お客さんからも店長からも理解されない青年『発達障害に生まれて』(松永正訓著/中央公論新社)ノンフィクションのモデルとなった立石美津子です。以前、とあるテレビのドキュメンタリー番組で、発達障害のある青年の仕事や暮らしについて取り上げられていました。青年は発達障害の診断を受けておらず、自らも親も気がついていない状態でスーパーに就職し、退職に追い込まれてしまいました。スーパーで働いていた青年は、客から「この商品はどこにありますか?」と聞かれ、素直に「分かりません」と答えてしまいました。「商品を探してほしい」という客の意図がくみ取れなかったのです。客は店長に「店員の態度がなってない!」とクレームを言い、彼は店長から「どうして商品を案内しないんだ!気遣いが足りない!分からなかったら、なぜ分かるスタッフを探さないんだ!」と叱られていました。青年は次第に「僕はダメ人間だ」と自己否定して、転職を繰り返すようになりました。その後、自閉症スペクトラムの診断を受け、「営業職や接客ではなく、コミュニケーション能力があまり求められない職場を探している」といった内容の放送でした。本人も家族も気づかないまま今、成人している人が幼少期を過ごした時代は、今のように“発達障害”について情報がなく特別支援教育も今ほど充実していなかったのではないかと思います。特に知的障害を伴わないグレーゾーンの人たちのなかには、家族はもちろんのこと、自身も自分に発達障害があることを知らないまま日常生活、学校生活を送っていた人が相当数いるのではないでしょうか。通常学級に通っていても、親や先生から発達に凸凹があることを理解されて、療育に通ったり、通級指導教室に行ったり、また特別支援学級や特別支援学校に通い特別支援教育を受けている場合「できないときはどうやってSOSを出せばいいのか」などの練習も学校教育のなかで受けることができます。けれども、障害があることを知らずにいたら、これらを学習することもなく社会に出ていくことになります。社会に出て働くとなると、要求されることはそれまでより更に厳しくなります。法定雇用率は上がっても今は従業員数が45.5人以上の民間企業には法定雇用率が課され、障害者を2.2パーセント雇わなくてはならない決まりになっています(※)。将来、さらにその割合が上がると言われています。ただ、障害がある人を採用したものの、その後の対応に苦慮している企業もあると聞きます。「とりあえずこれやっといて」 「朝イチで資料作成して」「資料は多めに作っておいて」これらの曖昧な指示が分からない人がいることを、どれだけの企業、そこで働くスタッフが知っているでしょうか?インクルーシブ教育、ダイバーシティ(多様性)、障害者差別解消法、合理的配慮など、昔に比べて障害のある人が生きやすい社会に確実になってきていると思います。けれども、車椅子の人を入店拒否しないお店は増えても、見た目では分かりにくい発達障害の人に対しての理解はまだまだ浅いようにも感じます。※2020年2月現在障害者の法定雇用率の引き上げについて | 厚生労働省近所のスーパーでも私が頻繁に行くスーパーに、「これありますか?」と聞いても、「ありません」とだけ答える店員がいます。特性ゆえの対応なのか、それともマナーの問題なのか…ある程度知識がある私でもカチンときてしまいます。私でもそう感じてしまうということは、世間の目はきっとより厳しいだろうなと想像します。制度を整えるだけでなく、社会の人の理解を深めていくことも同時にしなくてはならないと考えさせられるテレビ番組でした。
2020年02月17日「障害のない社会」の実現に向けて――全国のどのエリアでも、児童発達支援・放課後等デイサービスにもっと多様な選択肢をLITALICOは「障害のない社会をつくる」というビジョンを掲げ、社会の課題と向き合ってきました。お子さま一人ひとりにとって最適な学び方と環境を提供するLITALICOジュニア、就労移行を支援するLITALICOワークス等の取り組みの中で培ってきた支援の経験、そして日本全国で運営されている児童発達支援事業・放課後等デイサービスの素晴らしい取り組みを皆さまとシェアし合うことで、その先にいるお子さまやご家族がいきいきと暮らしていける「障害のない社会」へつなげていきたいと願っています。そこで、発達が気になる子どもたちの支援に向き合い、新たに発達支援施設を開所しようと志すオーナーの皆さまをサポートする開設支援サービスをスタートさせました。Upload By 発達ナビ編集部発達ナビの開設サポートパックは「全国の支援現場の声」で磨かれた児発・放デイ専門のサービス全国1600施設の運営をサポートしてきたLITALICO発達ナビが「支援の現場の声」で磨き上げてきた運営のサポートシステム。そこに、新規開所をサポートする「開設サポートパック」が加わりました。安定した基盤の上で質の高い支援が行えるよう、将来の法改正の予測や事前対応策、事業継続を見据えた複数事業所展開や他事業展開を見据えたアドバイスも可能な、幅広い内容です。Upload By 発達ナビ編集部事業計画立案からスタッフ育成まで、丁寧にサポート「こういう支援がしたい、こういう施設を建てたい」想いはあってもいざ開設となると…。そんな不安を支えるべく、ゼロからの開設申請アドバイス、サービス提供教材キットのお渡し、人材採用サポート・育成、ご利用希望のご家族さまへの広報など開設に必要なサポートをご要望に応じて実施します。一般的なフランチャイズ方式とは異なり、保証金・ロイヤリティも無く、初期費用やランニングコストの両方を抑えた開設・運営のサポートプランです。オーナーさまのご希望により「放課後等デイサービス」「児童発達支援+放課後等デイサービス(多機能型事業所)」といった複数のモデルを提案することも可能です。Upload By 発達ナビ編集部専門家による監修プログラム2歳〜学齢期まで対応したアセスメントに紐づいた7000アイテムのプログラムや、実践的ですぐに活かせる研修動画も提供。スタッフ育成の研修と合わせてご活用のサポートも行います。教材・研修のツールは、お子さまの支援に関する基礎的な内容を分かりやすくまとめた内容です。施設の強みづくりや地域で選ばれる特性あるサービスを下支えするアイテムとして活用いただけます。Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部ご相談やサービスを詳しく知りたい方はこちらの特設サイトから!〈問い合わせ先〉info_facility@h-navi.jp株式会社 LITALICO LITALICO発達ナビ 施設サービス運営事務局
