ジュンヤ ワタナベ(JUNYA WATANABE)は、2024-25年秋冬ウィメンズコレクションを2024年3月2日(土)にフランス・パリで発表した。鋭角な立体装飾衣服と彫刻のコントラストの美しさを表現したという2024-25年秋冬シーズン。まず注目を集めたのは、巨大で鋭角な立体装飾だ。三角形のフォルムに沿ってドレープを描くマントや、骨組みの縁取りに沿って立体的に解体されたジャケットなどが登場した。ベルトを連ねたプリーツスカートには、連なる三角体をハーネスのようにしてコーディネート。身体の造形となじまず交わらない、直線的なフォルムが彫刻のような佇まいを形作る。質感の対比徐々に立体の装飾は形を変え、ドレスのウエストに配された棘のようなモチーフや、カーブを描きながら抽象的に身体を覆う鎧のような装飾が披露された。艶やかなレザーで作られた装飾がハードな一方で、中に着たブラックのウェアは柔らかなムードなのが印象的。エレガントなドレープの浮かぶパンツや、しなやかなレース地ときらめく素材を組み合わせたドレス、色鮮やかな花柄のドレスなどが硬質なレザーと対比を描いている。クリノリンやバッスルをレザーでまた、ドレスのクリノリンやバッスルを連想させる造形も印象的。本来はドレスのボリュームを持たせるため内側に配される骨組みをあえて外側に出した形で展開している。骨組みそのものをレザーで組んだものから、ドレスにレザーの切り替えを施すことでバッスルのようなシルエットに仕上げたものまで、多彩なバリエーションが登場している。身体を覆うアーマースタイルアーマースタイルもアイキャッチ。テクニカルな素材使いで肩や腰を拡張しつつ身体をガードするようなデザインのコートやポンチョ、ジャケットが披露されている。また、メタルの装飾を施したパワーショルダーのコートや、スタッズ付きのレザーベルトを幾重にも連ねてたすき掛けにしたハーネスも防具のように身体を覆っていた。ホカとのコラボシューズまた、ランウェイにはホカ(HOKA)とコラボレーションしたブラックのスリッポンシューズが登場。ブラックのアッパーにチェーンの装飾を施し、アクセントを効かせている。
2024年03月07日ノワール ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)は、2024-25年秋冬コレクションを2024年3月2日(土)にフランス・パリで発表した。自由に描くカラフルな装い今季のテーマは“虹色”を意味する「Iridescence」。従来とは異なるカラーとテクスチャーを採用し、新たなクリエーションを追求したという。コレクション冒頭を飾ったのは、さまざまな色のカラーコードを絡めたピース。絡み合いながらのびのびとそれぞれの線を描くカラーコードが、子供の落書きのように自由なムードを演出する。足元を彩るのはリーボック(Reebok)の「インスタポンプフューリー」にカスタマイズを施したシューズ。アッパーを覆うように立体的なフラワーモチーフの装飾を施した。透け感と鮮やかな色彩を組み合わせてみずみずしいエネルギーを見せたルックも登場。シアーな生地で花々を模ったドレスや、赤・緑・紫・オレンジなどの色を纏った羽とチュールのドレスなど、ふんわりとした柔らかな装いが揃う。一方、ウォーミングなコーラルピンクのチュールスカートやドレスには、ブラックを組み合わせてダークなエッセンスをプラス。淡くエアリーなカラーブロックを施したブラックのフード付きコートや、ブラックの花を装飾したハーネスがチュールの柔和な雰囲気をクールに引き締める。幾何学的な装飾+キルティングウェアコレクションの随所に見られる幾何学的なアプローチにも注目だ。中でも印象的に用いられていたのがキルティング。グラデーションに塗装された網状のハーネスやフラワーモチーフの立体的なケープを重ねると、光沢を備えたキルティング地の質感も相まって玉虫色に輝いているかのように見える。また、オレンジをアクセントカラーに、太い紐を編み上げたMA-1ジャケットやアームカバーを組み合わせたルックも目を引いた。ささやかな遊び心また、ささやかな遊び心を効かせたチェック柄のウェアも登場。リボン付きのハーネスや、複数のネクタイを連ねたユニフォームライクなルックが展開された。きらめくスペクタクルなドレスショーのラストには、一際輝きを放つアートピースのようなスタイルが勢揃い。オーロラカラーにきらめく花々を編み上げたトップスやドレス、ステンドグラスのように色鮮やかなパネルを組み合わせたドレスなど、スペクタクルなウェアが次々と披露された。クライマックスを飾るのは、群生する花々を思わせるドレス。裾に向けてダイナミックに広がるボディに、無数の花々が生き生きとした佇まいを描き出していた。
2024年03月07日コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)は2024-25年秋冬ウィメンズコレクションを2024年3月2日(土)に発表した。黒の宮廷衣装ベートーヴェンの「月光ソナタ」第3楽章にのせて披露されたコム デ ギャルソンの2024-25年秋冬シーズン。モデルたちは大きく聳えるようなウィッグを着用し、舞踏会さながらの華やかな雰囲気を見せる。ただし、ドレスのほとんどが、黒のフェイクレザーをベースに仕立てられているのがポイント。コム デ ギャルソン様式の宮廷衣装がランウェイを黒の舞踏会へと誘った。ボリュームのあるシルエット注目を集めたのは、パターンによってボリュームを出したドレスルック。風船のように空気を含んだパーツをいくつもあしらったドレスや、たっぷりとフェイクレザーを用いて分量感を持たせたドレスが登場している。折りたたんだフェイクレザーを連ねていくつものひだをあしらったドレスは、不均一なひだが躍動するかのように生き生きとした表情を見せている。また、巨大なフリルを裾に配したベルボトムパンツや、大きく折り曲げたフェイクレザーが身体を覆うドレスなど、大胆なディテールも散見された。有刺鉄線柄のドレスは箱のようなスクエアフォルムに仕立て、服の空間を大きくとった仕上がりに。立方体の縦、横のラインにファスナーを走らせており、腕を出す部分の開き方など形を調整することができるようになっている。バラやリボンの装飾豪華絢爛な装飾も随所に散見されている。バラを象った立体的な装飾を配したガウンや、光を受けて繊細にきらめく羽のようなケープは、余韻を残していくような華やかさが魅力だ。また、リボンを大量に連ねたドレスや、ボリュームのあるスカート部分に大きなリボンモチーフを配したドレス、花びらのようなギャザーにホワイトのPVC素材を重ねたドレスも披露された。ラストを飾る白のドレスショーのラストには、これまでのルックとは打って変わってすべて真っ白なドレスが唯一登場。柔らかな白の色味と、贅沢に生地を用いたリュクスなシルエットが相まって、神秘的な佇まいを見せた。
2024年03月07日クロエが、新クリエイティブ・ディレクター、シェミナ・カマリ(Chemena Kamali)による2024年秋冬コレクションを発表しました。Courtesy of Chloéクロエに戻ってくるのはとても自然なことで、まるで新しいスタートのために故郷に帰ってきたような気分です。このコレクションは、私が愛するメゾン、私が愛するスピリット、そして私が愛する女性たちのための、とても個人的で感情的なつながりから生まれたものです。クロエは ″フィーリング ″そのものです。20年前にここで働き、初めてクロエ・ウーマンのスピリットに惚れ込んだときの気持ちを取り戻したいです。彼女の鼓動、ナチュラルな美しさ、自由奔放で無造作な感覚、彼女の存在をもう一度感じたいです。少女のような輝き、エネルギーを。彼女はリアルで、それらが彼女自身なのです。私にとって着飾ることは、人生のさまざまなステージにおいて、女性としてどのように進化していくのか、そしてどのように自分らしさを定義し、受け入れ続けていくのかという自分探しの一部です。メゾンの原点に立ち返り、温もりとポジティブさを放つ、センシュアルなクロエを創造したいのです。このコレクションは、私がとても親しみを感じているメゾンの1970年代後半時代に遡ります。センシュアルで、エフォートレスに力強く、自由でナチュラルなフェミニニティを象徴する時代です。流れるような動きのあるクロエ・シルエットは、すべてこの自由のためです。シルエットの対照的なプロポーションを直観的に表現したいのです。クロエ・ウーマンのエッセンスと、彼女が体現するすべての矛盾を受け入れ、とらえること。これこそがクロエ・アティチュードを定義づけるものなのです。70年以上前にギャビー・アギョンがメゾンを設立したときの先進的な精神に敬意を表します。彼女は女性を解放し力を与え、大胆かつ自由な気持ちにさせたかったのです。今回のコレクションは、直感、自由、そして本能的な女性のエネルギーをテーマにしています。ノスタルジーを感じさせながらも、私たちが生きている時代を映し出し、現代の女性がどのように感じたいかを先取りしています。何が正しいと感じ取れるか、なのです。クロエはあなたらしさを変えるのではなく、そのありのままでいさせてくれます。自分の直感に従ってください。今回のショーを父に捧げます。 ― シェミナ・カマリCourtesy of ChloéCourtesy of ChloéCourtesy of ChloéCourtesy of ChloéCourtesy of ChloéCourtesy of ChloéCourtesy of ChloéCourtesy of ChloéCourtesy of ChloéCourtesy of Chloéシェミナ・カマリ(Chemena Kamali)/Courtesy of Chloéお問い合わせ:クロエ カスタマーリレーションズ03-4335-1750www.chloe.com
