塗り替えた。App Storeの好調な売り上げは、エコシステムとしての成長に支えられている。2008年にApp Storeがオープンして以来、同ストアの売上から開発者に支払われた金額の累計がまもなく400億ドルに達するが、昨年だけでその内の1/3以上になる。
2016年01月07日矢野経済研究所が1月5日に発表した「文具・事務用品市場に関する調査結果 2015」によると、2015年度(2015年4月~2016年3月)における国内文具・事務用品市場は、前年度のマイナス成長から反転して0.1%増の4,698億円となる見込みだという。2014年度の国内文具・事務用品市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年度比0.6%減の4,662億円であった。景気後退期以降2011年度までは法人需要を中心に低迷が見られていたが、2012年度以降は筆記具が大きく拡大し、市場規模全体を押し上げているという。一方、2014年度は筆記具は引き続き拡大したものの、紙製品や事務用品の落ち込みをカバーするまでには至らず、市場全体は微減推移となったとのことだ。2014年度を分野別に見ると、筆記具が前年度比 3.8%増の928億円、紙製品が前年度比 0.7%減の1,656億円、事務用品が同 2.3%減の 2,078 億円であったという。筆記具は3期連続のプラス成長で、2012年度以降、水性ボールペンのヒット商品が市場拡大を牽引。また、主要メーカー各社が投入する高機能・高付加価値を訴求する商品は、消費者需要を着実に捉え、2014年度は調査対象7品目のうち、マーカー類(油性・水性)を除く5品目で前年度を上回ったという。2014年度の国内ボールペン(水性ボールペンと油性ボールペンの合算値)市場規模はメーカー出荷金額ベースで前年度比5.8%増の439億円となり、水性ボールペン・油性ボールペン共にプラス成長となった。今後も水性ボールペン・油性ボールペンとも引き続き市場拡大が見込まれるものの、落ち着きが見られることから、その成長率は鈍化するものと同社は考えている。2014年度の国内シャープペンシル市場規模(本体及び替芯)はメーカー出荷金額ベースで、前年度比5.1%増の145億円だった。主要メーカー各社が投入した、芯が折れないといった高機能・高付加価値を訴求した新商品によって消費者需要が活発化し、主要ターゲットである中高生の減少など少子化による構造的なマイナス要因がある中での市場拡大となったという。紙製品は、当該分野で5割以上の構成比を有する封筒が消費増税の反動減などの要因で前年度割れとなったが、手帳類やノートは、近年、個人向け需要が好調となっており、特に手帳類は2011年度以降拡大基調が続いているという。事務用品は、調査対象13品目のうち、前年度を上回ったのはファイル類、事務用のりの2 品目に留まり、デジタル化の進展など、オフィス環境の変化や依然として続く経費削減など、法人需要の停滞に影響を受けているという。
2016年01月06日IDC Japanは1月5日、2015年第3四半期(7~9月)の国内エンタープライズストレージシステムの売上額実績を発表した。これによると、2015年第3四半期(3Q)の国内エンタープライズストレージシステム売上額(Value)は631億1,900万円で前年同期比1.4%減となった。同社ではエンタープライズストレージシステムとして外付型、サーバー内蔵型、ODM Directをカウントしている。外付型とODMはプラス成長だったが、内蔵型がマイナス成長となり、全体でも前年同期比でマイナス成長となった。2015年第3四半期の国内エンタープライズストレージシステム売上額631億1,900万円の内訳は、外付型が466億5,800万円(構成比73.9%)、サーバー内蔵型が131億5,900万円(同20.8%)、ODM Directは33億200万円(同5.2%)。ODM Directはまだ規模は小さいが、グローバルクラウドサービスプロバイダーの国内拠点のほか、国内クラウドサービスプロバイダーでも導入が進みつつあるという。また、外付型エンタープライズストレージシステムのセグメント別売上高は、メインフレーム向けが前年同期比1.3%増の61億900万円、UNIX、Windows、Linuxなどのオープンシステムおよび、そのほかOS向けが同1.2%増の405億4,900万円となった。メインフレーム向けは、2015年第1四半期、第2四半期で官公庁と金融で大型更新案件の影響で2期連続2桁成長となり、第3四半期も金融などで大型案件が散見された。オープンシステム/そのほかOS向けは、サーバー仮想化やVDI(Virtual Desktop Infrastructure )などの仮想化環境向けやクラウドインフラ向けで需要拡大が続いている。また、オープンシステム/そのほかOS向けでは、新興ベンダーだけでなく、大手ベンダーが相次いで参入したことでフラッシュデバイスのみを搭載したオールフラッシュストレージが本格的な成長を始めているという。2015年第3四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステムのクラス別売上額は、ハイエンド(システム価格3,000万円以上)が前年同期9.9%増の133億3,700万円、同4.6%減のミッドレンジ(同500万円~3,000万円未満)が162億300万円、ローエンド(同500万円未満)が同0.9%増の171億1,800万円となった。ハイエンドの高成長には、メインフレーム向けの成長とともにオープンシステム向けでの更改案件が寄与したとしている。2015年第3四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム出荷額(Vendor Revenue)は443億7,600万円で、サプライヤー別出荷額の上位5社は日立製作所(シェア19.1%)、EMC(15.1%)、富士通(13.2%)、NEC(9.8%)、IBM(9.3%)。IDC Japanのエンタープライズインフラストラクチャ/IPDS/PCs グループディレクターである森山 正秋氏は「2015年第3四半期はオールフラッシュアレイが高成長を記録するなど、国内企業のストレージインフラに対する支出パターンの変化が見られた。サプライヤーはこうした変化に対応した製品戦略やパートナー戦略の強化が求められる」と述べている。
2016年01月05日2016年の年頭にあたり、日立製作所の執行役社長兼COOを務める東原敏昭氏は、以下の年頭所感(抜粋)を発表した。2016年は2015中期経営計画の総仕上げの年あけましておめでとうございます。2016 年は、2015 中期経営計画の総仕上げの年であると同時に、次の中期経営計画で、さらなる成長への第一歩を踏み出す大事な一年です。まず、2015 中期経営計画を何としても達成しましょう。2015 中期経営計画の達成は、さらなる成長をめざす私達にとって大切なマイルストーンであると同時に、株主やお客さまなどステークホルダーへのコミットメントです。皆さん一人ひとりのアクションなしでは中期経営計画の達成を成し遂げることはできません。これから3ヶ月間、気持ちを一つにして、グループ一丸となって邁進していきましょう。そして、2016 年度から始まる2018 中期経営計画の策定を進めていますが、私は今こそ、IT、インフラ、強いプロダクトを持つ日立の強みが発揮できると確信しています。現在は、大規模な人口の集中に伴う都市化への対応や効率良いエネルギーポートフォリオの実現など、世界の多くの地域、国、都市で様々な課題が浮き彫りになっています。世界のお客さまが、この高度化・複雑化する課題に応える日立の社会イノベーション事業に高い期待を持っています。日立は、企業や業種、地域などの枠や壁を超えた幅広いステークホルダーの知見を採り入れたオープンイノベーションのアプローチで、お客さまと同じ視点で課題やビジョンを共有し、解決策やソリューションを創り上げる「協創」型ビジネスモデルの展開を加速します。特に、営業、エンジニアリング、コンサルティングなどのフロント機能を、業種、地域ごとに強化していきます。この際、大切になるのがスピードです。スピード感を持って新たに生まれるニーズをしっかり掴むと同時に、自らが変化を起こし、チャンスを創り出してください。単一的な考えや従来のやり方に固執することなく、柔軟な発想、フレキシブルな姿勢で取り組んでください。私のめざす「日立のあるべき姿」とは、トップラインの伸びが利益の拡大とキャッシュ創出を生み出し、それを次の成長への投資につなげ、適切な事業ポートフォリオや組織へと再編しながら、成長のスパイラルを広げていく姿です。そして、このサイクルを、スピード感を持って進め、日立が持続的に成長することで、お客さま一人ひとりのQuality of Life の向上に貢献できると考えています。2016 年、皆さん一人ひとりのアクションで2015 中期経営計画を達成し、新たなステージでさらなる成長をめざし、前進していきましょう。
2016年01月04日来年活動10周年を迎える4人組ガールズヴォーカルグループ、チャオ ベッラ チンクエッティ(イタリア語をベースにした「かわいいお嬢さん」の意味)。メンバーは、岡田ロビン翔子さん、後藤夕貴さん、橋本愛奈さん、諸塚香奈実さんです。2015年はユニット名の改名・メンバーの卒業が重なり波乱の1年となりましたが、その間に制作を進めていた楽曲が2016年1月にリリースになります。それが『一期一会/どうしよう、わたし』という両A面シングルです。『一期一会』は作曲を中島卓偉さんが担当、ロックテイストあふれる1曲で、『どうしよう、わたし』はEDMサウンドをベースにした1曲……全然違うサウンドメイキングで、チャオ ベッラ チンクエッティらしさを聴かせてくれています。2016年からはこの4人で頑張って活動していくという気合いを感じさせるこのシングルで、チャオ ベッラ チンクエッティは活動10周年という記念すべき年に再スタートを切ります。リリース情報:『一期一会/どうしよう、わたし/チャオ ベッラ チンクエッティ』(2016.1.27発売/¥1000(tax out)/PKCP5303-6)※初回限定盤(¥1852(tax out)/PKCP5301/DVD付)も同時発売
