sacai(サカイ)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、2017年3月6日(月)にフランス・パリで発表された。難解で複雑なsacai特有のシルエット。今季この複雑さに磨きをかけるのが、ジップディテールだ。緩やかなラインのワイドパンツ、ふわりと広がったプリーツドレス。あらゆるアイテムにランダムに配されたジップは、大きく穴を空け、開閉によって広がりを持たせ、時に内からプリーツを顔見せして、躍動感のあるシルエットを作っている。アウターに至っては、左右ぱっくり切り裂くようにバッグラインを大きなジップが走っている。これがコンパクトシルエットのロングコートもPコートもフレアなラインに見立て重量感を与え、共存するポンチョやダウンコートと肩を並ばせるのだ。ハイブリッドなクリエーションは、スポーツのエッセンスを借りて加速させた。クラシックなウールコートは、スキージャケットさながらのボリュームアウターやダウンジャケットと融合してsacai スタイルを紡ぎ出す。襟元、袖口からMA-1のようなテキスタイルをのぞかせているものもある。フードの裾からはカッティングされたエンブレムが垂れ下がり、腕や背中一体どこから登場したのかわからない長いリボンと共に揺れ動き、観るものに軽やかな余韻を与える。アクティブな印象を決定づけるのは、ゴーグル風のアイウェアだ。レンズ部分はコンパクトであるが、ストラップが太く圧倒的な存在感を放っている。全体的に落ち着いた色味であるため、間に差したオレンジ、ブルーの鮮やかな色彩が映える。新作バッグはボックス型で、ファー付きストラップとマッチさせたスタイルでランウェイに現れた。
2017年03月09日ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、日本時間 2017年3月8日(水)の午前2:30よりフランス・パリで発表される。ファッションプレスでは、その様子をライブ配信する。2017年春夏コレクションでは、ブランドに縁の深いパリの地に生きる女性たち、そして世界有数のクリエーションを生み出すパリという土地の特性に焦点を当てたスタイルが披露された。深いスリットやドレープが施されたワードローブは、まるで生き生きとしたパリジェンヌたちを表現するかのようだった。今シーズンの舞台はルーブル美術館の「マルリーの中庭」。見るものを圧倒する大型彫刻の数々が集う、パリならではのクリエーションを感じられる場所であり、メゾンのクリエーションを発表する場にふさわしい。創造にあふれるランウェイをリアルタイムで楽しんでほしい。【詳細】ルイ・ヴィトンの2017-18年秋冬ウィメンズコレクション開催日時:日本時間 2017年3月8日(水)の午前2:30現地時間 2017年3月7日(火) 午後6:30
2017年03月09日ロシャス(ROCHAS)は、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションをフランス・パリで発表した。装飾からではなく身のこなしから生まれるエレガンス―貴族的な高貴さを纏ったドレスを揃え、今シーズンのロシャスは厳粛ともいえる美の世界を描き出す。シーズンアイコンとなったドレスは、垂直とも表現できるような真っ直ぐなラインである。落ち着いた色調で前から見るとシンプル。ただし、後ろを見れば大きくカッティングされていて、同時に体のラインを露わにし、センシュアルなニュアンスも秘めているのだ。柔らかな色彩に混じり合うモチーフが示すのは、空想の庭園のよう。少し色づき始めた秋の花や藤のように垂れ下がる花、それらがビーズ刺繍やプリントで表現されている。コートやジャケットはクチュール仕立てで、たっぷりとしたボリュームのあるシルエット。テキスタイルは、ハウンドトゥースやグレンチェック模様の男性服さながらの厚手のものを起用している。中には、オーガンザを中に入れて丸みのある膨らみをバッグスタイルに持たせ、歴史あるメゾンのコードを現代に蘇らせているものもある。ニット、シャツ、スカートは、フェミニニティを象徴するドレスから全て派生したアイテムとして考案された。それぞれは単独のものであるが合わせると、2ピースのように見事に調和する。ブランド名からとった「R」のマークは、シンボリスティックに鎮座。ニットの胸元に、また小さなリップスティックケースやシューズの中央などにクリスタルで描かれ、まるで貴族が集う秘密結社の暗号のように謎めいた光を放つ。
2017年03月09日ランバン(LANVIN)は、アーティスティック・ディレクターのブシュラ・ジャラール2度目となるコレクション2017-18年秋冬ウィメンズを2017年3月1日(水)にフランス・パリで発表した。今季は、ダンス・クチュール・レースの3つをキーワードに、デビューコレクションとは印象の異なるフェミニンなコレクションを展開する。同時に。、優しさと強さ、軽さと構築的な要素、相反するものを共存させて自由な表現も描き出す。川のように流れるドレスには、シルクジョーゼット、クレープデシンといった軽やかな素材を用いた。空気のような透明感のあるオーガンザは幾重にも重ね、舞い上がるほどふわりとしたシルエットをに。カラーは、ブラック&ホワイトのシックな色味に加え、パウダーピンク、パールピンクと柔らかなバリエーションを用意した。淡い色彩は、女性らしさを象り、可憐さを助長する。そういったドレスには、コンテンポラリーなジャケットを合わせる。シェイプされた肩、すっきりとしたフォルム。男性性すら感じさせるテーラードは、ラペルを2重にしたり、ボタン位置にスワンのモチーフをあしらってチャーミングさを与えた。クチュールの要素は丁寧な素材使いから。スパンコールでストライプ柄を描かせたホワイトファブリックは、様々な生地を組み合わせ完成させたもの。また、フォックスでヘリンボーン模様を描いたロングコート&ロングジレ、スパンコールを敷き詰めたジャケットなども存在する。印象的に用いられたのは、3種類の鳥たち。スワン、極楽鳥、ハミングバードの3種の鳥たちがアクセサリーとなり、ウェアのディテールとなり登場している。テーラードジャケットに花刺繍と合わせた鳥の姿は幻想的で、風景画のような優しさとポエティカルな魅力を秘めている。
