モトヒロ タンジ(Motohiro Tanji)の2017年秋冬コレクションが、2017年3月21日(火)に渋谷・ヒカリエで発表された。逆さ富士。これをインスピレーション源とした今シーズンのテーマは「Reflected in the water」。誰もが日常で目にしたことがある、水面に映る自然物を投影している。前後を横に回転させてつなぎ合わせたり、クルーネックを上下逆にしたり、2つのニットはある一つの境界線で区切られている。鏡面対象のデザインは無作為にも見えるほど自然で、平編みからケーブル編み、かぎ針編みまでがひとつの服に共存している。さらに、モヘアやベビーカシミア、それから繊細なウールまで体を包み込む素材は、想像にあまりあるほど豊富。それはおそらく、自然の中の多様性を表していて、それがより明確になっているのが模様の取り入れ方だ。モトヒロ タンジがランウェイでこれまで見せてきたのは、あくまでホワイトだった。そこに今シーズンは新鮮な色柄が差し込まれている。それらは刺激的なものなんかではなくて、ナチュラルで優しさにあふれている。選ばれたテキスタイルは、アーガイルやノルディック、カラーはブラックやグレー、富士を想起させるようなブルーが採用されいてる。秋冬にしか見られないモトヒロ タンジのランウェイで、こんな新鮮な出会いができたことは、また1年後のクリエーションに期待せずにはいられなくなる。リメイクデニムと合わせ、これまで引き続き提案してきたデイリーに取り入れる特別なニットたち。スタイリングは変わらなくとも、クリエーションはこれからも静かに進化をみせてくれそうだ。
2017年03月24日ウジョー(Ujoh)の2017-18年秋冬コレクションが、2017年3月20日(月)、東京・渋谷ヒカリエで発表された。ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)の若手デザイナーサポートプログラムの支援を受け、イタリア・ミラノに進出して以来、フランス・パリや北米、アジアなど海外での活動も活発化しているウジョー。ファッションの中心地での経験を経て、さらにアクティブなブランドへと成長を遂げるために、一度固定観念を壊すように、挑戦的なワードローブを目指した。ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)のパタンナーとして活躍していた経歴通り、美しいパターンが魅力のブランドではあるが、デザイナーの西崎は、そこをあえて脱却するようなシルエットに挑んだ。シャツのレングスを最大限伸ばしたドレスには、柔らかい印象のカラーレスコートを合わせた。例に挙げたルックでもわかるように、レイヤードでのスタイリングが進化を遂げている。コートに開けられたボタン付きのスリットからは、シャツのフリルが垣間見え、生地感のコントラストを演出。タートルネックのロングニットは、裾をアシンメトリーにし、隙間のある方にはベルトを施した。そこからは、クラシカルなチェック柄や壁紙に使われていそうな水玉柄のボトムスが見え隠れし、テキスタイル同士の響き合いを感じることができるだろう。西崎は、レイヤードすることで生まれる重厚感を取り除き、むしろ重ねることで引き算が生まれるようなコーディネートを目指す。引き算の達成には、生地感のコントラストだけでなく、スポーティとクラシカルの対比、かっちりとしたアイテムのパターンを再構築することなどの積み重なりによって、“新しい”価値観が生まれつつある。ウジョーが描く未来に期待したい。
2017年03月23日グローイング ペインズ(GROWING PAINS)が、2017年秋冬コレクションを2017年3月20日(月)に発表した。今シーズンのインスピレーション源となったのは、戦場で人々を助ける「ナース」だ。会場となった夜の駐車場の暗く無骨な空間には、うっすらと赤いライトが照らされ、まるで戦場を思わせるような緊迫感のあるムードが漂う。コレクションは、危険な戦場に果敢に立ち向うナースの”強さ”と”フェミニンさ”を表現。甘く女性らしいルックが登場したと思えば、兵隊を思わせるようなタフでマスキュリンなルックが、そして時にはそれらが1つのピースに共存しているようなルックも展開された。ファーストルックを飾ったナースのエプロンのようなワンピースは、あえて固くハードな印象のエナメル素材を採用。ボリューミーに広がるスカートや、ピンクとホワイトのストライプ柄に幾つも配されたリボンが甘いムードを放つシャツが、ブラックに光るエナメルとコントラストを成している。フリルが優雅なワンピースにも黒のレザーを採用し、女性らしさの中に秘めた力強さを表した。大戦が佳境を迎えた40年代のミリタリーやナースをイメージした要素もあちこちに散りばめた。フリルをあしらった真っ白のワンピースは、まさにナースのイメージをそのまま落とし込んだような1枚。ボリュームを持たせた袖や、ウェストをキュッと絞ったシルエットが40年代らしい。カーキのレザーコートには、セーラー服のような襟を配して。また、防弾チョッキのようなレザーベルトや、迷彩柄のダウンも登場した。ゆるやかになびくロングスカートや、ボリューム感のある肩でアンティークなムードが漂う一方、トレンドを取り入れた現代的なディテールや素材も目を引いた。イエローのダウンジャケットは肩口を大きく落とし、シティライクな着こなしに。パンツは蛍光カラーのラインが、都会的でスポーティな印象だ。
2017年03月23日HARE(ハレ)の2017-18年秋冬コレクションが、2017年3月20日(月)、東京・品川にあるWAREHOUSE Konanで発表。ブランドとして初めてのランウェイショーとなる今回、ブランド名でもある“ハレ”をテーマに、晴れ着を日常着に落とし込んだワードローブを展開した。普段我々が慣れ親しんでいる洋服に、和のテイストを盛り込むことでテーマを反映。「帯」を重要なパーツとして選択し、絞る・結ぶことにより強弱のあるシルエットを生み出した。従来の使い方の通り腰に巻き、ベルトのように使用するだけでなく、袖に巻きつけフリンジのような見た目に仕上げるなど、そのアレンジの仕方が際立った。そのメリハリがより感じられるのは、和服が持つ独特の空気感・ボリューム感を再現したからだろう。袖の幅はゆったりとしており、肩は少し落ち気味。空気をはらんでいるからこそ、シェイプした時に浮かび上がる独特のフォルムがより美しい。ブランドらしいブラックのパレットに載せられたのは、日本で高貴とされている紫や臙脂、赤といったカラー。さらにプリントや刺繍では、“晴れ”の文字を5種類の書体で書いた筆文字を表し、ワードローブに奥行きをもたらしている。なお、これらの“カリグラフィー”アイテムは、すでに公式オンラインストアと原宿の旗艦店で販売。「See now, Buy now」を取り入れる姿勢も、ファッションに対する姿勢を表している。