2016年01月03日ことしも1月2日と3日に大学駅伝の華「箱根駅伝」が開催されます。2015年、往路・復路ともに1位で初優勝を決めた青山学院大学(以下、青学)で2003年に監督に就任した原さんは元電力マン。ユニークな指導法で、33年間箱根駅伝に出場すらできなかった青学を7年連続出場、初優勝へと導きました。原さんの著書『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉』(アスコム)には、会社員時代の経験を生かした目標達成のノウハウが詰まっています。その中から、箱根駅伝の優勝監督ならではの方法論をご紹介。新しい目標を立てる新年に、駅伝ファンはもちろん、目標を持つすべての人に役立つはずです。■エースを花の2区ではなく3区に配置原さんの持ち味は、常識にとらわれない発想力です。そのいい例が「『花の2区』だからとエースを走らせる必要はない。うちは『3区がエース』でもいい」というもの。箱根駅伝のコースの中でも、平坦な前半から難所の権太坂になだれ込む2区は各チームのエースが出そろう注目の区間。しかし原さんは駅伝界の常識を覆します。スピードのある選手でも、2区の権太坂の後の急勾配で失速する可能性がある。本当に速い選手は後半で平地が続く3区に配置した方が合理的だ、というのです。前例にとらわれないということは、言葉でいうほどやさしいことではありません。結果に対する責任ものしかかってくるからです。■どん底経験がチーム作りのヒントに!大学駅伝の風雲児・原さんの快進撃を支えるのは、会社員として培った経験です。しかしその道のりは平たんなものではありませんでした。高校3年生の時に全国高校駅伝大会で準優勝。しかし選手としてのピークはここまで。大学では結果を出せず、箱根駅伝にも出場していません。大学卒業後、中国電力陸上競技部に鳴り物入りで入部しますが、ここでも結果を残せず5年で退部。入社6年目で駅伝の世界から離れ、新人電力マンとして電気料金の集計などの仕事を始めますがうまくいかず、9年目に下部組織のサービスセンターへ異動。左遷でした。どん底の原さんを変えたのは、サービスセンターで取り組んだ提案営業。コネもなく、飛び込みから始めて四苦八苦するうちに頭角を現し、トップ営業マンに上り詰めたのです。その時に身についたビジネスのノウハウが、強いチーム作りに生かされているといいます。■道しるべを作ることで選手がやる気に本書で語られるノウハウには、駅伝選手ではない私たちにも役立つアイデアが詰まっています。中でも、お正月の今こそ注目したいのが「育成シート」です。これは有望な選手をスカウトするために原さんが作成するもの。オーダーメイドの成長プランを提示し「こんな風に君を育てたい」と熱烈にスカウトするのです。そんな風に誘われたら「ここでなら夢を叶えられる。ぜひ入部したい!」と思ってしまうことでしょう。それもそのはず、この育成シート、トップ営業マン時代の「提案書」がモデルだそう。原さんは、「道しるべがあると、その後の伸び方が大きく変わってくる」といいます。この“道しるべ”は、私たちが目標を成し遂げるのにも役立つもの。さっそくその中身を見てみましょう。■目標はA4用紙1枚にギュッと凝縮!ポイントは“できるだけ具体的に、かつ数字に落とし込むこと”。育成シートは、大学1~4年までの目標をA4用紙1枚にまとめます。各学年でクリアしたいタイム、出場したい大会。箱根駅伝に関しても、2年生で復路、3年生で往路を走り、4年生でエース区間、など。私たちひとりひとりに、仕事や夢、趣味、人生においてさまざまな目標があります。そこで、ぼんやりした「いつか成し遂げたい目標」を数字で具体的に、1年後には〇〇をする、そのためには来月までに△△をして……と、1年ごと、1ヶ月ごとの小さな目標に分落とし込み、A4用紙1枚に書き込んだ「マイ育成シート」を作ると、目標がすっきりと具体的になり、何から手を付ければいいのかがおのずと見えてくるはずです。*育成シートをはじめ、本書には原さんがビジネスと勝負の現場で獲得した47の方法論が紹介されています。これを今度はあなたが自身のフィールドで生かす番です。箱根駅伝に胸が熱くなった人だけでなく、ことしこそは成し遂げたい目標がある人にこそ手に取ってほしい1冊。新しい1年の“道しるべ”になってくれるはずです。(文/よりみちこ)【参考】※原晋(2015)『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉』アスコム
2016年01月01日2015年、話題を呼んだコスメやフレグランス発売のニュースや、ビューティートレンドはどんなものだっただろうか?そこで、FASHION HEADLINEのなかで紹介した、アイテムや、美容にまつわるニュースをピックアップしてご紹介する。おこもりケアや、新年、コスメの買い替えなどのご参考に是非。■ミュウミュウ初のフレグランスがデビュー。バッグ「マテラッセ」を模したボトルとスズランの香り1993年生まれのミュウミュウが初めてフレグランスを発表し、話題を集めた。ミュウミュウ・ファンならひと目で気付くかもしれない。そのボトルデザインはアイコンバッグ「マテラッセ」をイメージしたもで、クラシカルなブルーと対照的にあしらわれたキャップの赤いディスク、という遊び心あふれるカラーコンビネーションがブランドのシグネチャーを感じさせる。■ジルスチュアートから12星座モチーフのネイルカラー、デビュージルスチュアート ビューティが、12星座をモチーフにした限定のネイルカラー「ジルスチュアート ホロスコープネイルズ」(10ml 1,800円)を発売。キャップ部分のトップに施された冠に付けられた12星座のホロスコープサインチャームが目印だ。8月のおとめ座を皮切りに、現在オンラインサイトでは、1月8日に発売される水瓶座までが発表されている。■口紅界に新星あらわる!人気急上昇「バームリップ」に注目15年春から人気が目立つのが、バームリップという存在。バームとはそもそもは軟膏のことだが、最近のバームが表わすものは「体温で溶けてオイル系保湿が発動し、バターがとろけるようになめらかに伸びてピタっと密着する質感」のこと。それを口紅に応用したのがバームリップで、口紅的な発色とリップケアを足したような質感が特徴。■初心者でも気軽に“プチ断食”!1日からスタートできる話題の「ジュースクレンズ」海外セレブをはじめ、日本でもモデルの間で話題となった「ジュースクレンズ」。「ジュースクレンズ」とは健康と美容に必要なビタミンや酵素などの栄養を、素材から失うことなくほとんどそのまま含有するコールドプレスジュースのみで一日を過ごす、いわゆる“プチ断食”プログラム。冬季からは、「スープクレンズ」というキーワードも注目されつつある。■資生堂がバーバリーのメイクアップ&フレグランスの取り扱いを開始資生堂とバーバリーが、化粧品分野で提携。今後バーバリー社が製造するメイクアップ及びフレグランス商品の日本への輸入販売を資生堂が手掛けることになった。これまでにも、子会社のボーテ プレステージインターナショナルを通じ、バーバリーのフレグランスの輸入販売業務を一部の国で行っていたが、日本でのバーバリーのフレグランス及びメイクアップの取り扱いは初めてのことだ。■SHISEIDOの新リップ「ヴェールド ルージュ」で気品のある笑顔にしなやかに、繊細に、華やぐ笑顔に。SHISEIDOより、スティック口紅「ヴェールド ルージュ」(全12 色 各3,200 円)が15年春に新発売。ソフトな印象を与える質感と色味で、華やかな口元を表現することができる。■シュウウエムラ×メゾン キツネがコラボシュウ ウエムラの冬と言えば、アーティスト コラボレーション。今年はかのメゾン キツネとともに、ホリデーコレクションを発表した。コレクションのテーマは、“ビューティ リミックス 2015”。ブランドとブランドが重なり合い、美しく調和させたアイテムはキット4種に限定アイテムの21種。そのすべてに洋の東西の文化をも共鳴させた色を与え、万国共通の可愛さを感じさせてくれる仕上がりとなった。
2015年12月31日映像配信サービスのdTVが、TVアニメ作品の2015年視聴ランキングを発表した。dTVは、スマホ、PC、タブレット、またdTVターミナルを使えばテレビでも視聴が可能な月額500円(税別)の動画配信サービス。映画・ドラマ・マンガ・音楽など、国内最大の約120,000作品を有し、その中でアニメは『妖怪ウォッチ』や『進撃の巨人』などメジャータイトルをはじめ、『おそ松さん』などの話題作を含む約500作品を提供する。発表されたランキングは以下の通り。2015年"TVアニメ"視聴数ランキング TOP101位『妖怪ウォッチ』2位『進撃の巨人』3位『ドラえもん』4位『NARUTO-ナルト-』5位『クレヨンしんちゃん』6位『地獄先生ぬ~べ~』7位『七つの大罪』8位『頭文字D 2nd stage』9位『頭文字D 4th stage』10位『クレヨンしんちゃん』テレビスペシャル2015年の視聴ランキング1位は『妖怪ウォッチ』で、これは2014年に続く2年連続の首位獲得となった。また、dTV内の"アニメ映画"視聴ランキングにおいても、『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』(2014年)も1位を獲得している。2015年12月19日に公開された『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』が初週末の観客動員数ランキングで1位となるなど盛り上がりを見せており、今後も『妖怪ウォッチ』の勢いは止まらなそうだ。2位には今年実写映画も公開されて話題になった『進撃の巨人』、そして安定的な強さを見せる『ドラえもん』が続く。『NARUTO-ナルト-』『クレヨンしんちゃん』『頭文字D』など、映画化された作品が健闘しているのが一つの特徴となっている。(C)LEVEL-5/映画『妖怪ウォッチ』プロジェクト 2014
2015年12月31日人気コミックやベストセラー小説、人気ドラマの映画化が相次いだ2015年。その中でも、産科医やピアニスト、刑事、探偵、青年将校から、果ては狂気のテロリストまで、「あ、この作品にも出ている!」と引っ張りだこだったイケメン俳優たちがいる。いま、もっとも多忙な俳優の1人にして、名だたる映画監督たちからご指名を受けるのが、綾野剛だろう。つい先日まで、(意外にも)初の連続ドラマ単独主演を務めた「コウノドリ」では、謎のピアニストでありながら、真摯に命と向き合う愛情深い産科医という極端な役柄を演じてみせたばかり。あらゆるジャンルの作品に出演し、役に没頭しながらも、それぞれの映画・ドラマの中でしっかりと自分の色を出す個性派ぶりを発揮しているのが魅力だ。2015年は、そんな綾野さんに代表されるような、オリジナルの魅力を持つ“マイペース”なイケメン俳優たちが数多く活躍した。■綾野剛&松坂桃李、幅広い役柄を演じた1年まず、『ソレダケ/that’s it』『新宿スワン』『S-最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』『ピース オブ ケイク』『天空の蜂』と、実に5本の映画に出演した綾野さん。和久井健の人気漫画を鬼才・園子温が映画化した『新宿スワン』では、金髪&天然パーマ姿で歌舞伎町でスカウトマンとして生きる主人公・白鳥龍彦を熱演。堤幸彦監督の『天空の蜂』では、タイトなスケジュールの中、巨大ヘリで原発を狙うテロリストを見事に演じ切り、改めてその演技力と身体能力の高さをも見せつけた。一方、ジョージ朝倉による伝説的コミックスを原作にした、甘く切ない“紆余曲折だらけ”の恋愛映画『ピース オブ ケイク』(田口トモロヲ監督)では、ヒロインの志乃(多部未華子)が恋に落ちる“ヒゲ店”こと、ヒゲの店長・京志郎を軽妙に演じた。独特の色気を放つ、優し過ぎることが罪な“ヒゲ店”には、クラッと来た人も多いはず。2016年は、『凶悪』の白石和彌監督のもと主演を務める『日本で一番悪い奴ら』ほか、黒木華主演・岩井俊二監督『リップヴァンウィンクルの花嫁』、佐藤浩市主演・瀬々敬久監督『64-ロクヨン-』、渡辺謙主演・李相日監督『怒り』といった話題作が控えている。『ピース オブ ケイク』といえば、オカマ役を演じてファンの間に衝撃(笑撃?)が走ったのが、松坂桃李だ。1月公開の『マエストロ!』でヴァイオリンに初挑戦し、幕を開けた2015年は、『エイプリルフールズ』『日本のいちばん長い日』『ピース オブ ケイク』、さらに『図書館戦争 THE LAST MISSION』『劇場版 MOZU』と立て続けに6作に出演した松坂さん。