2020年02月16日ポジティブでもネガティブでもなく発達障害を受け入れる私が抱く、「発達障害児者=天才」説への強い違和感日頃から方々で申し上げているが、私はとても凡庸な人間である。発達障害があるという点ではマイノリティであり、その特性によって失敗をしたり、罪悪感に苛まれるなどの悩みはあるが、平々凡々に生きている。「発達障害があったっていいことがない!」と嘆き続けているわけでもなければ、「特性は強み!ポジティブに捉えていきましょう!」などと啓発する気もない。「まあ、厄介事はいろいろあるけど、発達障害がなければ人生イージーモードとも限らないし、なければないなりの悩みもあるでしょうよ。これが基本設定なのだし、どうにかやっていくしかないよね」というのが、私のスタンスである。いつでもポジティブではないが、ずっとネガティブでいるわけではない。この辺りの考え方は「いつでもポジティブ」から「ずっとネガティブ」までの幅があって、度合いは人それぞれ、どれが正しいという話ではない。もちろん、「いつでもポジティブではないが、ずっとネガティブでいるわけではない。揺れがある」という私が中庸だとも思わない。一口に発達障害と申し上げても、十人十色というわけだ。以前もそんな話をコラムに書いた。ところが、なぜかそれを許してくださらない方が時折いらっしゃる。例えば、息子には発達障害があると私が明かしたとき、「え、じゃあ今から何か習い事をさせたほうがいいんじゃない!?そういう障害がある人って、常人にはない特別な才能があるっていうし、今のうちに伸ばしてあげないと!」などとアドバイスをくださる、いわゆる「発達障害児者=天才説」支持者である。息子の持てる才能を伸ばすにしても、なぜ本人が希望しているわけでもない習い事をさせにゃならんのだなど、突っ込みたい点はさまざまある。しかしそれ以前に「ハンディがあるのだから、それぐらいのアドバンテージがないと不公平。かわいそう」という考えが根本にあるのだと、会話の端々から分かるので、真面目に返答する気になれない。「本人が望んだら考えるけどね」「えー!もったいない!せっかく天才になれるかもしれないのに!」(天才はなろうとしてなれるものじゃないし、息子はこのままでも最高なんだ。ほっといてよ)との言葉をグッと飲み込み、私は曖昧に笑うのだった。「非凡性」での形勢逆転を狙って苦しむ私の視点を変えた「不可能性の発見」前述のような考え方に私が強い反発心を抱くのは、かつての私がそうした考えの持ち主で、それによって自分の首を絞めていたからだ。飛び抜けて勉強ができるわけでもなければ、高い身体能力を持ち合わせてもいない。容姿も十人並み以下で、まともな人間関係を築くのにも困難が生じるほどのコミュニケーション下手。一家庭の構成員としては、そうした事実もほぼ問題にならないのだが、保育園や小学校などで集団生活を送ることになると、能力は相対的に評価され、自分ではどうにもならない容姿さえジャッジの対象となる。それらによって周囲の扱いは変わり、凡庸かつコミュニケーションに難がある私は、嫌われ者へとまっしぐら、教師による吊るし上げの対象になったことも、一度や二度ではなかった。この苦しみから脱するには、自分の中にあるかもしれない非凡さを見つけて、それにすがるしかない――幼いながらに私は、もがいた。どうしたら自分の非凡性を見つけ出せるのか分からないまま。そんな最中の小学4年生のとき、国語の授業で『人生は不可能性の発見』という文章に出会う。映画監督・大島渚氏による随筆だ。ざっくり説明すると、組織や集団など、新しい世界に飛び込んで行くとき、どのような心構えを持てば良いのか、どのように自分の魅力や才能を見つけ出せば良いのかについて、大島氏の経験から導き出した意見を述べる内容だった。魅力を磨くといえば自分の長所を出してゆくことだ、と考えるかもしれないが、じつは組織や集団に入って知ることは、自分がいかにダメな人間かということである。私の持論で言えば、人生とは自己の可能性の発見ではなく、不可能性の発見なのである。自分は何ができないのかを、まず自覚することによって、自分のできることを探す。それを探り当てることができれば、今度はそれを意識的にやろう、と頑張るから、最終的に魅力が出てくるのだと私はおもう。「人生は不可能性の発見」『理屈はいい こういう人間が愚かなんだ』収録(大島渚著/青春出版社)P73よりこのくだりは衝撃だった。何かを頑張ってもできないのは、自分の努力不足であり、諦めることは悪だと思っている節さえあったのだ。悪だと思いながらもできないことだらけで苦しんでいた私には、救いのようにさえ思えた。「できないことはできないと認めて、次にできることを探せばいいのか…!」「人間には無限の可能性がある」だとか、「何事も諦めず、粘り強く続けることが大事」だというような言説が、あらゆる場面で強く唱えられていた昭和60年、件の随筆は学校教育の場にふさわしくないと、担任教師か誰かが判断したのだろう。全員でざっと音読をするのみで、以後授業で触れられることはなかったが、私の心には強く残った。「できないことはできないと認めてもいい」この思いが逆に、新しいことに挑戦する際の恐怖心を薄れさせてくれた。できなければ次に行けばいい、可能性探しは消去法でもいいのだ、と。そして、できないことや諦めることが悪ではないのなら、非凡さでの形勢逆転を図ることは、さして必要ないのかもしれない、とも思えてきた。(とはいえ、あっさり手放せたわけではないのだが。詳細は次回に)何十年も“不可能性の発見”を繰り返し、挫折も散々味わいつつ、「文章を書くこと」が手元に残った。そこからライターが生業になるに至るまでの話は、過日『LITALICO仕事ナビ』に寄稿したのでご覧いただければお分かりになるだろうが、私のトライ&エラーは華々しいものでは全くない。しかし、「やはり、可能性探しは消去法でも悪くない」という実感があるから、私は今後も“不可能性の発見”を続けていくだろう。「自分には才能なんてない」自己肯定感低め人間に贈る”イカダ下り”型キャリア形成のススメ育ちゆく息子に、「凡庸な発達障害者」である私が願うことところで、昨年春に復学した小学4年生の息子だが、近頃また登校したり休んだりを繰り返している。学齢や、本人の成長につれて問題となることも変化しており、壁にぶつかるたびに苦心する息子を、学校の先生方やかかりつけ医の協力を得て、どうにかこうにか私なりに支えている。とはいえ、「できないこと」があったら、まずは方法を変えてみて、それがだめならタイミングを変えてみる。何度試してもだめなら、「できなくても困らない方法」を考える――これらのトライ&エラーのパターンを、私が教えずとも息子が自ら繰り返しており、支えるというよりも「がんばっておるのだな」と眺めている、という表現が正しかろう。彼は自身の経験から、「不可能性の発見」を体得しているのだろう。この先、息子はなにがしか特別な才能を発揮するかもしれないが、もちろん私と同じく、発達障害のある凡庸な人間として生きるのかもしれない。はっきり言って、どっちでもいい。天候ひとつで体調を崩すなどアップダウンを繰り返す私が、彼の見本になれるとは思えない。それでも、「発達障害と特別な才能を併せ持っていなくたって、こんなにヘラヘラ生きている大人もいるんだし、凡庸って悪くないな」なんてことを感じてくれたら嬉しい。反面教師になってしまう可能性もあるが、それでもいい。息子が自分という存在を受容し、肯定できさえすれば。私は息子の存在を、全力で肯定する。