2024年03月07日フェラガモ(FERRAGAMO)は2月24日、ミラノで2024年春夏コレクションを発表しました。Courtesy of FERRAGAMOフェラガモの2024年秋冬コレクションで、マクシミリアン・デイヴィスは1920年代を独自の視点で探求し、その自由なアイデンティティのエッセンスを抽出します。短いヘムライン、流れるようなファブリック、ドロップしたウエスト、リラックスしたカッティングなど、これまでの社会的慣習から解放された象徴的なビジュアル・コードを凝縮し、より磨きをかけて洗練させたコレクションは、19-20世紀の2つの感覚を持ち合わせた1920年代の自己表現を反映させています。1920年代において服は、自由を謳歌する手段の代表の一つでした。そしてその自由の表現は、私自身や私の財産、そしてフェラガモと共鳴するものなのです。ラッカー仕上げのオーガンジーのドレスやきわめてフェミニンな透け感、フェザーやスパンコールの刺繍と並んで、ジョーン・クロフォードやグレタ・ガルボなど男性的なシルエットを好んだ当時の女優たちのワードローブが、広い肩幅、重厚なウール、しなやかなレザーに反映されました。テーラリングでは、シャープで彫刻的なラペルがシュルレアリズムの精神を感じさせ、変形したプロポーションと相まって、まるでレイヨグラフのポートレートのように印象的に仕上げられました。フェラガモのアーカイブにもよく見られるブランケット・ケープは、身を守るためのものとして使用されていた1920年代を表徴するアイテムの一つです。20年代、人々は自分たちを取り巻く社会に対する意見を交換する場として、スピークイージー(禁酒法時代に密かにお酒を提供していたバーなど)を通じて、コミュニティを形成していました。危険を避けるために人々はケープをまとい、身の安全が確保されるまでは着ているものを隠していました。Courtesy of FERRAGAMOこの“身を守る”という発想はこのコレクションのテーマの一つであり、当時のユニフォームに加え、太ももまであるウェーダーやレザーのアウターウエアなどのフィッシャーマンの実用的なワークウエアがインスピレーション源となり、流れるようなドレープと対をなしています。上質なウールカシミアや、エフォートレスな繊細さを演出する裏地のないレザーは、それぞれが異なる柔らかさを表現し、コレクションにフェティッシュな魅力を与えます。Courtesy of FERRAGAMOCourtesy of FERRAGAMOフットウエアでは、スウィートハートシェイプのサテンパンプス、エレガントなTストラップのスティレットヒール、アーカイブから取り出したストラップサンダルなど、当時を象徴するようなディテールが、控えめながら確かな存在感を示します。「私はいつも、物事を徹底的に見直します。歴史を振り返り、その時代の象徴や流行したものを、よりクリーンでモダンに再定義するのが好きなのです。Courtesy of FERRAGAMOアンドロジニーの精神に基づき、伝統的なブローグシューズのディテールやモンクストラップのバックルをシガレットヒールのミュールに取り入れました。メンズのフォーマルな厳格さはさりげなく姿を変え、ダービーシューズは少しシュールなインパクトを与えるために緩やかに細長いシルエットになり、幾何学的な四角いヒールを採用しました。実用的なブーティは緩やかにボリュームを持たせ、つま先をスクエアにすることで、ヴィンテージのシルエットを現代的にアレンジしています。Courtesy of FERRAGAMOバッグでは、アイコニックな「ハグ」バッグのシーズナルバリエーションとして、フェザーや、グレインドカーフ、新しいフェラガモのモノグラムのスタイルが登場します。950 枚のラミネートレザーのスパンコールを19時間かけて手作業で縫い付けた、まるで人魚の鱗のような特別なモデルは、フェラガモの卓越したクラフツマンシップを表現します。「フィアンマ」バッグには、このコレクションテーマを反映した新しいサイズと陰影のあるアニメーションが仲間入りし、さらにフェラガモの故郷フィレンツェのシンボルであるユリの花をモチーフにしたガンチーニで開閉する、ソフトなフォルムの新しいハンドバッグも登場します。Courtesy of FERRAGAMOCourtesy of FERRAGAMOCourtesy of FERRAGAMOCourtesy of FERRAGAMOCourtesy of FERRAGAMOCourtesy of FERRAGAMOCourtesy of FERRAGAMOお問い合わせ:フェラガモ・ジャパン0120-202-170
2024年03月06日アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)は、2024-25年秋冬コレクションを2024年3月2日(土)にフランス・パリで発表した。ショーン・マクギアーのデビューコレクション今季は、新クリエイティブ・ディレクターのショーン・マクギアーが手掛ける初のシーズン。ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW Anderson)でヘッドデザイナーを務めた経験も持つショーン・マクギアーがデビューコレクションのテーマに選んだのは「ラフな贅沢」。端正なテーラリングと予想外のフォルムを組み合わせながら、内なる動物性を露わにしていくようなワイルドかつエレガントなクリエーションを提示する。身体を包み込むデザイン散見されたのは、身体を"包み込む”デザイン。ざっくりと編み込んだハンドニットのセーターは、通常の4倍もの大きさの襟を採用しており、着用するとまるで身体が埋め込まれているかのような彫刻的なフォルムに。コルセットをベースにしたダブルフェイスのモヘアニットもまた、グラスのように立体感のある造形で身体を覆う。襟にパッドを配し、極端に誇張したシアリングのコートもアイキャッチだ。すっぽりと身体を覆うことで、逆説的に内側の身体への意識を掻き立てる。また、手を隠すディテールも随所に登場。ドレープを浮かべたラミネートジャージーのドレスはフロントに手を入れておくことのできるスペースがあり、さびたような風合いに仕上げたアビエイタージャケットやスタッズの並ぶレザーブルゾンも同様に、身体の前方にポケットが来るようレイアウトされている。たっぷりと生地を使用したレオパードジャカードのビスコースドレスは、両袖をショールのように繋げたデザインがユニーク。袖口が無く、優雅な生地の流れの中で腕を覆い隠すような設計になっている。拡張と圧縮拡張と圧縮のディテールを混在させることで遊び心を加え、ラインナップをより豊かに構築した。テーラードのロングコートやレザーコートはパワーショルダーで肩を強調する一方、ウエストをタイトにシェイプしたシルエットを採用し緩急をつけた。また、ウールモヘアのピンストライプスーツやベルベットのコートには、ウエストや袖をコードで縛るディテールをプラス。ストイックな佇まいに仕上げている。フューチャリスティックなデザイン加えて、フューチャリスティックなデザインも目を引く。ニットのミニドレスには、もこもこしたボアのパーツをフロントのみに配し、有機的な表情をプラス。オーガンザのコートは、そのシアーな透け感を生かして内側からスカルのライトを点灯し、デザインに意外性のあるアクセントを加えている。割れたミラーを張り合わせたTシャツやドレス、様々な形・色の破片を散りばめたノースリーブドレスは、瞬間を閉じ込めたようなデザインに。また、一見するとトルソーのような、人間の身体を大きく縁取る立体ドレスは、生地や糸を使わずに身体を覆う未来的なドレスの存在を示唆した。
2024年03月06日リック・オウエンス(Rick Owens)は、2024-25年秋冬ウィメンズコレクションをフランス・パリで発表。故郷のポータービル、父親との記憶今季のテーマは「ポータービル」。デザイナーのリック・オウエンスが生まれ育った故郷であり、自身の記憶や父親と過ごした思い出がインスピレーション源になっている。特に、テレビを見せなかったという父親から読み聞かせてもらったという『火星のプリンセス』をはじめとするエドガー・ライス・バローズのSF小説や、物語に登場するキャラクターから創作のアイディアを得た。身体を拡張するフォルム特徴的なのは、宇宙人を連想させるような身体を拡張するフォルム。起毛感のある中綿入りストールを巻きつけたボディスーツのルックや、突き出したショルダーのロングコートなどがフューチャリスティックなムードを描く。華やかなピンクのドレスは、背面から飛び出した立体的なパーツがシャープな一方、腰回りにはドレープを効かせ流れるようなエレガントなシルエットに仕上げている。また、ニットの下には、鋭角な肩パッド入りのレザーベストをレイヤード。肩の位置が極端に高く、張り出したパワフルなシルエットを生み出した。繊細なスパンコール生地をチューブ状に巻いて構築したアートピースのようなドレスも目を引いた。立体的に膨らんだパーツが肩をすっぽりと覆うダウンブルゾンは、キルティングによって有機的な造形に。イエローやボルドー、グレーなど温かみのある色をまとい、斬新な形ながらどこか親しみを覚えるような佇まいに仕上げている。繰り返し登場する厚底ブーツは、中綿やレザープリーツによって膨張。身体にフィットしたタイトなニットウェアに組み合わせることで、より一層存在感を放っていた。風合い豊かな素材特殊な加工を施した素材使いにも注目だ。デニムにワックスのコーティングを幾重にも施し、洗いをかけて表面を風化させたレザーライクな質感のトップスや、ふんわりと起毛させたシルクとアルパカの混紡素材を用いたロングコート、ストールなど、リュクスな風合いのアイテムが展開されている。また、なだらかに身体に添うジャケットやスカートには、廃棄された自転車のタイヤゴムが用いられている。
2024年03月06日ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)の2024年秋冬ウィメンズコレクションが発表された。身体と装い、官能の関係性今季のドルチェ&ガッバーナがテーマとしたのが、「タキシード(TUXEDO)」──一般に男性のもっともフォーマルな装いのひとつに数えられるものである。ドレスに見られるような装飾を一切廃し、色彩の繚乱すらも厳しく抑制することで、身体の理想的なフォルムを純粋に描きだすこの構築的なテーラリングは、ここでは女性の装いへと転換されることになる。コレクションはしたがって、ブラックのなかにシルクの光沢が華やぐ、タキシードの多様さを軸としている。テーラリングは、ダブルブレストのジャケット、ミドルコートやロングコート、ショート丈やワイドショルダーのジャケットなど、さまざまな丈感やバランスで変奏するばかりでなく、その特徴である大ぶりのピークドラペルを引き継ぎ、ジレや付け襟にも反映している。先に、テーラリングはその明晰な構築性でもって、身体の理想的なフォルムを具現化するものであると言った。では、ここで試みられているのは、いかなるシルエットか。シャープなセットインショルダー、流麗にシェイプさせたウエスト、すっと直線を描いて伸びる裾と、いわばアワーグラス型のラインを、力強くセンシュアルに描きだしているといえる。テーラリングが具現化する、シャープな身体のライン。ではここで、衣服をまとう身体は、装いの圧倒的な不透明性の裡に隠蔽されるのか。その答えは否である。装いは身体を覆うことで、逆説的に身体を際立てる。それは裸形の官能性にも当てはまる。つまり、ヌードはそれ自体としてエロティックであるのではなく、衣服に覆われうるからこそ──換言すれば、衣服との関係裡にあるからこそ──、事後的に官能性を帯びてくるのだ。ドルチェ&ガッバーナは、衣服と裸形の官能的な関係性を、積極的に引き受けているように思われる。ランジェリーを彷彿とさせる、レースのキャミソールドレスやジャンパードレス。タキシードのラペルを引用した、シースルーのガウン。シアー素材のボリューミーなブラウス、あるいはネットのドレスやトップスなど、その透け感でもって身体のシルエットを二重化するウェアが数多く見られる。そして、衣服と裸形が重なる臨界に、愛でるべき官能が装いへとのり移るフェティッシュがあるのではなかろうか。透け感のある素材が光の行き交う視覚性であるのならば、フェティッシュはむしろ、艶かしい触覚性である。それは、ダイナミックなロングコートやショート丈ジャケットのファー、タキシードを基調としたジャケットやコートのベルベットなどと、肌理を愛でるかのように豊かな素材感の裡に表されている。