2017年03月09日マリメッコ(marimekko)は、2017-18年秋冬コレクションをパリ・ファッション・ウィーク期間中の2017年3月5日(日)に発表した。フィンランド独立100周年のアニバーサリーイヤーとなる2017年。マリメッコはそれを祝し、フィンランドアート、建築、そして母国の自然が文化全体へ与える影響について改めて見直し、クリエーションに取り組んだ。今季は、モデルプレゼンテーションに加え、スウェーデンのファッションシーンで活躍する写真家のKacper Kasprzykによるムービーを交えて展開。このムービーは、ヘルシンキの各所で撮影されたもので、スカンディナヴィアの雄大な自然も捉えられている。新作のプリントも豊かな自然に呼応するように、表情豊かで多種多様だ。モノトーンで描かれた幾何学的なモチーフやフラワープリント、深みのある色合いのウニッコも登場している。シックなプリントにシンクロして、装いそのものも落ち着いた印象だ。アイコンとなるシャツは、スリット入りのロングドレスや、チュニックとワンピースの狭間くらいの丈感と量感のロングトップスなど、フォルム違いでバリエーション豊かなラインナップだ。また、コットンシリーズに加えてファブリックそのものも種類豊富に。膝下で切り替えフレアに仕立てたクロップドパンツや、タック入りのワイドパンツはレザーで製作。ボアコートや、ボリューミーなロングダウンも揃っている。スタイルはロングシルエットがムードで、ロングシャツ×ロングパンツの組み合わせが繰り返される。インナーにハイネックトップス、足元はブーツをチョイスすれば、より一層細く長いシルエットが完成する。
2017年03月09日ロエベ(LOEWE)は、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションをフランス・パリで発表した。今シーズンもロエベ・ウーマンの飽くなき旅は続いている。フェミニンさへの探求心と好奇心がシーズンを象徴するフルレングスシルエットの誕生に結び付いた。床まで届くほど量感のある服地。このロングラインを構成するのは、ナチュラル素材からナイロン、洗いをかけたシルク、コットン、そしてシグネチャーであるレザーなど様々である。質感・カラーの異なるピースがぶつかり合い、まるでそのコントラストを楽しむように共存している。伝統的なクラフツマンシップは、ドレスをより華やかに見せ、個性の創造へと繋げた。パネルのように切り取ったスクエアシルクは幾重にも重ねてドレスに。花柄のブラックドレスの上からは刺繍を、ピンクやライトブルーなどのシフォンを繋げたドレスには細かなギャザーを寄せた。間にグリーンレザ―を差し込んだブラックのフレアドレスには、本の装丁からヒントを得たアートフルなペイントを襟元に添えている。また、クリエイティブ ディレクターに、ジョナサン・アンダーソンが就任して以来、コレクションを通して、ずっと一貫したロエベ・ウーマンの軌跡をたどってきているが、その旅はまだまだ続くことをほのめかすかのように、切り裂いたような穴や部分的に貼り付けたようなフリルなど、未完成なディテールも存在している。ウォータープルーフ加工を施した、ポルカドット柄のコートを手にすれば、旅の準備はバッチリだ。バッグラインはこれまでよりノーマルなデザインを好み、ドローストリングをロエベ流に表現した「ミッドナイト」バッグが新作として登場している。ロエベのロゴをパンにあしらい、スライスカットしたユーモラスのイラスト入りバッグ・ハットもシーズンアイコンといえよう。
2017年03月08日トム ブラウン(THOM BROWNE)の2017-18年秋冬コレクションが、アメリカ・ニューヨークで発表。チェック柄に蝶ネクタイのペンギンが佇む、凍った湖のような会場に心なしかひんやりとした空気が流れている。ブランドらしい青みがかったグレーのセットアップが、ファーストルックを飾る。チェスターコートの袖口と裾には、ファーがあしらわれ、長く伸びたシャツの袖には、親指を通す穴が設けられている。ブーツには、スケート用の歯がつけられている。当初の印象通り、どうやらここは氷の上のようだ。シャツとタイ、ジレを全てのモデルが着用しているように、マニッシュなワードローブ。しかし多くの場合コーディネートの重心は高めに設定されており、重たい印象は全く感じずフェミニンな空気感は損なわれていない。また、柄の使い方も女性らしさをもたらしてくれる大きな要因だ。アーガイルやブロック、千鳥など様々なチェック柄、ストライプ、プリント。これらはメンズで用いられるよりも大きく採用することで可愛げな印象にまとめられている。シャツとタイについては先にも触れたが、このモチーフはアクセサリーにも反映されている。一番目立ったペンギンのバッグ以外に、バッグやシューズには、ミニチュアのスーツのようになっているものも多く、ワードローブを通じて、“南極のイブニングスタイル”を感じさせる運びだった。