2020年02月07日「障害のない社会」の実現に向けて――児童発達支援・放課後等デイサービスのこれからを考えるLITALICOは「障害のない社会をつくる」というビジョンを掲げ、社会の課題と向き合ってきました。お子さま一人ひとりにとって最適な学び方と環境を提供するLITALICOジュニア、就労移行を支援するLITALICOワークス等の取り組みの中で培ってきた支援の経験と、日本全国で運営されている児童発達支援事業・放課後等デイサービスの素晴らしい取り組みを皆さまとシェアし合うことで、その先にいるお子さまやご家族がいきいきと暮らしていける「障害のない社会」へつなげていきたいと願っています。Upload By 発達ナビ編集部その想いから、LITALICO発達ナビではサイトの運営のみでなく、全国の児発・放デイ等の施設さま向けに、お子さまの支援に活用いただけるさまざまな教材のご提供や、支援スキル向上に役立つ研修、施設運営のサポートなどを行っています。全国の児童発達支援・放課後等デイサービスの運営者が集う「児発・放デイのこれからを考える『全国発達支援フォーラム2020』」を開催LITALICO発達ナビでは、2020年3月7日に、児発・放デイを運営される方向けのフォーラムを行うことになりました。このコラムでは、フォーラムの内容について詳しくご紹介しています。実際に施設経営を担う方々が講師に!実例紹介を交えたさまざまなセミナーを開催Upload By 発達ナビ編集部人材採用・育成、ブランディング、事業拡大、保育所等訪問支援、実地指導などの障害児通所支援事業所の経営に必要な情報・ノウハウを、交流型のセミナー形式で学ぶことができます。セミナー内容・事例紹介1(株式会社ワンセルフ 清水様)- 就労支援施設との接続を意識した発達支援施設のあり方- 地域社会の中での支援のあり方・事例紹介2(株式会社LITALICO 芳賀)- 就労移行支援の現場で感じる発達支援への課題と期待・会場参加者同士での意見交換、登壇者への質疑応答セミナー内容・児発・放デイの現在の開所・運営状況について・開所の各種手続きと連携先・開所前後につまずきやすいポイントと対策・年間収益計画の立て方・開所資金の準備について(資金調達)・FCの施設とは?加入前に知っておきたいこと・児発・放デイそれぞれのサービス設計のコツセミナー内容・事例紹介1(株式会社ダンデライオン 佐野様)- 訪問支援実施前の園、学校との事前の関係性づくり・事例紹介2(NPO法人発達わんぱく会 小田様)- 保育所等訪問支援とは(制度理解)- 実現する上でのハードルと進め方・会場参加者同士での意見交換、登壇者への質疑応答Upload By 発達ナビ編集部お申し込みはこちらの特設サイトから!
2020年02月07日発達ナビ誕生の背景発達ナビを運営するLITALICOは、子どもの発達をサポートする教室「LITALICOジュニア」を各地で運営しています。ですが、全都道府県に教室を出すには至っていない状況です。また、入会を希望しながらも待機いただいている方もたくさんいらっしゃいます。悩んだり不安を感じている保護者の皆さんを、教室以外でサポートすることはできないだろうか。ネット上であれば、どこにいても、つながることができる。情報をお届けすることができる。そんな思いから、2016年1月26日に、LITALICO発達ナビが生まれました。3年目の取り組みを振り返って発達が気になる子どもを育てるとき、保護者にはたくさんのことが求められます。情報収集に療育、支援者との面談や連携、さまざまな手だてを考え、サポートグッズを用意…。子どもとの時間は、その成長に喜んだり、何気ない出来事の中に幸せを感じることができる反面、体力面でも精神面でもつらいなと感じる場面も少なくありません。私たちは、そんな保護者の皆さんに、「発達ナビにつながっていれば、いまも、これからも、きっと安心」「つながっていると楽になれる」と思ってもらえる居場所でありたいと考えています。また同時に、お子さまたちがよりよい環境で暮らすことができるサポートもしていきたいと考えています。そこで2019年4月から・連載ライターによるエピソードコラム・発達障害の基礎知識といったコラムコンテンツに加えて動画コンテンツなど、コラム以外の形での発信をスタートしました。動画とコラム連動型のコンテンツの作成にも取り組みました。また、子育て記録を簡単にとれ、経験をシェアしたり参考にできる機能・ダイアリーをスタートしました。そのような中で、ユーザーの皆様からも、発達ナビで生まれた交流によって、子育ての不安や悩みが軽くなったり、前向きになれたという声も寄せられています。また、ダイアリーに素敵なイラストとともに毎日の子育てを描いてくださっていた、taekoさんのコラム連載が2月からスタートします!Upload By 牟田暁子(発達ナビ編集部 編集長)ダイアリーとはまた違ったタッチでの漫画やエッセイとなる予定です。お楽しみに!さんのダイアリーページ検索をもっとしやすく!知りたい情報を見つけやすく4周年に向けて、検索性の向上に取り組んできました。2020年1月27日から、トップページをリニューアル!知りたいことからコラムやダイアリーなどを探すことができるようになります。ユーザーの皆さんの「以前読んだあのコラム、見つけられない…」を解消したり、「なんて検索したらいいか分からないけれど…自分のもやもやした不安や悩みの解決のヒントを見つけたい」を叶えたいと開発した機能です。ぜひ活用いただけたら嬉しいです!Upload By 牟田暁子(発達ナビ編集部 編集長)Upload By 牟田暁子(発達ナビ編集部 編集長)Upload By 牟田暁子(発達ナビ編集部 編集長)また、ダイアリーのハッシュタグ機能をご活用いただくことで、知りたいキーワードに関するダイアリーを見つけやすくなりました。同じようなことに関心があったり書いているユーザーの皆さん同士がつながるきっかけにもなればと考えています。Upload By 牟田暁子(発達ナビ編集部 編集長)発達ナビ編集部の、いままで、そしてこれからの取り組みを動画でも簡単にまとめています。障害のない世界を目指して、さまざまな取り組みをしています発達ナビは編集部をはじめ、多くのスタッフがさまざまな取り組みを通して、「障害のない社会」を目指し、活動しています。お子さまが利用する場面の多い、発達支援施設への研修教材や運営支援サービスの提供などを通じて、間接的に、お子さまたちの支援がよりよいものとなるようなサポートもひろげてきました。研修教材サービスのご紹介心ある企業の皆さんとの協働によって、発達が気になるお子さまやその保護者の皆さんにとってより暮らしやすくなる社会を作っていきたいと、取り組みを重ねてきました。さまざまな取り組みをさせていただきましたが、コラム化した中からいくつかご紹介します。5周年に向けては、ユーザーの皆さん同士が交流しやすくなったり、ユーザーさんそれぞれに必要な情報があつまってくる仕組みづくりをすすめていきたいと考えています。そして、皆さんの暮らしの中で欠かせないポータルになってきたいと思っています。発達ナビにつながっていれば安心、発達ナビを使うとラクになる――そんな風に思ってもらえるように。これからも、もっともっと発達ナビを活用いただけたら嬉しいです。