2024年03月05日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)は、2024-25年秋冬ウィメンズコレクションを2024年3月1日(金)にフランス・パリのポルト・ドレ宮にある国立移民史博物館にて発表した。「まとう」を追求した衣服イッセイ ミヤケの2024-25年秋冬コレクション「What Has Always Been」では、“布をまとう”という太古から続く営みに着目。服を仕立てようとするのではなく、「まとう」ものとして考える中で生まれたドレープやねじれ、重なりなどの偶然の間を生かしたウェアを提案。本質を追求しつつ、ユーモアを効かせたデザインに注目だ。「一枚の布」をまとう服を「まとう」ものとしてとらえるものづくりの姿勢は、イッセイ ミヤケのコアである「一枚の布」の考え方とも相通じるもの。「一枚の布」をトルソーにまとわせることから作り出した布帛「エンヴィジョン(ENVISION)」は、緩やかなカーブを描きながら身体を包みこむようなフォルムのシリーズ。ストレッチ性のある糸を織り合わせた和紙素材を用いることで、ボリュームがありつつも柔らかくなじむようなウェアに仕上げた。なお、生地は2024年春夏にも登場したものを発展させ、一層さらりとした風合いに仕上げたものを使用している。また、暖かな和紙・ウール生地を帯状にしてまとうトップスやドレス、もとの生地幅を活かしたほぼ四角形のパターンから作ったアシンメトリーパンツなども登場。いずれも、折り重なる布地から成る優雅な分量感が特徴だ。鮮やかな色が彩る旅人の装いピンク、イエロー、グリーンといった鮮やかな色彩が目を引くハンドプリーツのルック「ワンダー(WANDER)」シリーズは、着込んだ旅人のような佇まいに。繊細な透け感と独特のハリを持つ生地をベースに、円形と直角の型を用いてハンドプリーツを施した。プリーツによって様々な方向に生地が流れ、唯一無二のバランスを生み出している。秋の七草を生き生きと描き出した、ヴィヴィッドなロングコートやポンチョもまた、どこか旅人を思わせるピースだ。草花に直接絵の具を塗ることで作り出した絵柄が、大胆さと繊細さの両方を表現。野草の生命力を思わせる仕上がりとなっている。アサガオの花や空の色を表現したニットウェアさらに、ニットも充実している。袖口や裾がアサガオの花のように広がる無縫製ニットトップスやドレスは、水色からグリーン、ホワイトからライラックへと徐々に色が移り変わっていくのがポイントだ。また、夕方や夜中の空模様の移ろいを手染めのグラデーションで表現したニットや、色の重なりを1着で表現した二重構造のニットウェアは、様々な着方を楽しめるようにデザイン。着方によって異なる表情を楽しむことができる。
2024年03月05日ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)は、2024-25年秋冬ウィメンズコレクションをフランスのパリ市庁舎にて2024年3月1日(金)に発表した。“立体”を装飾したドレス最初に目に飛び込んできたのは、角ばった立体を積み上げたようなフォルムのブラックドレスやセットアップ。直角の立体がまるで布地の表面から浮き上がり増幅しているかのような佇まいが目を引く。また、黒と白を大胆に切り替えたドレスや、緩やかなコクーンシルエットを描くコートなども角のある立体をまとっている。布地の流れを生かす曲線ではなく、直線的で角ばった表現が新鮮に映った。立体的なモチーフはショーが進むにつれ角がとれ、抽象的な輪郭を描くモチーフへと移行。生地表面にとらえどころのない有機的な空間とフォルムが生み出されることで、独特な佇まいを極めている。加えて、生地を折り重ねたり、くしゃっと無造作に貼り付けたりしたようなディテールのドレスも登場。一見偶発的なフォルムに見えるが絶妙なバランスで成り立っており、生地の重なりや動きが優雅さを漂わせる。チェックやストライプ柄をフィーチャーまた、ヨウジヤマモト プール オム 2024年秋冬コレクションと同様、象徴的な黒のルックだけではなく色を使ったルックが多く登場しているのも今季の特徴だ。散見されたのは、ダークトーンのチェック柄。たっぷりと生地を使った赤チェックのドレスにグリーンチェックのショートジャケットを重ねたルックや、チェックonチェックでボウタイブラウスを合わせたセットアップは、色のトーンは落ち着いていながらもパンクな精神を秘めている。序盤で登場した立体モチーフは、柄のアイテムにも応用されている。ショルダーを直覚的なフォルムに仕上げたストライプ地のジャケットや、隆起しているかのような立体感のチェック柄スカートなどが登場。ストライプ柄パンツは、柄のラインをあえてずらすように切り替えを施し、脚の様々な部分に立体パーツをオン。直線を使った柄の性質も相まって、より一層グラフィカルな佇まいを強調している。グレーのテーラードジャケット、後ろ姿にアクセント今季シンボリックに用いられていた色はグレー。ショーの終盤を飾るセットアップには、すべてグレーの生地が用いられていた。テーラードジャケットは肩を尖らせ、ウエストを絞ったシャープなデザインに。いずれも、背面の裾から中に着たシャツのデコラティブな裾が見える着こなしで展開されており、斜め上に向かって跳ねるような裾や、ふわりと波打つラッフルを重ねた裾などにより、アイキャッチな後ろ姿を提示した。コーディネートのアクセントとして、大ぶりなモチーフのネックレスなどアクセサリーが効果的に使われていたのも印象的だ。
2024年03月05日ロエベ(LOEWE)は、2024-25年秋冬ウィメンズコレクションを2024年3月1日(金)にフランス・パリのヴァンセンヌ城にて発表した。由緒と階級社会にフォーカス今季のテーマは「由緒」の研究。英国の階級社会や、特権的な意味合いを持つ特注品の「テーラリング」と「クチュール」の融合がクリエーションの鍵となっている。男性的な仕立て服と女性的なオーダーメイドの服を共存させつつ、その特権性をロエベの視点から解体し、遊び心いっぱいに表現しているのがポイントだ。テーラリングとクチュールの融合モーニングコートは、後ろ裾を極端に長くすることでフェミニンな印象に。かっちりとした英国製ウールツイルのテーラードジャケットに合わせたバルーンパンツは、生地をたっぷりと使ってドレープを効かせ、優雅さとリラックス感を同時に演出する。また、ふんわりとリュクスに起毛させたニットには、マニッシュなスラックスをスタイリングして紳士服の要素をプラス。階級社会を思わせるネイビーのキャプテンコートは、ロエベのアイコニックなナパレザーを用いて仕立てた。アルバート・ヨークの詩的な絵画世界に着想また、アメリカの画家、アルバート・ヨークの作品がコレクションの随所に散りばめられている。アルバート・ヨークは“アメリカで最も高く評価されている無名の画家”であり、木々や田園の風景、花、犬、牛などを描き小さな絵画作品を制作した人物だ。ショー会場には、アルバート・ヨークの1963年から1990年にかけての作品を展覧会さながらに展示。静かで詩的な世界観を空間いっぱいに表現した。目を引くのは、アルバート・ヨークの作品と呼応する絵画モチーフのウェアだ。色とりどりの花々を散りばめたブーケ模様のシルクサテンドレスをはじめ、植物や野菜を描いたパンツなどが登場。ビーズ刺繍を施した柔らかなタペストリーのドレスには、犬をダイナミックに描き愛らしい佇まいに仕上げた。また、ウェアだけでなく「スクイーズ」バッグやブーツにも温かみのある色彩で草花のモチーフがあしらわれている。彫刻やオブジェのような装飾アーティスティックなムードを後押しするのが、装飾的なディテール。流れるようにしなやかなドレスや、柔らかなフォルムのブラウスの中心には、ベルトのバックルをあしらい服のバランスを引き締めるアクセントに。コートの襟には銀色に輝く木製彫刻のような装飾を施した。また、花柄のアシンメトリードレスの肩にはオブジェのようなスケルトンの装飾を大胆に配置し、イートン校の制服を彷彿させるカレッジボーイスタイルには大きなスタッズを並べたカマーバンドを組み合わせている。
2024年03月05日ジバンシィ(Givenchy)は、2024-25年秋冬ウィメンズコレクションをフランス・パリで発表した。創業者ユベール・ド・ジバンシィとの対話ウィメンズプレタポルテのデザインチームが手掛けた今季のジバンシィが提案するのは、センシュアリティと劇的なサスペンスを投影した現代のパリジェンヌの装い。創業者ユベール・ド・ジバンシィのアーカイブとの対話を経て、タイムレスなスタイルを提示する。アーカイブに生き生きとした躍動を加えて目を引くのは、アーカイブから引用した文脈に華やかなアレンジを加えたピース。ユベール・ド・ジバンシィが考案したオペラコートから着想を得たブラックのピーコートには、柔らかなウールフリンジを配した。また、艶やかなベルベットコートには羽飾りとスパンコールをあしらい、躍動するディテールを加えて生き生きとした佇まいに仕上げている。先に発表された2024-25年秋冬メンズコレクションにも登場した、メゾンのアーカイブモチーフであるシャンデリアのグラフィックは繊細なロングドレスに。ラミネートレースでシャンデリアを描いたシースルーのドレスに、ドロップパールを装飾して奥行きのある華やかさを加えている。イブニングウェアのエッセンスをプラス散見されたのは、イブニングウェアの要素を落とし込んだウェアだ。中でも注目したいのは、動物を愛したユベール・ド・ジバンシィのエッセンスをクチュールの技巧で表現したルック。トレーンを配したビーズ刺繍のミニドレスや、光沢を備えたジャカードのロングジャケットにはさりげなく猫のモチーフをプラス。淡いグリーンのボリューミーなフェイクファーコートは、昆虫のようなバックスタイルがプレイフルだ。また、スカーフが優雅なカーブを描いてネックラインを彩るトップスやドレスは、ツバメをイメージしている。緊張と緩和を共存させたシルエットテーラードジャケットやクラシカルなコートは、肩パッドを配したストイックなショルダーラインと曲線を描く裾のラインによって凛とした表情に。ユニークなボタンやポケットのレイアウト・デザインも印象的だ。また、レザーのミニドレスに羽織ったおおらかな輪郭のフェイクファージャケットや、シックなパンツスタイルに柔らかさをもたらすペプラム付きのニットトップスなど、緊張と緩和を隣り合わせにしたルックが散見された。「パンプキン」バッグが新登場また、ウェアに加えバッグにも、アーカイブのアイディアが反映されている。目を引くのは、ドローコードを絞るとかぼちゃのようにコロンとしたフォルムを楽しめる「パンプキン」バッグ。分量感のあるフォルムで、スタイリングに遊び心をもたらしていた。
