Intelは25日、貴社説明会を開き、同社のIT部門における業務改革に向けての取り組みとその成果を紹介した。これは毎年開催されているもので、今回は「生産性」「デジタル化」「サイバーセキュリティ」というキーワードを元に施策を解説した。2016年のレポートタイトルは「FROM THE BACKROOM TO THE BOARDROOM~舞台裏から役員室へ~」となっている。これは、従来ならば裏方の作業であったIT部門が、いまでは大きなビジネス価値を提供するため、結果としてCIO(最高情報責任者:chief information officer)が役員室に呼ばれて報告や質問を受けることがあるということを意味している。説明会の冒頭で、邱氏はIntelにおける過去2年間と現在の状況を棒グラフで紹介。Intel全体で10.5万人の従業員を擁するが、そのうちIT部門のスタッフは6,300名程で200名程増員したという。また、ストレージ容量は2年前の2倍、稼働中のサーバー台数も2倍以上に増やしつつ、従業員一人あたりのIT支出額は微減の1.3万ドルだという。今回のレポートでは、IT投資の結果を「生産性」、「デジタル化」と「サイバーセキュリティ」に分けて説明する。○ワイヤレス会議室の導入やクラウドによる開発環境の提供で生産性を向上「生産性」に関しては、オフィス内で効果的な会議を行うために革新的なワイヤレス会議室を500室以上設置したという。日本では、まだトライアルで数室しか設置されていないそうだが、台湾では全会議室に導入したとのことで、具体的には会議室に小型PCを設置してIntel Uniteで接続が可能になっている。Intel Uniteでは、6ケタの数字を入力することでリモートでも接続可能なことから、利用者からも高い評価を得ており、ソフトウェアの導入もvPro PCを使うことで追加コストなしで行える点がメリットだ。このほか、オフィスにおける別の例として、ケーブル類のIT周辺機器を自販機(代金は部署に請求する)を活用したり、会議室にセンサーを入れる事で「予約されているのに使われていない会議室を使いたい人に開放」するシステムを紹介した。一方、開発現場での改革として、クラウドによる開発環境の提供を始めている。従来は製品開発チームごとにローカルの検証環境をホストしていたが、これをオンデマンドで利用できるクラウド共有リソースとして提供する。12万台のサーバー資源をプールして利用することによって、検証環境を数分で構築できるようになったという。さらに今後は外部パートナーと共同で利用できる環境を作るとしている。邱氏が実例として挙げた例として、ワイヤレス製品のバグを特定するためのテストプロセスについて、これまで手作業で60分程かかっていたものが、自動化することによって5分程度への短縮を実現した。これによって、技術者が費やす時間を減らし12.8万ドル相当の節約が可能となり、洗い出した問題点のうち重要度の高い課題を優先的に解決できたという。○データの活用でコストを大きく削減「デジタル化」に関しては8億ドル以上のビジネス価値を生み出したとし、IT予算の7割のリターンがこの部分だけで得られたという。(従来のデータウェアハウスが扱っている構造化データに加えて)非構造データも解析するインテリジェントアナリティックスハブを構築し、インサイトの待ち時間を短縮し、四半期だけで17万ドルの費用削減に役立ったとその効果をアピールする。製造データに関しては、50億ものデータポイントから生まれる膨大なデータを分析するが、モバイルアプリによってニーズに合ったフィルタリングを行い、必要なデータをクリックして短時間にレポートを得ることができるようになった。また、インメモリー技術を使うことによって在庫を最適化。データウェアハウスのクエリ処理時間を6割削減し、TOP10のトランザクション処理を2倍にすることができたという。環境構築の俊敏性とコスト効率を上げるためにSDI(Software Defined infrastructure)も利用し、セルフサービスプロビジョニング時間が短縮した。一方SDxを構築する要素のうちSDS(Software Defined Storage)はまだ成熟度が足らないことを課題として挙げた。○ターゲットを絞った攻撃にリソースを集中最後の「サイバーセキュリティ」に関してはターゲットを絞ったAPT攻撃に関しては高度なセキュリティ防御が必要であり、ここに対処リソースを集中。一方99%を占める従来型脅威に関しては信頼できるセキュリティアーキテクチャで防御する。また、単に保護するだけではなく、侵入された場合を考えた検知や修正もバランスよく考える事が重要だという。セキュリティ上、最も脆弱になりがちな人間に関しては、サイバーセキュリティの知識と対策を企業文化に組み込み、連携によってガバナンスを実現することが重要だという考えを示した。
2016年03月28日TISは3月15日、AIを活用したビジネスを行うスタートアップ企業であるエルブズにシードマネー(ベンチャー・ビジネス創設のために当初投入される資本)を出資したと発表した。エルブズは2016年2月に設立し、高齢者にコミュニケーションサービスの提供を目指しているスタートアップ企業。同社は、Agents of Socialization(社会性エージェント)技術を用いたサービスの提供、広告配信、技術教育、システムコンサルティングサービスなどを事業としている。これまでTISではAI関連ビジネス推進のため機械学習や自然言語処理といったAIを構成する要素技術の検証・開発、関連技術を用いたソリューションの開発とPoC(Proof of Concept:概念実証)を進めており、大学との同技術領域に関する共同研究を実施するなど産学連携での活動も行ってきた。今回、AI活用ビジネスを展開するエルブズに出資することで、AIを活用した自然言語による対話およびコミュニケーションの技術を獲得し、対話プラットフォームを提供するとともに、広範な顧客に対するシステム・インテグレーション事業への活用も想定している。TISは今後もAI分野での社内ビジネス立上げやAI関連子会社の創設、関連ベンチャー企業への投資などを検討・推進し、AI関連ビジネスの拡大を目指す。TISがエルブズに対してシードマネーを出資し、リードインベスターを担い、ベンチャー企業の革新性やネットワークとシステム・インテグレータの総合力を融合することで、互いの利点を活かした迅速なビジネス立ち上げを行う考えだ。
2016年03月16日ミック経済研究所は3月15日、「2016年度従業員規模別・業種別IT投資動向調査310社」のレポートを発表した。製造・流通・サービス業の2016年度IT投資総額は前年度比2.5%増の11兆6516億円、増加要因はシステム更新がトップとなった。同調査は国内経済が中国経済の成長減速から景気の不透明感が高まり、財政出動の限界も見え、2016年度の見通しが立てにくい状況を受け、各企業の2016年度予算計画、IT投資計画を立てる参考指標とするため実施。調査対象は製造(建設含む)、流通(卸、小売、他)、サービス業の情報システム部門で、金融・証券・保険、自治体・公共、学校、医療は除いた。従業員規模別・業種別の2016年度IT投資計画・増減分布は、2016年度の計画では「増加」が19.7%、「横這い」が66.8%、「減少」が13.5%。横這いが最も多いが、増加と減少を比較すると増加の方が多く、事業に前向きな姿勢が伺える。さらに、増加を選択した61社の中では伸率20%以上のウエイトが62.3%と多く、全体でも12.3%を占める。一部の企業においては事業拡大に舵を切り、IT投資を急増させる計画であるという。従業員規模別では従業員1000人以上規模の「増加」が52.0%を占める。大手企業は利益剰余金が豊富で、2016年度のIT投資は相当に期待できると予測している。また、従業員1000人以上規模のIT総額は国内全体の半分以上を占めており、国内全体のIT投資動向を牽引していく見通しだ。業種別では、各業種ともに「横這い」が65~70%未満。ただし、「増加」と「減少」の比率を比較すると、従業員規模別ではすべての規模で「増加」が多かったが、業種別は流通業のみ「減少」の方が多い。2015年度の流通業は、やや増加傾向を示していたが、2016年度はやや厳しいと想定される。従業員規模別・業種別の2016年度IT投資増加要因は、「システム更新」が62.3%を占めて最も多く、リーマンショック以降、ITシステムへの投資を先送りしてきた企業が多かったが、2015年度からシステム更新にIT投資が向かい、2016年度より本格化すると推測。そのほか、マイナンバー対応が遅れていた中小企業を中心に「内部統制・セキュリティ強化」が13.1%と続く。また次いで「事業拡大」が9.8%と既存ビジネスの売上拡大、新規事業立ち上げと前向きな要因が増えている。従業員規模別に見ると、従業員300~999人規模の中堅企業と同100~299人規模の中小企業でシステム更新が前者66.7%、後者63.6%と多く、全体平均を押し上げている。2016年度の計画は、全体的には横這いが多い中堅・中小企業であるが、2016年度から抑制していたシステム更新に投資が向かいはじめたと同研究所は推測している。