『図書館戦争』では手塚光(福士蒼汰)の兄で図書隊を解散させようとするクールなエリート、かと思えば『劇場版MOZU』では日本映画でもまれにみる、スタイリッシュでマッドなアクションを百舌(池松壮亮)と繰り広げた。元・戦隊“レッド”出身、これまでは王子様的な役柄が多かったが、それぞれの作品での振り切れ方はいずれもハンパではなかった。これらに共通するのは、おそらく松坂さん自身の真面目さや誠実さが、たとえ悪役といえども、スクリーンから見えてくることだろう。木村文乃、菜々緒と共演したドラマ「サイレーン」でも、最後まで視聴者を惹きつけてはなさない主人公を魅力的に演じ、話題となった松坂さん。2016年は『人生の約束』『パディントン』(日本語吹き替え)ほか、生田斗真主演・大友啓史監督の『秘密』、舞台と映画の一大プロジェクトとなる堤監督の『真田十勇士』に出演する。■2015年のブレイク俳優もマイペース派がずらり夏の“月9”ドラマ「恋仲」でブレイクした野村周平は、裸になっちゃう“ヘタレ”バンドマンの『日々ロック』の余韻を残しつつ幕を開けた2015年、『愛を積むひと』『ビリギャル』という良作で印象に残る演技を披露し、『台風のノルダ』ではアニメの声優にも挑戦、不器用で繊細な青年役を演じる姿がハマッた。特に「恋仲」では、好きな人のためにどんどん“ダークサイド”に堕ちていく彼の様子に、ヤキモキした人も多いことだろう。2016年は、長瀬智也主演の“水10”ドラマ「フラジャイル」、最旬の若手が勢ぞろいする『ライチ☆光クラブ』や広瀬すず共演『ちはやふる』、賀来賢人とW主演の『森山中教習所』などが控えている。さらに、“塩顔男子”の「メンズノンノ」モデル・坂口健太郎も大活躍。『海街diary』で話題となり、桐谷美玲を若手筆頭株の山崎賢人と取り合い、スマッシュヒットを記録した『ヒロイン失格』で、“想いはひと筋”の学校イチのイケメンを好演したことでブレイク。続く『俺物語!!』では、“どう見ても高校生に見えないイカツイ顔面&屈強な肉体”の超個性派・剛田猛男(鈴木亮平)との対比ぶりが笑いを呼んだ。今後、新“月9”の「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」に参加が決まっており、4月4日スタートの「ととねえちゃん」ではついに“朝ドラ”デビュー。“学者肌で植物が大好きな青年”という役柄は、メガネがよく似合い、読書好きな文化系男子の自身に近い役柄となりそうで、さらなる人気を獲得しそう。朝ドラといえば、土屋太鳳&山崎賢人と共演した「まれ」から再ブレイクした柳楽優弥。『誰も知らない』で一躍時の人となってから10年あまり、紆余曲折ありながらも、その演技に奥行きを身につけた柳楽さん。「まれ」で、寝起きに「おはよう」とささやかれた土屋さん演じる希が「キュ~ン」となってしまったことも話題となった。その後は『合葬』で“幕末男子”を演じ、『ピンクとグレー』から始まる2016年には一転、『ディストラクション・ベイビーズ』で破壊的な若者を演じるなど、ますます目が離せない存在だ。また、「探偵の探偵」で日本のドラマ初出演、その後、現在放送中の「あさが来た」で、ヒロイン・あさ(波瑠)に大きな影響を与える実業家・五代友厚で話題沸騰中なのが、DEAN FUJIOKA(ディーン・フジオカ)。イケメンで語学に堪能、ブローバルな視点を持つ五代はまさにディーンさんそのもので、あさとは禁断の恋愛関係となるのかと思いきや、同じ志を持つ人間同士の結びつきを感じさせている。福島県生まれ、モデルとしてキャリアをスタートさせ、香港、台湾などで映画・ドラマに出演してきた彼は、定住地を持たないという意味の“ノマド”俳優として注目を集めた。全米で放送され、準レギュラーを務めた「荒野のピンカートン探偵社」のDVDリリースが1月よりスタート、新ドラマ「ダメな私に恋してください」ではドSな元ヤンで元上司という役で深田恭子とかかわるというから見逃せない。イケメンなのにどんな役柄も演じ切り、オリジナルの光を放ち続ける彼らに、2016年も注目していて。(text:cinemacafe.net)
2015年12月31日●まずは10位~7位2015年もセキュリティ業界ではさまざまな事件があった。インテル セキュリティによるビジネスパーソン対象のアンケート では、認知度第1位の事件として日本年金機構の年金個人情報流出事件がランクイン。次いで金融関連フィッシングや、振り込め詐欺といった事件が並んだ。これは企業経営者や情報セキュリティ担当者、一般従業員らが対象のアンケート結果だが、2015年、内部の人間から見たセキュリティ業界はどうだったのか。今回、トレンドマイクロでセキュリティエバンジェリストを務める岡本勝之氏に、2015年、衝撃的だった10大オンライン脅威をランキング形式で聞いた。それでは、第10位からみていこう。○第10位水飲み場型攻撃まず岡本氏が第10位につけたのは、「水飲み場型攻撃」。水飲み場型攻撃というのは、Webサイトにアクセスする特定層のユーザーを狙った攻撃で、法的機関や大学、開発機構などが、狙われやすいターゲット層となる。水飲み場型攻撃自体は、2015年以前から存在していた。岡本氏によると、2015年は攻撃対象が幅広くなり、攻撃対象のユーザーがよくアクセスするサイトだけが改ざんされるのではなく、一般的な正規サイトを改ざんして対象ユーザーにメールを送り、「ここを見てください」と誘導する新手の手法が確認されたという。上記の攻撃方法は、2015年7月頃に確認された。国内で確認された被害事例では、「EMDIVI」(日本年金機構の端末が感染したといわれる操作型マルウェア)や「PLUGX」(政府系機関や主要産業機関を狙った標的型攻撃で使用されるリモートアクセスツール)を、最終的に感染させる攻撃だったそうだ。岡本氏は、「水飲み場型攻撃を行なう攻撃者は、自分の攻撃に使えるものをずっと見張っている。『使えるものはすぐ使う』という攻撃者側のスタンスが、今年浮き彫りになった」とする。○第9位SDKの汚染ソフトウェアを開発するためのツールをSDK(Software Development Kit)というが、2015年は、このSDK自体に不正プログラムが仕込まれ、開発者も気付かないうちに不正アプリを開発した、という事件があった。XcodeGhostやMoplus SDKである。これら不正SDKを使ってつくられた汚染アプリは、遠隔からフィッシングアプリ(フィッシング詐欺など悪意ある不正Webサイトに誘導するアプリ)へ誘導するといった操作が可能になる。XcodeGhostは、iOS向けアプリ開発ツール「Xcode」を改ざんした不正ツール。この不正ツールは、2015年9月頃、正規のApp Storeで配布されていたことが話題となった。また、Moplus SDKは、中国百度(Baidu)が正式提供しているSDKだが、悪意ある攻撃者によりユーザー権限の必要なく端末を操作できるバックドア機能が存在することが、2015年11月に判明した。PC向け開発ツールを狙うウイルスは以前からあるが、2015年はモバイルに集中していることが特徴という。「不正プログラムが仕込まれていても、開発者側は気付きにくい」(岡本氏)。対策はあるのだろうか。「XcodeGhostの場合は、通常のApp Storeからからダウンロードすれば、問題ない。開発用のツールキットはいろいろな場所にホストされていますが、正規サイト以外のサイトから気軽な気持ちでダウンロードすると、それが不正ツールである可能性があります」(岡本氏)。一方、Moplus SDKは正規のSDKだ。「アプリ作成に使われているSDKを手軽に判定する方法は現状ありません。専門的な解析を行わないとわからないものです」と岡本氏。これに関する対策は、セキュリティ関連の情報をいち早く入手し、怪しいと疑われるアプリを削除することが大事という。○第8位公開サーバへの攻撃公開サーバへの攻撃とは、脆弱性の攻撃や、管理アカウントを乗っ取るといった方法で、公開しているWebサービスなどのサーバに対し攻撃する手法だ。Webサービスを運営する会社から"個人情報漏えいのお詫び"などと題した発表を見たことがある方も多いだろう。これも従来から続いているオンライン脅威のひとつだが、2015年の第3四半期(7月から9月)に急増した。2015年7月頭にクレジットカード情報約1万1千件が流出した新日本プロレスの事件などをきっかけに、「もしかしたら自分の会社も」と調べ公表が相次いだ可能性がある。「大きな事例があると、それを契機に自社でも調べて発覚するケースは多いですね」(岡本氏)。狙われている情報は、個人のアカウントやクレジットカード番号などで、「蓄積されている情報を、まとめて搾取する」という。流出した情報は、本人になりすまして他サイトにログインするアカウントリスト型攻撃にも使われるリスクがある。8位へのランクイン理由は、"外部からの指摘"で攻撃が発覚する点。公開サーバへの攻撃は、外部からの指摘が9割で「なかなか侵入に気づけないところが怖い」(岡本氏)。公開サーバから情報が流出することを100%未然に防ぐことは、難しい。流出した場合に備え、ほかに利用しているサイトに影響が出ないよう、サイトごとにパスワードを変えておくことが重要という。○第7位新型オンライン銀行詐欺ツール2015年上半期の被害件数は754件、被害金額は約15.4億円。ネットバンキングへの攻撃も、2015年、広く注意を呼びかけられたものだ。これも以前から続く攻撃だが、2015年は被害額の高さに加え、WERDLODのような、感染PCのインターネット接続設定を不正に変更する新型オンライン銀行詐欺ツールの発生で、ツールを駆除しても情報が搾取されるという手口の巧妙さが、7位にランクインした理由だ。プロキシ設定を自動変更する新型オンライン銀行詐欺ツールは、2014年12月に国内で初めて確認された。本格的な被害は、2014年12月から2015年3月の期間で発生。同社が確認しただけで約600台の端末から検出され、2015年末時点の感染端末はさらに増えているとみられる。ほか、2015年は、市販のWebサーバソフトウェア「Apache HTTP Server」を利用して攻撃する新手のオンライン銀行詐欺ツール「SHIZ」(シズ)も出現した。岡本氏は「オンライン詐欺ツールというと、『オンラインバンキング以外は関係ない』という印象があるが、オンライン銀行の情報以外にもビットコインやPOS情報を盗むものもある」と注意を促す。●第6位~第4位は?○第6位Hacking Teamのゼロデイ脆弱性流出Hacking Teamは、イタリアにあるソフトウェア会社。イタリア国家などと取引し、ネットワーク通信の監視といった、ハッキング的な挙動をするツールを取り扱う会社だ。2015年7月、このHackingTeamの機密情報が、逆にハッキングされるという事件が起こった。そしてAdobe Flash PlayerやWindowsに関する、誰も知らなかった未発見の脆弱性5件の情報が流出することになる。6位となった理由は、ゼロデイ脆弱性情報を持つ企業がハッキングされ、そのデータが流出した点がひとつ。また、7月5日にWeb上にさらされたゼロデイ脆弱性が、その2日後という驚異的な速さで、攻撃に使われた点がひとつだ。