2020年01月27日発達ナビライター描き下ろし!イラスト色紙をプレゼントしますLITALICO発達ナビでは、多くのライターさんにご自身の子育てのエピソードをイラストや文章で描いていただき、ユーザーの皆さまにお届けしています。今回は4周年を記念して、初めて直筆で色紙にイラストとメッセージを描いていただきました!ご希望される色紙を選んでご応募ください!「4周年 発達ナビライター直筆イラスト色紙プレゼントキャンペーン」の応募期間は、2020年1月31日(金)まで。下記の応募要項を確認の上、ぜひ奮ってご応募ください!【応募要項】■ご応募はお1人様1回までです。■当選した方には、色紙の送付先をお伺いするため2月14日(金)までにメールにてご連絡いたします。ご応募の際は必ず受信確認ができるメールアドレスをご入力ください。※ご連絡が取れない場合、期日までに送付先情報がいただけない場合には、当選は無効となります。■「個人情報の取扱いについて」の内容にご同意の上お申込ください。色紙を描いていただいたコラムライターさんのご紹介※五十音順Upload By 発達ナビ編集部荒木まち子さんUpload By 発達ナビ編集部ウチノコさんUpload By 発達ナビ編集部かなしろにゃんこ。さんUpload By 発達ナビ編集部さんUpload By 発達ナビ編集部さとこさんの色紙Upload By 発達ナビ編集部シュウママさんUpload By 発達ナビ編集部スガカズさんUpload By 発達ナビ編集部寺島ヒロさんUpload By 発達ナビ編集部ひらたともみさん
2020年01月25日広汎性発達障害の娘の友達関係は...広汎性発達障害の娘(小学3年生)は、小学2年生の時から特別支援学級に在籍しています。現在は、国語と算数以外の時間を交流学級で過ごしています。特別支援学級所属になった当初、私は友達関係のことを心配していました。特別支援学級にいることでからかわれたり、いろんなことで少しずつ配慮されることを「特別扱い」と言われるんじゃないかと不安だったのです。しかし、実際の友達関係は私の想像と違いました。わが家には、幸運なことに娘の友達がよく遊びに来ます。今回は私が見た、娘と友達の様子を紹介したいと思います。言い間違いを優しく訂正。娘はまだまだ「て・に・を・は」や、言葉自体の言い間違い、使い間違いがよくあります。そんな時、娘の友達は…Upload By SAKURA言い間違いをバカにすることなく、優しい口調で教えてくれます。これが娘にも合っているようで、私が言ったら反抗してきそうな指摘を、友達だと素直に聞いていました。そんな関係がありがたく、いつも私はお礼を言っています。勘違いも笑ってくれる。娘は、言い間違いも多いですが、聞き間違いも多いです。知らない言葉もたくさんあるので、他の友達同士が話している会話を聞き間違えて、違う意味で捉えてしまったりすることがあります。Upload By SAKURAそんな時も娘の友達は、笑ってくれます。笑うといってもバカにする感じではなく、その場の和みとして捉えてくれた笑いで、娘の聞き間違いひとつで、みんなが長時間笑っていることもあります。聞き間違いがあって大丈夫、そう思うと安心して見守ることができます。人と違うことをしても受け入れてもらえる。遊びの中でも、周りをみたり、場の空気に合わせて行動を選んだりすることが少し苦手な娘。周りと比べて、突拍子のない選択をしてしまうことがあります。Upload By SAKURAあまりに周りとかけ離れた選択をしても、それはそれとして楽しんでくれる友達。娘の特性や性格をわかってくれているような、その言葉かけに驚いてしまうこともあります。好かれている安心感。親がついつい助け舟を出したい場面もあるのですが、普段から仲良しなこともあって、思ったよりなんとかなっていることもあります。Upload By SAKURA私たちがいろんな面で娘に対して不安に感じることは、友達の中ではもしかしたら大したことないのかもしれないと感じることができました。親としてできることは…社会に出ていく前の人間関係の勉強になる学校生活…。友達とのコミュニケーションは私にとってかなり心配となる部分でしたが、娘は思ったよりも楽しそうにやれているようでした。学校ではどうか…担任の先生に聞いてみても、仲良しグループ内での様子は変わらないようで、他の子たちがうまく娘をカバーし、サポートしてくれるようです。私が娘の友達関係で気を付けていることがいくつかあります。1つは…友達が遊びに来るという提案をなるべく断らないこと。近くで友達との関係性を見たい私にとって友達が来てくれることはありがたいので、友達が「あーさんの家に行きたい!」と言ってくれた時や、娘が「友達連れてきてもいい?」と言った時、私はよろこんで「いいよ」と言うことにしています。もう1つは…お礼を忘れないこと。娘に普段から「友達にお礼を忘れないように」と話すことはもちろんですが、娘が助けてもらった時は、その場で私からも娘の友達にお礼を言うようにしています。「いつもありがとうね」「優しいから嬉しいよ」「助けてくれてありがとう」と言葉にしています。そうすることで、"友達の親"という立場からほんの少しだけ近づくことができています。おかげで、子どもたちの世間話や遊びに誘ってもらえることもあります(笑)いい友達に恵まれていることに感謝しつつ、何か起こった時にはサポートできるよう、引き続き出過ぎず…見守っていきたいと思います。
2020年01月22日計54名様に!日々のお子さんとの関わりに役立つ書籍をプレゼントしますLITALICO発達ナビでは、書籍レビューコラムや新刊情報コラムにて、発達障害や子育てに関する書籍の情報をお届けしています。今回は4周年を記念して、発達ナビユーザーの皆さまに書籍をプレゼント!各出版社様にご協力いただき、さまざまな種類の書籍が集まりました。ぜひ興味のある書籍を選んで応募してください!4周年書籍プレゼントキャンペーンの応募期間は、2020年1月31日(金)まで。下記の応募要項を確認の上、ぜひ奮ってご応募ください!【応募要項】■ご応募はお1人様1回までです。■当選した方には、書籍の送付先をお伺いするため2月14日(金)までにメールにてご連絡いたします。ご応募の際は必ず受信確認ができるメールアドレスをご入力ください。※ご連絡が取れない場合、期日までに送付先情報がいただけない場合には、当選は無効となります。■個人情報取扱の注意事項にご同意の上お申込ください。お申込いただいた時点で同意いただけたとみなします。子育てや支援の考え方について考えたいときに読みたい7つ多くの発達障害の方を診てきた精神科医の田中康雄先生が、日々お子さんや親御さんと関わる中で大切にしている考え方に触れることができます。医師として診断名をつけることはもちろん大切ですが、診断名でその子を捉えるのではなく、一人ひとりの思いに目を向けてその子や家族に合った関わり方を一緒に考えることを大事にする田中先生。その姿勢は保護者や支援者としての子どもたちとの関わりにもヒントを与えてくれそうです。富山県砺波市にある「みやの森カフェ」は、さまざまな人が訪れ、誰にとっても居場所になります。障害の有無も老若男女も関係なし。海外からきた人も不登校の人も...みんなが「カフェのお客さん」という共通点でつながり、心地よいコミュニティが形成されていきます。福祉でもない、支援でもない、新しい形の居場所はどのように成り立っているのでしょうか。その魅力と可能性が詰まった一冊です。感情や行動を自分自身でうまくコントロールできない子どもたちを支援する際に必要とされる、子どもの心理を読み解く理論やアプローチ方法を、仮想事例を用いて分かりやすく解説している専門的な書籍です。子ども本人との向き合い方から、生活の基盤となる家族や地域環境との関わり方といった環境へのミクロアプローチ、社会システムのあり方のようなマクロ環境へのアプローチまで幅広い視点から説明されており、支援者がより質の高い支援を提供するために知っておきたい知見が詰まっています。