2016年03月16日全世界で大ヒットを記録したディズニーの名作映画『ライオン・キング』から生まれた、新たなTVアニメーション・シリーズ「ライオン・ガード」が、ディズニー・チャンネルにて4月より放送されることが分かった。本作の主人公となるのは、『ライオン・キング』でプライドランドの王の座を受け継いだ“シンバ”の第二子“カイオン”。物語は、そのカイオンがプライドランドの平和を守る伝説のガーディアン、“ライオン・ガード”のリーダーを受け継ぐところから幕を開ける。映画『ライオン・キング』といえば、1994年6月に全米公開され、世界興行成績9億8740万ドルを記録した、ディズニーが誇る歴史的大ヒット作の1つ。自然界の“サークル・オブ・ライフ(生命の輪)”の中で、ライオンが果たす使命を描いた本作は、1994年アカデミー賞「作曲賞」「歌曲賞」を受賞し、サウンドトラックは全世界で1400万枚という驚異的な数字を記録。また、ブロードウェイ・ミュージカルはグラミー賞にも選ばれ、最高峰のトニー賞も受賞、全世界で7,000万人が足を運び、いまなお全世界で8つの言語にてロングラン公演が続いている。2011年に全米で再度発売されたパッケージも2週連続1位を記録するなど、その人気は現在も進行中だ。本作は、そんな大ヒット作の20年を記念して制作がスタートし、1月15日に米ディズニー・チャンネルにて初放送された最新TVアニメーション。“ライオン・ガード”の新リーダーとなったカイオンが、個性豊かな仲間たちと共に、時にぶつかり、時に協力し合いながら、王国に起きるさまざまな事件を乗り越え、プライドランドを守るストーリーは、まさに『ライオン・キング』のDNAを受け継いだ後継作となっている。「ライオン・ガード」は4月よりディズニー・チャンネルにて放送開始。(text:cinemacafe.net)
2016年03月01日ガートナーは2月24日 、ほとんどの新しいマーケティング・テクノロジ・イニシアティブには、セキュリティと精度よりもスピードと俊敏性に焦点を当てた新しいITアプローチが必要になるとの見解を発表した。ガートナーのリサーチ バイス プレジデントのキンバリー・コリンズ (Kimberly Collins) 氏は、「マーケティングは、常に革新と競争上の差別化が重視される領域でしたが、新たにソーシャル、モバイル、ビッグ・データ、モノのインターネット (IoT) の技術が注目されるようになり、マーケティング担当者にとって過剰なほどの新たなアイデアと機会が開かれました。市場の変化に後れを取らないように新たなアイデアや革新をテストするためには、事業部門とIT部門の両方にスピードと組織的な俊敏性が求められます。IT部門が新たなソリューションを実現するペース、または既存の環境をサポートするペースは、パートナーであるマーケティング部門の活動ペースと同じでなければなりません」と、その背景を述べている。これは、マーケティングをサポートするITリーダーは、マーケティング担当者が新たなアイデアや革新をテストし、試行できるIT環境を提供しながら、これまでどおりITガバナンス、技術的な支援、評価も提供する必要があるということだという。また同社は、新しいCRMの展望も発表。それによると、2018年までに、IT部門が関与するソーシャル・マーケティング・アプリケーションの意思決定は、今日の30%から増加し、約50%になるという。これは、従来、ソーシャル・マーケティングのテクノロジと戦略の意思決定はマーケティング部門が管理し、予算もマーケティング部門に割り当てられてきたが、この3年間、マーケティング部門はソーシャル・メディアの運用を全社規模に拡大しようとしており、IT部門と連携してソーシャル・マーケティングのテクノロジと戦略の組織的標準を作成することが必要になるからだとという。また2019年までに、マーケティング財務管理機能を搭載するマーケティング・リソース管理 (MRM) の実装は、今日の25%未満から増加し、50%以上になる予測。これは、ソーシャル、モバイル、ビッグ・データはマーケティングに多大な影響を及ぼしており、マーケティング担当者が顧客に働き掛ける機会をかつてないほど多く生み出しているが、マーケティング予算は顧客とのコミュニケーションを可能にする手段の数ほど速いペースでは増加していないため、マーケティング・パフォーマンス指標に基づいてマーケティング予算の配分と最適化を行うことは、かつてないほど重要になっているためだという。そのため、マーケティング担当者には、新たなアイデアや革新を試しながらリアルタイムで資金を再配分する俊敏性が求められ、アジャイル・マーケティングの時代では、マーケティング財務管理がMRMの重要な要件の1つになるという。ガートナー ジャパンのリサーチ部門主席アナリストの川辺謙介氏は「特に国内企業においてはこれまで、マーケティングによる市場創出・開拓といった考え方にあまり積極的ではなかったという側面もあり、マーケティングにテクノロジを活用しようとする動きはそれほど活発ではありませんでした。これは一般消費者の均質的な行動特性ときめ細かな作業を得意とする人的労働力によるものと考えています。しかしながら現在のデジタルの時代では、顧客接点の多様化、行動パターンの複雑化、それらに伴う情報の爆発的増加に速やかに対処しなければならず、もはやテクノロジの活用なしにはマーケティング業務をこなすことが不可能になってきました。そのため、IT部門にはマーケティング業務の目的、求められるスピード感と価値観を理解し、それに合わせたテクノロジへのアプローチを推進することが必要になります」と述べている。
2016年02月24日VSNは2月9日、IT技術者を対象に実施した、「今後、現場におけるニーズが高まると思うIT技術に関する調査」の結果を公表した。有効回答数は164件。調査期間は2015年9月16日~10月7日。今後、現場におけるニーズが高まると思うOS・サーバ・ストレージ・データベース分野におけるIT技術については、「仮想化」「クラウド」に関する技術ニーズが「1年以内」では最も高いニーズとなった。「3~5年以内」で「1年以内」よりニーズが高くなりそうな技術は「Windows Server 2016」「OpenStack」「Hadoop」が挙げられている。ネットワーク・セキュリティ・運用関連では、「1年以内」にニーズが高まる技術として「SDN」「次世代ファイヤーウォール」「総合運用ツール」が上位に挙げられた。「3~5年以内」で「1年以内」よりもニーズが高くなりそうなのは「IPv6」、「ITプロセスオートメーション」という結果となった。開発ツール・方式・言語に関しては、「IoT」が「1年以内」「3~5年以内」共に上位となる結果に。「1年以内」では、次いで「Java」「Python」が挙げられている。「3~5年以内」のニーズでは、「Java」「DevOps」のニーズが「1年以内」のニーズと比べて低い予想となった。
2016年02月09日本革ビジネスアイテム専門ブランド「ビジネスレザーファクトリー」は1月29日、大阪・なんばに常設第2号店をオープンする。○オープン記念のプレゼントも「ビジネスレザーファクトリー」は、バングラデシュの貧困層に雇用を創ることを目的に展開する事業。バングラデシュ産の牛革を使用し、同国の自社工場で製造した革製品を販売している。レザー(牛革)製品の中でも、ビジネスシーンで使えるアイテムに特化しているのが特徴だという。2015年6月にオープンした九州・福岡の常設1号店に続き、常設2号店となる大阪なんば店は、大阪府大阪市中央区のなんばウォークにオープン予定。取扱いアイテムは、ペンケース、手帳カバー、財布、バッグ、シューズなど。定番カラー6色と店頭限定カラー4色に加え、大阪なんば限定カラー「ロイヤルグリーン」の計11色を用意する。価格帯は299円~14,999円(税別)。また、オープニング記念として2つの特典も用意。1,500円(税込)以上購入した先着300名に、牛本革キーカバーまたはブックマークを、7,500円(税込)以上購入した先着50名には、次回使える名入れ無料券をプレゼントする。
2016年01月28日●人工知能が奪う業種「人工知能」という単語について、どう感じられるだろうか。多分にSFな響きを伴うIT分野のキーワードだが、実はすでに、ITとは直接関係のないビジネスシーンにおいても関係の深いものになりつつある。人工知能によってビジネスシーンはどのように変わっていくのだろうか。これからの人工知能とビジネスの関わり方について考えてみよう。○人工知能によって多くの業種が必要なくなる?人工知能は以前から研究が進められていたが、話題を集めるようになったのは2012年。国際的な画像認識コンテストである「ILSVRC」(ImageNet Large Scale Visual Recognition Contest)において、「ディープラーニング」と呼ばれる手法が従来型の機械学習を大幅に上回った。このディープラーニングが画像認識だけでなく、音声認識や自然言語処理といった分野においても有効であることがわかり、国際的な研究機関や大企業が開発に続々と参入し、まさに日進月歩の勢いで進化が進んでいる。すでに画像認識においては、人工知能が人間の認識率を上回るまでになっているのだ。技術が発展することにより、従来人間が処理していた作業を人工知能が肩代わりできる分野が増えている。人工知能は人間よりも処理速度が速く、数万件のデータを瞬く間に処理できるだけでなく、疲れ知らずだ。○英研究者の論文が話題に技術が進歩するにつれて、人間が仕事を奪われるという恐れもある。たとえば近年話題になっている自動運転車も一種の人工知能と呼べるものだが、人工知能は人間のようにアクセルとブレーキを踏み間違えたり、居眠り運転するということもない。