Microsoftが、このゼロデイ脆弱性に対処した定例外の緊急パッチを配布したのは、ゼロデイ脆弱性情報の公開から約2週間後となった。「ゼロデイ脆弱性の悪用は個人での対策がしにくい」と岡本氏は話す。○第5位ランサムウェアデータを暗号化し身代金を要求するランサムウェアも、以前からあった攻撃方法だ。最近Twitterで話題になった「vvvウイルス」も、この一種にあたる。2015年の特徴は「ネットワーク上のファイルも暗号化する」こと。従来は個人をターゲットとすることが多かったが、2015年は法人を標的に、ネットワーク上の機密ファイルを暗号化するランサムウェアが出現した。被害が深刻化しているとして、5位のランクインだ。「重要ファイルの損失はビジネスの不利益に直結するので、より被害が深刻化してしまいます。ネットワーク経由で広がるので、感染した端末から被害が拡大し、会社全体の端末が使えなくなる恐れもある。被害の拡大も重大です」(岡本氏)。感染させる手法は、Webサイト閲覧による脆弱性攻撃やメールの添付ファイルなどだ。脆弱性攻撃の対策は、FlashやInternet Explorerの脆弱性対策アップデートをすること。メールの場合は、添付ファイルや記載された不正サイトURLで感染させられるため、不審なファイルや怪しいURLを検出するセキュリティ対策をすること。なお、岡本氏によると、ランサムウェアで暗号化されたファイルの復元は「非常に難しい」という。暗号化されたデータは復元されないものと考え、バックアップをとっておくことも重要だろう。○第4位エクスプロイトキット第6位のHacking Teamの内容とも関連するが、2015年は、ゼロデイ脆弱性がエクスプロイトキットに実装された事例が確認された。ウイルスを感染させる手段として、脆弱性攻撃は効果的だが、パッチが出る前のゼロデイ脆弱性を攻撃するエクスプロイトキットの登場で、「エクスプロイトキットは脆弱性対応の日数が早まっている」ことがわかったという。2015年に確認されたエクスプロイトキットは、1週間から2週間くらいで新しい脆弱性に対応するという。「ゼロデイ脆弱性を突いて攻撃する事例を実際に確認しています。脆弱性の攻撃は、パッチを当てていれば攻撃を防げますが、未発表のゼロデイ脆弱性だとそうはいかない。被害に遭ってしまう」(岡本氏)。4位にランクインした理由は、「サイバー攻撃の中核を担う脆弱性攻撃を、簡単にできるようにした影響が大きい」こと。エクスプロイトキットは、ネット上のアングラサイトを発見できれば、比較的簡単に入手できるという。岡本氏によると「価格はピンキリ」。1個の不正サイトを作るツールもあれば、多数の脆弱性を攻撃するサイトを構築する商品もあり、「数千ドルのものもあれば、数百ドル、何十ドルのものもある。途中でソースがリークされ、ただで配る場合もある」とのことだ。●いよいよ第3位~第1位!○第3位App Store迂回いよいよ第3位。「App Store迂回」とは、App Store以外のサイトでiOSアプリが配布できることを指す。この事例が最初に確認されたのは2014年12月で、この時は悪意の"ない"、通常アプリの配布だったが、2015年はこれを不正プログラム入りアプリの配布に悪用した攻撃が、国内で確認された。この攻撃は、「iOSアプリは安全である」というユーザーの認識の裏をかいたもので、岡本氏はこの点に警鐘を鳴らす。「iOSアプリは、App Storeからしかアプリをインストールできないという認識がありますが、App Store経由でなくても、アプリをインストールできる、という迂回路が見つかった。これを知っていないと、気づかないうちに不正アプリをインストールする危険がある」という。2015年は、この方法で、iOS端末をワンクリックウェア(アダルトサイトなどで同意のない不当な料金請求を行う画面を表示させるソフトウェア)に感染させる攻撃が確認された。この「App Store迂回」はもともと、自社開発したアプリを限定された端末に配布するといった用途で使うプロビジョニングプロファイル(Provisioning Profiles)という仕組みを悪用したもの。Appleが開発者向けに提供している正規の機能だ。対策のひとつは、「アプリは正規サイトからインストールする」こと。また、「この種の攻撃があることを知っている」こと。岡本氏は、ダウンロードするため誘導された先が不正サイトでも、「『App Storeからしかダウンロードできない』と思い込んでいると、不正アプリを疑わずにインストールしてしまいますから」と注意を喚起する。○第2位標的型メール(標的型サイバー攻撃)第2位は、標的型メール。よく知られる攻撃手法だが、2015年は、日本年金機構をはじめ、多くの企業が狙われ情報が流出したとして、岡本氏は「今年の日本のセキュリティの事件の中では大事件だった」と振り返る。攻撃者は社内でやりとりしているメールを監視し、「1日前に行われたミーティングの議事録です」とか「明日の会議のアジェンダです」といった、職場の内情に合ったメールを送信する。実際、本当の社内報がメールで送られた後、これが監視されており「社内報に訂正があります」という標的型メールが送られた事例もあるという。業務として閲覧するので、非常に避けにくい攻撃だ。メールには、あえてパスワードを付けた、ウイルス入りの圧縮ファイルが添付される(これには、セキュリティ製品の検出を逃れる役割もある)。このパスワードは、例えば個人の携帯電話番号の末尾といったような詳細情報に紐づくものもある。「これを見た人は信用してファイルを開いてしまう。メールを監視して内部情報を調べているなら、それ以上する必要がないんじゃないかと思うのですが(笑)。しかし攻撃者は、そこを入り口にして、より高度な機密情報を盗むわけです」と岡本氏。特に、管理者権限のIDやパスワードが狙われやすい。標的型攻撃も2015年以前からあるが、日本年金機構の事件などで世に広められ、「業界に与えた影響が大きかった」ため、2位にランクインした。対策はまず、添付ファイルに注意すること、サンドボックス(外部から受け取ったプログラムを保護された領域で動作させることでシステムの不正操作を防ぐ機構)で開いて挙動を確認することなどだ。○第1位不正広告さて、長らく2015年のオンライン脅威をお届けしてきたが、堂々の第1位がこちら「不正広告」だ。不正広告というのは広告経由の攻撃。Webのバナー広告というのは、広告媒体のWebサイトを集め、多数のWebサイト上で自動的に広告を配信する「広告配信ネットワーク」の仕組みで成り立っている。広告主と掲載媒体のあいだに、秒単位で広告とサイトのマッチングを判断するシステムが介在し、短時間でも、多数のサイトに一度に配信される。「今まではクリックをして、広告を実際に表示させるとウイルスに感染するという印象だったが、最近は、クリックしなくても、表示するだけで、脆弱性を攻撃され被害に遭ってしまう」(岡本氏)。2015年は、日本語の不正広告が確認され、日本が標的になった。影響するサイトの範囲の広さ、そして「インターネットを見るだけで感染につながる。『このオンライン脅威がヤバい』という趣旨なら間違いなく1番」ということで、2015年のオンライン脅威第1位を獲得した。不正広告が混入する原因は、配信ネットワークへの不正アクセスによる改ざんのほか、不正広告自体を出稿する方法がある。しかし、広告ネットワークは複雑なため感染経路の追跡は困難だ。2015年以前は、不正広告が日本の中で被害事例が少なく、「どれほどの脅威かわかっていなかった」という。2015年は、実際に不正広告が表示されたと思しきWebサイトが3,700件以上に上ることが確認された。いずれも正規のニュースサイトやメディアのサイト、まとめサイトなどで、「ユーザーにとっては『いつも見ているサイトを表示したら不正広告が出て、そのままウイルスに感染した』という、非常に怖い状況」(岡本氏)だ。「2015年、これが一番大きな話ですね」と語る。不正広告で使われる攻撃ツール(第4位に登場したエクスプロイトキット)は、FlashやIE、Javaの脆弱性を一括して攻撃。FlashやJavaなど、ひとつでも最新パッチを当てていないと、ウイルスに感染する。対策は脆弱性をふさぐこと。岡本氏は「逆に言うと、脆弱性がふさがっていれば、何の問題もない」と説明する。「確実な対策は、脆弱性のパッチをあてすべて最新版にしておくこと」(岡本氏)という。
2015年12月31日●Windows 10に染まったこの1年いよいよ2015年も本日で終了。今年はWindows 10の華々しい登場など話題に事欠かなかったMicrosoftだが、WaaS(Windows as a Service)化したWindowsは2016年に大型アップデート(通称RedStone)を控えている。その方向性は今後のWindows Insider Programでも徐々に明かされていくだろう。本稿では、時系列ではなく際だった話題の順に2015年の日本マイクロソフトを振り返ることにした。大掃除の合間などに気軽に読んでいただきたい。○「Windows 10」一色だった2015年やはりトップはWindows 10のリリースだ。2015年1月からWindows Insider Programがはじまり、筆者もその変化をマイナビニュースに寄稿してきたが、まさにこの1年はWindows 10一色だったという印象を持つ方も少なくないだろう。提供形態の変更から深夜販売といったイベントはなかったものの、無償アップグレードを開始した7月29日はユーザーを招いたファンイベントを都内で開催し、正式版の登場を祝っている。11月12日(米国時間)には多くのフィードバックをもとに改良を進めたNovember Update(TH2もしくはバージョン1151)を初のメジャーアップデート版としてリリース。12月16日(同)には、Windows 10 Insider Preview ビルド11082をWindows Insider Program参加者に提供を開始した。2016年には次期メジャーアップデート版「Redstone」が控えている。○「Office 2016」ではなく「Office 365」をプッシュ2015年は「Office 2016」も登場した。もっとも個人向け「Office 365」ユーザーには9月23日の時点で提供を開始していたため、過去のバージョンアップに比べるとインパクトは乏しい。米MicrosoftのApps and Services Marketing担当CVPのJohn Case氏は、Microsoftの開発モデルが変わり、パッケージ版に注力していないことを明かした。Office 2016はパッケージボックスを廃してアクティベーションカードやダウンロード版を提供している。ただ、Case氏は「日本がユニークな市場であることは理解している」とも語っており、プレインストールPC版のOffice 2016やOffice 365を提供し続けている。同氏は将来的にユーザーから需要があれば「Office 20XX」としてリリースする可能性があると述べていたが、2016年以降もOffice 365のようなスタイルが中心となるだろう。○「Windows Server 2003」がサポート終了Windows 10やOffice 2016の影で表舞台から姿を消す製品も存在する。それが2015年7月15日にサポートを終了した「Windows Server 2003」だ。