2017年03月23日バルムング(BALMUNG)の2017-18年秋冬コレクションが2017年3月20日(月・祝)に発表された。今シーズンは「あのころ」をテーマに、デザイナー・HACHIの幼少期の記憶を巡るウェアを披露した。自身が生まれた田舎町で遊んでいた頃の思い出や印象を衣服に閉じ込めた。今シーズンのキーワードでもある「子供の頃の記憶」はセーラー風トップスのほか、デザイナー・HACHIが自身で描いたという少年のイラストが物語っている。さらに自身が冬生まれなこともあり、冬の冷たい空気や雰囲気がウェアのカラーパレットとなった。アイシーでくすんだブルーやグレー、ホワイトなどがメインだ。「今回は布を遊んだ」と彼が語る通り、いつにも増して造形的で分量感たっぷりのフォルムも目につく。小さい頃ボリューミーなシルエットの衣服ばかりを着ていたそうで、そんな記憶とリンクしている。建築的なボリュームのあるトップスやフード付きアウターのほか、スリーブを紐でキュッと絞るデザインのトップスなどがその一例だ。さらに、そんなフォルムを形作るユニークな素材使いにも注目したい。ホワイトとアイスブルーの霜降り柄にボタニカルを合わせたようなトップスの素材は、よく見ると透明。クリアなポリエステル素材にグラフィックを転写し、見えている白い部分は裏から透けているものだ。ダウンのような感触の一着は間近で見てこそ、その魅力に気づく。
2017年03月23日ティート トウキョウ(tiit tokyo)の2017-18年秋冬コレクションが、2017年3月20日(月・祝)に発表された。ランウェイには、小松菜奈、松井愛莉も参加し、海外コレクションでも活躍している福士リナ、ストリートでも人気の高いモデル宮本彩菜といった豪華な顔ぶれのモデルが揃った。日常に描く夢をテーマに、これまで少女の儚さや切なさをファッションを通して綴ってきた、ティート トウキョウ。今季は「hers」をテーマに、インターネットなどのインフラが整っていない時代、空想を膨らませながら見たことのないものに思いを馳せた、懐かしいときに焦点を当てている。手掛かりとなったのは、映画『スーパーエイト』。2人の少年がわずかな知識と考えをもとに冒険へ出る物語で、スティーヴン・スピルバーグも制作に参加しているSF作品だ。作品の世界観をファッションに落とし込む。パンツのセットアップは、ゆったりとしたシルエットでパジャマ風に。スカート&ジャケットのスタイルは、異素材を重ねたりアシンメトリーなカッティングをしてノーマルからは遠ざけた。フォーマルはゆるさと程よいバランスで混ざり合い、フェミニニティはマスキュリニティと出会い、どのピースも一つのものにはカテゴライズできないほど独立し、雑多な印象すら受ける。デザイナーがこだわったというテキスタイルは、オリジナルが7~8割。シルクなど様々な形状の糸から織られたツイード、裂いた生地を束ねて織った裂き織り生地。織物に見せて実はプリント、ニットに見せて実はジャカードといった、捻りを加えたものもある。全体的にはレトロで落ちついた印象であるが、メガネや星モチーフの刺繍、ボタン付きのスリットとデコレーションは、過剰なほど投じられている。特に、流れるリボンはふんだんに用いられていて、アーム部分、袖口、ボトムスの裾から顔を出している。このリボン、ショーの招待状にあしらわれたものと同じもので、自分の手にしているものがランウェイに登場することで、来場者、ランウェイ、さらにバックステージまで気持ちの面で繋がるのではないか?というデザイナーの思いが込められているそうだ。
2017年03月23日アウラ(AULA)の2017年秋冬コレクションが、東京・新宿のルミネOにて2017年3月20日(月・祝)に発表された。3シーズンぶりに見せたショーは静かに始まりを告げた。駆け抜ける序盤のルックは、グレンチェックをメインとしたセットアップ。マニッシュなルックの数々は、肩の落ちたジャケットと側章入りのワイドパンツで、ラフに組み合わせられている。軽い素材感は、斜めに切り込まれたパターンの切り替えや、長い丈に大きく入ったスリットによってその効果を発揮する。次いで登場したニットのワンピースは、裾で相反するようにレースが揺れている。多彩な素材使いはこれらだけではない。アシンメトリーなウールコートにはファーを添え、ベルベットのワンピースには刺繍を施して、さらにデニムには上品なツイードを張り巡らせ……それぞれのファブリックが汎用性を膨らませていく。中盤になると、刺激の強いものが主張し始めた。今までの自由な動きある素材たちは、レザーベルトで拘束され、カラーはメタリックシルバーや鮮やかなパープルなど、エキセントリックささえ感じられる様相だ。その中でも特に目立だったキラキラと輝くニットは、透明の糸からできた近未来的造形。繊細な糸たちが光を受けて、ボンテージの下で煌めいている。終盤に再披露されたジャケットは、序盤にみたものより自由な発想に長けている。メスジャケットにロングジャケットをレイヤードしたような変形、袖の代わりに補ったレザーベルトなど、シルエットからディテールに至るまで変化を付けてクライマックスへと加速した。ショーの中でめくるめく変わるシーンは、人間の持つ様々な要素を表したからだとデザイナーの川島幸美は語っている。今シーズンのテーマは「ダイバーシティ」。幾多のもの達がひとつとなったこのランウェイで、新たな美の世界が繰り広げられた。