お釣りをごまかすこともないのだから、タクシードライバーとしては最適だろう。人工知能の進化を前提に、英オックスフォード大学は702種類もの業種を詳細に検討し、約40種の職業が、10~20年の間に90%以上の確率でコンピュータにとってかわられるという衝撃的な論文を発表している。単純作業はともかく、事務や専門知識の必要そうな審査・調査なども含まれているのは驚かれたのではないだろうか。上記のリストには、現在の技術では実現が難しいものも含まれているが、人工知能の進化の速度を考えれば、数年内に置き換わられても不思議ではないというわけだ。●HUEの例から読み解く人工知能の力○人工知能を搭載した初のERP人工知能のビジネスシーンへの進出は、すでに始まっている。たとえば金融業界で株の売買に使われている売買プログラムも一種の人工知能だ。画像認識等の技術についても、実用化されて業務に利用しているケースも珍しくはなくなっている。そして、もっと身近なビジネスシーンでの人工知能利用の一例として、ワークスアプリケーションズの「HUE」が登場した。HUEは、企業内におけるヒト・モノ・カネの動きの管理を統合し、情報化によって経営を支援するためのシステム「ERP」(Enterprise Resource Planning)の一種だ。一般ユーザーから見ると、顧客管理や人材管理、文書管理システム、管理会計、プロジェクト管理など、さまざまな機能が統合された社内システムということになる。HUEのユニークな点は、機械学習型の人工知能を搭載していることと、ビッグデータの解析に対応している点だ。どちらも最近のIT業界では好んで使われるキーワードだが、これをERPに持ち込んだのはHUEが始めてだといえる。○人工知能で何ができるか具体的には何ができるのか。まず人工知能についていえば、書類作成の手間が大幅に省力化できるようになる。HUEでは、ユーザーが書類を作成する際に、項目や請求する相手を過去の入力データから検索し、相手や項目に応じて、たとえば単価や発送先、個数といったデータも推測して入力してくれる。これだけなら単に入力履歴から候補を出しているだけのようにも見えるが、HUEの長所は、入力欄や順番を問わない点にある。例えば入力欄の順番を問わずに「マイナビ 請求書 原稿料」と入力すれば、人工知能がどの単語がどの項目にふさわしいかを判断して、適切な部分に配置してくれるのだ。あとは必要に応じて、原稿の単価や担当部署、担当編集者といったデータを追加することで細部が修正されていく。ワークスアプリケーションズによれば「一般的な作表作業の90%近くを肩代わりできる」というが、デモを見る限り非常に素早く作表でき、また間違いも少ないことから、書類チェックや再提出といったエラー処理まで含めれば、確かに90%短縮というのも現実的な数値に思えてくる。ビジネスマンの1日の仕事を振り返ってみると、実際の取引や会議などの間に、書類作成の時間がかなり占めているのではないだろうか。1日に1~2時間程度は書類の作成に割かれているかもしれない。こうした時間を人工知能が代わりに作業してくれて、そのぶんをクリエイティブな活動に費やせるというのが、HUEの目指している作業環境だ。●人工知能はビジネスシーンの何を変えるかビッグデータ解析に関して言えば、企業の様々な業務ログを解析し、常に情報を更新してくれる。前述の人工知能もこうしたビッグデータ解析によって賢くなっていくし、システム中のメッセージやメールの発言を定期的に収集し、そこから人間関係を推測して人事に活用するといったことも可能だという。管理職から見れば人事査定の一助にもなるわけで、業務効率化という観点からは心強い。従来のエンタープライズ向けシステムは、何をするにもシステム側の都合にユーザーが合わせるといった感じで、ユーザビリティ(使い勝手)の面は顧みられていなかった。一方、GoogleやAmazonといったコンシューマ向けシステムでは、過去の行動からおすすめの製品を紹介したり、メールを解析して不要なメールは自動的にゴミ箱に捨てるといった快適性をもたらしてくれる。HUEでは人工知能を使ってエンタープライズ向けシステムを、コンシューマ向けサービスの水準にまで高めようとしている。○人工知能がビジネスシーンからなくすものさて、人工知能がビジネスシーンから何を省くか。HUEを事例として取り上げたが、そこからは、単純作業がなくなることがわかる。かつてワープロやパソコンが会社のデスクに登場したときのように、人工知能がビジネスの現場に入り込んでくることは、もはや避けられない。人工知能は、ビジネスを効率的なものとし、ビジネスパーソンが単純作業から開放される世界はすぐそこまで来ている。英オックスフォード大学の論文にもあるように、人工知能が特定の仕事を肩代わりするかもしれないが、どの業種においても、単純作業は減っていく。それによって生じた余裕は、よりクリエイティビティの高い作業に向けられていく。人工知能が本格的に職場で活用され始めたときに、我々はどうすべきか。次稿では、人工知能と共存する時代のビジネスパーソンのあり方について考えてみたい。
2016年01月25日Red Hatはこのほど、IT オートメーションフレームワークの最新版「Ansible 2.0」の提供を開始した。Ansibleは、IT組織の開発者と運用担当者がソフトウェアの学習とデプロイを短時間で行えるように設計されており、ルーチンワークを自動化することによって ITチーム間の障壁を取り除くことができる。Ansible 2.0に加えられた主な改良としては以下がある。タスクブロックによるプレイブックとタスクの開発の容易化に加え、例外処理と復旧を統合するオプションの提供プレイブックパーザの改良により、エラーの特定の明確化および推奨される修正を提供新たな実行モードにより、多数のマシンを対象としたデプロイメントを高速化する方法を提供Ansible 2.0は、パブリック/プライベート/ハイブリッドクラウドのデプロイメントに対するサポートが拡張されており、200 近い新規モジュールが含まれている。新たに追加されたモジュールのうち、主なものに以下がある。OpenStackを管理するための新たなモジュール群Amazon Web Servicesに対するサポートを強化・拡張するための30個の新規モジュールVMware環境とWindows管理に対するサポートの拡張新たなDockerに接続するためのプラグインAnsible 2.0 は、GitHub、PyPiおよび大部分の主要 Linux ディストリビューションのパッケージマネージャー経由で入手可能。
2016年01月22日翔泳社は1月18日、同社が主催するイベント「ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書大賞2016(ITエンジニア本大賞)」にて、ITエンジニアが選んだ「技術書・ビジネス書各ベスト10」を発表した。ITエンジニア本大賞は、ITエンジニアにおすすめしたい技術書・ビジネス書を選ぶイベント。今回が3回目の開催となる。全国のITエンジニアからの投票により選出された「おすすめ書籍」の投票結果を集計。投票数が多かった上位10冊を「技術書・ビジネス書各ベスト10」として特設Webページで紹介している。大賞は、2月18日に「Developers Summit 2016」内で開催されるプレゼンテーション大会&最終投票イベントで決定される。当日は、技術書・ビジネスの各ジャンル上位3冊(計6冊)の著者、編集者、訳者によるプレゼンテーションを実施。その後、特別ゲストとイベント観覧者による最終投票で大賞を決定する。また、特別ゲストによる特別賞の表彰も予定している。ベスト10に選ばれた書籍は以下の通り。ITエンジニア本大賞 技術書部門ベスト10(50音順)「ITエンジニアのための機械学習理論入門」(技術評論社)「インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門」(SBクリエイティブ)「Web API: The Good Parts」(オライリー・ジャパン)「SQL実践入門──高速でわかりやすいクエリの書き方」(技術評論社)「数学ガールの秘密ノート/ベクトルの真実」(SBクリエイティブ)「その数式、プログラムできますか?」(翔泳社)「達人プログラマー―システム開発の職人から名匠への道」「ハッカーの学校」(データハウス)[プログラマ脳を鍛える数学パズル シンプルで高速なコードが書けるようになる70問](翔泳社)「理論から学ぶデータベース実践入門──リレーショナルモデルによる効率的なSQL」(技術評論社)ITエンジニア本大賞 ビジネス書部門ベスト10(50音順)「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」(かんき出版)「人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの」(KADOKAWA)「シンプルに考える」(ダイヤモンド社)「0ベース思考 どんな難問もシンプルに解決できる」(ダイヤモンド社)「たった1日で即戦力になるExcelの教科書」(技術評論社)「伝わるデザインの基本 よい資料を作るためのレイアウトのルール』(技術評論社)「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」(クロスメディア・パブリッシング/インプレス)「HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか」(日経BP社)「速さは全てを解決する『ゼロ秒思考』の仕事術」(ダイヤモンド社)「ワーク・ルールズ!」(東洋経済新報社)