2017年03月08日J.W.アンダーソン(J.W.Anderson)2017-18年秋冬コレクションがイギリス・ロンドンで発表された。異なる表情を持つテキスタイルの組み合わせ。J.W.アンダーソンが得意とするパズルのようにパーツ当てはめ完成したアイテムの数々は、時代はおろか惑星を超えるかのような印象を与える。キャミソールのようなディテールやレースアップのブーツ、胸の位置に施されたポケットなど、ヴィンテージアイテムからピックアップしたようなディテールを随所に散りばめる。インスピレーション源は過去を振り返ることで生まれたのかと思っている矢先、シルバーの近代的なファブリックが現れ、近未来へと見るものを誘って行くのだ。アシンメトリーのデザインが、その印象を増長しているのだろうか。Tシャツやスカートといったアイテムと形容し難いボリューム感は、ブランドならではの遊び心といえよう。素材に話しを移すと、未来的な合繊とコットンなどの自然素材以外にも、ファーやムートンといった動物性のエッセンスも加わっており、重層的な世界観が見て取れるだろう。モチーフは多彩でありながら、女性的なテイストは散見される。カトリックのシスターが身に纏うコスチュームを思わせるアイテムや、腰の位置で絞られたドレスなど、根幹となる女性性という部分によってコレクションに統一感を持たせていた。
2017年03月08日エルメス(HERMÈS)の2017-18年秋冬コレクションが、日本時間の2017年3月7日(火)0時30分より、フランス・パリで発表。ファッションプレスでは、その様子をライブ配信する。上質なテキスタイルにメゾンの伝統と新しいエッセンスを乗せ、毎シーズン心躍るワードローブを披露してくれるエルメス。2017年春夏コレクションでは、季節感のある鮮やかなカラーを、ブラックやチャコールといった落ち着きのあるカラーと同居させ、爽やかなアイテムを提案していた。最新コレクションでは、どんな洋服を見せてくれるのか、期待が高まる。【詳細】エルメス 2017-18年秋冬コレクション ライブ配信日本時間:2017年3月7日(火)0:30現地時間:2017年3月6日(月)16:30
2017年03月08日アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)は、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションをパリ・ファッション・ウィーク5日目の2017年3月4日(土)に発表した。ロマンティックでフェミニン、それでいてプレイフルなコレクションを目指した、今季の鍵となるのは、ロングラインのドレスである。量感と流れるようなラインを保ちつつも、袖を通す人のことを考えられた、コンパクトで着心地のよいサイズ感。バックスタイルは大きくラウンド型にカットして女性らしさを追いかけながらも、縫いかけ風のステッチや十字型のパッチワークでクラフト感のある遊び心が投じられている。ドレスと交わるアイテムも同様に、ロングラインで、ジョニー・ヨハンソンらしいポップな精神に溢れている。テイラードを長く引き伸ばしたようなガウンコートや、後ろ前逆転させてしまったドレス。スエードコートは、ワックス加工が施されていて、服地の上で味わい深い色の変化がある。フレアパンツにはランダムに花模様をプリントして、あえてチュニックと合わせてロング×ロングのセットアップに。ストライプシャツは崩れたように変形させて、折り紙のように織り込んだ高い襟を添えた。繰り返しコーディネートされたビッグサイズのイヤリングは、土から成形してその後エナメルやメタリックで作り出したもの。左右非対称であったり、大きな凹凸があったり、温かみのある仕上がりで、同じく左右非対称なカラーサングラスとの相性がとても良い。
2017年03月08日ラグジュアリーかつしっかりと日常に溶け込む絶妙なバランス感覚で幅広い層の女性に支持されるブランドAcne Studiosが、3月4日パリにて2017年秋冬コレクションを発表しました。「今季は生き生きとしたプレイフルで自由なコレクションを造りたいと考えました。ロマンティックでプリミティブでありながら、大人のフェミニンな部分もあり、個性や直感といった個々の生き方からなる世界観を表現したコレクションです。」ー Jonny Johansson, Creative DirectorAcne Studios 2017AW LOOK
2017年03月08日コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)の2017-18年秋冬コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2017年3月4日(土)に発表された。ドレスの上に不規則に並ぶこぶ。大きく膨らんだもの、小さくさりげなく存在するもの、様々な凹凸がドレスの上に存在している。もちろん女性らしさを感じさせるような、身体のラインに即してものではなく、太ももあたりでいきなりくびれたり、ボリュームの欲しくないはずのウエスト辺りで膨らんだり。不規則で気まぐれな動線が身体上を走り、今まで見たことのあるもの・繰り返される出来事とは異なる新しいものを作り出す。球体が連なったもの、菱形や三角形のピースが並んだもの。その唯一無二の形状を作り上げる構成要素そのものも多種多様である。素材は、厚手のフェルト風のもの、ペイントを施した起毛素材、レース、段ボール紙のようにシワ加工を施したものなど、統一感なくあらゆる方面から寄せ集まったという具合で、形状だけでなくテキスタイルもバリエーション豊かだ。彫刻またはアートピースのような最新ルックをかろうじで服らしい服に見せるのは、ウエストラインに配されたベルベットリボンやレザーのベルトだ。彼らの存在が腰の位置を示し、ファッションであることを改めて気付かせてくれる。他と一線を引いたのは、フィナーレにかけて登場した服らしい2ピース。1つは溶接で様々なパーツを貼り付けたような、上半身がメルティングしている黒いロングコート風のもの。そしてもう一つは、ラストルックを飾ったホワイトコットンのドレスで、他の硬質なピースとは異なり、ポンポンと跳ね動き女性らしい可憐さを身に着けている。