2017年03月23日ファイブノット(5-knot.....)の2017年秋冬コレクションが、2017年3月20日(月)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。Amazon Fashion Week TOKYOの開幕を飾る同ブランドのショーには多くの人が駆けつけた。“旅とヴィンテージ”をテーマに掲げるファイブノット。今シーズンの鍵となったのは、デザイナーが訪れたモロッコの小さな宿“リヤド”の思い出だ。リヤドの朝食で出された真っ赤なザクロからインスピレーションを得て、赤のモチーフをコレクション全体に散りばめた。キーカラーの赤いニットで始まったファーストルックは、チュールスカートにデニムパンツをレイヤードした印象的なスタイリング。重みのあるウールに軽やかなチュールを組み合わせるこのアイデアは、ミックス感をコンセプトとするブランドが表現する新しい形だ。チュールスカートや透け感のあるワンピースには、ザクロのオリジナル柄をプリントしたものや、メタリックな光沢感のあるものなど様々なテキスタイルを採用。重量感のある素材にも、ジャカードやベルベット、コーデュロイなど、バリエーションある選択がなされ、コレクションを豊かに彩った。また、これらの秋冬らしい素材と、絨毯の模様のようにアレンジされた花柄やザクロ柄、コルセット、ベルベットリボンなどの装飾が、ヴィンテージ風のテイストも作りだしている。ニットの長すぎる袖や、腰よりも長いトップスの丈感、スカートやコートに入れられた深いスリット、肩を落として羽織ったアウターなど、アイテムやスタイリングが演出するルーズな雰囲気も見逃してはならない。これらのディテールが、旅先でのゆったりとした時間を思い起こさせてくれるようなショーだった。
2017年03月23日ドレスドアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED)の2017-18年秋冬コレクションが、2017年3月20日(月)、東京・渋谷ヒカリエで発表された。インターネットやSNSが普及しきった世の中。自己のプライベートやプライバシーを曝け出したり隠したり、“周囲とつながる”ことの安堵や疲弊を繰り返しながら時間が流れている。今シーズンのドレスドアンドレスドは、社会に対してブランドという立場からメッセージを発した。外界と自己を切り離す、覆い隠すという意味合いでの洋服と、そこにコントラストを描くように生ずる“出したい”という感情。そのどちらの感情をも正として、体現できるようなワードローブが披露された。短いものは太く、長いものは体を包み込むように、アイテム内はもちろん、コレクション全体としてメリハリを。シャツやコート、パンツにはスリットが多用され、その時々の感情によってシルエットを操作できる。2ルック目に登場した大ぶりのシャツは、袖に入れられた切り込みから見える腕とテキスタイルの対比が印象深い。男女どちらのアイテムも登場した、というよりもジェンダーやセックスの壁は見事に取り払われた。序盤メンズライクなアイテムが多いようにも思われたが、そこには性差というよりも、スポーツやユースカルチャーといった別のエッセンスによって乗り越えられたジャンルが存在していた。社会に対しての態度をファッションを通じて表したドレスドアンドレスド。ファーストルックのフルフェイスヘルメットが、その後披露されるアイテムの数々を暗示していたのだろう。ネガティブをポジティブと捉え直すでもなく、そのまま見せることによって生まれるメッセージを、嚙みしめさせてくれるコレクションであった。
2017年03月23日タエ アシダ(TAE ASHIDA)の2017-18年秋冬コレクションが、2017年3月22日(水)六本木・グランド ハイアット 東京にて発表された。毎シーズン楽しみの豊かな素材使いが、今回も存分に発揮されたコレクション。輝くラメを織り込んだゴージャスなジャカード生地や、ウォーキングと共に揺れるヴィスコース、シルバーに染めたファー、レザーといった重量感ある素材を、タエアシダの軽やかでエフォートレスなエレガントスタイルに仕立て上げた。特徴的だったのは、身体になめらかに寄り添うシルエット。とりわけ、ウエストを細く絞ったジャケットやドレスは、女性の身体が持つ本来の美しさをよく引き出していた。 また、身体に寄り添うラインとは相反するシルエットとして、フレアやドレープも特徴的な役目を担う。アシンメトリーなドレープに操られた生地や、ウエストから下へ勢いよく広がるぺプラムが、女性のしなやかな身体に華を添えるようだ。ブラックやネイビー、グレーといったダークトーンがベースのカラーパレットに、ラメやファーといった装飾で煌びやかなアクセントをつけたのも、お互いの要素を引き立て合う技だろう。ファイナルルックでは、ビーズやパールの装飾で夜空に輝く星を表現した、印象的なジャケットスタイルを披露。合わせたスカートは、立体的な星モチーフを一面に散りばめた豪華なものだ。巧みな素材使いが光るシックなデイウェアから、シルエットに多彩な変化がつけられたイブニングドレスまで、幻想的で華やかな世界観を追求したワードローブが完成された。また、ランウェイには福士リナや江原美希など、豪華な顔ぶれが登場した。
2017年03月21日コトナ(KOTONA)の2017年秋冬コレクションが、2017年3月16日(木)に東京・渋谷で発表された。今季は「フライト」をテーマに、客室乗務員の制服などをイメージしたウェアをコトナのフィルターを通して表現。空間アーティスト・玉山拓郎が手掛けた会場には、イエロー・グリーン・ブルー・レッドといった鮮やかな色彩のオブジェが所々に置かれている。コトナデザイナーの山下琴菜が「空港のバックヤードを意識した」と語るように、機内食のようなプレートや缶詰めなどが置かれた不思議な雰囲気だ。ラップスカートやトップスは、そんな今シーズンのミューズ・フライトアテンダントのユニフォームをイメージしたピースだろうか。アシメントリーなフォルムがアクセントになり、まるでモダンアートのような雰囲気。めくられてちらっと見える裏地がポイントとなっている。パイロットが着ていそうなフライトジャケットの「G-1」や、出発を意味する「DEPARTURE」の文字とコミカルな表情を浮かべるパイロットたちの写真がプリントされたTシャツなどもテーマを盛り上げるピースの1つだ。そんな中、とろみのあるトップスやスカートに現れるフェミニンなレース、デニムやコートのベルトに取り入れられたキラッと光るシルバーリングがエレガントな雰囲気を運び、ユニークなウェアに女性らしさを与える。コレクションのカラーパレットは空間と連動し鮮やかだ。ブルーやマスタード、オレンジ、モスグリーンのほか、ヴィヴィッドなレッドが駆け抜けた。