2016年01月19日日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は1月13日、ITユーザー企業の投資動向やIT戦略動向などを定点観測する「企業IT動向調査 2016」の、IT予算に関する速報値を発表した。なお、最終集計・分析結果は4月上旬に発表の予定となっている。同調査は同協会が2015年9月30日から10月19日にかけて、東証1部上場企業とそれに準じる企業の計4,000社を対象として、各社のIT部門長に調査票を郵送して実施したもの。調査の有効回答社数は1,115社で、IT予算に関する有効回答数は654社、IT投資で解決したい経営課題に関する有効回答は1,060社。2016年度のIT予算を2015年度と比べて増額するか減額するかを尋ねたところ、43.6%の回答企業が増額すると回答し、前年調査と比べて1.6ポイント増加した。一方、減額すると回答した企業は18.0%であり、同0.2ポイント減だった。IT予算を増額する企業の割合から減額する企業の割合を差し引いたDI(ディフュージョン・インデックス)値は25.6ポイントであり、前回調査を2.0ポイント上回っている。円安・株高が続いており市況も追い風の状況が続いているため、体力があるうちに「攻めのIT投資」を推進して企業競争力を高めておこうとする企業が増えていると、同協会は見ている。企業の売上高規模別にIT予算の増減を見ると、全ての売上高規模でDIがプラスだった。特に増やしそうなのは売上高1000億~1兆円未満の層であり、半数を超える55.1%の企業が2016 年度にIT予算を増額すると回答した。DIは37.1 ポイントで前回調査の11.6 ポイントから大幅に改善すると共に、増額予定の企業が前回調査から14.3ポイント増、減額予定の企業は同11.2ポイント減となり、この売上規模の企業の多くがIT投資を活発化する方向にあるという。業種グループ別にIT予算の増減を見たところ、DIが最も高かったのは銀行や証券、保険などの金融グループであり、2016年度IT予算のDIは47.1ポイントで、前回調査よりも26ポイント上昇した。勘定系システムといった既存システムの強化に加え、金融とITを融合して新しいサービスを生み出す「FinTech」(フィンテック)分野などでもIT投資が活発化するものと同協会は見ている。DIの増減は、機械器具製造(27.3ポイント、前回調査比7.2ポイント増)、素材製造(18.5ポイント、同5.9ポイント増)、商社・流通(DI=29.6ポイント、同4.4ポイント増)で伸びている。一方、前回調査でDIが高かった社会インフラ(29.0ポイント、同13.6ポイント減)やサービス(26.4ポイント、同9.9ポイント減)、建築・土木(12.9ポイント、同6.7ポイント減)の各業界では、IT予算は増加傾向にあるものの2016年度はひと呼吸置く状態になりそうだという。2015年度のIT予算について売上高に占める比率を見ると、全体平均では1.21%だった。この数値は極端に投資が多い企業または少ない企業によって大きくぶれるため、最大値および最小値の双方から回答の10%を排除して計算したトリム平均値は0.75%、中央値は0.6%だった。なお、業種グループによって大きく差があるという。「IT装置産業」とも言われる金融では売上高に占めるIT予算の比率が極端に高く、平均値で7.82%、トリム平均値で7.40%、中央値でも6.43%あった。一方、トリム平均値が最も低かった建築・土木では、それぞれ0.49%、0.43%、0.38%だった。IT予算の妥当性を見る際には、世間で言われる「売上高の1%」ではなく、同調査の業種グループ別の結果をベンチマークとして用いると良いだろうと同協会は提案する。IT投資で解決したい中期的な経営課題を、優先度の高い1位から3位まで順位付けて尋ねたところ、傾向としては前回調査と大きくは変わらなかったという。同協会があらかじめ用意した15個の選択肢のうち、群を抜いて回答が多かったのが「業務プロセスの効率化(省力化、業務コスト削減)」と「迅速な業績把握、情報把握(リアルタイム経営)」とのことだ。いずれも回答企業の約2割が、IT投資で解決したい中期的な経営課題の1位として挙げている。解決したい課題として3位までに挙げた企業の割合は、「業務プロセスの効率化」が52.3%、「迅速な業績把握、情報把握」が37.5%だった。
2016年01月14日IDC Japanが1月13日に発表した「国内IT市場 地域別予測」によると、2015年の国内IT市場は、円安が大都市圏とそれ以外の地域での格差を量的・質的の両側面で広げたという。円安の進展により2015年は、東京を中心とした首都圏や名古屋・大阪・福岡などの大都市圏に多く立地する輸出比率の高い大企業の業績がプラスとなりIT投資が増える一方、それ以外の地域では原材料費の高騰により業績が圧迫されている企業が多く、IT支出をほぼ止めてしまっている中小企業も出ているという。民間部門においては大都市圏が大きなシェアを占める一方、公共・教育・医療福祉部門では大都市圏以外の地域の割合が高いため、今後、格差を埋めるためには、いかに公的部門の支出を地域の成長に結び付けることができるかが鍵になると同社はいう。同社ITスペンディング グループマネージャーの廣瀬弥生氏は、「ITベンダーは、大都市圏においては第3のプラットフォームを活用した戦略的IT投資を積極的に提案していくことが重要である一方、それ以外の地方では、政府の補助金をうまく活用して、業績が伸び悩んでいる企業の成長を支援する地方創生ビジョンを描く必要がある」と分析している。
2016年01月14日IDC Japanは1月13日、国内IT市場の2015年~2019年の地域別予測を発表した。これによると、2015年の国内IT市場は円安が大都市圏とそれ以外の地域での格差を量的、質的両側面において広げているという。円安の進展により、2015年は東京を中心とした首都圏、名古屋、大阪、福岡などの大都市圏に多く立地する輸出比率の高い大企業の業績がプラスとなりIT投資が増加した一方、それ以外の地域では原材料費の高騰により業績が圧迫されている企業が多く、IT支出をほぼ止めてしまっている中小企業も出ているという。民間部門においては、大都市圏が大きなシェアを占める一方、公共・教育・医療福祉部門においては大都市圏以外の地域の割合が高い。今後、格差を埋めるためには、いかに公的部門の支出を地域の成長に結びつけることができるかがカギになるとしている。同社のITスペンディンググループマネージャーである廣瀬弥生氏は「ITベンダーは、大都市圏においては第3のプラットフォームを活用した戦略的IT投資を積極的に提案していくことが重要である一方、それ以外の地方では、政府の補助金を活用して、業績が伸び悩んでいる企業の成長を支援する地方創生ビジョンを描く必要がある」と分析している。
2016年01月13日ゼブラは21日、芯が折れにくいシャープペン「デルガード」の高級ライン「デルガード タイプLx」を発売する。○金属部品で高級感と安定感がプラスに「デルガード」は同社が2014年11月より販売しているシャープペンで、筆圧や書く角度に合わせて芯をガードする内部構造となっている。今回発売する「デルガード タイプLx」は、グリップに金属を採用。ペンの重心を低くし、安定性を加えたタイプ。ボディには、リング部やクリップに金属、軸にメタリック塗装が施されている。学生や社会人が長時間筆記する際に集中できるよう安定性を加え、見た目にも高級感を与えた。同商品のサイズは全長146mm、軸径10.7mm、芯径0.5mm、重量は20.5g。軸色は、ブラック・ブルー・レッド・ホワイトの4色で展開している。商品価格は1,080円(税込)。全国の文房具取扱店にて発売。
2016年01月06日ローソンとシグマクシスは、ローソン事業のデジタル化推進および次世代システムの構築と運用を目的としたIT戦略子会社「ローソンデジタルイノベーション」を共同で設立することに合意し、2016年1月15日に新会社を設立、同年2月1日に事業を開始する予定であることを発表した。新会社では、シグマクシスの持つプロジェクトマネジメントのノウハウやデジタルテクノロジーへの知見を活かし、ローソンの次世代システムを構築していくとしている。次世代システムでは、原材料調達、物流、製造、販売のプロセス最適化による高品質でリーズナブルな商品の開発や、CRMのさらなる強化による店頭での最適な品ぞろえを可能にするという。ローソンは、この次世代システムを活用し、消費増税やインバウンド需要の増加、高齢化、人手不足などの社会環境の変化にスピーディーに対応した次世代のコンビニエンスストアを作り、便利なだけでなく利用者にとって必要不可欠な存在となる新たな小売業モデルの実現を目指すとしている。両社は、今回の新会社設立によって、アウトソース型のシステム開発から企業主導型のシステム開発体制に移行する構えだ。