2017年03月08日ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS)は、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2017年3月4日(土)に2017-18年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。タータンチェックのスカート、網タイツ、逆立てたヘアスタイル。今季のジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソンは、パンク・ロックの要素に溢れ感情に強く訴えかけてくる。目の周りを強調する濃いアイメイクとハードなレザーチョーカー、ブラックのレザーブーツ。そして、スリムパンツまたはミニスカートでタイトにまとめたボトムスと、メッシュトップス、イギリス国旗付きのカットソーといったインナーが、幾何学的パーツを並べた‟イガイガ・トゲトゲ”のアウターの強さを強調する。アウターは、三角形や円、またCの文字のように切り抜かれたパーツを組み合わせたもので、切り裂かれたシャツのように部分的に穴が空いたり、垂れ下がったりしている。パーツごとに異なる色柄が配されたものもあり、レオパード、ブラックレザーといったパンク・ロックを象徴するパターンに混じって、和柄のようなボタニカルモチーフやアンティーク調の花柄、グレン・チェック、千鳥格子などクラシカルなものも揃っている。中盤からは、ライダースジャケットやミリタリージャケット、トレンチコートなどが登場。‟イガイガ・トゲトゲ”アウター同様に、アーム部分に様々な素材がパッチワークされてるのだが、鋲が打たれたり裂かれたりはしていない。またタータンチェック地にプリーツを施したドレスは、きれいなドレープを描いていてエレガントにさえ映る。過激な色使いとフォルムで強烈なインパクトを与えるからこそ、隠された上品さはより一層上質でクリーンなものに感じられる。
2017年03月07日ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)が、3月8日2時半(現地時間7日18時半)よりパリで開催する2017-18年秋冬ウィメンズコレクションショーのライブストリーミングを、オフィシャルサイト(www.louisvuitton.com)で配信する。会場は、ルーブル美術館の「マルリーの中庭」にて。また、ルイ・ヴィトン公式インスタグラム()では、ショーに向けてコンテンツを公開。SNSハッシュタグは「#LVFW17」。ショーの様子はこちらからも視聴が可能。
2017年03月07日ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)は、パリ・ファッション・ウィーク4日目の2017年3月3日(金)に2017-18年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。今シーズンは、パナソニックの世界初4K60p記録ができる、最新ミラーレス一眼カメラ「LUMIX DC-GH5」を複数台使用してリアルタイム発信を行った。高精細・高画質の映像により、パリの会場から最新ルックをライブで届け、新しいファッションの楽しみ方を提案する。発信方法は新しく現代的であるが、クリエーションそのものは山本耀司のDNAが生きるもので、ブランドの根底を示している。黒い布、その一枚のテキスタイルで作るアシンメトリーシルエット、優美さを象徴するドレープ、体の部位を曖昧にするフォルム、そして、一度見ただけでは判別できないレイヤード。その複雑なキャラクターは、生地を折り重ね、捻り、ひっかけ作り出されている。一見すると無造作にも見えるが、すべて計算の賜物。ドレスの胸元に寄せたドレープやショルダーラインに宿った量感は、女性を華やかに見せてくれるし、ワンピースやトップスを横切るよう斜めに、また裾をたくし上げたギャザーは細く華奢にみせてくれる。また、スッと伸びたプリーツをあえてほどいて斜めに配したり、たくし上げたり、その上から刺繍をすることで生地そのものの複雑性を増し、意志を宿したかのような存在感を放つ。メインパレットは黒一つ。だからこそ、時折ペイントや刺繍で差し込まれたパープル、レッド、グリーンの鮮やかさが際立っている。ラストにかけては生地の凹凸や量感など全てで排除されたすっきりとしたテーラードを。様々なデザイン性がなくなったとき、ただ残るアシンメトリーなシルエットがとても強い意志を放っている。