また、2016年4月12日には「SQL Server 2005」のサポートも終了する。Microsoftは、各製品にメインストリームサポートとして5年、延長サポートとして5年の期間を設けてきた(Windows XPやWindows Server 2003など例外はある)。合わせて10年のサポートは十分な期間と考えるべきだが、WaaS(Windows as a Service)化したWindows 10も例外ではない。2020年10月13日でメインストリームサポートが終了し、2025年10月14日で延長サポートが終了する。ただし、Windows 10は"常に最新のOS"となるため、このライフサイクルは、デバイスをサポートする期間を明言した形だ。なお、Windows 7のメインストリームサポートも2015年1月に終了した。●新社長・平野氏が就任○40代の新社長・平野氏が就任人事面では社長交代が今年最大のトピックだった。3月2日、日本マイクロソフトは急遽記者会見を行い、樋口泰行氏から平野拓也氏に代表取締役社長のバトンを渡すことを発表した。樋口氏は古川享氏以来の会長職に就くにあたり、「今後はトップ営業や財界、政府といった方面で努力する」と語り、平野氏も「樋口が掲げてきた『日本に根付いて信頼される会社』という方向性を受け継ぐ」と語った。興味深いのは日米トップの年齢である。2014年2月に米MicrosoftのCEOに就任したSatya Nadella氏は当時46歳。平野氏も記者会見時は44歳だ。米国本社のトップと日本のトップの年齢構成が似通うのは偶然だろうか。○ワークスタイル変革2015年は米Microsoftの戦略変更が日本マイクロソフトにも大きく影響を与えた。その一つが「ワークスタイル変革」だ。スマートフォンの普及によって行動や時間の制限がなくなりつつある中で、自由に働く形態を指すキーワードである。日本マイクロソフトは2013年から社内で実践をはじめ、2015年には651法人と組んで「テレワーク週間」を開催。ITが持つ「時間と距離を超越する力」を実社会と連動させようとする試みはだ。テレワークスタイルに興味を持つ企業のトップが日本マイクロソフトを訪れて、具体的な実施スタイルの説明を受けているという。○サイバーセキュリティ対策セキュリティ分野への関与も印象的な1年だった。日本マイクロソフトは、2月18日に「マイクロソフト サイバークライムセンター 日本サテライト」を設立すると発表した。米MicrosoftのCyberCrime Centerが作成するCyber Threat Intelligence Programから、国内に対するサイバー攻撃の傾向などを分析して、情報発信を行う施設だが、具体的な行動は多様な理由から明かしていない。さらに5月12日には米MicrosoftのWorldWide Public Sector Chief Security OfficerのJennifer Byrne氏が来日し、サーバーセキュリティ対しての関わり方を語っている。11月5日にも、米MicrosoftからDirector of Cybersecurity Policy and Strategy in the Global Security Strategyand DiplomacyのAngela Mckay氏が来日し、日本政府へのセキュリティ対策に付いて説明した。ワールドワイドレベルでセキュリティに取り組む姿勢を示した。○新SurfaceシリーズやWindows 10 Mobileデバイス最後はハードウェア方面に注目したい。6月19日には「Surface 3」を発売し、11月12日には「Surface Pro 4」を発売した。一方、「Surface Book」の日本発売は2016年以降と時期は未定である。11月には、Windows 10 Mobile搭載デバイスの販売が始まったが、米Microsoft OEM Device担当CVPのNick Parker氏は「(日本マイクロソフトは)パートナーとまい進する」と語り、Lumiaシリーズの日本市場投入がしばらく先になることを暗に示した。このように2015年の日本マイクロソフトは、多方面でさまざまな展開を行ってきた。2016年も、我々をワクワクさせるような話題提供や新技術を期待したい。阿久津良和(Cactus)
2015年12月31日fossBytesに2015年月日(米国時間)に掲載された記事「Which Programming Language People Wanted To Learn The Most In 2015」が、Google Trendsのデータをもとに2015年に人気があったプログラミング言語のランキングを発表した。記事では近年、プログラミング言語を学ぼうというムーブメントが高まっており、2015年もプログラミング言語の学習に高い関心があったと指摘。2015年の締めとしてプログラミング言語のランキングをまとめたと説明している。2015年プログラミング言語の人気ランキングトップ10は次のとおり。JavaPythonCC++JavaScriptPHPRubyC#CSSSwiftJavaは2015年を通じて高い関心を集めて1位を獲得。しかし、通年で上昇を傾向を続けたPythonが2015年11月以降はJavaを抜いて1位につけており、2016年は通年で1位を獲得する可能性も見せている。もう1つ注目すべきは、AppleがSwiftをオープンソース・ソフトウェアとして公開したことでプログラマの関心を集め、2トップ10にランク入りした点。2016年はさらに順位を上げる可能性がある。順位の根拠とするデータの違いや基準の違い、重み付けの違いなどから、各種プログラミング言語人気ランキングは順位が完全には一致しない傾向が見られるが、おおよその順位とその移行の傾向は似ていることが多い。具体的には、全体としてJavaの割合が高いこと、PythonとSwiftが成長傾向にあることなどは、多くのランキングで一致している。
2015年12月31日今年も残すところあと2日。2015年を振り返れば、ラグジュアリーブランドを始めとする各社が、奇抜なアイデアとデザインで、クリエーティブかつユニークなキャンペーンを仕掛けた。なかでも話題を集めたニュースをピックアップしてご紹介する。街やデジタル上で目にした、最も印象深いビジュアル&ムービーは?■フレグランスボトルでボーリング!?シャネル「チャンス オー ヴィーヴ」の広告フィルムボーリングの球に見立てた「チャンス オー ヴィーヴ」のボトルを、モデルがレーンへ放つと、ピンに見立てた「チャンス」シリーズの3つのボトル「チャンス」、「チャンス オー フレッシュ」、「チャンス オー タンドゥル」に勢いよくストライクし、見事チャンスを掴み取るというストーリー仕立て。同広告は、長年にわたりアイコニックなフレグランス「チャンス」の広告を担当してきたジャン=ポール・グードが手掛けた。■グッチ、初のイメージムービー。16年クルーズコレクションの世界観を表現同ブランドでは初となるイメージムービーを制作。ニューヨークガレージで発表された16年クルーズコレクションの世界観をストーリー仕立てで表現した。街中を優雅に歩く女性の姿に魅入られた男性が、焦がれるように彼女を追って歩き始めるところから始まり、女性はすぐに自分を見つめる男性の存在に気づくが、笑みを浮かべながら歩みを止めずにどこかへと向かっていく.......。映像冒頭に登場する蜂のロゴは、クリエイティブディレクターにアレッサンドロ・ミケーレが就任して以降、多く用いられるようになったアーカイブロゴ。このロゴは、インビテーションなどにも用いられており、ウェアにも刺繍などでよく登場しているものだ。■異例のコラボ。ドナテラ・ヴェルサーチ出演のジバンシィ15-16AW広告ビジュアル過去にジュリア・ロバーツなど女優や、同ビジュアルのスタイリングも手がけるカリーヌ・ロワトフェルドを起用たジバンシィだが、同シーズンで、ヴェルサーチのクリエイティブディレクター、ドナテラ・ヴェルサーチをアイコンのひとりとして採用。他メゾンのデザイナーを起用した、初めてで異色のコラボレーションは、リカルド ティッシ、写真家マート・アラスとマーカス・ピゴット、M/M Parisなどによるもの。■ジャスティン・ビーバーがカルバン・クラインの顔に。ララ・ストーンと共演カルバン・クラインが、15年春のグローバル広告キャンペーンでジャスティン・ビーバーを起用。ジーンズとアンダーウェアのコレクションで登場し、スーパーモデル ララ・ストーンと共演した。ジャスティンは上半身裸に最新コレクションのジーンズとアンダーウェアスタイルで登場。トップレスのララとの共演カットは、過去にケイト・モスとマーク・ウォールバーグを起用した広告を彷彿とさせるビジュアルに仕上がった。■スティービー・ワンダー、話題のダンサー菅原小春とジャンルを超えたセッションミュージシャンのスティービー・ワンダーと、ダンサーの菅原小春が出演するTDKの新テレビCM「なにかと出会う。なにかが生まれる。」篇が話題となった。CMでは、白い壁のシンプルな空間でスティービー・ワンダーがキーボードを演奏しながら、73年の大ヒット曲「Higher Ground」を歌唱。その演奏と歌声に合わせて、菅原小春がダイナミックなダンスを繰り広げ、ジャンルの異なる2つの才能が“引き寄せ合った”様が収められている。同作について、スティービー・ワンダーは「まるで親戚のような昔からの顔なじみの仲間たちとの再会、そしてそこに加わる新しい家族のような仲間(菅原小春)の発見、この素敵な組み合わせで、最高な気分」とコメントした。■カールのファーチャーム、フェンディ「カーリト」がウェアやスニーカーに。5つのミニビデオ「Where is Karlito?(カーリトはどこ?)」フェンディが、限定カプセルコレクション「カーリト(KARLITO)」の発売を記念し、5本のミニビデオを制作した。各ムービーでは、5人のトップモデル、ジョアン・スモールズ、ナジャ・ベンダー、リリー・ドナルドソン、ケンダル・ジェンナー、ドウツェン・クロースをフィーチャー。それぞれ本コレクションのアイテムを身に着け、ウィットに富んだお茶目な表現で「カーリトはここ......カーリトは私とここにいる!」と主張している。14-15AWコレクションのキャットウォークでデビューしたカーリトは、1965年にフェンディのレディ・トゥ・ウェアとファー部門のデザイナーに就任したカール・ラガーフェルドがモチーフになったファーチャーム。■M/M Parisとサッセンが手掛けるパルコビジュアル14-15AWシーズンからスタートした、クリエーティブディレクターのM/M Parisと、写真家ヴィヴィアン・サッセンによるパルコの広告ビジュアル。「Lily, from Solstice to Solstice」としてFACE1からFACE4までシリーズ化されており、フェイスオブジェ、ゴールデンヘッド、モデルが登場。力強さ、華やかさ、美しさ、そして新しさという4つの要素を表現し、またそれぞれで四季の移ろいを感じられるストーリーになっている。■エールフランスがラブ&ポップな丸ごとフランスCM“France is in the air”と流れる中、飛行機の内部のようなセットを舞台にツールドフランスやクチュール、バレエ、スイーツなど、丸ごとフランスをイメージさせるエッセンスが盛り込まれたエールフランス航空CM。ミュージックビデオのようにモダンでポップ、そしてラブリー!