2015年12月28日ラックは12月24日、中高生のIT技術者を支援する「ITスーパーエンジニア・サポートプログラム"すごうで"」について、本2016年度の募集を開始した。選考により、最も優れた個人またはグループには、年間100万円相当の活動支援を実施する。2013年度にスタートした"すごうで"は、ITを活用して実現させたい夢がある「エンジニアの卵」を発掘し、そのチャレンジを資金と技術の両面から支援することで、多様化・高度化するIT社会において次世代を担う人材に成長してもらうことを狙ったもの。"すごうで"の応募の対象は、ITを活用した取り組みであれば内容は問わず、ソフトウェア開発からハードウェア開発、イベント企画などいかなる企画であってもよいとしている。応募資格は「(1)IT(システム構築技術、プログラミング技術、ハッキング技術、アルゴリズム、ITを活用した卓越したアイディアなど)を有する、応募時点で中学校、高等学校、中等教育学校、高等専門学校、特別支援学校に在学する人」「(1)に該当する人が過半数を占めるグループ(セキュリティ技術競技大会、プログラミング競技大会、ハッカソンの参加チームや、ソフトウェア共同開発者チームなど)」など。応募の中から最も優秀と認められる1件(個人またはグループ)を選定し、提出された活動計画に沿って、2016年4月1日から2017年1月31日までに、総額100万円相当を上限とする支援する。応募にあたっては、所定の応募申込書を、2016年2月29日(当日消印有効)までに、ラック「すごうで事務局」宛てに提出する必要がある。
2015年12月25日リクルートテクノロジーズは12月17日、ITエンジニア530名を対象に実施した「2015年にもっとも注目したITワード」など、ITに関するアンケートの調査結果を発表した。アンケートは、インターネットリサーチによる、全国の20~40代のITエンジニアを対象に、12月4日~6日の期間で実施されたもの。調査結果によると、「2015年にもっとも注目したITワード」は、1位が「マイナンバー」、2位が「ドローン」、3位が「Windows10」となった。2015年に新しく登場、または浸透し、ニュースでも取り上げられることの多かったITワードが上位を占めている。一方、10位「サイバー攻撃」、14位「情報漏洩」、21位「セキュリティ」、22位「標的型攻撃」、23位「アノニマス」など、情報セキュリティに関連するワードも多数ランクイン。続いて、「2016年に世間で流行すると思うITワード」については、1位「マイナンバー」および「自動運転」、3位「ドローン」、4位「iPhone 7」、5位「AI(人工知能)」という結果となった。「マイナンバー」、「ドローン」が2015年に引き続き高い注目を集める一方、1位「自動運転」、5位「AI(人工知能)」、21位「ディープラーニング」、22位「機械学習」など、これまでヒトが担ってきた領域の一部を代替し得る技術が数多くランクインしており、同社では、多くのITエンジニアが、テクノロジーによる産業の変化に期待していることがうかがえるとしている。
2015年12月19日IDC Japanは12月18日、2015年の国内IT市場予測、および2015年~2019年における国内ITの産業分野別市場規模予測について発表した。2015年は金融機関などの大型案件とPC更新需要でIT支出を伸ばした2014年の反動を受け、全体で14兆7,837億円と前年比0.1%の成長に落ち着く予測となるが、産業分野別では、通信/メディアおよび消費者を除いたすべての分野でプラス成長を見込んでいる。特に銀行、製造業、小売業、運輸業、サービス業が堅調なIT支出を維持することが見込まれ、国内IT市場の2016年の前年比成長率を2.7%、2017年を2.0%と予測。産業分野別では、金融セクターにおける大手都市銀行や、ゆうちょ銀行での大型案件、地方銀行の再編によるシステム統合などの案件、大手金融機関を中心にFinTechやコグニティブなどITによるビジネス/サービス革新を進める動きが国内IT投資をけん引するとしている。また、製造業では基幹システムの刷新を終えた企業がグローバルサプライチェーンの最適化や、生産ラインの自動化、設計/開発領域でのデジタル化、標準化を見据えた環境整備へ進む動きが見られるという。小売業ではチャネル推進が加速し、それを実現するプラットフォーム構築やデジタルマーケティング領域での投資が後押しするとみている。さらに、ユーザー企業調査結果からは第3のプラットフォーム、IoTといったイノベーションアクセラレーターの取り組みが経営層からIT部門に出される指示に含まれていたという。一方、IT部門の課題にはビッグデータなど「新たなIT戦略を検討する人材の不足」や「ITを活用する事業に関する知識不足」が上位に挙がり、IT部門に経営層から課せられたミッションと、それを実行するためのIT部門の体制にギャップがあることが判明。IDC Japan ITスペンディングマーケットアナリストの岩本 直子氏は「ITベンダーはIT部門の役割が変化していく中、IT部門の課題解決の支援を踏まえた提案をし、IT部門のミッション達成に向けて伴走する役割を担うべきである」と分析している。
2015年12月18日●IDCが読み解く、世界と国内のIT市場10大予測2015年もさまざまなIT技術がビジネスに大きな影響を与えてきた。今後もますます、IT技術が規模を拡大していくことは誰もが感じていることではあるだろうが、10年後、20年後を想像すると、一体どのようなサービスや技術が世の中に浸透しているのか、予測することは難しい。また各企業のビジネスの本業が、このまま変わらず続いていくのかといったことを考えてみても、昨今の状況をみると必ずしもそうだとは言えなくなってきている。ハードウェアの会社がソフトウェアを売ったり、逆にソフトウェアの会社がハードウェアを売るなど、産業の垣根はあいまいになってきている。IT専門調査会社であるIDC Japanは12月9日、今後3年間における世界と国内のIT市場の動向を特徴付ける技術や市場トレンド、企業の動きなどに関する予測と提言を、「IDC FutureScape」で発表した。これまで同社では、「Japan IT Market 2015 Top 10 Predictions」として発表してきたが、今年から予測の仕方を変更したという。従来はITベンダーを対象として予測を行ってきたが、今後はITベンダー含め、エンドユーザーの意思決定者(CIOやCEOなど)も対象に、今後の予測・提言を行っていくという。これからの近い将来、一体どのような変化が起こってくるのだろうか。○12の考慮すべき外部ドライバーまず、技術軸あるいは産業軸でのIT企画において、考慮すべき外部ドライバーとして12の項目があげられた。内容は以下の通り。DX(デジタルトランスフォーメーション):DXによるビジネス変革の加速Cy-Q(サイバー認知インテリジェンス):相互接続、相互認知、インタラクティブ、直感的、インテリジェントで認知的なエコシステムTalent Quest(人材発掘):次世代のビジネス/ITスキルへの高まる需要と供給の枯渇Urban Corridors(大都市圏化):巨大都市化のインパクト増大Cloud Life(クラウドライフ):実生活とデジタルアイデンティティの境界の喪失21st Century Battleground(21世紀のパワーバランス):サイバー世界でのパワー闘争East-West(東西バランス):グローバル経済のパワーバランスシフトDavid and Goliath(ダビデとゴリアテ、小さな者が大きなものを倒す):分散VSグリッドエネルギーモデル間の競争拡大Connected Well-Being(コネクテッドな福祉):モバイル、センサー、ソーシャル技術の収束Risky Business(ビジネスリスク):国際経済のボラティリティインパクトRising Tide(海面上昇):気候変動による社会的なインパクトShifting Gears(ギアチェンジ):IT生産性向上のペースダウンこの中でも、IT市場のキーとなる外部ドライバーとして、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「Cy-Q(サイバー認知インテリジェンス)」「Talent Quest(人材発掘)」「Cloud Life(クラウドライフ)」の4つがあげられた。DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、2004年に当時スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が名付けた言葉で、「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」と定義している。IDCでは、「ビジネスにおけるDXの実験的取り組みが主流化し、シームレスでグローバルな到達能力を持った新しいビジネスモデルが成立する。DXが競争上の要件になり、事業運営、コミュニケーション、サービスのデジタル化に対する莫大な新規投資を呼び込む源になる」と予測している。また、「Cy-Q(サイバー認知インテリジェンス)」に関しては、「認知機能が進化するにつれ、ロボティクス、IoT、人工知能(AI)、拡張現実/仮想現実(AR/VR)、大容量データセットとの組み合わせによって、システムが人間のインテリジェンスを模倣し、それを上回ることが可能になる」としている。「Talent Quest(人材発掘)」に関しては、「第3のプラットフォームに関するコンピテンシーを獲得する能力は、ビジネス需要のペースに追いつかない人材の供給能力、アクセスするにはあまりに特定の地域に人材が集中しすぎている地理的条件によって、多くの企業で制約が生じる」と述べられている。