2017年03月07日アンダーカバー(UNDERCOVER)は、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションをパリ・ファッション・ウィーク4日目の2017年3月3日(金)に発表した。会場は凱旋門からほど近い、コンサートなどを行うシアターだった。デザイナーの高橋盾は、理想郷に住む新人類を今シーズン描く。シアターのステージやライティングを用いて、それぞれの役職・階級に該当する人物を音楽の転調と共に、ストーリー仕立てで紹介していく。始まりは貴族たちの登場であった。蝶のようなマスクを着けた女性が4人。ベースはエンパイアラインのエレガントなドレスで、一人ひとり生地が異なり、お気に入りのカラーと素材で仕立ててもらったような個性がある。共通しているのはボリューミーなアーム。シルクやプリーツのオーガンザ、ファーなど異なる素材で作られたアームが、権力・地位の象徴と言わんばかりに存在を放っている。その後は守衛、軍隊、不良少女、遊牧民、僧侶、扇動者、聖歌隊、新種族、王室と身分・階級の異なる住人たちが数人ずつ紹介されていく。フリルやファーのアーム、ラペルのパッチワークなどで再構築されたミリタリージャケットを合わせているのは軍隊・守衛でないか…。ナイロンアウターやリブなどのディテールを残したロングコートを纏ったのは僧侶ではないか…。現代の我々が想像できるヒントをわずかに残し、彼らのコスチュームが観客を楽しませてくれる。ラストは王室の人々ともにフィナーレへ。これまでよりも最も量感のあるドレスを纏った知的な女性たちとその先導を歩く王女とみられる女性。羊のようなヘアスタイルとふわりと広がったドレスを身に着けていて、ブランド内で度々登場するモチーフ・graceをほのかに感じさせる。神秘的で優雅で、それでいてしっとりとした女性が舞い踊り、静かにレッドカーテンの奥へ下がると、夢の地が幻のように消え、今季のアンダーカバーのショーも終わりを迎えた。
2017年03月07日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)は、パリ・ファッション・ウィーク4日目の2017年3月3日(金)に2017-18年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。テーマは「Chromatic Fantasia-極光色-」。波打つように揺らめき、輝きながら変化を遂げるオーロラ。今季は、その幻想的な光景から着想を得て「AURORAL」シリーズを生み出した。ブラックからグリーンへ、パープルからブラックへ見る角度によって色彩の深みが変化するテキスタイルは、ウルトラスエードをスリット状にし、織り込んだもの。オーロラの下で育ったシェットランド産の原毛を5色に染め上げ1本の糸に配合させた直線的なコート。裏地がよく見えるフーディなどが用いられ、豊かな色彩のコンビネーションで視覚的な楽しみをもたらしてくれる。また、特殊なのりをプリントし高温で膨らませたベイクド ストレッチシリーズは、大きなウェーブとボーダー柄を組み合わせてリズミカルな表情を引き出した。一方、折り目が織り込まれた状態で蒸気で縮めるスチーム ストレッチシリーズは発展し、四角い布から流動形のプリーツを作り出すことに成功した。この生地は、ショーの中盤から登場するのだが、曲線的な表現がとても巧み。ヘムラインや裾、襟元などで花のようにふわっと開く。このアウターとドレスを合わせてスタイリングすると、花束のようにゴージャスで優雅な佇まいに。また、今シーズンもユナイテッド ヌードと共同開発による「ISSEY MIYAKE × UN」からシューズが到着。洋服同様見る角度によってソールの色が変化する「WAVE」と波形カットのスニーカー「BUZZ」の2種類がラインナップしている。
2017年03月06日エルメス(HERMES)が3月7日24時30分(現地時間6日16時30分)よりパリで開催する2017秋冬ウィメンズコレクションショーのライブストリーミングを、オフィシャルサイト(hermes.com/defile)で配信する。ショーの様子はこちらからも視聴が可能。
2017年03月06日リック・オウエンス(Rick Owens)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク3日目の2017年3月2日(木)に発表された。まずはヘッドピースだ。全ルック一貫して用いられたこのアクセサリーは、耳のように左右対称に天に向かって垂直立ちしているもの、養蜂用の帽子を想起させるネットを組み込んだ顔全体を覆うものなどいくつかのパターンが用意されている。辛うじて理解できるのは、トップスのアーム部分からインスピレーションを得たのではないかということ。リブのようなものが存在し、それが垂れ流れたりピンと張った状態だったりして頭の上に乗っている。洋服はベル型のポンチョ風トップス・アウターがメインのようである。腕全体を覆い隠すかのように、ボディにプラスオンでかませた布地が緩い三角形のような形状を作っている。素材はキルティングダウン、ウール、レザー、それに加えて、おそらく起毛させたウールやスウェット地などが揃っていて、それらが難解なパズルのようにパッチワークされている。カラーはブラック、カーキ、イエロー、ワイン、ベージュなど。メンズと一貫したテーマやキーワードを持つリック・オウエンスであるが、ボトムスはメンズコレクションの影響を感じた。実はジャンプスーツであったワイドなパンツが、ウィメンズにも同じようなデザインで登場していて、トップスをひっくり返したような不可解な布地がウエスト下に存在している。身体を覆う一つの服地の中には、ポコッとした膨らみと第2の皮膚とも言えようフィット感が共存していて、四肢や人間の形を無視した状態で対象的なフォルムが並んでいる。テキスタイルをひねり、折りたたみ、ねじり、引っ張り……様々な形で手を加えてうねりのような、波のような緩い曲線を創り上げている。ボトムスはスリットの入ったロングスカートが多く、歩みに合わせてひらひらと舞う布地がほんのりとフェミニズムを感じさせた。