2015年12月30日パンケーキやカップケーキ、チョコレート専門店、レストランなど、本国で人気のショップが続々と日本に進出している昨今。2015年を振り返れば、日本初上陸を始めとするグルメやスイーツなどが味わえる新スポットが目白押しだ。そんな話題のグルメスポットを一挙紹介する。是非一度ご賞味あれ。■日本初上陸、行列を作ったグルメ&スイーツ店《スポンティーニ》行列が嫌いなイタリア人が並んでも食べたいという、人気ピッツェリアが原宿にオープンした商業施設・カスケード原宿と、リニューアルオープンした渋谷モディにオープン。大豆油をふりかけ、鉄鍋で揚げるようにじっくりと焼きあげることで底はカリカリに。厚さが約2センチというボリュームたっぷりの見た目とふっくらとした食感、日本人が想像するピザとは一線を画した独特のカリフワ感で人々から愛されている。メニューはチーズが乗ったマルゲリータ(1カット 830円、1ホール 4,800円)と、チーズなしのマリナーラ(1カット 780円)の2種類のみ。《ローラズ・カップ ケーキ》ロンドンNo.1人気のカップケーキ店が、同じくカスケード原宿2階に日本第1号店をオープン。イギリスに住むヴィクトリア(Victoria)とロミー(Romy)という2人の幼なじみが、友人たちにふるまったカップケーキの可愛いさが話題を呼び、オーダーメイドスタイルで販売を始めたことからスタート。ラインアップは、可愛らしい見た目が特徴の「CUPCAKES」(タイニー 250円から300円、レギュラー 460円から560円)や、本国でも人気のバースデーケーキにもピッタリな「SHOW GIRL」(3から4人前 2,500円、約20人前 9,500円)、シンプルに生地を楽しめるカットケーキ「Layer Cakes」(1カット 600円)など。《ドミニク アンセル ベーカリー》ミシュランの3つ星フランス料理店「ダニエル」のエグゼクティブ・ペイストリーシェフによるNY発ペイストリーショップ・ドミニク アンセル ベーカリーも、表参道に国内初出店。看板メニューはクロワッサン食感のドーナツ「クロナッツ」。リング状のクロワッサンを油で揚げたもので、クロワッサンのサクサク感とともに、バターがたっぷりと練り込まれた生地のふんわりとした食感も楽しめるのが人気!■オーガニックに切り替わるジャンクフード&ユニークな変わり種バーガー《シェイク シャック》明治神宮外苑のいちょう並木が立ち並ぶ通りへオープンした、NY発のハンバーグレストラン。2014年度版Zagat NYCでの「最も人気のあるニューヨークのレストラン」、タイム誌の「歴史上、最も影響のある17のバーガー」など、数々の受賞暦を持つ人気店で、今回が初のアジア進出。価格は代表的なメニューの「シャックバーガー」が680円と手頃な一方で、バーガーのパティにはホルモン剤を一切使用していない100%オールナチュラルのオーストラリア産のアンガスビーフを使用するなど、安心・安全な食材の調達にこだわりを持っている。《ベアバーガー》北アメリカを中心にオーガニックハンバーガーを小規模にチェーン展開しているベアバーガーの国内1号店が、自由が丘にオープン。店名の“bare”は“ありのまま”を意味し、ホルモンや農薬などを極力使わずに育てた食材を提供するという店の方針だ。《ラーメンバーガー東京》NY発祥、ロサンゼルスにも店舗を構える同店が、中野に日本1号店をオープン。「ザ・オリジナルバーガー」(723円)を中心に、オリジナリティー溢れるメニューの数々を展開する。「ザ・オリジナルバーガー」では、丸く成型して軽く焼き上げた自家製麺をバンズの代わりに使用。間にはアンガス牛100%のパティ、わけぎネギ、ルッコラなどの具材とともに、醤油ベースのタレが盛り込まれている。《アンド ザ フリット》ラフォーレ原宿と、ルミネ立川にオープンした、ベルギー発フレンチフライ専門店。本国から空輸した「ビンチェ種」を始めとした6種類の芋を、スティック状から半月型、ハーフ型など、それぞれの美味しさを引き出すベストなカットで提供する。自家製マヨネーズや特製トマトケチャップを始めとしたディップも、10種類の豊富なバリエーションで展開される。「シュガーバターフリット」や、「明太子バターマヨ」「ジンジャーレモンマヨネーズ」など店舗限定メニューにも注目。■チョコレート界に新たなブーム!“Bean to Bar”《green bean to bar chocolate》チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」のディレクターを務めるカカオ鑑定家のクロエ・ドゥートレ・ルーセルなど、チョコレートのパイオニアが集結する、中目黒の新体験型チョコレートショップ。扱うのは、市場を占める従来の製品とは異なり、“カカオ豆と砂糖のみ”を基本材料とした“Bean to Bar”チョコレートで、全工程を一貫して店内で行っている。100%オーガニックのサトウキビによる砂糖を用いた、タブレット、ボンボンショコラ、チョコレート・スラブなどの11種類の風味豊かなチョコレート製品を販売。店内にはチョコレート製品と合わせてビオワインなどのビバレッジを提供するカフェスペースも。■食のあり方を見つめ直す、スローフードとスローな時間《セージ・アンド・フェンネル》カリフォルニア発のスローファストフード店が、広尾にオープン。その土地ごとの伝統的な食事・食材を見直し、生産者や農家、それを口にすることによる健康について考慮された安心かつ安全な“スローフード”を、都会のライフスタイルに合わせてファストに提供し、食べることの楽しさを提案するレストランだ。四季折々の野菜を使ったスープメニューや、その場で切り分けるスロークックされた肉や煮込み料理などのホットメニュー、キヌアやヒヨコ豆を用いたサラダなどのコールドメニュー、コーヒーやビールなどのドリンクメニューなど、シェフの船山義規がカリフォルニアのスローファストフードから考案した、お腹いっぱい食べてもおいしくてヘルシーなメニューの数々が展開される。《離島キッチン》神楽坂に、国内約40の島々の伝統料理や食器などが集う離島キッチンプロジェクトの拠点となる飲食店型アンテナショップがオープンした。一軒家を改装して造られた店舗は、まるで凛と佇む離島のような存在感と重厚感を放つ。ランチには、日替わりの定食、どんぶり、月替わりで全国の島のメニューを提供する「島の特別コース」(2,500円)を、ディナーには、屋久島の「鯖スモーク」や、五島列島の「鯛茶漬け」、海士町の「サザエのつぼ焼き」などの料理(350円から1,280円)の他、淡路島の「あわぢびーる」、日本酒「杯千酒」、佐渡島の日本酒「北雪」などのアルコール類や、屋久島の「ジンジャーエール」、周防大島の「ほっとハチミツ」などのドリンク(500円から)を用意している。■京都に飲食スペースを併設したパスザバトンがオープン《パスザバトン京都祇園店》祇園新橋伝統的建造物群保存地区に、3店舗目のパスザバトンがオープン。京都の人々から集めたリサイクル品、京都の伝統工芸とコラボレーションしたアイテムなどを扱う他、伝統的な技法や心を大切にしつつ新しい“お茶”のあり方を提案する飲食スペース「お茶と酒 たすき」を併設。ここでは、1年中楽しめる“富士山の天然氷”を使ったかき氷や、お茶をベースにしたオリジナルカクテルなど、ここでしか味わえないメニューの数々が提供される。
2015年12月30日今年も残すところあと2日。2015年を振り返れば、都内や都内近郊、関西エリアなど、各地の主要地区に新たなランドマークとして様々な商業施設が誕生した。なかでも注目を集めた大きなニュースをピックアップしてご紹介する。年末年始のお出かけスポットの参考にいかがでしょうか?■渋谷、原宿、代官山エリアの新スポット代官山の東横線旧線路跡地に、新たな街のシンボルとしてログロード代官山がオープン。全長220メートルの土地には、5棟の商業店舗と、多くのベンチを配置した緑生い茂る散策路を建設。キリンビールの新業態・スプリングバレーブルワリー東京の他、アメリカ西海岸発ライフスタイル複合セレクトショップ・フレッド・シガール、ブルーボトルコーヒーが提供されることでも話題となった、サンフラスシスコで行列が絶えないタルティーン ベーカリー&カフェが日本初上陸を果たした。原宿エリアには、“食”のテナントを中心としたキュープラザ原宿が誕生。1から2階には、フラワーショップ、スムージーやコーヒーを取り扱うバー、カフェを併設した、アーバンリサーチのファストファッションブランド・センスオブプレイスがオープン。3階から11階までを占めるカフェ&レストランフロアには、カジュアルイタリアン・シャッターズ 表参道、ハワイアンカフェ&ダイニング・アロハテーブル ハワイアン スイーツ&タパス、タルト&カフェ・デリス タルト&カフェ、オレゴン州の老舗パンケーキ店・オリジナルパンケーキハウスなどがラインアップ。11月にオープンしたばかりの渋谷モディは、旧マルイシティ渋谷を全館リニューアルし生まれ変わった、カルチャー、音楽、飲食、旅行、娯楽施設などを展開するライフスタイル提案型の商業施設。オーストラリア発パイ専門店・パイフェイス、行列のピッツェリア・スポンティーニ、ヒューマンウェブのオイスターバー、HMVの新業態店舗・HMV&BOOKS TOKYOなどの飲食店から、カラオケ・レインボー、バラ専門店・フルーリスト ボン マルシェ ロゼなどまで個性的な店舗が入居する。■神奈川エリアの新スポット都内最大規模となる二子玉川駅周辺の再開発における中心事業、二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケットにも注目。11年3月にオープンした「二子玉川ライズ」に併設する形で開業したテラスマーケットでは、ザラホームやスペイン王室御用達のマヨルカ、そして、雑誌、書籍、カフェ、家電を織り交ぜた蔦屋書店の新業態ショップ・蔦屋家電など、全18店舗がオープンした。10月に開業した、神奈川県の海老名駅に直結の三井ショッピングパーク ららぽーと海老名のオープン時に注目を集めたのは、高島屋が提案する新しい編集型サテライトショップ・タカシマヤ スタイルメゾン。30から40代女性をターゲットとし、ウエアはもちろんのこと、ハンカチやお菓子などのプチギフトの品も展開されている。他、福岡発の神奈川県初上陸店舗、行列のできるフレンチトースト専門店・アイボリッシュも押さえておきたい。■関西地区の新スポット4月、大阪・梅田にルクア1100が開業した。地下2階から地上10階までで150の専門店と8つのisetanが入居。その他、アンダーカバーや、西日本初のビューティフルピープル、梅田 蔦屋書店、さらに青山フラワーショップが隣接したスターバックスコーヒーアトリウムガーデンや、フラワー販売コーナーも設けるエストネーションなども。8月、京都・河原町に京都BALが大規模リニューアルを経てグランドオープンした。厳選された33店舗のなかでも注目が高まったのは、ロンハーマンの国内最大級店舗で、フロア内にはロンハーマンが展開するカフェ、アールエイチカフェも併設されている。その他、京都初上陸となるザ・コンランショップや、トゥデイズスペシャル、国内初出店となるコールドプレスジュースのデイビットオットージュースや、ハワイアン アイランズ コーヒーにも足を伸ばしてみたい。11月には大阪の万博記念公園に、日本最大級の大型複合施設・エクスポシティが堂々誕生した。全305店舗を構える「三井ショッピングパーク ららぽーとEXPOCITY」と、8つのエンターテイメントによる複合型施設となる同店。エンターテイメントには、海遊館が初めてプロデュースを手掛けたミュージアム「ニフレル」、動物たちの移動遊園地「アニポ」、シネマコンプレックス「109シネマズ大阪エキスポシティ」などがオープン。ショップには、ロンハーマンのコンセプトストア・RHC、ポロ・ラルフローレンなど関西初出店となる店舗を始め、ケイト・スペード ニューヨーク、アーバンリサーチ、ビームス、M・A・C、ニールズヤードレメディーズなど人気店が軒を連ねる。■銀座エリアの商業施設建設ラッシュ銀座のニューメルサがイグジットメルサとしてリニューアルオープン。物販27店舗、飲食11店舗、サービス1店舗の計39店舗が出店。代表店舗は、ライフスタイルショップ・CLASKA Gallery & Shop“DO”、世界のベビーブランドを集積した育児ライフストア・pam&more、レストラン・RACINESのミートボール専門店・RACINES Meatball & Local Table、恵比寿の人気店・ビストロ間の新業態・Restaurant Airなど。再開発が進むここ銀座エリアは、16年3月31日に寄屋橋交差点へ東急プラザ銀座、16年夏に銀座4丁目交差点へ銀座プレイスなど、続々と新施設が開業を控える。