発達ナビでコラム連載中のかなしろにゃんこ。さんの著書です。ADHDと軽い自閉症スペクトラム障害があるリュウ太くんの、「キレやすい」「イライラしやすい」「おしゃべりが止まらない」といった行動にずっと悩まされていたかなしろさん。その行動の理由を、大人になったリュウ太くん本人が語ってくれています。前川あさ美先生(東京女子大学教授)の解説も交え、「行動の理由や背景」を解き明かしていきます。どうして?と頭を抱えてしまうような行動があっても、その背景を理解した上で関わることで、きっと子どもは成長してくれる...かなしろさんの楽しい漫画とともに、発達障害のわが子との向き合い方を学んでみてはいかがでしょうか。発達ナビでもコラムを好評連載中の寺島ヒロさんの、発達障害のあるお子さん2人とのエピソードがまとめられたコミックエッセイです。大変なこともたくさんある日々の中でも、好きなこと・得意なことはのびのびと取り組ませ、できないこと・苦手なことは理由を探しながらあたたかく見守る様子は、読んでいてほのぼのとした気持ちになれます。子どもたちのありのままを受け止めて楽しむ寺島家のお話は、肩の力を抜くことの大切さに気づかせてくれそうです。発達ナビユーザーへのアンケートから、ニーズの高かったお悩みについての考え方を紹介している書籍です。監修は鳥取大学大学院教授の井上雅彦先生。日常生活、学校生活、人間関係など、小学生はさまざまな場面で困りごとに直面します。その際、どのように子どもと向き合いサポートしていくのがよいか、その答えは1つではありません。本の中では3つの対策が提案されています。複数のサポート方法に触れながら、ご自身のお子さんにはどんなサポートが合っているのかを考える参考にしてみてはいかがでしょうか。二次性徴でのからだの変化の大きさや、女子グループ特有のコミュニケーションの複雑さなどから、女性が抱えるストレスは思春期前後から大きくなっていく場合があります。周囲から見えにくく自分自身でも認識が難しいこうした困難について、この本では、「からだ」「こころ」「関係性」の3つの軸から理解し、支援していくことが提案されています。発達障害のある16人の女性たちの実際の支援事例が紹介されており、当事者、保護者、支援者がどのように困難を理解し、サポートを受けてどのように変化していったかを事例を通して知ることで、現在またはこれから思春期に入る女の子のサポートを考えるヒントが得られそうです。支援方法を学べる事例やワークが詰まった書籍発達ナビでもコラムライターとして大人気の、かなしろにゃんこ。さんの著書。話す・聞く力を身につける「イイトコサガシ」のソーシャルスキルのワークショップの内容が、かなしろさんと長男リュウ太くんが実際に参加した様子の漫画とともにまとめられています。会話力を伸ばすためのワークとそのポイントが分かりやすく解説されており、家庭でも支援の場でも実践できそう!2017年に刊行された書籍『発達が気になる子の脳と体をそだてる感覚あそび』(合同出版)で紹介されている68の遊びがさらに明確化・具体化され、支援の際に活用しやすいカード型で発売されました。カードには身体のどの感覚・機能を伸ばすかや、遊びに必要な人数・場所などがアイコンで分かりやすく記載されており、子どもの得意不得意や環境に合わせて取り組む遊びを選択できます。各カードにはQRコードもついていて、動画で遊びの流れが確認できるので、保護者や支援者がどのように遊ぶか事前に確認し、より適切な支援を行うことや、遊び方のモデルの提示がスムーズにできることも特徴です。コミュニケーションが苦手という人でも、「この場面ではこうする」というような、状況に合わせて「うまくいくスキル」を身につけられれば、楽しく過ごせたり、自立や就労に繋げることができたりする場合も。この本では「声の大きさの調整」「困ったときに助けを求める方法」など苦手な子どもも多いスキルがワークになって紹介されています。ワークには子ども自身が考えて記入できる欄もあり、子ども自身も取り組みやすい設計になっています。支援者向けの指導のポイントやQ&Aページもあり、子どもがスキルを獲得するためのヒントがたくさん詰まった一冊です。発達が気になるお子さんを育てたり支援したりする中で、「どんな支援が必要なのか」と不安に思う場面もあるかもしれません。そんなとき、子どもの発達の段階と現状の課題が把握できると、接し方を考えやすくなります。この本では、その子の発達段階や困りごとを”見える化”するシートとその活用方法が紹介されています。見える化した子どもの様子は、子育てや支援の見通しを立てる際にはもちろん、専門家に相談する際の情報共有に使用することも。著者は特別支援教育コーディネーターの安部博志先生。教育現場で実際に使用しながら、専門的な知識がなくても活用できるようアップデートを繰り返して刊行されています。性の行動に関して正しい知識を身につけることは、自分の身を守るためにも他者を傷つけないためにも大切です。そんな性の行動に関しての知識を、発達障害のあるお子さんでも学びやすいよう具体的な指導方法とともにまとめた書籍です。月経指導用グッズ、性感染症の液体実験、恥じらいやマナーの学習用カードなど指導に使用できるアイディアも多数紹介されており、性教育の実施に活用できます。子ども自身が考えられる4コマ漫画形式のワークもあり、日常の中で遭遇するかもしれない問題を学んでおく際にも役立てられるので、支援者だけでなく保護者が読んでも参考になる一冊です。さまざまな感情がうまれる毎日の中で、自分の感情とうまくつき合うことが難しい子どももいます。そして感情との向き合い方の中でも、どのように感情を言葉にすればよいかが分からなかったり、感情のコントロールが苦手であったりと、困りごとの種類も多様です。この本では、場面ごとに自分や他者の感情に気づき、感情を調整すること、友達とうまく関わることなどの方法やコツを学ぶことができる50ワークが、さまざまな場面設定に合わせて紹介されています。お子さんが気持ちを大切に育んでいけるよう、一緒に読み、活用してみましょう。将来就職できるのか、ひとりで生活していけるのか――大人になる前に身につけて欲しいことはたくさんありますが、どのように教えていけばよいのでしょうか。本書では、思春期の子どもに身につけてもらいたい身だしなみや家事、お金やスケジュールの管理、コミュニケーション方法などの具体的なスキルの教え方が紹介されています。また、家庭学習、ゲームや動画サイトの閲覧など気になる人が多いテーマについて、実際のご家庭での取り組みやエピソードを紹介するなど、実用的な内容を多数取り上げていることも特徴です。悩みや子育ての難しさに寄り添いながらも、将来に向けて踏み出す保護者をサポートしてくれます。お子さんの日々の学習をもっと学びやすく!苦戦するお子さんも多い時計の読み方を、特別支援学校教諭が日々の指導の中で作成した教材をもとにスモールステップで学べるワークです。短針、長針をステップを分けて読む練習をしたり、前半はメモリの数字が細かく振られていたりと、段階にわけた補助も活用しながら理解を深めることができます。「がんばりシール」「ごほうびカード」もついており、お子さんの達成感を大切にしながら学習をすすめられそうです!視覚に障害のある子どもたちを教える教員で構成される日本視覚障害社会科教育研究会がつくった、使いやすい工夫が詰まった「みんなの地図帳」。必要な情報だけに絞り、色使いも配慮しているのでシンプルで見やすく、また図の読み方を身につけやすいレイアウト設計にもこだわっているため、情報を探し出すのが苦手な方でも使いやすいデザインになっています。1ページあたりの情報量は減らされていますが、小学校と中学校の学習内容はすべて記載されており、学校の学習にも活用できます。