2017年03月19日メゾン キツネ(MAISON KITSUNÉ)は、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。今シーズンは、働く女性のスタンダードなワードローブに回帰すると同時に、スーパーヒーローが登場する空想の世界を開拓している。イマジネーションを膨らませたのは、アメリカのコミック。フレンチシックなスタイルはそのままに、ブルー・レッド・ホワイトの3色を用いてコミカルな要素を加えている。象徴的なのは、ロイヤルブルーに焦点を当てた‟ワンダーウーマンスタイル”。ミドル丈のスカートにはラメ糸を混ぜ込んで輝きを加え、ルーズなシルエットのコットンカシミヤセーターで抜け感を作った。足元は、キラキラと輝くメタリックレザーのブーティーを合わせ、正義感溢れるヒーロー像を縁取っていく。ポップな印象のプリントアイテム(またはアウターのインターになった総柄)は、アメリカンコミックへオマージュを捧げたもの。漫画の一コマを切り取ったかのような、ふきだしモチーフやブランドのアイコン・キツネのしっぽモチーフが敷き詰められている。またシーズンを重ね、ベーシックウェアは、シンプリシティのマインドは貫きつつもデザイン性を兼ね備え始めている。シャツやドレスは女性らしいパフスリーブに。ロマンティックなリボンやラッフルも添えて、軽やかに仕上げた。レザーローファーには、スターのモチーフをプラス。テーラードコートやドレスには、ラインディテールを施し、スポーティで都会的な印象へと繋げている。
2017年03月17日クロエ(Chloé)の2017年秋冬コレクションが発表された。クレア・ワイト・ケラーがクリエイティブ・ディレクターとして手掛ける最後のコレクションとなる。クロエガールが迷い込む幻想的な夢の世界が舞台となった今シーズンのワードローブは、クロエ特有の柔らかな温かみを感じさせるブラウンやアースカラーをメインに、ミント、ピーチ、ライラックといったアイシーパステルカラー、また、ケシの花、マッシュルーム、蝶の羽などのモチーフを散らしてサイケデリックなムードが醸し出された。素材には、シアリングのコートやゴールドのフリース、モヘアニットが何度も登場し、暖かい安心感と重量感を与える。それらのアイテムには、レースのトリムが施されたランジェリーの風スリップドレスや、パープルやライトブルーのジオメトリック柄が目立つローライズトラウザーなどが合わせられ、女性らしさをエッジの効いた表現で示している。スエードや光沢のあるグレーズドレザーで仕立てられたエプロン型のピナフォアドレスも、今シーズンの特徴的なアイテムの一つだ。素朴さを感じさせるスモックシルエットのブラウスをレイヤードしたスタイリングで登場したが、ブラウスは、大きなボウタイ付きのデザインや、レース襟のもの、幻想的な蝶の羽柄などのバリエーションによって変化がつけられている。コレクションのラストの方では、より装飾的なショートドレスが登場。透け感のあるオーガンザ素材やパフスリーブといったガーリーなディテールと、流れ星のモチーフや銀河に浮かぶ横顔のイラストで表される幻想的な世界観が、クロエガールの夢見る理想的な幻想世界を描いている。また、毎シーズン楽しみな新作バッグには、ラウンドシェイプの「PIXIE」がお目見え。ゴートスキンとスエードの異素材が組み合わされ、金属のブレスレットハンドルがアクセントとなったモデルだ。
2017年03月17日ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)記念すべき100回目のショーとなる、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。ドリス ヴァン ノッテンのDNAを100%詰め込んだことを意味する「#DVN100」というキーワードが添えられた今シーズン。歴代ブランドのランウェイを歩いてきたモデルが並び、これまで手掛けてきたアーカイブプリントから特にお気に入りのものがリワークされて登場した。1994年春夏からは柔らかなピンク色の上にローズの花を咲かせたプリントがセレクト。花のモチーフは黄味がかっていたり、深みを持っていたり、それぞれのパーソナリティを放ち、いきいきとした緑の葉が添えられている。2000年春夏からは、紅色で描かれたボタニカルモチーフのエスニックな雰囲気のメキシコをテーマにしたプリントがピックアップされている。それらのプリントはそのまま使用されるのではなく、ほんの少しの趣向を凝らして新しい姿で生まれ変わる。プリントに重ねた、グラフィカルでジオメトリックなモチーフをスパンコールで描かれたり、コラージュするようにパッチワークしたり、ハンド・ステッチで輪郭を際立たせたりして。装いは、オーバーサイズのテーラードを筆頭としたマスキュリニティにフェミニニティを交差させた。大胆で知性に溢れ、それでいて気まぐれでエレガントな女性たち。そんな彼女たちのありのままの姿を表現するように、ジーンズなどのラフなアイテムがドレスやスリットスカート、ランジェリー風トップスなどと重なり、アイデンティティである折衷主義のスタンスを詩的に表現している。