2015年12月30日2015年も残すところあとわずかとなりました。年越し前に美容室へ行きたい!という方も多いですよね。まだサロンへ行けていない方は、31日まで営業しているサロンも多くありますので、まだ間に合いますよ!2015年をすっきりお気に入りのヘアスタイルで締めくくれますように。今回は今年ランキング殿堂入りを果たしたスタイルの中からレングス別にピックアップしてご紹介します。■ショートヘア:万能型ショートヘアスタイル前髪は目の上で流れるように切り襟足とサイドはタイトに!レイヤーをバランスよく入れ髪の毛に動きをつけるとふんわりと柔らかい印象になり可愛いです。■ボブ:黒髪でも可愛い☆大人ボブ少しウェービーなボブヘア。黒髪なら大人可愛い甘辛テイストに♪■ミディアム:大人可愛い艶×抜け感スタイル大きく揺れるような自然なカールが、重さを感じさせない柔らかな質感にしてくれます。■ロング:大人グラムなフェミニンロング『最先端デジタルパーマ』を導入して、柔らかなきしみの少ないカールに。■エクステ:エクステをつけて軽くなった毛先に厚みを♪レイヤーが多めに入った毛先で軽くなっていたので、長さは変えずにシールエクステを16本付けて厚みをだしたスタイル。■メンズ:外国人風柔らかパーマ日本人特有の固い髪の毛を柔らかく見せられるように仕上げています。 ・美容室検索サイト「ビューティーナビ」 毎週月曜更新:週間ヘアスタイルランキング ※掲載協力:ビューティーナビ
2015年12月29日2015年も残すところ数日。今年もGODMake.では、Q&Aコーナーにて配信している、日々のメイク悩みが解決できる動画でテクニックをたくさんご紹介してきましたが、今回は今年ご紹介した解決動画の中から、もう一度おさらいしたい動画をピックアップしました!【濡れ肌メイクに仕上げるベースメイク術】セクシーな色気が溢れる「濡れツヤ肌」。じんわりとした色っぽ肌は魅力的だけど、自分でやろうとすると、どうも崩れやすくなりがちですよね。プロがやり方、教えます!【目の下チークでクマを隠す方法】今年流行の「目の下チーク」クマカバーにも便利っているけれど、逆に目立ってしまっている子も多いですよね!?上手く取り入れる方法はこちらです!【カラー別で印象を変える下瞼メイク】下まぶたって、ちゃんとメイクしてますか?カラーメイクなら、上まぶたにのせるよりずっと取り入れやすいし、シャドウ使いによっては目が大きく見えたり、顔の重心が下がって可愛らしく見えたり、オシャレ度が増したり…とにかくメイクしないなんてもったいない!まずは3パターンのシャドウを教えます。【華やかで男ウケの良いリップの塗り方】近年流行の濃い色のリップ。とっても魅力的だし、取り入れるだけでオシャレに見える優れもの。だけど一方で、メイクが濃く見えてたり、男の子からの印象は微妙なのかな?って思ってないですか?自然な血色風にすれば、こんなに可愛いんです!【1分で出来る!ねじりヘアアレンジ】雨の日やうっかり寝坊しちゃった日など、髪を巻いてる場合ではない日ってありますよね?だけど、後ろで1つ結びなんて、手抜き感満載…。そんなときは、簡単ねじるだけ!のこのヘアスタイルはいかが?【粉々になったパウダーファンデーションを元通りにする方法】お気に入りのパウダーファンデーション。ポーチを落としてしまったときの衝撃や、残りが少なくなったときに、割れてしまって悲しい思いをしたことがある方も多いのでは?そんなファンデを復活させるテクはこちらです!【仕事帰りのメイク崩れにお助け!さっと出来るお直しテク】メイク直しをする時、ただパウダーを重ねてテカリを無くすだけのお直しだと、またすぐにメイクヨレしてまう原因にもなってしまいます…。そんな時はスティック美容液でさっとお直ししてみて!自然なツヤを出しながら綺麗なお肌に仕上げる事が出来ますよ♪なりたい印象別のチークの選び方のコツも教えちゃいます!参考になる動画はありましたか?もっと知りたい!という方はコチラをチェックしてくださいね♪
2015年12月28日●各ファウンダリのプロセス技術をまとめる2015年11月に米サンタクララで開催されたARM TechCon 2015のレポートは既に3本ほどお届けした(その1、その2、その3)が、このレポートはちょっと毛色を変えて、そこで紹介された各ファウンダリのプロセス技術をまとめてみたいと思う。12月に開催されたARM Tech Symposiaの場合、日本国内の半導体メーカーの減少に加え、新規にARMのIPを使って自社専用のASICを起こそうという顧客も少なくなったので、ARMの最新技術と、パートナー企業によるARMのIPを使って製造されたSoC(アプリケーションプロセッサとMCU)の製品紹介が主になる。しかし、ARM TechConの場合、実際に自社でASICあるいはASSPを作ろうと計画しているメーカーのエンジニアがやってくる。これもあってか、Technical Sessionの中には少なからずプロセス絡みの話が入っている。特に先端プロセスに関しては、ファウンダリによるものに加えて、EDAツールベンダーとメーカーが共同で発表を行うことも珍しくない。例えば今回でいうと、TSMCの10nm FinFETプロセスに対するCPUコアのImprementationは、ARMとCadenceの共同セッションであった。ただ、ここでは普段の記事などで出てくる「xxプロセスなので消費電力が減るor動作周波数があがる」的な話はあまりない。何故ならその話をするには、あまりに多くのパラメータが絡んでくるからである。とはいえ、ファウンダリ3社(TSMC、Samsung、GLOBALFOUNDRIES)の先端プロセスの話を聞ける有意義な機会であることに間違いなく、実際Intel以外の製品はこれら3社のどれかのプロセスで製造されているから、ここで出てきた話は自ずと未来のPC向け製品の話に繋がってくる。ということで、いくつか目に付いたトピックを紹介したい。○TSMC 10FF - メリットは大きいが設計がより困難に「メモリ以外の」生産能力という意味では言うまでも無く世界最大のファウンダリとなっているのがTSMC(Photo01)。TSMC以外のデータは? ということではやや古いがこちらを参照してほしい。リンク先のFigure 2を見ると、300mmウエハのトップ4はどれもメモリベンダーで、ここからメモリを抜くと間違いなくTSMCがトップである。またメモリにはもう使われない200mmウエハでもTSMCがトップになっている。同社はGIGAFAB 12/14に加えて15も台湾に保有しており、今度は中国に16nmプロセスのFabを作るとか作らないとかいう話になっている(Photo02,03)。ここから考えると、今後も間違いなくトップリーダーの立場を維持していくだろう。さてTSMCのプロセスについて紹介すると、すでに16FFと16FF+は量産を開始している。これを利用した最終製品としてAppleのA9が広く出荷されているのはご存知の通りだ。16FFと16FF+は順調ということもあり、いまの関心は10nmに移りつつある。TSMCによると、10FFでは従来とおなじ動作周波数なら70%のリーク削減、同じリークならば動作周波数30%アップ(Photo04)としている。16FF+の場合、動作周波数を基準の1.4倍あたりまで引き上げたあたりでリークが急増、1.8倍あたりで垂直とは言わないまでも猛烈な跳ね上がり方をしているのが、10FFでは大分なだらかになっているのが分かる。一方エリアサイズ(Photo05)も、大幅に削減可能だ。もともとTSMCの16FF/16FF+もSamsung/GLOBALFOUNDRIESの14LPE/14LPPも、トランジスタは16/14nmだが配線層は20nm相当なのに対し、10FFでは10nm相当のものになるから、理屈で言えば密度は4倍になる計算だ。もっとも実際にはそこまで高密度化できない(特に配線層の制約が大きい)のだが、それでも大雑把に言って密度を倍にできるとしている。また先にLeakage、つまりStatic Powerの削減が成し遂げられるという話はあったが、Dynamic Powerもおおむね37%削減できるとしている(Photo06)。とまぁここまでは良い事尽くめの話なのだが、ここから先は面倒な話が出てくる。10nmの設計は基本的にはevolution、つまり16nmの延長線上にある(Photo07)というのだが、IR drop(配線抵抗と電流の積、つまり消費電流)が非常にクリティカルになるという。またDRC(Design Rule Check)のルール数も着実に積みあがっており、設計が壮絶に難しくなることが示されている。この設計のための指針がこちら(Photo08)なのだが、さらっととんでもないことが書いてある。これについては後で別の例が出てくるのでその折に触れるが、とりあえず設計はできても、そこから最適化に果てしない時間が掛かる(か、猛烈なコストが掛かる)という話である。そのDesign Considerationはいくつか挙げられているのだが、先のPower Gridまわりで言えばPhoto09のような話がある。これは最適化しないPower Gridと最適化したものでは、同じ動作周波数でもエリアサイズが変わるというもので、Cortex-A9の場合に何も考えずに設計するとエリアサイズが1割ほど大きくなるという結果が出ている。もっと複雑な最近の回路では、もう少し差が大きくなるかもしれない。配線層だが、10FFではPhoto10のような形になるそうである。最終的に配線層がどの程度になるかは設計次第だが、さらに層数が増える事は間違いない。余談ながら、10FFの場合M1~M3の構築にはDouble Patterningが必須となるそうだ。○10nm世代で必要とされる"Coloring"さて、10FFでもう一つ、今度はARMとCadenceによるスライドを簡単に紹介する。P&R(Place and Routing)に関して、28nm世代からDouble Patterningが必須になったが、10nm世代ではもうDouble Patterningでは限界ということで、Triple Patterningが必須になった。この結果として、新たにColoringと呼ばれる概念が導入されることになった(Photo11)。Coloringとは? という話は後述するとして、Photo12はDRCの数字だが、先のPhoto07と比べると20nm以降で急に増えているのがわかる。このあたりはEDAツールによっても変わるのだろうが、設計の際の制約条件がどんどん増え、最適解を見つけるまでの時間がより掛かる傾向にあるのは間違いない。続いてColoringとは何か? の話。Multi-Patterningの場合、隣接する配線は別々のPatternにしないといけない(でないとパターンがくっついたり変形したりしてしまう)という問題がある。これを避けるために、配線というかパターンに仮想的な「色」をつけて区別するのがColoringという技法である。これを判りやすく示したのがPhoto13である。右上が悪い例で、このままだと緑のパターン同士が隣接しているので、このままリソグラフィを掛けると2つのパターンが分離不十分になる危険性がある。これを避けるためには、Color Orderを変えるとか、Cellの構造を反転させる、あるいは間を余分に空けるなどの配慮が必要である。Photo13のような構図だけだと簡単と思われるかもしれないが、実際にはウン十億のトランジスタを集積した、ウン億近いゲートが集積される回路でこれを満たすのは(しばしば長い配線などもあることを考えると)非常に難しい。この隣接した同じ色同士の配線の接触防止をOdd cycle prevent(奇閉路防止)と呼ぶが、これも設計時には配慮する必要がある(Photo14)。ちなみにここに出てくるGigaPlaceとかNanoRouteは、Cadenceの提供するEDAツールの名前だが、10nm世代ではこういうツールを使って配置配線を行わないとうまく行かない、という域に達している事を物語っている。先のPhoto12にも出てきたが、40nm世代あたりまでは手配線部分を残して最適化という話は良く聞いたし、28nm世代でも一部のメーカーは手配線で最適化といった話をしていた。ところが16nmとか10nm世代では、Photo12のグラフにも示すようにDRCの数が飛躍的に増えており、そろそろ人間の手作業で最適化とかがかなり難しい状況になりつつあることを示しているともいえる。●Broadcom/TSMC 16FF○Broadcom/TSMC 16FFBroadcomはVulcanというARMv8-Aベースのコアを開発するという話は2013年に公表されており、2014年には内部構造の概略なども明らかにされた(Photo15)のだが、今回同社は"Optimized Implementation of 3GHz+ ARM CPU Cores in 16nm FinFET Technologies"というタイトルで、このコアの物理実装の話を紹介した(Photo16)。さてそのVulcanの設計目標だが4Pで1.2W~8P 12Wまで。コアあたりにすると0.3W~1.5Wというかなり低い数値となる(Photo17)。