2024年03月05日マックスマーラ(Max Mara)の2024-25年秋冬コレクションがイタリア・ミラノで発表された。フランスの女性作家・コレットを着想源に今季のマックスマーラの着想源となったのは、フランスを代表する女性作家シドニー=ガブリエル・コレットだ。「性の解放」を謳い、同性も対象とした奔放な恋愛遍歴で知られる彼女は、それらを赤裸々に記した自叙伝的小説によって、19世紀終盤から20世紀初頭のフランス文学界にセンセーションを巻き起こした。“秘めたる色気”を表現知的で洗練されていながら、どこか官能的な女性の一面が垣間見える…そんなコレットの魅力は、コレクションの中にそのまま落とし込まれている。たとえば、都会的なロングコートやハンサムなパワージャケットの中に、ミニ丈のスカートやスリップドレスを忍ばせたルック。ボリューミーなアウターとミニマルなインナーの絶妙な駆け引きによって、秘めたるセンシュアリティを表現している。女性らしさを際立たせる肌見せさりげない肌見せも、女性らしさを着際立たせるポイント。デコルテを美しく魅せるボートネックのニットやドレスが提案されたほか、ざっくりと胸元をあけた開襟スタイルのシャツやコートも目を惹いた。“縦”を強調する流麗なシルエットシルエットはいつにも増して流麗に仕立てられており、モダンかつ無駄のない印象だ。はためくロング丈のチェスターコートや、裾に向けてふわりと広がるフレアパンツ、太めのリブを配したブラックニットなどは、美しい縦のラインを強調するアイテム。時折、幅広のニットバンドと帯のような細いストラップベルトでウエストをキュッと締め、流れるようなシルエットに緩急をもたらしている。深いミッドナイトブルーを主役に「ワインの鑑定家がいるように、ブルーの鑑定家もいるの」というコレットの言葉から、深みのあるネイビーをキーカラーとして採用。そこに、ブラックやベージュ、スモーキーグレーといったベーシックなパレットをコンビネーションさせて、リアルクローズを追求している。
2024年03月04日バルマン(BALMAIN)は、2024-25年秋冬ウィメンズコレクションを2024年2月28日(水)にフランス・パリのパビリオン カンボンにて発表した。ボルドーの名産品“ぶどう”に着目メインモチーフは“ぶどう”。前シーズンではバルマン創始者のピエール・バルマンが愛したバラにフォーカスしたが、今季は彼の園芸の才能に着目している。庭の果実を取り入れたアーカイブのクチュール作品をリサーチする一方で、デザイナーのオリヴィエ・ルスタンは自身のルーツも投影。故郷であるボルドーの名産品であるぶどうをプリントや刺繍、立体表現に落とし込んだ。「クラシカル」「エレガント」とよく形容される、“ボルドー”という都市の性格を反映した普遍的かつ優雅な佇まいにも注目だ。刺繍やジャカード、立体でぶどうの果実を表現豊潤なぶどうの実が黄金に輝く様子を大胆なグラフィックで描き出したコートやドレスをはじめ、みずみずしく立体的にぶどうを表現したビスチェや、ジャカードのドレスが登場している。華やかなつづれ織りのロングドレスには、大粒ぶどうのイヤリングを合わせ、遊び心をプラス。また、ぶどうだけでなくりんごや桃など、様々なフルーツをモチーフに、アートピースのように仕上げたきらびやかなミニドレスも存在感を放っていた。華やかなエスカルゴモチーフまた、エスカルゴモチーフも繰り返し登場している。コートやジャケットのボタン、もしくはベルトの装飾として、ゴールドに輝くエスカルゴが華やかさを加えていた。ひときわ目を引いたのは、エスカルゴのフォルムをまるごとビスチェに落とし込んだルック。シンプルかつダイナミックなエスカルゴビスチェが、身体と呼応してオブジェのような佇まいを演出する。構築的なシルエットシルエットはかっちりと、構築的に。肩パッドやコルセットによってボディラインを強調したルックが散見された。ボルドーによく雨が降ることからワードローブに取り入れられたトレンチコートをはじめ、凛とした表情に仕上げたサンドベージュのドレスやショートジャケットには、パワーショルダーを採用。身頃は体に添うストレートなフォルムに仕上げることで、緩急をつけ、その端正さを際立たせている。ゴージャスな立体造形印象的なのは、ゴージャスな立体感だ。扇のようにギャザー部分が大きく広がるレザードレスをはじめ、メタルパーツによってシャープな角度をつけたジャケットやベスト、ひだが大きく波打つミニドレスなど、立体的な造形によってリュクスな佇まいを生み出している。ラップスカートは斜めに生地が流れるように角度をつけてギャザーを寄せ、エレガントな雰囲気を漂わせた。パリの伝統的な職人技と最新技術を組み合わせることで生み出される「ジョリー・マダム」バッグもまた、大胆な立体造形が目を引くアイテム。リュクスな新デザインで展開される。
2024年03月04日ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)は、2024-25年秋冬ウィメンズコレクションを2024年2月28日(水)にフランス・パリで発表した。優しく、強くまとうフェミニニティ印象的なのは、肩の力を抜いた緩やかなムード。落ち着いていながら大胆さも兼ね備えたウェアを展開し、優しさと強さを併せ持つフェミニニティを提示する。たとえば、ボリュームのあるストールをラフに巻いたルックや、スウェットパーカーを巻き付けるようにしてドッキングさせたトップス、襟も身頃もゆったりと編み上げたタートルネックニットなど、リラクシングかつ存在感のあるウェアが揃う。曲線的なフォルムのハーフジップトップスや中綿コートなどもまた、コンフォートなウェアだ。立体的なフォルム構築的な立体感も随所に見られたポイント。特にストールを使ったスタイリングが象徴的で、袖と一体化したストールを巻いたオブジェのようなルックや、空気を含むように艶やかなショールを巻き付けたルックが登場している。ライラックのジャケットはあえて前合わせをひねったようなデザインを採用し、ノーカラーのパフィージャケットはキルティングパネルによって裾に向かって広がる仕様に。ニットの下に重ねたシャツは前後逆にきることで新鮮なシルエットを演出した。フレッシュな色彩加えて、フレッシュな色使いにも注目したい。シトラスグリーンのアウターにはピンクのスカートを合わせ、真っ赤なショートジャケットにはオレンジのボトムスをコーディネートするなど、プレイフルな色の組み合わせが随所に見て取れた。また、グリーンからオレンジ、ピンクに色が移り変わるトップスやパンツ、ブルー・ピンク・ブラウンの配色が絵画のようなコートなども披露されている。ジュエリーのような装飾パール、ラインストーン、ビーズを駆使したジュエリーのような装飾が、リラックスした雰囲気の中に華やかなアクセントを投じている。特に、全面にビーズ刺繍を施したショートジャケットは、色とりどりの花々が咲いているかのようなクチュールライクな仕上がりに。また、シックなブラックのテーラードジャケットやコートには塗りたての絵具のような深いブルーのビーズ刺繍を施し、ベージュのベーシックなセットアップや黒のブラウスには揺れるチェーンの装飾をプラスした。また、細かい光の粒が眩い光を放つグリーンやブルーのニット、ピンクのストールなども目を引いた。大きさにグラデーションのあるスパンコールが全面にあしらわれている。
2024年03月04日カサブランカ(CASABLANCA)は、2024-25年秋冬コレクションを2024年2月28日(水)に発表した。ビョーク「少年ヴィーナス」から広がる再解釈と想像の世界アイスランドの歌手・ビョークの楽曲「少年ヴィーナス」と同じタイトル「Venus as a Boy」を冠したカサブランカの2024-25年秋冬シーズン。ヴィーナスとはギリシャ神話における美と愛の女神“アフロディテ”をもとに、ローマ神話で語り継がれる女神。そのヴィーナスを、少年として再解釈した楽曲が「少年ヴィーナス」だ。「古代ギリシャ」がテーマこの“再解釈”から広がる想像こそが、今季のクリエーションの出発点になっている。クリエイティブディレクターのシャラフ・タジェルがテーマに選んだのは古代ギリシャ。古代ギリシャの巡礼と、古代都市エレウシスでの宗教的な儀式から着想を得ている。知恵と洗練の源泉である古代の神秘とサイケデリックな恍惚の体験を反映しつつ、現代的な要素を織り交ぜたウェアを展開する。布地を巻き付けるディテールをミニマルに象徴的なのは、古代ギリシャの衣服を思わせる、真っ白なテキスタイルのウェア。深いスリットを施した、流れるようなシルエットのドレスをはじめ、ダイナミックなケープやテーラードジャケットが登場している。いずれも共通して、布地を巻き付けるかのようなプリミティブなディテールがミニマルな形で落とし込まれている。また、繊細にきらめくビーズ刺繍のウェアも神秘を感じるロマンティックなデザインに。澄んだ輝きを放つビーズ刺繍によって幾何学模様を構築したトップスやミニスカート、細かい光の粒に覆われたシースルーのドレスなどが幻想的な存在感を放つ。オリンピックモチーフもこの他にも、古代ギリシャの先進性を連想させるモチーフが随所に散りばめられている。古代オリンピックが始まった土地であることにちなんで、オリンピックカラーの幾何学模様やトロフィー、月桂樹のモチーフを配したジャージルックが散見された。ハーフジップトップスやバッグなどには、五輪マークを解体した幾何学模様があしらわれている。また、壁画のようなカットソーや、オリンピックのユニフォームを思わせるシルバージャケットとジャージのスポーティーなスタイリングも目を引いた。ジェフ・ハミルトン&エンシェント グリーク サンダルズとコラボ加えて、ジェフ・ハミルトン(Jeff Hamilton)とコラボレーションしたジャケットが登場。ワッペンとクリスタルを組み合わせたレザージャケットや、ジェフ・ハミルトンのアイコニックなパッチワークレザージャケットが揃う。いずれも、神殿や聖火、スポーツ競技のモチーフなどを装飾している。さらに、エンシェント グリーク サンダルズ(ANCIENT GREEK SANDALS)ともタッグを組んでおり、月桂樹の刺繍とシャーリングを組み合わせたレースアップサンダルがランウェイに登場した。