2017年03月06日サンローラン(Saint Laurent)は、パリ・コレクション初日の017年2月28日(火)に2017-18年秋冬コレクションを発表。同コレクションは、新クリエイティブ・ディレクターのアンソニー・ヴァカレロによるメンズコレクションの本格的な公開でもあった。(前回のデビューショーではわずか1体だったため)全106体にも及ぶ力強いピース。ドレス、ジャケット様々なスタイルのウィメンズの最新ルックに続く形でメンズウェアが公開され、フィナーレにかけては、惜しげもなくストーンを全面に配したダイヤモンドルックがメンズ・ウィメンズ連なる形で披露された。いずれも共通するのは、クチュールとストリートの融合と、アンソニーが得意とするアンバランスなモノづくりである。キーワードは、アビエイター ジャケットやサファリジャケットなどに代表されるミリタリーテイスト。ソフトで着心地のよいレザーを用いたアウターが、ボディコンシャスなドレスやスカートとスタイリングされている。レングスは変わらず極短のマイクロミニで、アクセントには、男女ともにブーツがセレクトされた。ウィメンズは太ももまであるサイハイブーツを、メンズもロングブーツをルーズソックスのようにくしゃくしゃとさせている。また、ミリタリーの着想から派生したレザーグローブも印象的に差し込まれた。アンソニーが好む、元々あったものを壊して作り出すアンバランスさ。この発想が、シャンティレースブラウスやベルベットトップスに取り入れられたバルーン型のアームやドロップドショルダー、ワンショルダーを作り出した。また、メゾンに伝わるフリルのディテールも過度にデフォルメされ、ベアドレスやマイクロミニスカートの上を走るように巨大なフリルがあしらわれている。80年代を想起させるスクエアパッド、胸まで大きく開いた大胆なカッティングドレスなど、メゾンに伝わる歴史も漆黒のベルベットを用いて、モダンに蘇らせた。着こなしは、ディウェアとドレスが照らし合わせるように組み合わされ、デニムやクルーネックニットがエレガンスと交わっている。フィナーレにかけて登場した、ケーブルニット風のトップスはその最たるもので、ダイヤモンドピースを幾何学的に並べるクチュールの技法を用いてラフなデザインが構築されている。
2017年03月06日メゾン マルジェラ(Maison Margiela)は、パリ・ファッション・ウィーク2日目の2017年3月1日(水)に2017-18年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。オートクチュール「アーティザナルコレクション」のエッセンスをプレタポルテとして表現するクリエイティブ・ディレクターのジョン・ガリアーノであるが、今季は皮をむく・はぎ取るという意味を持つ「デコルティケ」の手法で、洋服そのものの本質を突く。本来目立たないはずのシーム、スレットといった洋服のパーツや輪郭を際立たせ、本来隠れている裏地や構造を明らかにする。チェック柄の裏地のトレンチコート、オーバーサイズコート、ロングドレスといったオーセンティックなアイテムは、表面的なものはそぎ落とすようにカットアウトされ(時にカットアウトした上からオーガンザを充てて)内側の構造を立体的にみえるようにデザインされた。インに差し込んだエレガンスなドレスなどは、美しいプリントと色彩がアウターの上から判別することができ、より一層フェミニニティで魅力的に映る。そして、2つのものを繋ぎ合わせる「スプライシング」という手法も特徴的だ。ただただ異なるもの同士をパッチワークするのではなく、異なる時代・キャラクターのものを共存させる。例えば、40年代をイメージしたデイドレスに、その下着となるランジェリードレスを合わせ、パーツは全て幾何学的に配置する。それがバイアスカットで仕立てものとストレートカットで仕立てたもののマッチングであれば、ドレスの上に波打つようにドレープが生まれより表情に深みが増している。そして、今季もう一つ投下されたのは「デクタージュ」法。切り抜くという意味を持つこの手法は、主にデニムパンツなどに用いられポケットを切り取るように仕上げた。ベースとなるデニムパンツは、コレクションのキーワードの一つである1940~50年代ミューズ マリリン・モンローが着用したものをイメージしており、ハイウエストとヒップにフィットとしたサイズ感が古き良きアメリカンスタイルを思わせる。マリリンの影響はプリントになっても登場。彼女の顔をスクリーンプリントし、さらに引き延ばしてドット柄にみせてカットソーなどにあしらっている。そのスクリーンプリントの上から、輝くドット刺繍を配したオーガンザをかましたドレスは、異なる性格のドットが重なり合い幻想的でユニークに映る。
2017年03月06日アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)は、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションをパリ・ファッション・ウィーク3日目の2017年3月2日(木)に発表した。ロマンティックで開放的なシーズンである。「True Black」をキーワードに、パンクの精神と表裏一体なロマンチシズムを謳った昨シーズンと比べると、ストレートに甘さを表現しているように映る。ランウェイには、ペールトーンのピンクやブルー、ホワイトが溢れている。レース、オーガンザといった軽やかなテキスタイルが舞い、フリルやギャザーと交わり優雅に揺れている。左右均衡を崩したアイコニックなシルエットは、アシンメトリーなカッティングや左右どちらかに寄せたギャザー、また片方だけタックインしたスタイリングなどで受け継がれているが、その存在感を薄めてしまうほど、ふわりと広がる動線とフォルムが主流である。スリムパンツとロングブーツ、ブラックでまとめたロックなスタイルには、花刺繍を添えたブラウスやドレスを。前後逆転させたクラシカルなベストには、フリルブラウスなどを合わせて、フェミニニティを足し算する。シャツやブラウスから伸びた長いリボンやレースのヘッドピースから流れたリボンは、より一層フェミニニティを助長する。印象的に差し込まれたのは、ボルドー、パープル、キャメルと高貴な色で揃えたベルベット。そしてボリュームファーやフェザーも大きな存在感だ。しかしながら、いずれもロマンティックな世界を壊すことなく上品な佇まいである。