2020年01月20日音楽、テレビ、演劇、アニメ、漫画など、それぞれの世界に刺激を与えている面々の仕事ぶりに迫りました!今回はNHK制作局ドラマ番組部の上田明子さん。昨年、NHKのよるドラ枠で放送され、話題を呼んだドラマ『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』の創り手。LGBTQを題材に、世間が無自覚に押し付ける“普通”になれず、苦しむ人たちの姿を、切実に丁寧に描いた作品だ。これを企画したのが上田さん。“テレビドラマとして描くことで、少しでも生きやすい社会になれば”「企画を立ち上げたのは、私が妊娠中のこと。ちょうどその時、局で立ち上げに動いていた企画があって、みんなで話し合いを進めていたんです。でも、妊娠がわかった途端、周りに善意から『子供を大事にして』って言われるようになったんですね。私にとっては、仕事も生まれてくる子供と同様に大事なものなのに、それがなかなか理解してもらえない。男性は“子供も仕事も両方大事”が許されるのに、なぜ女性が両方を選んだらいけないんだろうと思ったんです。そんな時に読んだのが、浅原ナオトさんの原作『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』です。主人公の純くんは、ゲイで同性の恋人がいますが、結婚して子供を作るという“普通”の幸せも手に入れたいと願う。彼の、なぜ全部を欲しがっちゃいけないのか、という叫びにすごく共感したんです」自分をごまかさず、懸命に“空気”に抗う主人公たちの姿に魅了され、「このことをドラマにすることでもっと多くの人たちと考えてみたいと思った」そう。「これをテレビドラマにすることで、ある種の生きづらさや息苦しさを感じている人に、自分自身でいいんだと少しでも思ってもらえればと。そして、少しでも生きやすい社会に変わればと…。実際、放送が始まるとSNSを中心に多くの方に盛り上がっていただけたんですよね。なかにはこちらの意図していなかった深いところまで読み取って発信してくださる方もいて、視聴してくださる方々と一緒に番組を育てていくことができたような気がしています」じつはNHK入局当初は、ドキュメンタリー制作を志望していたそう。しかし、地方局に在籍中にオーディオドラマの制作に携わったことで、本当にやりたかったことに気がついたという。「もともと物語を読むのが好きでしたし、学生時代は演劇部でお芝居を創ったりもしていました。結局好きだったんですよね」ドラマ制作に携わるいま、NHKという公共放送のプロデューサーであることは意識しているとも。「みなさまからいただく受信料で制作されているわけですから、創るならば、ちゃんと社会的に意味のあるものをと思っています」そんな上田さんがいまプロデューサーとして携わっているのが、2月より放送開始のドラマ『伝説のお母さん』。RPGの世界に生きる伝説の魔法使い・メイ(前田敦子)が、専業主婦となりワンオペ育児に奮闘するという内容だ。「企画したのは、先輩の男性ディレクターなんです。とにかく忙しいドラマ制作の現場にいて、どちらかといえば仕事人間。その彼が、お母さんたちにとって切実で、共感の詰まった原作を、ドラマにしたいというのが面白いと思ったんです。これが、個人的体験をリアルに描いた作品だったとしたら、きっと彼は興味を持たなかった気がするんです。ファンタジーの世界を通すことで届くものがあるということですよね。子育て世代のお母さん方に見ていただきたいのはもちろんですが、子育てなさってない方たちにも見ていただけたらと思っています」うえだ・あきこNHK制作局第4制作ユニット(ドラマ)プロデューサーNHK甲府放送局在籍時にオーディオドラマ『祖父と手紙と僕と』の演出を手がける。その後、東京に移り現在の部署へ。連続テレビ小説『まれ』、大河ドラマ『真田丸』助監督、ドラマ10『この声をきみに』などで演出を務める。2月1日放送開始のよるドラ『伝説のお母さん』よりプロデューサーに。※『anan』2020年1月15日号より。写真・土佐麻理子取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2020年01月13日4周年を迎えたLITALICO発達ナビ!発達が気になる子の保護者や支援者の居場所にUpload By 発達ナビ編集部LITALICO発達ナビは2016年1月26日、発達障害ポータルサイトとしてオープン!2020年1月26日で4周年を迎えます。・発達障害について分かりやすく伝えるメディアに・発達が気になるお子さんの保護者や支援者の皆さんが悩みや不安の解決のヒントを見つけられるように・日本の、世界のどこに住んでいても仲間と出あえる場所にそんな想いで、運営してきました。現在、会員数は15万人を超え(2020年1月8日現在)、多くのユーザーのみなさまにご利用いただいています。発達ナビには、今年度スタートした新しい機能の「ダイアリー」をはじめ、様々な機能があります。■ダイアリー子育ての記録や日々の想いを綴ることができる日記機能。公開範囲を選ぶこともできます。新たにハッシュタグ機能もつき、キーワードでの検索もしやすくなりました。悩み事のヒントを他のユーザーの皆さんの投稿から見つけたり、仲間を見つけやすくなるハッシュタグ機能も、ぜひ活用してください■タイムラインユーザーさんが自分の気持ちや日々の出来事をつぶやき、他のユーザーさんと交流できます■みんなのアンケート発達ナビからのさまざまなテーマのアンケートに参加。他の回答も見られるコーナーです■Q&Aユーザーさんが自分の聞きたいことや悩みを質問できます。投稿に対して他のユーザーさんから回答が集まります■コラム当事者ママの体験談や専門家のコラム、発達障害についての概説コラムやニュース記事が読めます■コミュニティユーザーさん同士が交流できるコミュニティがたくさんあります■親子のヒント子どもの困りごとに関して、臨床心理士や作業療法士の専門家がヒントを紹介!イラストつきで対処法が分かります■施設情報発達が気になる子どもたちが利用できる全国の施設が検索できます4周年を迎え、さらに機能の充実を予定しています。2,000を超える掲載コラムをより検索しやすくする準備も進めています!発達ナビに出あって、どう変わった?ユーザーアンケートから2020年の元旦から、発達ナビではユーザーの皆さまにアンケートを行っています。「発達ナビに出あって、どう変わった?」「発達ナビがどんな風だったらもっと使いやすい?」というテーマのアンケート、皆様から、さまざまな声をお寄せいただきました!その一部をご紹介します。リアルな世界にはくつろげる居場所はなかったり、違和感ばかりを感じていたけれど…。