2024年03月04日クロエ(Chloé)は、2024-25年秋冬ウィメンズコレクションを2024年2月29日(木)にフランス・パリで発表した。新クリエイティブ・ディレクター、シェミナ・カマリがデビュー新クリエイティブ・ディレクターのシェミナ・カマリによるデビューシーズンとなった今季。20年以上クロエに在籍した経験を持つシェミナ・カマリがテーマに選んだのは、「直感、自由、本能的な女性のエネルギー」。クロエ創業者のギャビー・アギョンがメゾンを設立したときの原点に立ち返り、クロエ・ウーマンの自由で大胆なスピリットからインスピレーションを得ている。特に、1970年代後半のセンシュアルでエフォートレスなスタイルからアイディアを得つつ、ノスタルジーだけではなく現代性と照らし合わせてクリエーションを行った。自由を象徴するシースルーのドレス目を引いたのは、歩く度にふわりと空気を含んで軽快に揺れるシフォンのドレスだ。生地を贅沢にたっぷりと使い、ギャザーを寄せたドレスや、袖をあえて極端に長く仕上げて華やかな余韻を残していくブラウスが散見された。ベージュやスモーキーなピンク、アイボリー、ライトグレーなど淡く穏やかな色味と透け感が相まって、柔らかな官能性を描き出している。シフォンと同様にセンシュアルな文脈でレース地も用いられている。繊細な絵柄によって、シースルーの浮遊感にロマンティックな要素が加わり、華やかな佇まいに。分量感のあるドレスに加え、レース地のタイブラウスやボディスーツも披露された。軽やかに、身軽にフェミニティをまとうこれらのシースルールックは、今季のクロエが打ち出す自由な精神を象徴しているといえるだろう。華やかなゴールドカラーの小物を合わせて加えて特徴的だったのは、ゴールドカラーに輝くアクセサリー使いだ。スリップドレスやボディスーツなど、身体に添うウェアのアクセントとして、ウエストに筆記体ロゴのベルトをプラス。レザーケープやフラップ付きのコートなど、首周りを覆うアウターにはボリュームのあるモチーフが連なるネックレスを合わせ、華やかさを加えていた。また、足元を飾るパンプスやブーツにはゴールドメタルのスタッズが打ち込まれ、ミニサイズのハンドバッグにはブレスレットのようなリングハンドルが採用されている。さらに、ヘビを象ったネックレスやブレスレット、メタルパーツとファーを合わせて馬に見立てたバッグなど、遊び心のあるモチーフもアイキャッチ。中でも、ビッグサイズのレザーホーボーバッグのハンドルや、カーブを描く半月型バッグの輪郭に沿ってあしらわれたエンドウ豆のモチーフが目を引いた。
2024年03月04日アンダーカバー(UNDERCOVER)は、2024-25年秋冬ウィメンズコレクションを2024年2月28日(水)に発表した。“いつも通り”の日常を綴る中でドイツの映画監督であるヴィム・ヴェンダースの詩「Watching a Working Woman」にのせて発表された2024-25年秋冬ウィメンズコレクションのテーマは“日常着のアンダーカバー流アップデート”。働く1人の女性の日常を綴る詩の中には繰り返し、“As always”=「いつも通りに」という言葉が登場する。モデルたちは、バゲットや花を入れたショッパーバッグやヨガマットを運ぶバッグを手に持ちながら、街角を行き交う人々のごとくランウェイを闊歩する。なお、オーガンザのショッパーバッグはブリジットタナカ(BRIGITTE TANAKA)とのコラボレーションによるもの。この他、ノグチ(noguchi)とのコラボレーションジュエリーや、ビューティフル・シューズ(BEAUTIFUL SHOES)のシューズ、キジマ タカユキ(KIJIMA TAKAYUKI)とのコラボレーションハットも披露された。ベーシックウェアをドッキングコレクション全体を通じて展開されたのは、ドッキングデザインのベーシックウェア。再構築するためのドッキングというよりも“一体化”させる意味合いが強く、従来は個々に身に着けてコーディネートする日常着を圧着によってドッキングすることで、身体に馴染むようなシルエット、気負わない自然体の佇まいに仕上げている。たとえばデニムは解体されキャミソールに連結。また、スラックスはノースリーブワンピースと一体になり、オールインワンとして提示されている。また、ドッキングされたパーツがデザインのアクセントとして機能しているのも印象的だ。全く異なる素材同士を大胆にはみ出しながら接着することで、日常からはみ出す非日常性を与えている。セーターに組み合わせたしなやかなブラウス生地は、波打ちながらエレガントなドレープを描く。かっちりとしたテーラードジャケットに合わせたブランケットや、ライダースジャケットに配した白黒のマフラーは、身体の動きに合わせて揺らめき、温かみを感じる佇まいに。ニットカーディガンにはファーのパーツを組み合わせ、より一層柔らかな表情に仕上げた。“日常”に変化をもたらす非日常性異なる要素のドッキングは徐々に装飾性を帯び、非日常性を強めていく。ファーをあしらったレザードレス、ゆらめくマントをプラスしたシャツ、大判の花柄ストールを合わせてドレスに仕立てた白Tシャツなどが登場。中でも一際存在感を放っていたのは、デニムやチェスターコート、スウェットなどに配されたきらびやかなフリンジだ。レザートートなどのバッグにも貼り付けるようにして大胆に装飾。歩を進めるごとに揺れる躍動も相まって、華やかな余韻を残していく。ラストにはドレスルックが披露された。よく見ると、ベースとなっているのはケーブル編みニットやTシャツ、スウェットの上下といった、この他のピースと同様のデイリーウェアだ。メタリックに輝きながらたなびくトレーンや、チュールを幾重にも重ねた贅沢な分量感などによって、日常着が特別感あふれる装いへと大きな変化を遂げている。こうした非日常的なエッセンスが“日常”に変化をもたらす様子は、日々の中にふと差し込まれる特別な出来事を連想させる。
2024年03月03日アンリアレイジ(ANREALAGE)は2024-25年秋冬コレクションを、2024年2月27日(火)にフランス・パリのアレクサンドル3世橋の下にて発表した。『ドラえもん』とコラボ、球体など立体パターン“オブジェクト”をテーマに掲げた今季は、「生物」としての人間と対極にある「無生物」、すなわちオブジェクトのための服を制作。従来“人間の体に合う服”を追求してきたファッションの常識を疑い、「体に合わない服」を考案するところからクリエーションをスタートさせた。中でも注目は藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』とコラボレーションしたウェアだ。ドラえもんをはじめ、のび太やジャイアン、スネ夫、しずか、ドラミなどおなじみのキャラクターを彷彿させるウェアが披露された。『ドラえもん』モチーフを落とし込んだのは、球体や三角錐、立方体、正八面体など、身体とはかけ離れた立体に添うパターンで作られたアンリアレイジのアイコニックなピース。プレゼンテーション会場では、頭につけると宙を飛ぶことのできるひみつ道具「タケコプター」がそれぞれの立体に配されており、各ピースが宙に浮かぶ演出とともに披露された。ドラえもんを思わせるブルーとホワイトのカラーブロックを施したボールシャツは、実際に身にまとうと前合わせが緩やかにカーブしたアシンメトリーデザインに。アンリアレイジのロゴとドラえもんを総柄にしたボールスカートは、ゆったりと空気を含むようなドレープがポイントだ。リーボックのシューズをイメージした立体ウェア加えて、リーボック(Reebok)とのコラボレーションウェアも“立体”パターンで登場。リーボックのシューズ「インスタポンプフューリー94」を競技用ボールのように変換したダウンブルゾンには、ネオンカラーをメインにヴィヴィッドな配色を採用した。構築的なキルティングとロゴによって、スポーティーなムードを際立たせている。メタリック&ストライプ柄素材もまた、立体をベースにしたパターンのウェアは、金・銀色に輝くメタリックなファブリックやカラフルなストライプ地でも提案する。ゴールドの三角錐ジャケットは、ハリのある質感ときらびやかな光沢により存在感のある佇まいに。一方、赤白ストライプの正八面体シャツは、着用時のフォルムも元の立体が持つ造形とある程度呼応した形がユニーク。着ると身体の前後に立体的な空間が生まれるのが印象的だ。着るとドロップショルダーになる正十二面体のジャケット、ポンチョのように裾に向かって広がる正二十面体のジャケットも展開された。
2024年03月02日マメ クロゴウチ(Mame Kurogouchi)は、2024-25年秋冬ウィメンズコレクションを2024年2月27日(火)にフランス・パリのレストラン「オガタ・パリ」にて発表した。佐賀の「古唐津」を衣服に今季マメ クロゴウチがフォーカスするのは16世紀後半に佐賀で開花したとされる「古唐津」。デザイナーの黒河内真衣子が佐賀を旅した際に目にした風景や陶⽚が着想源となっている。地域の風景をダイレクトに反映し、時代ごとに変わっていく土の表情の変化や、職人のものづくりに対する姿勢に感銘を受けたことから、陶器の柄や色彩、質感をジャカードや染め、刺繍などによって衣服に落とし込んだ。まるで"陶器を着る"ような感覚でまとうことのできるウェアを提案する。陶器の風合いを表現した素材使い注目したいのは、「古唐津」の器の質感や表情を表現した素材だ。たとえば混ざり合う釉薬が神秘的な「朝鮮唐津」を思わせる有松絞りのデニムパンツは、表情豊かな色彩がポイント。色を入れる部分と入れない部分に分けて染めを施すことで、黒から白、茶色へとそれぞれの色が混ざり合っていく様子を表した。また、デニムには型押しによる立体的な模様があしらわれているのもポイント。天然素材に形状記憶を施す、貴重な職人技によるエンボス加工が施されている。また、シルクウールのワンショルダードレスやシャツもアイキャッチ。“ひび”のような模様を織りなす陶器の肌理に入った「貫入」を、抽象的な色の移り変わりとともに投影している。有機的な模様は京都の職人が手掛けたもので、その制作過程もユニーク。シルク地に餅米をあしらって乾燥させることで生じる亀裂に染料を流し込むことで、細かなひび模様を描き出した。風景や花を描いた「絵唐津」を思わせる草花モチーフの刺繍は、ミニマルなドレスやシャツに印象的な余韻をプラス。また、割れた器を修復する際に割れた部分を金で仕上げる“金継ぎ”のように、地の部分とは異なる要素を差し込むディテールも見て取れた。ニットやベロアジャージにふいに施された金色のラインや、ダークトーンのセットアップに合わせた金色や銀色のベルトが、静かな佇まいにアクセントをもたらしている。土の色から着想キーカラーとなるのは土の色から着想を得たグレー。マーブル模様のように色が混ざり合うジャカードニットをはじめ、凛とした佇まいのセットアップやチェスターコート、繊細な透け感のカットソーなども披露された。また、焼き物を裏返すと見える土本来の色や、 窯中の炎の記憶が赤みのあるオレンジのカットソーやテラコッタカラーのシャツとなり登場している。研ぎ澄まされたフォルム素材の色やテクスチャーと対比してみると、フォルムは静謐でベーシックに仕上げられている。クリエーションにあたり、黒河内はまず軸が「焼き物」であることを念頭に置き、その上で「よりシンプルで強い」表現を追求した。素材に合わせてパターンも強くするのではなく、あえて削ぎ落したパターンを選ぶことで素材の個性を生かすように仕上げたという。たとえば、オーロラのような釉薬が特徴的な「斑唐津」のアルパカウールコートは、手作業で行われる「むら染め」により独特な色味を再現しているのに加え、器の手触りを思い起こさせる立体感も表現。ミニマルなシルエットを採用することで、独特の風合いを際立たせている。