2017年03月05日ディオール(Dior)は、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションをフランス・パリで発表した。アーティスティック・ディレクターのマリア・グラツィア・キウリによる、2度目のレディ・トゥ・ウェアショーは「ブルー(青)」の物語である。クリスチャン・ディオールが好んだブルーは、聖母マリアのシンボルカラーでもあり、またパブロ・ピカソ、ポール・セザンヌなどの20世紀を代表する画家たちが愛した色彩でもある。この色を解釈するため、ムッシュが手掛けた1949年秋冬オートクチュール コレクションから「シュヴィエ」アンサンブルを引き出し、この伝統を手掛かりに新たな物語を刻む。深みがあり気品のあるブルーは、パリの染物職人によって作られた。伝統的な手法で仕上げた絶妙な色彩は、「シュヴィエ」アンサンブルを再解釈した、ジャケットやスカート、ドレスへとのせられる。象徴的なディテールであるフードからイマジネーションを膨らませ、牧師の祭服を想起させるエッセンスをも混ぜ込んでいく。始まりは単色で、プリーツや切替えによってリズムを付けた静かなものであるが、ショーが進むにつれ、伝統は未来へと繋がり、アーカイブにはモダンな息吹が吹き込まれていく。デビュー時と同様のブランドロゴが裾にあしらわれ、チェック柄やグラデーションカラーが全体に施される。さらに、青色=ワークウェアの色と咀嚼を進め、デニムやオールインワン、ミリタリー風ジャケットへとストーリーの主人公が移り変わっていく。比較的華美な装飾が排除された、シンプルな印象を全体からは受けるが、イヴニングではマリア・グラツィアらしい詩的な表現が見られる。ハンドメイドで刺繍された、星座やお守りのクローバーなどのモチーフが弾けるようにドレスの上で瞬いている。レースやチュールなどと交わると、夜の星空を眺めているような幻想的なロマンティックな気分に浸ることができる。
2017年03月05日バレンシアガ(BALENCIAGA)が、パリウィメンズファッションウィークで開催する2017-18年秋冬ウィメンズコレクションショーをオフィシャルサイト(www.balenciaga.com)にてライブストリーミングで配信する。3月5日19時半(現地時間11時半)より。※会場の都合で開始時間が遅れる場合あり。
2017年03月05日ネヘラ(NEHERA)は、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションをパリ・ファッション・ウィーク2日目の2017年3月1日(水)に発表した。今シーズンのネヘラは、ネヘラのシグネチャーといえるマニッシュなスタイルやワークウェアにのせて女性の美しさや官能性を定義する。フェミニニティとは遠い男性的なウェアをボリュームコントロールと再構築によって、エレガンスへと昇華させる。テイラードジャケットは、アシンメトリーなカッティングによりボタン位置をずらした。身体を横切るようにラップされた前身頃は、カシュクールのような形状になっている。ピンストライプのトレンチコートは、ボリュームをアレンジして、スクエア型のボディに。アームに取り付けたジップやボタンディテールが、ざっくりとした印象の中に手の込んだ女性らしい要素を吹き込む。コートやジャケットは、前後逆転させてバックスタイルにあるはずのハーフベルトを前身頃のボタン位置にオン。ブロークンダメージを与えたニットに至っては、ショルダーラインを越えてバッグスタイルの高い位置に、羽根のようなショルダーポイントを合わせた。いずれも本来あるべきところからは姿を消し、ないはずの場所に何かが存在することで神秘性が増している。印象的に用いられたのは、レザーのグローブ。エプロンと並んでワークの香りがするこのアイコンを、あえてフェミニンな花柄ワンピースや膝下丈のドレスなどとマッチさせた。肘上まで覆う重量感のある佇まいは、肌を見せない禁欲的な要素を持ち合わせつつも、プロテクションの役割を担い繊細さの中に強さを投じている。
2017年03月05日ジョン・ガリアーノ(John Galliano)によるメゾン マルジェラ(Maison Margiela)が3月1日、グラン・パレを会場に2017年秋冬 「デフィレ」コレクションを発表した。1月に発表したセルフィーがテーマの2017年春夏「アーティザナル」コレクションからの流れを汲みながら、レイヤリングの新手法を披露。服の構造・本質を明らかにするという意図で、服をカットアウトして中に重ねられているアイテムを見せたり、逆に既存のものに装飾を加える上書きの手法も見せている。後者は、セルフィーのアプリでポートレートに線をなぞる動作からインスパイア。ベースとなるアイテムは40から50年代のカレッジジャンパーやサルトリアルコートなどで、それらをカットアウトしてステッチラインのみを残して服の構造を強調。削ぎ落とす行為とは逆に、フォークロリックなカーペット用ジャカード素材にネオンカラーの立体的な刺繍を施したりするなど、装飾を加えてデコラティヴにしたアイテムでコントラストを見せる。ローエッジのコットンベルベットのパーツを重ねてアストラカン風にしたり、パイソン風の素材をあしらったり。虚像と本質の境界線を曖昧にする魔術師ジョン・ガリアーノのマジックが至る所に感じられるコレクションとなった。