2017年03月17日リアーナとプーマ(PUMA)のコラボレーションによる、フェンティ プーマ バイ リアーナ(FENTY PUMA by Rihanna)の2017年秋冬コレクションが2017年3月6日(月)にフランス・パリで発表された。今シーズンは学生が主導権を持つ架空の学校「フェンティ ユニバーシティ」が舞台。図書館の机をステージに、スポーツとハイファッションが融合したスタイルで学生たちが駆け抜けていった。体育館や校庭で出くわすスポーツルックは、リアーナの魔法で最解釈された。 例えばポロシャツはクロップド丈でオフショルダーに、サッカーユニフォームはミニ丈のタイトワンピースに、そしてジャージはジッパースリットで瞬く間にセクシーなタイトワンピースへと変身。さらに、スポーツルックの代名詞とも言えるトラックパンツもスリットボタンでドレッシーなロングスカートへと姿を変えた。廊下やロッカールームでのカレッジスタイルも色っぽく。ビッグサイズのチルデンニットはオフショルダーで着こなし、ハイウェストのチェックスカートはウエストを強調。制服を彷彿させるプリーツスカートはミニ丈に仕上げ、まるでセクシーなスクールガールだ。各ウェアにはリアーナのラッキーナンバーである「13」や彼女の誕生年「1988」、FENTIの「F」をモチーフにしたレタードがあしらわれている。大学ではシューズも一新された。人気のスニーカー「プーマ クリーパー」は厚底になったソールと「PUMA」のロゴが入ったアンクルストラップが特徴だ。他にもレースアップのニーハイブーツや、ツヤのあるヴィヴィッドカラーのショートブーツが足元を彩る。インパクトのあるアクセサリー使いは今季も健在。テディベアをモチーフにしたバックパックはブルー・オレンジ・チェックとカレッジカラーに染められており、先シーズンの「ボウバッグ」に次ぐ存在感を放っている。他にも、ロープをハンドルにしたバケツバッグやカレッジストライプのチョーカー、「FS」マークが煌めく巨大なフープピアスを披露。まるで高校や大学時代を過ごした廊下に引き戻されたような感覚になるコレクションとなった。【問い合わせ先】プーマ お客様サービスTEL:0120-125-150
2017年03月17日ロベルト カヴァリ(roberto cavalli)は、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションをイタリア・ミラノで発表した。自然の美しさと女性の官能性、クラフツマンシップ―ブランドを支える原点へ立ち返ったロベルト カヴァリが目指すのは、アニマルプリントからエキゾチックさと官能性を引き出すことである。贅沢なファブリックに描かれたスネークとレオパード模様。その美しいテキスタイルはキャンバスとなり、まるでコラージュするかのように洋服という名の作品作りを進める。パターンの上にはパータンをのせ、新しい色柄は唐突に組み込む。ホワイト、アイボリーといった柔らかな色彩に交わる、バイオレットやフレッシュなオレンジ。アニマルプリントの野性的な部分を打ち消すように現れるのは、高貴なバロック様式のディテールである。繰り返されるのは、カットアウトとパッチワークの技法。線対称に均衡を保った装いには、肩や袖、裾に立体的なフリル、フェザー、アップリケを重ね、プリントと色付けでおめかしさせよりデコラティブに仕上げる。テーラードもシースルドレスもブラウスも、登場するアイテムはどれも細く長いシルエット。ウエストの美しい曲線や広がりを遊んだマーメイドラインといった動的な線は、女性性に磨きをかける。アンダーウェアまたはコルセット風ディテールとレーシーな素材と交われば、避けがたいほど強烈な色気を放ちより一層観るものを翻弄させる。
2017年03月16日プラダ(PRADA)がイタリア・ミラノで発表した、2017-18年秋冬ウィメンズコレクション。ショー会場のコンクリート壁には、カラフルなポスターが貼られていた。同じビジュアルが連続で何度も、時に大小様々なサイズがミックスされランダムに配されている。来場者用の座席近くには小さなランプが灯され、シートそのものがベッドになっている所もあり、誰かの部屋を覗いているような心地よい空間に包まれていた。ミウッチャ・プラダが今季目指したクリエーションもまた、家庭的で居心地のよいものである。ショーにはマフラーや手編みのニットブラなど、温もりのあるピースが登場。また、ジャケットやカーディガンのボタンにはハンドペイントが施されていたり、ココナッツの素材が用いられていたりして温かみを感じさせる。エスキモー風のブーツやファーハット、アンゴラのコート、北欧テイストのニットのセットアップ。スカートやコートには、絵画風のタッチで描かれた花模様を添えた。また、レザーコートやドレスの上で花開いた立体的なボタニカル刺繍や流れるようなビーズ刺繍は、繊細で女性的な手仕事を感じさせる。プラダには珍しくロングドレスが提案されているのも、上品なフェミニニティが意識されている象徴のように映る。そういった柔らかなピースと対峙するのは、プリントアイテム。会場に貼られたポスターと連動したモチーフは、60年代に活躍したロバート・マクギニスの作品から。『007』や『ティファニーで朝食を』などハリウッド映画のポスターを手掛けたロバートの鮮やかな色彩選びとハッキリとした線のタッチがドレスの上で蘇り、オードリー・ヘプバーンも当時の輝きのままファッション界のアイコンとして息を吹き返している。
2017年03月16日ハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)が、フランス・パリで発表した2017-18年秋冬ウィメンズコレクション。今シーズン目指したのはミニマルでマニッシュなスタイル。色彩は抑えブラックとブルーを基調に、スリムシルエットのボトムスに合う、様々なタイプのジャケットルックを揃えた。インスピレーションとなったのは、クチュールのエッセンス。コルセットを想起させるほどウエストラインをシェイプさせ、後ろにベルベットのリボンをあしらったノーカラーコート。またダブルブレストジャケットは、ショルダーラインを立ち上げて3Dの形状にし、ラペルには光沢のあるベルベットなど異素材をを充てて遊び心を添えている。一方で、現代社会に添うよう機能性を求めたものも存在する。オーバーサイズコートには驚くほどソフトなテクスチャーで薄くて軽い、テクニカル素材を使用した。レザーを合わせたボンバージャケットにもナイロン素材を融合させ躍動的に仕上げている。過去と未来の境界線の象徴として表現された金刺繍は、メンズコレクションから引き続き印象的に投じられている。シャイニーカラーのドレスやガウンコート、胸元にリボンをあしらったワンピースなどから顔を出し、エレガンスという世界で一筋の光を放っている。