最後に、「Cloud Life(クラウドライフ)」に関しては、「クラウドを通じて、あらゆる形式の個人データ(金融、仕事、健康、所在地、家族など)を利用できるようになり、人々が日常生活の一部として定期的にやり取りし、更新、共有、管理する、一つのデジタルエンティティとしての管理が一般化する。ビジネスシステムは、一人ひとりの個人的な習慣や好みに関する知識を利用して、エクスペリエンスをカスタマイズし、ほかの人々に代わる信頼性の高いアドバイザーとなる」としている。それでは、以上の外部ドライバーをふまえた、同社のIT市場10大予測を一つずつ見ていきたい。●各業界上位20社のうち、3分の1が3年以内に崩壊する?!DX2017年末、Global 2000企業のうち3分の2のCEOが、DXを企業戦略の中心に据えるIDC Japanのリサーチバイスプレジデント 中村智明氏は「DXイニシアティブを活用する競合他社の出現により、どの業界でも上位20社のうち3分の1が、3年以内に崩壊に追い込まれる」と示唆した。これに対し、企業はどのように対策する必要があるのか? 中村氏は「Chief Digital Officer(CDO)を設置し、DXイニシアティブを推進する専門の組織をつくるべき」と言う。またITベンダーは「業務改革、人材活用戦略の策定、ビジネスエコシステムにおける協業戦略など、顧客にとってよきコンサルタントになるよう近づいていくことが重要」とした。第3のプラットフォームIT2017年には国内企業のIT支出額の33%以上が第3のプラットフォームテクノロジー、ソリューション、サービスに費やされ、2020年には45%を超える2016年以降、すべてのDXイニシアティブに向けたIT投資は第3のプラットフォーム上での投資となり、第3のプラットフォームへの支出は2020年まで、年平均成長率(CAGR)5%以上で増加する一方、第2のプラットフォーム投資はCAGR3%で減少するという。第1のプラットフォームはメインフレームと端末、第2のプラットフォームはクライアントサーバーシステム、そして第3のプラットフォームは、モバイル、ソーシャル、ビッグデータ、クラウドの4要素で構成されるとIDCは定義している。このような状況に対して中村氏は、「多くのCIOが第3のプラットフォームへの移行をためらっているが、その懸念は副次的。移行しないという判断ではなく、どう移行するかが課題」とし、ITベンダーに対しては、「顧客のDXイニシアティブに付いていくのではなく、リードしていくことが役目」とした。クラウドコア2017年までに、国内IT支出の20%以上はクラウド関連となり、2020年にはITインフラストラクチャー支出の30%以上、ソフトウェアおよびサービス支出の40%以上となる海外では、すでにすでにクラウドへの支出が50%を占めるという。中村氏は「ITの最良の解はクラウドにあるということを常識にしないといけない。また、すべての企業がクラウドサービスプロバイダになる可能性がある。産業特化型のシステムをつくってうまくいけば、そのシステム自身を同業他社やエコシステムに売って商売しようという話になるだろう。クラウドはIT課題ではなく、経営課題である」と述べた。そして、ITベンダーに対しては、「2018年までにクラウドファーストを完了することが"生き残りの条件"」とした。イノベーションキャパシティ2018年には、DX戦略を追及する企業で、ソフトウェア開発能力が今の2倍以上に伸び、コーダー(ソフトウェアプログラマー)の3分の2が、戦略的DXアプリケーションおよびサービスを手がける中村氏は、「すべての企業がソフトウェア企業の性格を強める」と述べた。また、開発リソース不足によって、今後差別化につながらない、第2のプラットフォームから第3のプラットフォームへの移行については、企業はアウトソースされると予測。この時、ITベンダーは「DXイノベーションプロバイダー」となるのか、「第3のプラットフォームへの移行プロバイダー」となるのかが、重要なポイントだとした。「どちらも需要があるが、valueが違う。この両方のビジネスに対してどういったポートフォリオを描くかが重要」(中村氏)社内外の「データパイプライン」2018年、戦略的なDXイニシアティブを実施する企業では、外部から社内へのデータソースの数が現状の3~5倍以上に増加し、市場へのデータの配信料は100倍以上に増加するすでに、日本でも大企業の6~7割はなんらかの外部データを購入し、自社内部のデータを組み合わせて、価値を生み出し、外部へ発信していくといった動きになっているという。この時、どんなデータを組み合わせて、どのように配信していくかといったデータの流れ(データパイプライン)をうまく設計することが重要だとしている。中村氏は「今後はデータが商品、売買の対象となる」と述べ、2019年にはすべての企業が外部データ(Twitter、交通情報、気象情報、販売予測データなど)を購入すると予測している。●IoT、コグニティブの今後は?インテリジェントエッジ2018年にはIoTデバイスの設置台数が国内市場で9億円台となり、20万以上の新しいIoTアプリケーションおよびサービスの開発につながる2018年にはIoTへのIT投資は2015年比で1.5倍以上となり、企業データセンターの新規サーバのうち20%を占有すると予測された。また、2018年には、ITネットワークの3分の2以上がIoTベースのセキュリティ侵害を経験すると警告された。「選択がまだ難しい分野。例えばウェアラブルで見ても、2020年までに生き残れる企業が何社あるのかわからない状況。確固たる地位を築いている企業はまだいない。IoTに関しては、これからいろいろなアイディアが出て、試行錯誤され、誰が主要なプレイヤーになるかはこれから。CxOはIoTデバイスの普及状況に目を光らせていることが重要」(中村氏)あらゆるものの認知2018年には50%以上の開発チームが、何らかの認知サービスをアプリケーションに埋め込むようになる(現在1%未満)。2020年には、認知システムによって米国企業にもたらされる生産性向上効果は、年間600億ドル以上になる中村氏は「認知システムは、2016年の開発リストの最優先事項となる。これにより、DXの差別化システムとなる」とCIOに向けてコメントした。産業特化型クラウドプラットフォームおよびコミュニティ2018年には50%以上の大企業が、自社のイノベーションの流通、他社のイノベーションの調達に役立つ、産業特化型クラウドプラットフォームを開発するか導入する産業特化型クラウドプラットフォーム数は、2018年までに5倍以上(500以上)に増加すると見込まれており、90%以上の産業特化型クラウドは、メガプラットフォーム上に構築されるという。「AWS、Google、IBM、MS、Salesforceなどが利用されていくと思うが、ここに台頭してくる企業があと1社くらいあるだろう」と中村氏は予測する。大規模な新顧客戦略2018年にはBtoC企業の80%、BtoB企業の60%が、「デジタルフロントドア」を抜本的に再構築し、今よりも1000~1万倍の大量の顧客および顧客接点をサポートするようになるBtoB企業は、これまで5000社の顧客を持っていたとすれば、今後は5000万社を顧客にできる能力を持つようになるという。逆に「5000社を5000万社に拡大できないような企業は生き残れない」とまで、中村氏は断言する。サプライヤーとパートナーの再選別2020年には、今日存在しているITベンダーの30%以上が姿を消す。そのため、優先すべきベンダー関係を慎重に見直す必要がある2020年にはPaas分野では前述の6社(AWS、Google、IBM、MS、Salesforceともう1社)のクラウドプラットフォームベンダーが、市場の75~80%を支配し、それ以外のベンダーは市場から撤退するか、補完的な役割を見いだす必要に迫られるという。これに対し、「CIOは、前述の予測1~9をふまえて、現在のパートナーがどのポジションにいるかを確認することが重要」と中村氏は述べた。
2015年12月14日アイキューブドシステムズは11月26日、iOS 9 の主要なビジネス向け機能をまとめた解説書「iOS 9 ビジネス向け機能強化ポイント解説」の公開を開始した。解説書は、企業・教育機関・医療機関におけるiOS端末のビジネス利用を想定しており、同社が11月20日時点の情報をもとに、独自に調査・作成した。解説は5つのステップに分かれており、「1.iOS 9 のビジネス向け機能強化一覧」「2.iOS 9を徹底活用するための事前準備」「3.デバイス管理/運用機能の強化」「4. アプリ管理/運用機能の強化」「5.コンテンツ管理/運用機能の強化」と、iOS 9の導入からビジネス利用のポイントを詳しく解説している。解説書の形式はPDFファイルとなっており、同社のWebページから無料でダウンロードできる。閲覧には、Adobe ReaderなどのPDF閲覧ソフトが必要となる。なお、同社はiOS 9のビジネス向け機能強化を解説するセミナーを同社の社内、Apple Store銀座内で12月に5回に分けて実施する。参加費は無料で、参加を希望する場合は、同社のWebページから必要事項を記入して申し込む。