2024年03月02日ディオール(DIOR)は、2024-25年秋冬ウィメンズコレクションを2024年2月27日(火)に、フランス・パリのチュイルリー庭園にて発表した。スタイルの過渡期、60年代後半を振り返ってマリア・グラツィア・キウリ率いるディオールは今季、ファッションのクリエイティビティと自由で多元的なフェミニニティを追求。特に、フィリッペ・ギブルジェの手によってプレタポルテライン「ミス ディオール」が誕生した1967年当時のエキサイティングな時代に着目した。女性の社会進出を背景に、60年代後半当時の既製服に求められたのは、再生産・量産のできるドレスと日々の暮らしにも適応できるデザインだった。そのため、体を締め付けることなくエレガントに見える、流れるような佇まいのウェアが考案された。マリア・グラツィア・キウリは、スタイルの過渡期ともいえるこの60年代後半を振り返りつつ、今現在と未来を結びつけるようにモダンなエッセンスを織り交ぜたウェアを提示する。60年代を思わせるシルエットやスタイル印象的なのは、60年代に新たなファッションとして提示された自由なスタイルを思わせる佇まいだ。ギャバジンの端正なコートやジャケットをまとったセットアップをはじめ、ノースリーブのワンピースやトップス、トレンチコートなど、いずれのアイテムもシンプルで締め付けのない、自由に動くことのできるシルエットが採用されている。テーラードジャケットやラップスカートには、再解釈された「MISS DIOR」のロゴシグネチャーを大胆にあしらい、遊び心を効かせつつアイコニックなルックに仕上げた。さらに、ジャケットとミニスカートを組み合わせたスタイリングも60年代を思い起こさせる。テーラードジャケットや、ユニフォームライクなダブルブレストのジャケット、ボリュームのあるブルゾンにコンパクトなミニスカートをコーディネートしたルックが散見された。マニッシュなジャケットスタイルに、快活な女性らしさや軽やかさを加えている。竹や籐の色彩、編み目模様キーカラーとして、ショー会場内に装飾された、竹を編み込んだドレスのオブジェとも呼応するナチュラルなベージュがアウターやボトムスにフィーチャーされている。なお、オブジェはインド人アーティストのシャクンタラ・クルカーニによるものだ。また、竹の編み目を思わせるディテールも登場しており、ウィンドウペンチェックのノースリーブブラウスやパンツ、透かし彫りのような「カナージュ」モチーフのレザースカートが展開。同じく「カナージュ」をレザーエンボスで表現した、クラシカルなボックス型バッグにも注目だ。華やかに輝く装飾シンプルなスタイルに施された、シャイニーな装飾が上品な華やかさを演出する。しなやかで直線的なブラックドレスのネックには繊細なクリスタルを飾り、シックな佇まいに。ブラックのコートやハットには金色に輝く装飾を連ね、パンプスにはゴールドカラーの球体ヒールをあしらうことでモダンさをプラスした。また、全面にビーズ刺繍を施したクチュールライクなセットアップやストーンのきらめくドレスも登場。特に、長めのフリンジが揺れ動くミニドレスは、細かく光を反射して眩いほどの輝きを放っている。
2024年03月02日CFCL(シーエフシーエル)は、2024-25年秋冬コレクションを2024年2月26日(月)にフランス・パリのパレ・ド・トーキョーにて発表した。2022年よりパリ・ファッションウィーク公式カレンダーに参加して以来、初のランウェイショーとなる。“ニットウェア”が日常を彩るリズムCFCLは、それぞれの着る人に合わせ、柔軟にフィットするニットならではの実用的な応用力に着目してきた。性別やボディサイズに関わらず、どんな人にも応じて寄り添うニットの可能性を、機能的な器の「Ware(ウェア)」になぞらえた「Knit-ware(ニットウェア)」を提案している。CFCLが今季のテーマに選んだのは、「韻律」を意味する「Cadence」。平日と休日、朝と夜、緊張と緩和といった抑揚を繰り返していく日々の暮らしを豊かに彩り、独特のリズムを生み出していくようなデイリーニットウェアを展開する。日常のあらゆる場面で、控えめな優雅さをコレクション全体を通して見ると、日常の様々なシーンが浮かび上がってくる。例えば、アセテートと再生ポリエステルのハイゲージリブを用いたアイボリーのディナージャケットや、エレガントなドレープを描くブラックのエプロンドレスは、クリーンな佇まいでオケージョンにぴったり。一方、コンピュータープログラミングニットで作った、メッシュテクスチャの撥水フェンシングジャケットやフーデッドコート、中綿ブルゾンは、身軽でカジュアルに過ごしたい日に活躍しそうだ。いずれもCFCLならではのミニマルなデザインで、日常の場面の中になじみつつも控えめに優雅さを携えているのがポイント。壺を思わせる形の定番「POTTERY」シリーズのレッドのワンピースには、レーヨンのモール糸を混ぜて編み上げることで生まれる光沢とふんわりとした柔らかさをプラス。また、薄地のシースルーニットトップスから、厚みを持たせてしっかり編み込んだセーターやドレスまで、ダークトーンのラメニットがシャイニーなアクセントとして際立っていたのも印象的だ。変化する服の表情素材が目を引いたのは、「HYPHA」シリーズ。見る角度によって表情をくるくると変えるストライプのボンバージャケットやテーラードジャケットが登場する。いずれもプログラミングによるシームレスなダーツが施されており、着た時に身体を自然に包み込む立体的なフォルムに仕上げている。ボンバージャケットはふわりと身体と程よく距離のあるフォルムに、テーラードジャケットは編地が身体に添うような1着に仕上げている。加えて、丸いスパンコールを散りばめた「ENCHANT」シリーズもアイキャッチ。光を受けてきらめくスパンコールと、研ぎ澄まされたフォルムが呼応し、存在感をより強めていた。なお、スパンコールは職人の手縫いによるもの。人の手を介さずに機械的に生み出されるウェアをベースにあえて手作業を施し、服の表情に緩急をつけている。フォーナインズ、アシックスとコラボなお、前シーズンから続いてフォーナインズ(999.9)とコラボレーションしたアイウェアを展開。また、アシックス(ASICS)とコラボレーションしたシューズも登場する。
2024年03月01日エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 Maison Margiela)の2024年秋冬コレクションから、ドクターマーチン(Dr. Martens)とのコラボレーションによるユニセックスシューズが登場。2024年12月より一部の限定店舗にて販売予定だ。エムエム6 メゾン マルジェラ×ドクターマーチン初のコラボシューズエムエム6 メゾン マルジェラとドクターマーチンが初タッグ。2024年の秋冬シーズンに向けたフットウェアのカプセルコレクションが発表された。イエローステッチのブーツやローファーコラボレーションシューズは、耐久性や心地よい履きやすさを兼ね備えるドクターマーチンのシューズをベースに。ドクターマーチンのシグネチャーであるイエローステッチを配したローファーやブーツなどがラインナップする。【詳細】エムエム6 メゾン マルジェラ×ドクターマーチン発売時期:2024年12月【問い合わせ先】エムエム6 メゾン マルジェラ/マルジェラ ジャパン クライアントサービスTEL:0120-934-779
2024年02月29日Courtesy of DIORディオール(DIOR)は、2月27日午後11時(日本時間)より、クリエイティヴ ディレクター マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)による、2024年秋冬コレクション ショーをライブストリーミング配信します。■ディオール 2024年秋冬 コレクション ショー ■日時:2024年2月27日(火)午後11時(日本時間)スタート予定@DIOR @MariaGraziaChiuri#DiorAW24お問い合わせ:クリスチャン ディオールTEL:0120-02-1947
2024年02月27日オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)は、2024年2月21日(イタリア時間)、ミラノファッションウィークにて、2024年秋冬イエローコレクションを発表しました。Courtesy of Onituska Tiger本コレクションのテーマは、「アーバン・ウインター」。日本製のアパレルで構成されたルックは、ウェットなコーティング加工により、突然雷雨に見舞われた東京を彷彿させながら、都市的な冬風景のエッセンスを表現しています。Courtesy of Onituska Tigerカラーは、アイコニックなイエローに加え、メトロポリタングレー、ブラック、ベージュ、ヘーゼルナッツを組み合わせており、全ルックを通して斬新なツイストを加えたシルエットを創り上げています。コート、ジャケット、ピーコートは、ワイドショルダーと細いウエストのコントラストを、チューブ状のパディングやリブなどテーラリングならではの加工で強調しています。ダブルカシミヤのフーディーは、同素材のコートやブルゾンの上から羽織るアウターウエアとして、新たな重ね着の概念を提案します。Courtesy of Onituska Tigerメンズには、エクストラロングとアンクルカットのチノパンと5ポケットのワイドパンツ、ウイメンズには、ストレッチのきいたスリムフィットとオーバーサイズのトラウザー。流れるようなシルエットのマイクロスカートや、光沢のあるスパンコール刺繍がなされたシルクパネルドレス、ウールソックスやクリーパーシューズとコーディネートが可能です。また、ブランド初のVカットハイヒールは、快適性と機能性も注力されました。ラバーソールとトレッキングブーツを融合させたハイブリッドシューズや、ショルダーストラップのついたシンセティックレザーのダブルバッグもコレクションに加わっています。Courtesy of Onituska Tiger生誕75周年を迎えるアニバーサリーイヤーのショーとして、創業年である1949年にちなんだ49ルックを披露しました。また、ルックのアクセントとなるのは、ブランドにとって最もアイコニックなトラックトップからインスピレーションを得た、リブ編みのジップネックウールウエアです。モダンなスカーフやエクストリームクロップトップとしても着用可能であり、Onitsuka Tigerのセレブレーションピースとなっています。Courtesy of Onituska Tigerショー冒頭では、振付師のAkane 氏がプロデュースするダンスチーム「アバンギャルディ」が、ダンスパフォーマンスを披露しました。17 名が着用したイエローの制服と、オニツカタイガーストライプのない特別なデザインのMEXICO 66 SDは、映画「キル・ビル」をオマージュしたものであり、ヘリテージをモードに解釈した新たなスタイルとして、ブランドの進化を表現しています。またランウェイショーでは、世界的ピアニストのYuja Wang氏によるライブ演奏が行われました。楽曲は、今回のコレクションテーマに合わせて作曲されたものであり、ピアノも時代を超えて愛される世界最高峰のピアノメーカーSteinway & Sons 社がこのショーのためにイエローにラッピングした特別仕様となっています。Courtesy of Onituska TigerCourtesy of Onituska TigerCourtesy of Onituska Tiger#OnitsukaTigerOnitsuka Tiger(オニツカタイガー) 日本のファッションブランド、オニツカタイガーは、革新的なデザインと快適さを追求し、ファッション性を兼ね備えたコレクションを発表し続けています。このブランドの姿勢は、伝統と現代的なデザインへの敬意を表し、研ぎ澄まされたデザインは品質とディテールにこだわる職人技により実現しています。 常に新たな価値を提供し続け、"新しいラグジュアリー" を探し求める人々に寄り添うことを目指します。Onitsuka Tigerオフィシャルサイト::@onitsukatigerjp※2/26更新(画像追加)