2017年03月16日2017年秋冬ランウェイ注目ネイルアートニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリ、今季2017年秋冬のファッション・ウィークのネイルトレンドと、注目のネイルアートをご紹介致します。秋冬コレクション恒例である、黒、茶色、ゴールドなどのダークトーンのネイルに加え、前回のコレクションに引き続き花柄がトレンド入り。特にヨーロッパ系のハイブランドはローズモチーフが流行中で、ファッションに敏感なセレブ達からもローズ柄ネイルの注文が後を絶ちません!!またニューヨークコレクションでは、赤や黄色とカラフルな色のボヘミアンちっくなデザインも目に付きました。最注目!ネイルピアスやチェーンの80sネイルそして今季最も注目なのが、ネイルピアスやチェーンを使った80sを意識したネイルアート。今ではいろいろな形のネイルピアスが発売されていたり、自分で簡単にカスタムできるのも魅力のひとつ。ちょっとダサかわいいところが逆に新鮮です。取り外しも自分でできるので、週末のアクセントにもいいかもしれません。ワイヤーワークネイルで海外ブロガー風に大変身♪また、ワイヤーワークネイルも大注目です!針金を使ったアートをするのが楽しいので、セルフネイラー達にも人気が高いです。ちょっとピカソっぽいシュールなキャラをつめ先に置くだけで、急におしゃれな海外ブロガー風ネイルに早変わり。針金をクリアジェルで固定するだけと簡単なため、今後定番の素材になってくるかも。2017年秋冬コレクションレポートでした。Have a wonderful day xxx!ネイルアーティスト/BritneyTOKYO(ブリトニートウキョウ)
2017年03月16日マーガレット・ハウエル(Margaret Howell)が2017年秋冬コレクションを発表した。
2017年03月13日エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 Maison Margiela)の2017-18年秋冬コレクションは、技巧的な部分を排除した、懐かしさ感じるワードローブ。慣れ親しんだアイテムに驚きを覚えるであろう境界線で、かつてから愛され続けてきたアイテムを再解釈した。一見陳腐とすら感じるかもしれない。そこに着心地の良さというなくてはならない要素があったとしても、直感をもってシルエットを変化させるのだ。変化は決して一義的なものではなく、コートのパーツを移動させてドレスに変えてしまうなど、着る者の立場からももたらされる要素なのだ。これらから見えてくるのは、シンプルさの中にある多彩さだ。素材の面から同じことを傍観すると、はっきりと多彩さを目にすることができる。同じシルエットのアイテムをあらゆる素材を用いて作っている。典型的なメンズライクの素材をフェミニンに再解釈したり、ヘリンボーンを後染めしたりと、素材自体にも別角度の活路を見出そうとしている。これほどまでにチャレンジングでありながら、感じられるのは、一貫した懐かしさ。褪せたようなカラーもあってか、現代的な印象は影を潜めている。生活に接したアイテムでありながら、裏で変化をし続けるというファッションの本質を感じ取れるコレクションだ。
2017年03月12日ポール & ジョー(PAUL & JOE)は、パリ・ファッション・ウィーク最終日となる2017年3月7日(火)に、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。オフィシャルスケジュールでは、パリ・ファッション・ウィークのトリを飾ったポール & ジョー。今季は豊富なセットアップスタイルを提案している。トレンドの一つとして挙がっているベルベット素材を用いた、太いストライプ模様のパンツスタイル、フレアなクロップドのスーツスタイル。またジャケットタイプとは異なる、カシュクールのオールインワンやサロペット、パジャマシャツ&パンツなども揃っている。色彩はグリーン、ピンクなど鮮やかで、ウエストマークとして活躍するベルト、素材違いのラペルなどディテールにもこだわっている。次いで並ぶのは重量感のあるアウター。カラーファーまたはボアを取り入れたフード付きアウターやロングコート、また花模様を配したニットコートなど。どれも重量感あるフォルムに反して軽やかな配色だ。ブランドならではのプリントシリーズは、光沢感を交えて煌びやかに。ゴールドのニュアンスを帯びた花模様がフリルドレスやブラウスになって登場する。また、同じくシャイニーなスパンコール、ツヤのあるなどの装飾パーツはデコレーションとして提案。デニムジャケットやパンツ、タートルネックのニットなどにはランダムにパールがあしらわれ、贅沢で華やかなパリの夜に溶け込んでいる。
2017年03月11日ヴァレンティノ(VALENTINO)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク6日目の2017年3月5日(日)に発表された。ピエールパオロ・ピッチョーリによる2017-18年秋冬シーズンは、繋がることさえ想像できない、対極なものを結びつけることを到着点とした。相反するものの衝突。その答えを導き出すための一つの道しるべとなったのは、80年代にムーブメントを起こしたデザイナー集団・メンフィスの存在だ。ブラック・ブラウンがスタンダードであった当時、インテリア業界に与えた一つの衝撃。鮮やかな色彩、有機的な形状、キッチュなモチーフを並べ、インテリアそのものの楽しみを説いたメンフィスの作品は色鮮やかで、色彩のパワーに引き寄せられるようにあらゆるものが一つにまとまっている今季のヴァレンティノに通じる。ベースとなるのはロングなドレスまたはコートで、イエローやライトブルー、ピンクなど明るい色たちが服地で顔を合わせている。フリルや刺繍といったフェミニンな装飾に混じって現れる、幾何学的なパッチワーク。手書き風の花々やグッド・ピースなどの形をとった手のモチーフ、数字ロゴもプリントまたはパッチワークされている。カラーパレットとモチーフが作り出したポップな世界をより大きく羽ばたかせるのは、シルエットの遊び。ウエストラインの切り替えや細かく配したプリーツ。ショルダーは丸みを持たせ、胸元は大胆にVの字でカットした。スリットは深く大きく。パネル状になった一つ一つのテキスタイルは、まるでそれぞれに意志を持ったように動き出し、コレクション全体をリズミカルに魅せる。アクセサリーは丸ビーズのネックレスで統一して。足元はブーツまたはフラットサンダルで軽さと躍動感を投じた。