2015年11月27日IDC Japanは11月25日、国内ITインフラストラクチャサービス市場予測を発表した。2014年の国内ITインフラストラクチャサービス市場規模は2兆4,035億円、2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は2.1%と予測している。同社は国内ITサービス市場におけるITインフラストラクチャに関わる領域の影響を定量的に捉えるため、国内ITインフラストラクチャサービス市場として切り出している。2014年の実績と2015年~2019年の市場予測を分野別(ITインフラストラクチャコンサルティング&インテグレーション、ITインフラストラクチャアウトソーシング、ITインフラストラクチャサポートサービス、ITインフラストラクチャセキュリティサービス)にまとめている。2014年のITインフラストラクチャコンサルティング&インテグレーション市場では、景気回復に伴う企業や政府/自治体のシステム構築需要を背景に前年比成長率は6.9%に達したが、2015年以降はその反動に加え、クラウド移行に関する需要の一巡、非クラウドのインフラ構築案件の減少などにより成長率は低下し、2014年~2019年のCAGRは1.9%に落ち着くと予測している。また、ITインフラストラクチャアウトソーシング市場においては、データセンターを利用したプライベートクラウドやハイブリッドクラウドなどの需要拡大により、成長率は徐々に下降しつつも堅調な成長を続ける傾向があるという。2014年~2019年のCAGRは4.0%で推移すると予測。さらに、ITインフラストラクチャサポートサービス市場は、最大のセグメントであるソフトウェアサポート&保守が安定した成長が見込まれているが、ハードウェアサポート&保守の長期的な縮小の影響により、市場全体では2014年~2019年のCAGRはマイナス1.2%に留まると予測している。一方、最も注目されるのはITインフラストラクチャセキュリティサービス市場という。市場規模は、そのほかの市場と比べると大きくないものの、成長率で見ると2015年以降、国内ITインフラストラクチャサービス市場の中で唯一上昇するとみている。2014年~2019年のCAGRは5.9%に達すると予測。ITインフラストラクチャは第3のプラットフォームの動向の影響を受けているほか、セキュリティもそれと並ぶ重要なテーマとなっているという。同社ITサービスシニアマーケットアナリストの吉井誠一郎氏は「ITサービスベンダーは、まずは情報セキュリティ対策向けサービスとその体制を最優先で充実させる必要がある。そして、高い技術力で第3のプラットフォームおよびセキュリティを支える海外のテクノロジーベンチャー企業にも積極的にアプローチすべきである」と述べている。
2015年11月25日日本マイクロソフトは11月16日、「Windows 10 Enterprise」が搭載するセキュリティ機能「デバイスガード」についてブログで解説した。デバイスガードとは、実行可能なアプリやドライバーを制御し、巧妙な標的型攻撃(APT)、新種・亜種のウイルス、ゼロデイ攻撃などからWindows端末を守れるセキュリティ機能。従来のウイルス対策ソフトのアプローチとは異なり、信頼されているソフトウェアのみ実行を許可する仕組みを採用し、信頼されていないアプリケーションは基本的に実行しない。制御できるアプリは、ユニバーサルアプリケーションのほか、Classic Windows(Win32のデスクトップアプリケーション)の双方となる。アプリケーションの署名方法は「Windows Storeによる署名」「PKIや企業の証明書による署名」「マイクロソフト以外の署名機関による署名」「マイクロソフトによるウェブサービスによる署名(後日公開予定)」の4種類がある。開発者の署名の有無にかかわらず、既存の社内のアプリケーションは署名できる。デバイスガードの採用については、企業のIT管理者が「適用は慎重に検討する必要がある」としている。その理由は、「企業によって完全に管理されたデバイスや特定のアプリケーションのみ実行されているデバイス向けであり、BYOD環境やユーザーが管理されていないアプリケーションを自由にインストールできる必要がある環境などは向いていない」と説明している。例えば、EFIのセキュアブートを活かすことで、端末の電源を入れた際にWindows 10が起動するが、悪意あるブートキットを含めた署名が無効なコードは実行されない。また、WindowsのカーネルやコアサービスであるLocal Security Auth Service、Virtual TPM、Hypervisor Code IntegrityなどはHyper-Vの仮想化と同様のType 1ハイパーバイザーの技術によってVirtual Secure Modeに隔離される。ローカル管理者でもローカル管理者権限を乗っ取ったマルウェアでもコアサービスの改ざんが困難にするほか、Pass-the-Hash攻撃の対抗にも役立つ。さらに、Kernel Mode Code Integrityによって信頼された証明書に署名されたドライバーのみ実行できるようにするほか、User Mode Code Integrityによって信頼された証明書に署名されたアプリケーション であるUniversal Windows Platformのアプリ、Classic Windows のアプリケーションのみ実行できるようにする。信頼される証明書は管理者が設定できる。そのほか、TPMがある場合、Windows 10 Enterpriseの起動とともにTPMが起動される。TPMはユーザー認証情報や資格証明書などの機密情報を隔離されたハードウェアのコンポーネントを提供する。企業のグループポリシー、モバイルデバイス管理は、PowerShell上で管理できる。
2015年11月24日日本オラクルは10月28日、セブン&アイ・ホールディングスが、同社のオムニチャネルのIT基盤として、オラクルのエンジニアド・システムをはじめとする製品群を包括的に導入し、稼働開始したと発表した。セブン&アイ・ホールディングスは、セブン-イレブンをはじめとする国内1万9,000以上の店舗とインターネット販売を融合させるオムニチャネルの構築を、経営戦略の柱として推進しており、2015年11月1日には、グループ横断型の新通販サイト「omni7(オムニセブン)」を開設し、セブン-イレブンやイトーヨーカ堂、そごう・西武などグループ企業の商品約180万品目を販売する予定だという。また、セブン-イレブンの店頭に専用の注文端末を設置し、店舗での受け取りも可能とすることで、ネットと実店舗を融合させた、いつでもどこでも買い物を楽しめる環境を提供する。今回稼働を開始した、新オムニチャネル統合基盤では、複数事業にまたがるECサイトを統合し、顧客にシームレスなオンラインショッピング環境を提供するもので、7社9事業のコンタクトセンターを、カスタマー・サービス業務を支援する「Oracle Service Cloud」を活用して統合している。ネットと実店舗との連携においては、全国に拡がるコンビニエンス・ストアに6,000台の店舗端末を設置してグループ各社の商品の発注・受け取りを可能にしており、今後は、他事業会社の実店舗とECサイトとの連携を拡張し、ネットと実店舗の融合を一層強化していくという。
2015年10月29日IDC Japanは10月13日、国内ITサービス市場予測を発表した。同社の調査によると、国内ITサービス市場は金融機関や公共セクターにおける積極的なシステム構築投資に寄り、2014年には前年比3.9%増と、世界金融危機前の2007年に達成した成長率と並ぶ高い成長率で推移。2015年に入っても好調な市場環境は続き、同年の国内ITサービス市場の前年比成長率は2.7%に達すると同社は予測している。また、金融、公共によるシステム構築需要も継続し、SI(システムインテグレーション)、ITコンサルティングなどから構成されるプロジェクトベース市場の成長率は、2014年に引き続き2015年もITアウトソーシング市場の成長率を上回る見込み。同社は、2016年以降も国内ITサービス市場は堅調に拡大が続くと予測しているが、成長率は2015年までほどではなく、2014年から2019年にかけての年間平均成長率は1.9%と予測。成長率だけでなく、提供するサービス内容も同様に変化し、これまで市場成長をけん引してきたクライアント/サーバーシステムなどを中心とした「第2のプラットフォーム」に関わるシステム構築から、今後はクラウド、モビリティ、ソーシャル技術、ビッグデータ/アナリティクス、IoT(Internet of Things)などの、「第3のプラットフォーム」に関わるITサービス支出が急激に拡大していくと考えを示している。この「第2」から「第3」へのシフトはサービス内容だけでなく、競争環境や顧客との関係性も変えていき、このシフトに対応できないITベンダーは淘汰される可能性もあると分析している。