2024年02月26日フェンディ(FENDI)は、2024年2月21日(イタリア現地時間)、アーティスティック ディレクター キム・ジョーンズ(Kim Jones)による2024-25年秋冬 ウィメンズコレクションを発表しました。Courtesy of FENDIフェンディの1984年のアーカイブを見ていると、そのスケッチには、ブリッツ・キッズや、ニュー・ロマンティックス、ワークウエア、貴族や日本のスタイルが描かれ、当時のロンドンを思い起こさせます。英国のサブカルチャーやスタイルがグローバル化すると同時に、世界の影響を吸収する時期でした。それでも、依然と英国独自の気品と余裕があり、他人がどう考えようとも気にしない、ローマのスタイルに共鳴する部分がありました。フェンディには”ユーティリティ”を重視する背景があり、フェンディファミリーの着こなしは、まさにそれを意識したものです。初めてシルヴィア・フェンディに会ったとき、彼女はシックなサファリ風のユーティリティスーツを身につけていました。それが私のフェンディに対する根本的な視点を形作りました。衣服を纏う時、それには実体があり、さらにそれを楽しむことができるのです。― アーティスティック ディレクター キム・ジョーンズ(Kim Jones)Courtesy of FENDI実用的で贅沢、シンプルで劇的、サロンとストリート、都市と田舎。本コレクションでは、それぞれの要素が重なり伝統と破壊が融合した英国的なスタイルが、ローマ的なスタイルと結びついています。同時に、これらの衣服を身につける女性たちにとって、それは“ただ何かである”ことではなく、“何かをする”ということが基本になっています。この最新コレクションを通して、キム・ジョーンズは、ロンドン風の無頓着さがローマ的な自由に出会い、”実用性”が“意思表示”に変わっていくような着こなしやすさを探求しています。この場での贅沢さとは、衣服とアクセサリーが着用者に自己表現をするための豊かな快適さと強い自信を与える点にあります。実用的でありながら遊び心もある、フェンディならではの二面性がコレクション全体に息づいています。Courtesy of FENDI厳格なテーラリングに始まり、丸みを帯びたシルエットに波状ラインの渋さが取りこまれたフェミニンな感性は、リッチに引き締まったウールの精密さによってもたらされます。レイヤードスタイルのウールコートは、ゆるく結ばれ、ベルトで留められ、ローブの表現が広がります。ニットウエアはシルクのリブを使ったなめらかなセカンドスキンとして現れることもあり、アラン編みやガンジーセーターのようにまさに英国の伝統スタイルを用いた、ホームスパン(手織り)のような介入がなされていることもあります。Courtesy of FENDI実用主義を主張するドレスは、より繊細さを取り入れて、実用的かつエレガントでありながら、タフな姿勢も見せています。チュールやオーガンザの透明感、ローマの彫像*のプリント、あるいは破壊的にも見えるドット刺繍と対照的な仕上げになっています。同時にシアリングとレザーは、フェンディの職人の技巧を発揮するとともに、独自の存在感が示されています。つややかな光沢のあるワックス仕上げから、ユニークなアグリアートのニードルパンチング製法や究極のインターシャまで、着ている人をそっと保護しながら、満足感、触感、快適さを提供する新しいファブリケーションが生み出されました。Courtesy of FENDIメゾンの創業時まで遡り、繰り返されるコードとモチーフを通して、フェンディの過去が現在として蘇ります。2025年の創業100周年を前に、「セレリア(Selleria)」が現在と過去を結び、衣類やレザー製品のモチーフとして現れています。ローマの一流馬具職人のインスピレーションとクリエイションから生まれた「セレリア」は、コレクションを圧倒するレザーの乗馬ブーツとして登場します。また、サルバドール・ダリ(Salvador Dalí)がロゴを描き、「FF」ロゴラッピングと一体化した「チュッパチャプス(Chupa Chups®)」のロリポップホルダー、さらには、ジュエリー部門アーティスティックディレクター、デルフィナ・デレトレズ・フェンディ(Delfina Delettrez Fendi)のデザインでもその姿を見ることができます。金属糸の金具がレザーのバングルに縫いつけられ、巨大なレザーとメタルのチェーンにも反映されています。Courtesy of FENDIアクセサリーおよびメンズウエア部門のアーティスティックディレクター、シルヴィア・フェンディによるレザーグッズは過去のスタイルが解体され、柔らかい構造で再構成されています。装飾を避け、触感と実用性を追求し、豊かで自然な色合いの豪華なレザーが、「ピーカブー(Peekaboo)」、「バゲット(Baguette)」、「バイ ザ ウェイ(By The Way)」バッグの主役を務めています。Courtesy of FENDIまた、ソフトなサッチェルバッグ、「シンプリー フェンディ(Simply FENDI)」とそれに組み合わせた丸みを帯びた新しいショッパーバッグ、「ロール(Roll)」も新たに登場しました。複数個身につけて多面性を捉えることで、たった1人ではなく、多くのフェンディウィメンがいるということを改めて示し、自分で選ぶものと身につけるものの中に、自分自身を見出すことを推しています。Courtesy of FENDICourtesy of FENDICourtesy of FENDICourtesy of FENDIフェンディ ジャパンTEL. 03 6748 6233URL. www.fendi.com
2024年02月26日プラダは、2024年2月22日(現地時間)、2024年秋冬レディスコレクションをミラノにてランウェイ形式で発表しました。Courtesy of PRADAロマンスという考え方に触れてみました。今、特にファッション界において、その言葉はある意味タブーなのかもしれません。ロマンチックな雰囲気を湛えたコレクションです。服に、愛や優しさという価値観を織り込んだのです。ロマンチックな愛もあれば、家族間の愛もあります。それは、理論的見解というよりもむしろ感情に関する会話なのです。私は、こうした考え方をとても大切にしています。そして常にこの考え方の下に制作を行っています。美を作り、愛をもってつくっています。歴史と人々の生活の間には密接なつながりがあります。過去のファッションは過去の生活を語ってくれますが、同時に現在の私たちの生活についても解き明かしてくれます。歴史を振り返ると、私たちの犯している過ち、そして強みが見えてきます。私たちが持っている唯一のもの、それが過去です。歴史から学ぶことをしない、懐古主義という考え方は好みません。歴史は、私たちにすべてを教えてくれます。困難な時期こそ、その教えは重要な意味を持ちます。歴史によって形作られているのが、本コレクションなのです。大切なのは懐古主義ではなく、理解です。私たちが何者なのか、どうしてそのような服を身につけるのか、ということへの理解です。それは過去を思い出し、前進するためにその知識を活用する、ということなのです。 ― ミウッチャ・プラダ私たちは美しいものを作ろうと努力しています。過去を振り返ることなく、美について語ることはできません。美の歴史を消し去ることはできません。理想の美に対する現在の考え方を決めるのは、過去なのです。私たちはいつも時を遡ります。今のように混乱の時期、歴史を知ることに大きな意味があります。私たちは何者なのか、どこから来たのか。そうした過去を知ることができて初めて、未来を見据えることができるのです。そこには、感傷、そして激しい感情を感じた際の記憶があります。歴史を感じさせますが、現代の私たちの目には新鮮に感じられる要素を切り取っています。最大の難関は、過去の歴史(ビクトリア朝、1920年代、1950年代など)から借りた要素を念頭に置きつつ、その当時のシルエットをそのまま再現して制作することはしない、という点でした。歴史を語ろうとしているのではないからです。このコレクションが表現しようとしているのは、ファッションに対する愛、私たちがファッションに対して感じる愛なのです。 ― ラフ・シモンズ PRADA 2024 年秋冬レディスファッションショー 「INSTINCTIVE ROMANCE」本能的に惹かれる歴史。ミウッチャ・プラダとラフ・シモンズによる 2024 年秋冬レディスコレクションは、歴史の断片をファッションに埋め込み、美についての考え方、そして記憶によって形作る現代世界を模索しました。過去と共にそこにあるのは、ロマンスです。Courtesy of PRADA歴史に関する知識は、過去を解き明かすだけでなく、現代を定義します。さまざまな年代の要素をちりばめた服が、これまでとは異なる新しい視点を提案します。過去は、学びを授けてくれる有効な手段です。本コレクションでは、新しいものを作り上げるために過去を振り返りました。過去を理性的に考察するのではなく、現代にも通じる美の理想に対して心がどう揺れ動くのかを探求します。Courtesy of PRADA文字通り過去が、今日のファッションを形作りました。現代ファッションの典型とも言えるバイカージャケット、ボンバージャケット、ニットウェアに、過去から着想を得た要素を加え、ラインやディテールを変えて異なるシェイプに仕上げました。Courtesy of PRADAさまざまな要素が一つの服に織り込まれ、ボディに沿うように作られたものもあれば、下に重ねた服が見えるよう工夫されたものもあります。ファブリックが主役のスカートには、儚げなシルクにかっちりとした仕立てのウールを合わせ、繊細さと力強さのコントラストを際立たせています。縦のラインを強調することによって、細身のシルエットが際立ちます。シューズやハットが、全体のバランスをさらに極端なものにし、ボディに沿う服は、女性らしさを明白に表現しています。女性らしい身のこなしを讃える工夫も随所に見られます。ハンドバッグは腕から吊り下げられ、サングラスはメイクの一部のようです。制作の背景には生き方があります。人間の生活という無形のものを、形にしました。Courtesy of PRADA定型的な表現も、具現化や、再加工、受け止め方を変えることによって変化させることができます。これまで男性的な素材として用いられたものを、繊細で女性的なものに変容させました。また、リボン、フリル、ラッフルといった女性らしさを表現するありきたりなディテールには新たな解釈を施し、その意味を根本から見直しました。Courtesy of PRADA疑問を投げかけ、答えを導き出す。ファッションショーは、世界と対話を始め、さまざまな考え方を交換し合う場です。対話や表現することへの欲求は、人間なら誰もが持っている根本的な本能です。身につけるものを通して、私たちは互いに触れあい、感情を表現するのです。Courtesy of PRADACourtesy of PRADACourtesy of PRADACourtesy of PRADACourtesy of PRADAお問い合わせ:プラダ クライアントサービスTEL:0120.45.1913