2017年03月11日アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)は、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションをフランス・パリで発表した。今シーズンのインスピレーションとなったのは、イギリスにあるウィッシュ・ツリー(願かけの木)である。日本でいう七夕の短冊のように、人々がカラフルなリボンに願い事を記し木に吊るす。枝には流れるようにカラフルなリボンが結びつけられ、それを見るだけで幸運を授かったような気持ちになる神秘的なものだ。今季はこのアイコンをファブリックや刺繍、そして糸そのもので表現した。ブラックレザーのコートやドレスには、手作業でハトメをつけその間にカラフルなリボンを通した。ニットドレスにはたっぷりフリルをあしらい、加えてリボンディテールを添えて。また、ウィッシュ・ツリーそのものをビーズや糸を使って刺繍で描いたシースルドレスも存在。根が生え太い幹をつけ、大きく枝を張り葉をならす。その木の一生をポエティックに描いた姿は絵画のような迫力がある。また、ラッキーモチーフはこの木だけでなく、動物や植物でも表した。ホワイトデニム地やレース素材の上からは、様々な色彩を用いて世界中から集めたラッキーアイコンを散りばめた。わしやかえる、やぎ、様々なハーブたち、そしてマックイーンのバースデーまでも。やはり刺繍からはカラフルな糸が伸び、あえてアンフィニッシュの自然なままで残している。パンツルックと合わせたテーラードは、ヘムラインで遊びアシンメトリーに仕立てた。ショルダ―部分は膨らませて強さを強調する。身体にフィットしたスリムなシルエットが多いが、シルクプリントのドレスは優雅に風を切って進んでいる。描いたのは教会のモチーフで、アレキサンダー・マックイーンらしく左右対称に綺麗に並んでいるのが特徴である。
2017年03月11日モンクレール ガム・ルージュ(MONCLER GAMME ROUGE)は、パリ・ファッション・ウィーク最終日となる2017年3月7日(火)に2017-18年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。赤く色づいた秋の山。モンクレール ガム・ルージュの今季の舞台は、見頃を迎えた紅葉たちが彩りを添える季節。テーマは「カナダへの旅」だ。会場中央には落ち葉が敷き詰められ、左右を囲うように設置された巨大なスクリーンでは、豊かな自然を動画で紹介している。ショーのスタートは音楽とともに、このスクリーン上の大自然にさっと陽の光が差し込んだ。間もなく木々は橙色に色づき、一層魅惑的な表情となる。穏やかな森の中で楽しむトレッキング、ハイキング、そういったシーンをイメージしているのだろうか。モデルたちは、ダウンジャケットやブーツ、大きなバックパック、寝袋風のマットまで装備して、いかにもアウトドアなスタイルだ。ハイキングの準備は身支度からと言わんばかりのフルレイヤードスタイルで、ジャケットやコートの上に、さらにベストを纏っている。スポーティなエッセンスは強いものの、描いているのはおそらく高貴な女性であろう。合わせたのはツイードジャケットやスカート、レースワンピースなど上品なウェアで、カラーもホワイトやピンクといったフェミニンカラーで統一されている。散りばめた花模様にはビジューをあしらって煌びやかに。ブランドロゴ入りニットで外せば、知的なアウトドアスタイルが完成する。ユニークなのは、ジップやギャザー、リボンなどによって作り出した立体的なシルエット。アーム部分はパフスリーブになっていたり、裾がフレアになっていたり、動きがあって躍動的に見せている。
2017年03月11日A.P.C.(アー・ペー・セー)は、30周年を記念し、ランウェイショー形式で2017-18年秋冬ウィメンズコレクションを2017年3月6日(月)フランス・パリで発表した。ショーの始まりは創立年とウィンターを意味する「HIVER 87」のロゴ入りカットソーから。このロゴは、30年前A.P.C.初コレクションのラベル名前となった「HIVER 87」から取ったもので、アニバーサリーを祝う存在となりコレクションの一部モデルに使用されている。30年経たA.P.C.が描くものは、今も変わらない。ベーシックで機能的、着る人を選ばないが逆に纏うことでその人の個性が引き立つ装い。定番のデニム、ステンカラーコート、ブラウス、ジャケット。カラーは穏やかなベージュと爽やかなライトブルー、シックなブラックで揃えた。遊びといえばフラワープリントのドレス。胸の辺りで色を切替え、同時に模様も変化させる趣向を凝らした一品だ。アイテムそのものに主張はないが、スタイリングは斬新だ。トレンチコートのベルトをデニムスカートのベルトループに通してレイヤードさせたり、シャツドレスの上からデニムスカートを重ねたり。テイスト違いのコート、例えばアウトドア風ジャケットとレザー縁取りのうーつコートは2つ一緒に羽織り、ビッグサイズのデニムジャケットはベルトできゅっとウエスト絞り華奢なシルエットへと生まれ変わらせる。足元は人気のレザーサンダルを揃えて。合わせたソックスはルーズなもので、たっぷりと足を覆う感じが何とも可愛らしい。