2015年10月14日マイナビは10月8日、同社が運営する総合転職情報サイト「マイナビ転職」においてIT技術職の正社員および契約社員を対象に実施した「ITエンジニアの転職意識調査」の結果を発表した。同調査は、転職意向があり、IT技術職(エンジニア・プログラマーなど)に従事している全国の25歳・30歳・35歳の正社員および契約社員500人(25歳:100人、30歳:200人、35歳:200人1)を対象として、2015年8月20日~24日にインターネット調査によって行われたもの。対象者に「現在、仕事上で抱いている不満」について聞いたところ、「給与が低い」が45.2%で最多となった。特に、「テクニカルサポート・監視・運用・保守」は、57.8%が「給与が低い」と回答し、他職種と比較して高い結果となった。「システム開発(汎用機系)」は、「新しい技術がどんどん出てくるので勉強が大変(29.5%)」、「仕事が不規則で残業が多い(27.9%)」が高く、「システム開発(組み込み・ファームウェア・制御系)」は「突発的なトラブル対応が発生する(32.7%)」が目立った。「関わりたいプロジェクトの条件」については、「技術者を軽視しない環境である」が39.0%で最多となった。次いで、「世の中に役立つものを開発できる(36.2%)」、「最先端の技術を学ぶチャンスがある(33.8%)」が続いた。「技術者を軽視しない環境である」の職種別の回答では、「プログラマー(WEB・オープン・モバイル系)」が50.7%、「システム開発(組み込み・ファームウェア・制御系)」が50.0%で高い割合となり、これらの職種はともに現場志向が強く、技術に専念できる環境を重視する傾向が表れる結果となった。「今後のキャリアプラン」については、「安定した環境で働きたい(38.8%)」と「仕事より家庭(プライベート)を大事にしたい(37.8%)」が約4割となり、ほかの項目を10pt以上上回った。特に女性は「安定した環境で働きたい」が半数を超えた(52.3%)。職種別の回答では、「システム開発(組み込み・ファームウェア・制御系)」は「安定した環境で働きたい(57.7%)」、「技術スペシャリストとして現場で活躍し続けたい(34.6%)」が高く、専門分野でじっくりと開発スキルを磨いていけるキャリアを希望していることが推察できる。一方、「コンサルタント・アナリスト・プリセールス」は「いずれは独立したい(25.9%)」、「海外で活躍したい(25.9%)」が他職種より高く、職種によりキャリアプランに差異が表れる結果となった。
2015年10月08日リクルートテクノロジーズは10月1日、ITエンジニアを対象に「IoT(Internet of Things)」に関するインターネット調査を実施し、その結果を発表した。3117人のITエンジニアを対象に、IoTを知っているか事前にアンケートを実施。そこで「IoTを知っている」と回答した528人を対象に8月12日、13日に今回の調査を実施した。調査結果によると、「IoTによって生活が変わっていくと思うか」は、対象者の71.2%が「変わっていくと思う」と回答。「変わっていかないと思う」の13.1%を大きく上回った。今度は「変わっていくと思う」と回答した人に絞り込み、「一般生活者が変化を実感するのは何年後になりそうか」と聞くと、68.7%が「5年以内」と回答した。「IoTによって大きく変化すると思う産業」では、「情報通信業」が37.0%で1位、「農業・林業」が35.9%で2位、「医療、福祉」が24.5%で3位となった。「どのように生活が変化すると思うか」では、「情報通信業」でデータの収集や管理、「農業・林業」と「医療・福祉」で自動化や遠隔操作などの意見があった。全体を通じて作業の効率化や、新しい体験の実現を予想する意見が多かった。「IoT で実現したい・解決したいこと」では、医療格差や第一次産業の人手不足、育児・教育など、社会課題に関連した意見が多数あった。それ以外にも、新しいサービス体験など、日々の生活に関連した意見が挙げられている。「IoTの普及に向けて、課題に感じること」では、「セキュリティ対策」が 76.1%と最も高かった。「ネットワーク環境の整備」が47.9%で2位、「規格の統一」が44.7%で3位と続き、「インフラ整備」にも課題を感じるITエンジニアが多いことがうかがえる結果となった。また、設問の選択肢以外での課題と感じる要素では、「利用者のリテラシー強化」や「法整備」などの回答があった。
2015年10月02日セゾン投信は11日、設定、運用、販売する投資信託「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」の実質的信託報酬(顧客が負担する実質的な負担額)を0.05%低減した。これは2010年3月に続き2回目の低減となるという。○実質的信託報酬の改定内容セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの実質的に負担する(投資対象先の管理費用を含む)信託報酬。ファンド規模に応じて変動する場合がある。改定前:年0.74±0.03%(税込/概算)改定後:年0.69±0.03%(税込/概算)○セゾン投信の特徴セゾン投信は証券会社や銀行といった販売会社を通さず、運用会社が個人投資家に直接販売する「直販」会社。9月9日現在、運用資産1200億円、顧客は9万6000人を突破した。全顧客数の約7割を占める40代以下の顧客の定期積立プラン利用率は73.3%(8月引落データをもとに算出)となっている。
2015年09月14日ユニットコムは9月1日より、会員サービス「プラチナITパスポート」に加入すると、同サービスの月額料金が最大2カ月無料になる「プラチナITパスポート お客様感謝キャンペーン」を開催する。同社が運営する各ショップで実施し、申込期間は2015年9月1日~同年10月31日まで。プラチナITパスポートは、IT機器の保守や修理サポートなどを提供する、月額480円(税込)からのサービス。ウイルス対策サービス、電話・リモートサポート、無線LAN接続設定など、ユニットコムが提供する各種サービスを優待価格で利用できる。対象プランは、安心ベーシック、安心スタンダード、安心プラチナの基本3プラン。通常は入会月(最大1カ月)が無料となるが、キャンペーン期間中に申し込むと、さらに1カ月間が無料で利用できる(最大2カ月)。「プラチナITパスポート」やキャンペーンの詳細については、ユニットコムのWebサイトを参照のこと。
2015年08月31日ビジネス会話やビジネスシーンで、特定の人物名が出てくることがよくあります。ただしその人物名を挙げられても、その人がどんな人なのかよく知らない……ということもあるのではないでしょうか。そこでビジネスシーンでよく取り上げられる人物について、ご紹介いたします。■ピーター・ドラッカービジネスシーンでよく耳に入ってくる「ドラッカー」という言葉は、ピーター・ドラッカーという経営学者の人物名のことです。ドラッカーはマネジメントという概念を発明したことで有名な人物で、政治・社会・経済・経営・組織関連の本を多数残しています。日本では主にドラッカーの経営・組織関連の本がよく読まれており、そのためビジネスシーンで、その人物像やドラッカーの提唱した概念について紹介されることが多いようです。日本で人気のあるドラッカーの本が「現代の経営」、「マネジメント」、「創造する経営者」、「経営者の条件」、「チェンジ・リーダーの条件」、「プロフェッショナルの条件」等です。名前と共に本の内容も紹介されることが多いので、一度目を通しておくとよいかもしれません。■アルフレッド・アドラー「ドラッカー」と共にビジネスシーンでよく出てくる人物名が「アドラー」です。これはアルフレッド・アドラーという心理学者のことで、この言葉がよく出てくるのが、ビジネスで起こる人間関係の悩み、社員育成、自己啓発に関しての知識やスキルを紹介する場面です。人の問題・悩みをどう解消していくかという場面で、アドラーの思想や、アドラーの創始した「アドラー心理学」について紹介されるケースが多くあります。アドラー心理学を紹介した本でよく読まれているのが、「嫌われる勇気」、「人生に革命が起きる100の言葉」、「アドラー心理学入門」等です。その他にもアドラー心理学について書かれている本は多数あります。ドラッカーと共に一度目を通しておきたい本です。■スティーブン・R・コヴィーアメリカの作家であり、経営コンサルタントでもある「スティーブン・R・コヴィー」も、ビジネスシーンでよく取り上げられる名前です。特にビジネスシーンでは世界的に大ベストセラーとなった「7つの習慣」という本の内容と共に、タイムマネジメントをどのように行えばいいか、個人の自立・成長を促すにはどうすればよいか等を語るとき、また社員研修時によく取り上げられています。カタカナビジネス用語と同様、その人物についてよく知らないと、その人物を取り上げ何を伝えようとしているのかがわかりづらい、海外の著名な人物名。ぜひこの機会に、ビジネスでよく取り上げられるこの3人の著書に目を通してみてはいかがでしょうか?(画像は本文と関係ありません)
2015年08月25日リコーは、再生複合機のビジネスを今夏から中国で開始すると発表した。同社は、先進国を中心に再生複合機を年間6万台販売しており、今回の中国でのビジネスの開始により、3年後には中国での販売台数1万台を加えて、グローバルで8万台を目指す。中国でのビジネスの開始に当たっては、複合機メーカーとして初めて(リコー発表)、使用済み複合機の中国への輸入と再生製造の認可を国家品質監督検査検疫総局から取得。再生処理を行う中国の工場(福州)に使用済み複合機を集め、7月から製造を開始。8月からリコーチャイナ(上海)を通じて販売する予定。工場に集める使用済み複合機は、静岡県御殿場市に新たに開所する「リコー環境事業開発センター」をはじめ、世界各国から回収するという。リコーでは今後、他の新興国への拡大も視野に入れていくという。
2015年07月17日