コラムなどで様々な知識を得ることができたり、ダイアリーやタイムライン、Q&Aなどで他の保護者の皆さんの意見や体験談を知ることで、一人じゃないと勇気づけられ、お子さんとの関係もよくなった、という方もいらっしゃいました。毎日かかってくる学校からの電話。クラスのお友達の家に謝罪や、壊してしまった物の弁償。大騒ぎや、耳を防いで座り込む姿で授業に参加出来ていない姿を見る授業参観…。リタリコ発達ナビに出会い、自分だけが悩んでいる世界から、視界が拡がり大袈裟かも知れないけれど、独りじゃないって感じる事が出来ました。一生懸命に言い聞かせ○○しなさいってガミガミな母から、息子の気持ちを聞き解決策を一緒に考える母に成長出来たのも、リタリコ発達ナビのお陰です。学校で、初めてやる事への不安。家に帰ってからの母のガミガミ。息子からしたら、くつろげる場所も無く拷問の様な日々だったに違いありません。あの拷問の日々から、脱出して、息子の成長も相まって、現在は、内服薬が無くても、何一つパニックになる事や大きなトラブルは無い状態迄に成長しました。(のっぺさん)発達ナビで一番助かっているのは、同じような方の声をたくさん見ることができることです。同じような質問を見ても、大手検索サイトの回答はいわゆる「定型の子」向けの教科書的なものが多いと感じます。その点、こちらでは「発達に難がある子」向けの回答なり体験談だったりするので、参考度合いが全然違います。これだけ同種の母が集うところも少ないのでは?今では、PC立ち上げてまず開くのがこちらのサイトになりました。苦労しているのは自分だけではない、といつも勇気をもらっています。(Reiさん)基礎的な知識を深める内容から、実体験を元に書いていただいたたコラム、そしてみなさんのタイムライン。一人として同じはなく人それぞれの特性がある中、悩みながらも前進されている皆さんの存在に勇気をもらっています。自分ひとりではとても調べきれない色々な事がここに集約されていて、大変助けられています。(ゆっきーさん)気持を書き出すことで整理でき、落ち着くことができるという方も多くいらっしゃいます。新しくリリースした「ダイアリー」は、子育て記録として、仲間との交流ツールとして、活用いただけています。気持ちを吐き出す場所。日記にだったり、Q&Aだったり。誰かに聞いてもらっていると思う事に救われる。書いたり読んだりしてるうちに気持ちが落ち着く。(にこにこぷんさん)ダイアリーしか活用できてないですが、コラムもとってもお勉強になっています。周りに話せないことをたくさん書かせて頂いて、共感して頂けていいね!をもらい「自分でだけ悩んでるわけじゃない」と思えます。(ルーシーさん)実生活でも、発達ナビでユーザーの皆さんからの後押しで大きな一歩を踏み出せたという人も。一番大きな変化は、発達グレーというやつかも。と疑い、学校へそう伝えているものの、専門機関へ繋ぐ勇気が持てず、また繋げる方法も分からず居ましたが、こちらで皆さんに背中を押して頂き、学年主任の助言を得て、小4の2学期になって初めて市の専門機関と隣市の児童精神科受診に繋げる事ができた事です。大きな一歩でした。(ヒヨコさん)発達ナビユーザーとの交流の中で、お子さんのペースを大切に、自分らしく成長していければ…と自然と思えるようになってきたという声も寄せられました。心の拠り所ができました。身近な人達には愚痴りづらい事もこちらでは吐き出せるし、皆さんからアドバイスも頂けます。子供の事も今までは、定型に近づけたい!と言う気持ちが強かったのですが、LITALICOさんに出会い、気持ちを大切にしてこの子のペースで成長していけば良いんだ。と変わりました。今まで、一人で悩み孤独だった気持ちが少し癒されたように思います。同じように悩み試行錯誤している仲間がいる!と勝手に思わせてもらい、頑張る気力にしています。(はむはむさん)変わったこと…意識でしょうか。一年と少し前の私は思いやりの気持が持てるようになって欲しいと息子に望んでいたけど、今は自分らしく生きられるようにと願っています。上っ面しか見てなかったなと思います。リタリコのおかげで理解が深まりました。受診予約を待たずして的確なアドバイスをたくさんもらえたり、どんな時間帯でも吐き出せたり、交流させてもらえたり、本当に助けられています。(ニナさん)いつでも寄り添ってくれる仲間、戦友に出あえたという声もたくさんありました。リタリコに登録した頃の息子は深夜3時まで眠らないか深夜3時に起きるか、しかも私を巻き込む形のこだわり有り、という状態でした。どんな破天荒な時間にタイムラインを更新しても5分以内にハートがつくリタリコで顔も知らない戦友に出会えました。ありがたい事です。(ロレスカトックスさん)ナビに出会えて変わった事は、一人で抱え込まずに助けられたり、支えられたり、理解されない悩みに理解されたり、本当に嬉しい世界ができた事。リアル世界もこうであって欲しい。(梛丹さん)同じように子育てに悩みながらも懸命に子育てをする仲間だからこそ、ダイアリーのコメントも、Q&Aやコミュニティでのやりとりも、あたたかで思いやりある言葉であふれています。こうした思いあえるつながりが、社会の中でもあたりまえになるように。みなさんの寄せてくださった言葉から、発達ナビも、もっと発信をしていきたいと思いました。これからの発達ナビ、どんな機能や運営を期待する?機能や取り組みについても、ご意見をたくさん寄せていただきました。その中から一部をご紹介します。発達ナビでは、年に1回行うフェスタのほか、企業の皆さんとのコラボイベントや、りたりこ研究所等が行うワークショップのご案内など、様々なリアルな場で集えるイベントも実施しています。そうしたイベントにご参加いただいた方からもご意見を頂きました。参加させて頂いたイベントではVR体験を受けさせて頂き、瑠美の感覚の一部を知る事ができました。VR体験については、色々な子供に触れ合う事がある人たちを中心に、どんどん体験をして、理解が広まれば良いと思います。また、VRが難しい人向けに普通の画面でも体験できるようなものがあれば、小学校等の道徳に役立てられるのではないでしょうか。(飛竜 翔さん)新機能のダイアリー等への機能改善のご提案もいただいています。ダイアリーは、より使いやすくなるよう、順次機能開発を行っています。ダイアリーでは、記事の削除、投稿途中の書き込みの自動保存や、投稿月ごとにみられる機能等の準備も進めています。ご期待ください。ダイアリーの、公開非公開切り替え機能が便利で重宝しています。上書き編集で対応していますが、記事の完全削除ができるといいかなと思います。(まどからさん)やコミュニティで、長々とコメントを書き込んでいざ投稿って時に真っ白になって消えてしまう時が多々あり心が折れそうになった事があります。あれってどうにかなりませんか…(モジャ子さん)検索性やコンテンツへのご意見もいただきました。既存コラムの検索しやすくるす取り組みを行っています。また、動画コンテンツなどコンテンツの幅も広げていますが、こうした新しいコンテンツにもアクセスしやすいサイトにリニューアル予定です。息子が今後色々な壁にぶつかることが出てきても、何かの打開策は何も知らなかった時からすれば、安心して見つけられそうです。今後もつぶやける環境の継続と、年齢別での悩み相談や解決法、選択肢の数々なんかを検索しやすく見られたらなと思っています。