2024年02月25日エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA)は、2024年秋冬コレクションを2月22日にミラノで発表しました。Courtesy of MM6 Maison Margiela抽象とは、エムエム6 メゾン マルジェラがシーズンごとにワードローブの要素を考案する際の手段であり、抽象化とは、ある意味でありのままであること、まったく物語性のない感覚のそっけなさ、率直さの中にある歪んだ固定観念から生じる結果なのです。Courtesy of MM6 Maison Margielaジャケット、カーディガン、コートは、いずれもあるがままの姿でありながら、しかし本来あるべき姿ではなく、それらは新しい意味、別の機能、宿命のねじれを生み出しています。アームホールの下にスリットを入れて腕を通したり、あるいはカーディガンをケープにしていたり、レインコートはマスタードカラーのデニムで仕立てられています。キルティングは内側から外側へと移動し、レギンスにはバックポケットが付けられました。さらにはジャケットの丈をわざと半端な長さにして、ドレスなのかアウターなのか、問いを投げかけます。ライニングのスカートは丈を危険なほど短く切った結果、一見すると完全にシンプルで、ゆえにむしろ異質なものとなりました。Courtesy of MM6 Maison Margiela抽象化が中核となった今シーズンは、ピローケースがトップスへと姿を変えます。プリントは、エムエム 6 チームがいつも移動中に滞在するホテルの枕のプリントを忠実に再現したものです。一方で、今シーズンにおける抽象化は、パンキッシュな印象も与えるでしょう。猫背の姿勢によって上がった肩のラインに、数が増えるジッパーに、テーラリングからインナーに至るまで繰り返し用いられたコンサートのグラフィックに、バウハウスの角度と線の仕掛けを思わせる幾何学的なグラフィックのウェアに、ブラックで統一されたスタイルに。Courtesy of MM6 Maison Margiela抽象化は、完結することのない服のアイデアの中で表現し、テクスチャーで遊び、異なる生地で製作を繰り返すことで、その価値を再評価し変化させます。幾何学的なフォルムの純粋さは、ある種の先鋭的なシルエットを生み出します。つまり抽象化とは、丈や幅をとことんまで試行することなのです。Courtesy of MM6 Maison Margielaキャミオヌールのカーディガンやボディスーツ、ペンダントに用いられたキーホルダーは、メゾンの歴史を物語っています。また、アクセサリーは抽象化の領域をさらに掘り下げています。手描きのコミックブックに描かれる足のような特殊なシェイプのブーツやローファーは、イギリスのカルト的な人気を誇るブランド、ドクターマーチンとの初めてのコラボレーションで開発されたものです。さらにフォーチュンクッキーバッグ、ピローバッグ、カラフルなセーフティーピンも登場しました。Courtesy of MM6 Maison Margiela抽象化は、柔らかな雰囲気に満たされたカーペットの部屋の中でついに実現しました。その壁は揺らぐカーテンによって非物質化され、時間はニュートラルな静けさに浮かび上がり、パンキッシュなサウンドスコアによって切り裂かれました。Courtesy of MM6 Maison MargielaCourtesy of MM6 Maison MargielaCourtesy of MM6 Maison MargielaCourtesy of MM6 Maison Margielaお問い合わせ:マルジェラ ジャパン クライントサービス0120-934-779www.maisonmargiela.com/mm6/
2024年02月24日グッチがサバト・デ・サルノによる2024年秋冬ウイメンズコレクションをミラノのFonderia Carlo Macchiにて発表しました。Courtesy of Gucci小さく破壊的なジェスチャーを求める。ルールに従わず、最も適切と思われるものとは異なる視点から物事を見る。これが、私の夢の描き方です。急ぐことなく、レンガで家を建てるように目に見える形で積み上げ、階層化します。ファッションにおいても、そのプロセスは同じです。私は埋められたいと願っている空洞、襞の隙間を探します。より自由になるために、広い視野を求めて離れる前に、近づいてディテールを見つめます。そして平凡だと思われている場所で非凡なるものを見つけ出すのです。私の夢、私のファッションは、常に現実と対話しています。なぜなら、私は別の世界で生きるのではなく、何よりもこの世界で生きる方法を模索しているからです。 ― SabatoCourtesy of Gucci主役となるコートは、マスキュリンなファブリックとシルエットを用いながら、カバーされたプラケットと背中の隠しボタンによって、ボディを抱擁するような雰囲気を醸し出します。ボンバージャケット、ピーコート、レザージャケットにも同様のスタイルが用いられています。Courtesy of Gucciコートの仕立てはクラフツマンシップとその卓越したテクニックを象徴するものです。構造から始まり、ライニングや内側の仕上げ、ファブリックの落ち感、着用したときの動き、ウールと新しい繊維を混紡した場合の色調の変化など、さまざまな要素が入念に考えられ、細心の注意を払いながら進む創造の旅を経て仕上げられます。2024年秋冬コレクションは、その旅を幾度も繰り返すことで、レディトゥウェアのルールに対する小さな破壊的行為を描き出します。Courtesy of Gucciハンドバッグは「GG ミラノ」と名付けられた新しいトップハンドル バッグが登場。このバッグは、シルクのようになめらかなナッパレザーを重ねて軽くふんわりとした印象に仕上げ、フラットなパンチング加工で表現されたロゴから下の層が見えるようにデザインされています。グッチのアーカイブにある乗馬のモチーフをコンテンポラリーに再解釈したハーフムーンシェイプの新作バッグにも、同様のロゴがあしらわれています。さらにアイコニックなディテールであるバンブーを模したゴールドトーンのメタルバーで装飾されたクラッチバッグや、ゆったりとして包みこむようなシルエットとバンブー ハンドルを組み合わせたバケットバッグも登場します。Courtesy of Gucciシューズは、グッチと乗馬の世界のつながりを象徴する代表的なアイテムである乗馬ブーツは、クラシックなシルエットを細身のホースビット ハードウェアが飾っています。ホースビットローファーは、卓越したクラフツマンシップにより洗練されたプラットフォームサンダルへと進化しています。Courtesy of GucciCourtesy of GucciCourtesy of GucciCourtesy of GucciCourtesy of GucciCourtesy of GucciCourtesy of Gucciお問い合せ:グッチ クライアントサービス0120-99-2177www.gucci.com
2024年02月24日カレンテージ(CURRENTAGE)の2024-25年秋冬コレクションが、東京・寺田倉庫で発表された。“旅の記憶”をコラージュして、世界を繋ぐカレンテージは、“自分だけのヴィンテージ”をコンセプトに、2017年に塚崎恵理子が立ち上げたファッションブランド。「CURRENT + VINTAGE(今とヴィンテージ)」「CURRENT + AGE(今を生きる世代)」という造語からなるブランド名の通り、世代を超えて愛される洋服に“今っぽさ”を加えたコレクションを展開している。今シーズンの着想源となったのは、デザイナー塚崎恵理子の“旅の記憶”だ。今まで何度も訪れている馴染みの国イギリスやフランス、久しぶりのドイツ、初めて行く中欧や東欧の国々、そして中央アジアのウズベキスタン…。パンデミックが落ち着いて堰を切るように旅に出た塚崎は、文化も宗教も違う国々で沢山の美しいものに出逢ったという。異素材・異テイストをミックス旅の中で見たあらゆる文化や美しいものを“コラージュ”するかのように、モデルたちが纏う服は素材使いもカラーも、テイストまで様々だ。シアーシャツが肌を透かしたかと思えば、重厚感のあるファーコートが登場したり。無骨なレザーベストに、センシュアルなボディスーツとタイツを合わせたり。モダンとレトロ、マニッシュとフェミニン、タイトとオーバー…それら“異要素”が絶妙なバランスで重なり合い、唯一無二の世界観を作り上げていく。“伝統衣装”にインスパイアとりわけ目を引いたのが、“民族衣装”のエッセンスを織り交ぜたルックだ。たとえばパフスリーブのニットに大胆な飾り襟のブラウス、ターバンを頭に巻いたスタイリングは、中欧や東欧の伝統的な衣服からインスピレーションを得たもの。足元にはポインテッドトゥのピンヒールパンプスを合わせて、モダンに再解釈しているのがカレンテージらしい。多種多様な柄でリズムをコレクションをリズミカルに彩る、多彩な柄使いも見逃せない。ヨーロピアンヴィンテージを思わせる花柄のシャツや、クラシカルな千鳥柄のオールインワン、数種類ものグレンチェックの布をつなぎ合わせたドレスなど次から次へと登場し、見る者を全く飽きさせない。色気を漂わせるシャイニーな素材使い全体的にどこか色気が漂っているように感じるのは、シャイニーな素材使いによるものだろう。たとえば、ふんわりと空気を孕むバルーンスカートには、メタリックな煌めきを。ベスト&パンツのセットアップには星のような輝きのスパンコール、ニットカーディガンには金箔を思わせるディテール、ボディスーツには身体に沿って光沢を湛えるベルベットを採用し、ドレッシーなムードを加速させた。
2024年02月18日