2017年03月10日クレージュ(courrèges)が、フランス・パリで発表した2017-18年秋冬ウィメンズコレクション。今シーズンは、インフルエンサーやモデル、女優、中には男性ミュージシャンなど、ブランドを取り巻く様々な人物を集め、新作コレクションを彼らの私物と組み合わせてコーディネート。それをプレゼンテーション形式で発表するという、新しい試みにチャレンジした。新作は、クレージュの伝統を重んじながら、アルノー・ヴァイヤンとセバスチャン・メイヤーのデザイナーデュオが追い続けているスマートデザインを意識したものだ。ジップの開閉によってシルエットの変化が楽しめるミニスカート、同じくジップの開閉によってレングスの変化が楽しめるドレス。フードまたアーム部分を取り外しできるコートもある。ブランドのシグネチャーであるニットは、色彩とサイズ感を見直して。ビニル素材を用いた、手袋付きのショートジャケットも揃えた。カラーパレットはポジティブな印象を受ける、明るいカラーを揃えた。鮮やかなイエロー、グリーン、ブルーがビニル素材によく映える。ルックでは、ロゴTシャツやスニーカー、デニムなどデイリーウェアとコーディネートされていて、ブランド発信のルックとはひと味異なる、ストリートに根付いたスタイルが表現されている。
2017年03月10日ジバンシィ(Givenchy)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、発表された。今シーズンはショー形式を用いず、長年に渡ってメゾンが追い続けてきたジバンシィ・ウーマンの姿を最もジバンシィらしい赤「ジバンシィ・レッド」1色で描くという、新しい試みに着手した。ブランドの歴史とDNAを改めて考えさせられる、美しい仕上がりのピースは全27体。過去12年から象徴的なシルエットを引き出し、赤1色で表現した。バリエーションは、テーラリングからイブニングドレス、そしてアイコンと言えるスエットシャツまで幅広く、アニマルプリント、宗教的なモチーフ、刺繍、レースといったメゾンを象徴する装飾で個性を引き出した。それぞれのピースにはビンテージ・タグと呼ばれる、シーズンが明記されたタグが配されている。2009年秋冬のストレッチ素材の全身スーツに「GIVENCHY FW17-18」と表紙のようにロゴを配したルックからスタートし、2013年秋冬の赤~黒のスパンコールで刺繍を施したマーメイドドレス、バンビのスウェットトップス、2015年春夏のスターモチーフのシースルトップスなど。2006年の花モチーフを添えたレースにリブ袖を合わせたブラウスは、クチュール×スポーツの融合をまさに具現化したもので、ジバンシィのクリエーションを象徴しているピースともいえる。なお店頭では、この赤色だけでなく、黒またはスキン・カラーでも登場予定だ。
2017年03月10日ソニア リキエル(Sonia Rykiel)は、パリ・ファッション・ウィークで2017-18年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。今シーズンは、アーティストのニキ・ド・サンファルに想いを馳せた。アート活動を通して女性の人権を唱えるニキを花のモチーフで象徴化させた。ソニア リキエルのアイコンであるリップモチーフと重ね合わせたプリントパンツやシャツは、ポップな仕上がり。また、ランウェイに飾られたニキによるハート型オブジェと連動させ、プリーツ加工でくちゃくちゃとさせたドレスも存在する。彼女の制作活動をイメージしたドレスも登場。キャンバス風の白地素材に、色を入れ絵を描くように、装飾を施したドレス。曲線的にランダムに配されたローエッジのフリルは、女性の官能性を表したもので、女性のパワーを詩的に表現したのだろうか、アクセントにはミリタリー調の金ボタンが用いられている。シルエットはフルレングスのロングスタイルで、立ち襟でその長さを強調させた。また、ソニア リキエルのコードとなったツイードは、ニキの作品からインスピレーションを得てサイケデリックなカラーで表現。赤、白、黄の鮮やかな色彩が交わったツイードは、ドレスとなり、ジャケットとなり形を変えて登場する。さらに、テキスタイルの枠を超えて、アグレッシブにファッションに携わるピースも。ツイードを砕いて編み糸にして、ニットやドレスの刺繍糸として採用し、あえて糸を垂らしてたままの花のモチーフを描いたニットやドレスもラインナップした。装いは全て纏う者=女性を意識して制作されている。身体を包み込み安心感を与える毛布のようなビッグサイズコート、ゴムウエストで活動しやすいジョガーパンツ。パッチワークしてデザイン性を加えたミリタリージャケットやデニムジャケットも提案されている。
2017年03月10日ヴェロニク ブランキーノ(Veronique Branquinho)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、2017年3月6日(月)フランス・パリで発表された。今季のヴェロニク ブランキーノは、知的な美しさに溢れている。マスキュリンな印象のグレンチェック地が多用され、セットアップ、オールインワンなどを並べて制服と見紛うほどの統一感を与えた。差し込むものも、ホワイトシャツ、ストライプシャツといった類である。厳格な中での遊びは、さりげなくが掟だ。テーラードジャケットは前身頃はきっちりと、ただしアームを振り払ってマント・ポンチョ仕立て、バッグスタイルからアームにかけてアレンジする。ラペルを取り除いてよりクリーンなデザインに近づけたものもある。この手を加えたユニフォームスタイルとタッグを組んだのは、フェミニンな白シャツである。襟元にはフリル、ビジュー刺繍を添えて女性らしさは満タンだ。アーム部分は、たっぷり生地を繋ぎ合わせ、リボンを飾って立体的なバルーンアームを完成させた。ヴェロニク ブランキーノらしいアンチノーマルな姿勢は、質感と色彩で貫いた。クラシックな世界に、肌に溶け込むヌードカラーのシースルートップス(その上ラメプリントで格子柄や胸の辺りに星モチーフを添えたもの)を唐突に組み込んだり、キラキラのシルバーシューズ&ベルトをコーディネートしたりする。裏地は光沢ある紅色で、ロングスカートのスリットの間からあえて見えるようにしたり、テーラードをウエスト位置でボタンで留めて腰巻きにし裏地を表に出したりして、色彩の存在感を楽しんでいる。
2017年03月10日