BroadcomはARMv8-Aのアーキテクチャライセンスを受けて独自にインプリメントを行っているので、性能/消費電力のカーブは既存のCortex-A57/72などとは異なったものになるが、性能レンジはそのCortex-A72などを上回るところに持ってゆきたいという話となっている(Photo18)。さて、ここからはインプリメント側の話をいくつか。Photo19はIR Dropを最適化する技法を比較したもので、なるべく精度を高めたほうがIR Dropの無駄なマージンを減らせるという話である。ただ、当然これには時間がかかってしまう。このIR Dropの設計サイクルをまとめたのがこちら(Photo20)。要するにもうひたすら配置配線以下の作業を繰り返すことで少しづつ最適化を図ってゆこう、という話である。この技法をいきなりVulcanにやるのもアレだと思ったのだろうか、同社はVulcanの物理設計に先立ち、Cortex-A15やCortex-A72を使っての実装のテストを行っていた。Photo21は28nmプロセスを使い、12 TrackのCell LibraryでCortex-A15を実装した結果だが、普通にやると1.5GHzあたりが限界で、その先は消費電力が急増して使い物にならないと判断された。ただしそこからClock Treeに繋がるFlipFlopの構造変更(Photo22)やClock Treeそのもののやり直し(Photo23)、L2やRegister Fileなどの手配線による最適化(Photo24)、配置の見直し(Photo25)などを行った事で、エリアサイズを縮小しつつFmaxを向上させることが出来たとする(Photo26)。この知見を元に、Cortex-A72を16FF+で設計したところ、当初の2.5GHz駆動から3GHzまで動作周波数があがり、エリアサイズを7%縮小し、消費電力も0.34W削減できた(Photo27)というのがBroadcomの発表の〆である。つまり16FF+を使っても、3GHzまでの動作周波数を実現するのは可能であるが、ただしそのためには物理設計の最適化に半年掛かる、という事も明らかになった形だ。大雑把に配置配線→最適化の一巡に2カ月掛かるという話で、これを長いと思うか短いと思うかは難しいところだ。●Samsung 14LPP○Samsung 14LPPTSMCに対抗するのはSamsung/GLOBALFOUNDRIESの14LPEと14LPPである。こちらはTSMCよりも若干立ち上がりが遅れつつも、第1世代である14LPEはやはりAppleのA9に採用されており、間もなくこれを改良した14LPPの量産が始まると思われる。すでに複数のAMD製品が14LPP向けにTapeoutしたことがアナウンスされており、これは次世代CPUコア「Zen」と、場合によってはGPU製品も含まれている可能性がある。ちなみにこの製品がGLOBALFOUNDRIESだけでなくSamsungで生産される可能性があるといったニュースが昨今出ているが、そもそも両社は同一のプロセスを提供しているから、これは不思議でもなんでもない。さて今回GLOBALFOUNDRIESは14LPE/14LPPに関するセッションは一切行っておらず、その代わりにSamsungが何回か14LPPに関するセッションを行ったので、この内容をご紹介したい。以前の記事でも触れたように、14LPPは14LPEの高性能版という扱いであったが、どう高性能化したか? というのがこちら(Photo28)だ。要するにFinの高さを引き上げる事で、より駆動電流を増やした形だ。このあたりは、Intelの22nm世代ではHigh-Speed Logic向けとSoC向けでFinの高さだけでなく幅も変えたことと対照的だ。ただ14nm世代ではそもそもFinが薄くなりがちで、高さを引き上げるのはそれなりに難しい筈だが、今回は流石にそのあたりの話はなかった。いずれこのあたりは学会あたりで何かしら発表があるかもしれない。さてその14LPPを利用してSoCを製造するための最適化技法(DTCO)のスライドを何枚か紹介する。何度か言われてきたことだが、FinFETの世代ではゲートの幅などを微調整するといった技法は使えないため、基本的にはFinを何本構築するかという形による性能調整しかできない。そのため性能値は離散的な振る舞いになる(Photo29)。問題は14LPE→14LPPでは、そのまま高さが増える形になるので、例えば14LPEだったら3Finが必要だったところが14LPPでは2Finで済むといった事も起こりえる。なので設計をやり直すのであれば、よりエリアサイズが縮小できる場合もある。またSRAMに関しては、これもFinFETの寸法をいじれない関係で、それほど構成が取れず、性能に関するパラメータが限られるという制約があるが(Photo31)、これに関しても14LPE→14LPPで安定性を増す方向に特性が変わるとしている(Photo32)。さてここからはその14LPPのもう少し詳細だが、14LPEでは9TrackでCPP(Contacted Poly Pitch)は78nmのみが提供されたのに対し、14LPPでは10.5TrackのCell Libraryが提供され、またCPPには78nm以外に84nmも提供されるようになった(Photo33)。Samsungはそれぞれを次のように分類している(Photo34)。9T/78CPP:High-density9T/84CPP:High-Performance10.5T/84CPP:Ultra High-Performanceただ、一般的に言えばスマートフォンなどのSoC向け:High-densityGPUなどの高密度/高性能向け:High-PerformanceCPUなどの高性能向け:Ultra High-Performanceといった使い分けになるかと思われる。ちなみに78CPPと84CPPでは、必ずしも78CPPが小さくなるとは限らないという説明がこちら(Photo35,36)。そのため、実際には78CPPと84CPPのエリアサイズの差は、もう少し小さくなる可能性がある。最後に、これはSamsungではなくSynopsysの講演であるが、16コアのCortex-A53を集約したNetwork向けのSoCを構築した場合のトライアルの結果が簡単に触れられていた。曰く、9Track Libraryを使ってのQuad Core Cortex-A53のCPU Clusterのインプリメントはおよそ4週間で可能だったとの事(Photo37)。これを9Trackのままと10.5Trackに移植して最適化を行った結果がこちら(Photo38)。10.5Trackだと電圧を変えずに4%ほどの性能改善が可能になったが、エリアサイズでは1割ほど増えているという試算になっている。○GLOBALFOUNDRIES 22FDX2015年7月、GLOBALFOUNDRIESは22nm FD-SOIを提供することを発表したが、今回はこの22FDXに関する詳細のセッションがあった。まずFD-SOIの位置付けがこちら(Photo39)。2015年7月の説明でも14nm FinFETを補完する位置付けとあったが、実際に22FDxは28SLPと同等のコストで、14LPPよりやや遅い程度の性能を提供できるとする。その22FDXであるが、ベースとなるライブラリはinvecasが提供する8 TrackのCell Libraryで、Power ManagementやCacheなどに関してはGLOBALFOUNDRIESからライブラリやマクロが提供される形だ。今回の発表はこれを利用して、Quad CoreのCortex-A17を実装したという話である(Photo41)。Floor Planは28SLPのケースと余り変わらない(Photo42)そうである。さて、問題のBody Bias。Lower LayerにBody Bias用の電源層を1層追加し、ここから各トランジスタにBias電圧を供給する形となる(Photo43)。で、本来のトランジスタの駆動電圧よりもずっと電圧が高い関係で、このBody Bias用のネットワークの間隔は広めに取らないとまずいとの話であった(Photo44)。では実際にBody Biasを使うと特性がどうなるか? というのがPhoto45である。FBB(順方向ボディバイアス)を使うと、スイッチング速度が上がるので動作周波数を引き上げ可能で、逆にRBB(逆方向ボディバイアス)を掛けるとリークが減るので省電力に向いている。具体的には、同じ消費電力なら30%性能アップ、同じ動作周波数なら45%の消費電力ダウンが期待できる(Photo46)ということで、さらに配線も22nm相当にシュリンクされるから、エリアサイズも削減できる。実際FD-SOIウェハのコストアップ、あるいはBody Biasを実装するためのコストアップは、このエリアサイズ削減で相殺できるというのが同社の主張である。もっともこれに関しては、現時点では少なくともDesign Inしたというアナウンスは皆無である。一応Cadenceはこの22FDXに対応したEDAのToolchainを提供するとしており、設計フローはBulk CMOSとほぼ同等とGLOBALFOUNDRIESは説明してはいるが、それをそのまま字義通り受け止めるユーザーは居ない、ということだろうか。ということで、ARM TechConに絡む形で最近の先端プロセスの動向をご紹介した。これが実際の製品にどう反映されてゆくか、という話は(恒例の)新年特集でも触れる予定だ。
2015年12月28日今年も残すところあとわずか。2015年を振り返れば、ファッションカルチャー主要各地フラッグシップショップが相次いでオープン、リニューアル移転を遂げ、新たなファッションスポットとして誕生した。なかでも業界を賑わせた大きなニュースをピックアップして紹介したい。■海外の高級ブティックが都内に続々オープン2014年に引き続き、今年も青山・表参道エリアではオープンラッシュが相次いだ。3月、ミュウミュウ青山店がみゆき通りに移転オープンを遂げ、その1ヶ月後には隣接してステラ・マッカートニーが08年にオープンした青山店を移転オープン。12月のサンローラン国内初旗艦店をはじめ、11月のマーク ジェイコブス青山旗艦店リニューアル、9月にGYRE1階へオープンしたアミ アレクサンドル マテュッシの海外初旗艦路面店オープンも記憶に新しい。そんなラグジュアリー激戦区のなか、15-16AWに始動したばかりのコンバースジャパンによる新ブランド・コンバース トウキョウが青山みゆき通りに1号店をオープンさせたことも業界には大きなニュースとなった。青山が盛り上がりを見せる一方、原宿エリアでも4月、アディダス オリジナルスがキャットストリートに国内初の旗艦店・アディダス オリジナルス フラッグシップ ストア トウキョウのオープンに続き、7月、その斜向かいにリーボック クラシック初直営店・リーボック クラシック ストア 原宿が新スポットとして誕生した。丸の内・銀座エリアも、東京の玄関口に誕生した新路面店イッセイ ミヤケ 丸の内を皮切りに、銀座中央通りのマイケルコース国内最大旗艦店、同じくモンクレール国内最大旗艦店・モンクレール銀座や、クリスチャン ルブタンのアジア初となるバッグ&レザーグッズオンリーブティックを銀座と梅田に出店した。さらに、ドーバー ストリート マーケット ギンザのリニューアルでは、6階の一部を店舗として増床し、新たに、グッチ、ヴァレンティノ、プラダなどのラグジュアリーブランドの取り扱いを強化した。その他エリアとして、新宿三丁目交差点に堂々オープンしたバーバリー国内最大級の路面店バーバリー新宿も押さえどころ。■ヴェルサーチの直営店3店舗が一挙オープンそんなオープンラッシュの中でも最も勢いを見せたのは、ヴェルサーチではないだろうか。4月に南青山のヴェルサス ヴェルサーチ国内初となる直営店、7月には銀座5丁目にアジア初ヴェルサーチ ホームの路面店がオープン。そして、12月、09年に紀尾井町の本店が閉鎖されて以来、待ち望まれたヴェルサーチのフルラインがそろう旗艦店が銀座に復活した。■新宿伊勢丹&伊勢丹メンズのエッセンスを凝縮した新業態のセレクトストア4月に東京ミッドタウンにリニューアルを含む七つのショップがオープン。中でも注目されたは、伊勢丹新宿店のエッセンスを凝縮した新業態のセレクトストア・イセタンサローネだ。広々とした2フロアの空間には、サカイやハイク、マメ、タロウ ホリウチ、マノロ ブラニク、セルジオ ロッシ、フェンディなどトレンドに敏感な女性たちに向けた国内外のブランドをラインアップ。続いて12月には、イセタンサローネ メンズが丸の内の新東京ビル1階にオープンした。ここでは、メゾン マルジェラ、トム ブラウン ニューヨーク、マーク ジェイコブス、メゾン キツネ、ビズビムなど新宿店メンズ館のダイジェスト版といったブランド構成。999.9の眼鏡、帽子ともに丸の内エリアで最大レベルとなる品ぞろえや、ジャン=ポール・エヴァンの新形態となるチョコレートバーなどにも注目したい。年末年始のお休みを機に、今年誕生した新たなファッションスポットを訪ねてみてははいかがだろう。
2015年12月27日