2017年03月04日ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)が2017年秋冬ウィメンズ&メンズコレクションを発表した。
2017年03月04日アンリアレイジ(ANREALAGE)は、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションをパリ・ファッション・ウィーク初日の2017年2月28日(火)に発表した。周り続け転換の多いファッションの世界。その姿を木の年輪に例えた今シーズンのテーマは「Roll」。コレクションの真髄を象徴的に切り取ったのは、彫刻家・名和晃平 / SANDWICHとの協業による2体である。本来、洋服はロール状に巻かれた布を引っ張り出し裁断して作るものだが、今回はこの発想からは脱し、ロール状態のままの布から洋服の形を作り出した。巻かれたデニムは300メートルにも及び、これをドリルを装着したロボットアームによって削り出す。3D技術を取り入れながら逆転の発想で生まれたドレスは、彫刻のように硬質でありながらも波のような流れるラインが描かれている。テクスチャーは重層的で、同時に歳月の重なりを語りかけてくる木々のような温かみがある。この2ピースの登場から始まったショー。会場中央には、このデニムドレス制作時に出た切削屑で作られた青い海が広がっていた。この海を囲むようにランウェイを歩くモデルたち。続くのは、オーガンザリボンテープが幾重にも巻かれ、木の幹のような円柱型をしたフェミニンなドレスであった。その後は、ここ数シーズンとは異なり、シティに馴染むパンツやドレスといった‟着られる=Ready to wear”が並んだ。年輪柄のニットドレス、レーザー加工で年輪模様を焼き付けたデニムワイドパンツ、1本のテープ状の布をジップやボタンで巻き付け作り出したドレス。ユニークなのは、フェルト地を99枚も重ねたグレーのドレス。ロール状にしたフェルトをドレープの陰影が出るように作り上げたもので、3D技術によって仕上げた、技術力の塊のようなピースである。
2017年03月04日サルヴァトーレ フェラガモ(Salvatore Ferragamo)は、ミラノ・ファッションウィーク5日目の2017年2月26日(日)に、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。目指したのは、ブランドの伝統を引き出し、女性らしさとダイナミズムを備えたデイタイムとイブニングの装いだ。今シーズンのサルヴァトーレ フェラガモを象徴するのは、ダイナミックなカッティングによる新しいシルエットの提案である。ジャケットにあしらわれたのは、揺れ動く襟とフードを合体させた花びらのような襟元。顔を覆うほどの高さとボリュームのあるディテールがシーズンアイコンの存在を放つ。また、ワンピースは袖とスカーフを組み合わせて流れるようなシルエットに。後身頃のみロングマントになったテーラードジャケットや、レザーと別素材(ウールのような質感)をインサイドアウトの手法で外側・内側のテキスタイルを見せたドレスも存在する。ベースとなるのは、流線的なIライン。程よいフィット感でタイトになりすぎない、ロングスカートやセンタープレスパンツなどが揃っている。前後・左右に配されたスリットや縦縞のステッチ、パイピングなどは、シルエットの優美さを印象的に切り取る役割だ。色彩は、ブラック、ベージュなど伝統に重んじたクラシックなカラーをセレクト。ペールトーンのパープルやライトブルーなどを用いて、ゼブラやレオパードといったアニマル模様も描かれてる。目新しく感じたのは、レジャー着想のアクティブウェア。ビッグボリュームのキルティングコートがランウェイを訪れた。シューズは、アーカイブを紐解き新たな形状で蘇らせて。アイコンであるソフトソフィアバッグも新色と新素材を融合させてアップデートして登場している。
2017年03月03日ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)が2017-18年秋冬コレクションを日本時間の2017年3月4日(土)午前4:00より、フランス・パリで発表。ショーの模様は、ファッションプレスでも生中継する。会場では、パナソニック社の世界初4K60p記録ができる、最新ミラーレス一眼カメラ「LUMIX DC-GH5」を複数台使用した高精細・高品質のリアルタイム発信が行われる。高画質の映像により、最新コレクションが纏う独特の空気感、質感までをも捉えることが可能だ。会場で見ているかのような臨場感をぜひ味わってみては。なお、先シーズンの2017年春夏コレクションでは、男性を象徴する「ジャケット」にカッティング・ペインティング・リサイジングを施し、新しいフォルムへと繋げたウェアを披露。ドレスへの転身は、片方を断ち切りワンショルダーにしたり、コルセットのようなリボンディテールを添えるなど、様々な方法で再構築が見られた。【詳細】ヨウジヤマモト 2017年秋冬コレクション配信時間:日本時間 2017年3月4日(土)午前4:00※現地時間:2017年3月3日(金)20:00【問い合わせ先】ヨウジヤマモト プレスルームTEL:03-5463-1500
2017年03月03日