(ゆきさん)専門家の方に質問できるコーナーがあれば嬉しいです。あとは、「こういうケースにはどう対応しているか?」などをたくさんの例が知りたいので、アンケートをもっと充実させてもらえたら嬉しいです。カサンドラについてはコラムが一件あった様に思いますが、ここに登録している親、本人のケアについてももっと取り上げてもらえたら、心が救われる親が増えて、結果、子どもに良い影響が出るのでは?と思っています。(らららさん)知的障害が無いと、公的支援も少なく、対応方法を相談センターも、病院も誰も教えてくれません。でも、本人も家族も支援を必要としています。少しでも、不登校になる子ども減るように。自分の夢をあきらめずに、進んでいけるような環境があったらと思います。(上記にともなう情報や参考事例などがあるとたすかります)(ひーちゃんさん)今年度より配信スタートした動画コンテンツでは、アンケートで募集した皆さんからの質問を専門家にインタビューし、ご紹介する企画なども行っています。今後は、ダイアリーなどを活用して、より双方向型のコンテンツを作っていくことができたらと考えています。発達ナビでは、今後も幅広いコンテンツをご用意し、さらに皆さんそれぞれにとって必要な情報をより簡単に見つけられる仕組みを準備しています。ぜひ4周年を迎えた発達ナビにご期待ください。さまざまなSNSアカウントでも情報発信中!発達ナビでは、FacebookやTwitterのほか、InstagramやLINEなどのSNSでも情報を発信しています。ぜひ、活用してくださいね。インスタグラム皆さんの「発達ナビに出あって変わったこと」「変わるといいなと思っていること」をシェアしてください発達ナビを活用いただくことで変わったこと、変わるといいなと思っていること、まだまだ募集中です!をぜひお寄せください。「発達ナビと出合って変わったこと」「こんな風に使っています」「こんな機能があったらうれしいな」etc…シェアの方法は2つ!ダイアリーでシェアいただく、もしくはアンケートにご回答いただく形で受付ます。ダイアリー投稿の場合は・公開範囲を「全員に公開」にする・タイトルに【4周年アンケート】を入れる形でご参加ください!
2020年01月09日新しい年の始まりですね!新年あけましておめでとうございます。昨年は、たくさんコラムを書くことができ、そして皆様に読んでもらえて、とても充実した一年でした。今年も、皆様の心に残るコラムが書けるように頑張りますので、引き続きよろしくお願いします。Upload By SAKURA今年1本目…ということで、お正月のお話をしたいと思います。お正月といえば、いろんな遊びがあります。私も子どもの時、お正月になると外で一日中、お正月ならではの遊びをしていました。Upload By SAKURAお正月の外遊びにチャレンジしたものの…これは、娘が小学生になる前のお正月のこと…。お正月らしい遊びをしてもらおうと、凧とコマを準備し、近所の公園へ行きました。Upload By SAKURA娘に凧があがったところを見せようと、20年以上ぶりに凧をあげる私たち。思った以上に難しく、必死になって高くあげ、娘に持たせましたが…そこまで楽しそうではない娘。凧はすぐ落ちてしまい、娘は「もうやめる」と凧を離してしまいました。それならばと、次はコマ回し。Upload By SAKURA夫は得意になり、娘にコマ回しを披露。手取り足取り回し方を教えましたが、娘がやるとなかなかうまくいかず…数回チャレンジして、「帰る」と言いました。元々、外の遊びがそこまで好きではない娘。その上、難しいと判断したらすぐにやめてしまう性格のため、結局この年で凧もコマも押し入れの奥へ片付けられてしまいました。室内の遊びなら!と思ったけれど…それから時が経ち、小学生になった娘。お正月に従姉妹同士で、かるたやすごろく遊びをしました。これなら室内だし、和気あいあいと進められるのでは?と思いましたが…Upload By SAKURA自分が負けそうになると、泣き始めてしまい、周りに気をつかわせてしまう、重々しい空気に。私がフォローしてみたのですが、結局途中で抜けてしまいました。私は、「お正月遊びには、娘の楽しめる要素がないのか…」と諦めていました。「干支って?」そんな疑問がきっかけで…小学2年生になった娘。12月に入り、「来年の干支はなんだっけ~」と主人と話していると…Upload By SAKURA娘が「干支って何?」と質問してきました。私たちが、干支の説明と、順番について話すと…Upload By SAKURA娘は学校の図書館で干支の本があるか調べ、干支の順番についてかかれた絵本を見つけ、借りて帰ってきました。そして、絵本を広げながら私に干支の順番の理由を説明してくれました。Upload By SAKURA無理に遊ばなくてもいい、好きなことで楽しむお正月。それから娘は、お正月に関する絵本を借りてくるようになりました。Upload By SAKURAそうか…お正月の楽しみ方は人それぞれ。私がお正月遊びが好きだったからといって、娘にも好きになってもらう必要はない。娘がお正月に関する本を借りて来ては読む姿を見て、これでいいんだと思いました。といっても、わが家には、娘とは対照的に外遊びを好む息子もいます。息子が3歳の今年は、凧とコマを押し入れから久しぶりに引っ張り出し、広場に行くことになるでしょう。その時は娘に無理強いせず、主人と相談し、二手に分かれようと思います(笑)Upload By SAKURA
2020年01月08日3年前、小学5年生のときから一緒に、解決策を考えてきたUpload By 発達ナビ編集部発達障害がある音娘(いんこ・仮名)さんは、公立の中学校に通う中学2年生です。3年前から、LITALICO研究所所長・野口 晃菜(以下、野口先生)と一緒に「どんなことに困っているのか」「どうしたら解決できそうか」を考えてきました。野口先生と音娘さんが出会ったのは、小学5年生のときのこと。野口先生が訪問した小学校の校長先生に紹介されて出会いました。それ以来、毎月1回、音娘さんとお母さま、野口先生の3人で会って「今困っていること」を整理し、「どうしたらいいのか」一緒に考えています。たくさんのこだわりの背景にある要因や、そのこだわりのために彼女自身が困っていることを丁寧にひもとき、自分自身で「どうすればいいのか」を導き出せるように対話を続けます。生きづらさを抱えながらも自分の思い描く未来に向けて、支援者と一緒に考えながら少しずつ足を踏み出そうとする姿は、発達障害があるお子さんや保護者、そして支援者にとってもヒントとなりそうです。今回は、野口先生が音娘さんにインタビュー。こだわりや苦手なもの、その背景にあるもの、見出した解決策について、発達ナビにシェアしてくれました。たくさんの苦手なこと、その理由とは?音娘さんなりのライフハック方法もUpload By 発達ナビ編集部野口先生音娘さんには、どうしてもイヤだなって思うものがあるんだよね。例えば、特定の数字や、嫌なことが5回続くこと、日没の時間、冬…。イヤなことやものの理由、どういう風に対処しているのかを話してもらえるかな?まず、嫌いな数字から聞いてもいい?音娘さん24と58が嫌い。昔、24日に嫌なことがあってから24が苦手になった。24日が来ると逃げたくなる。日にちだけじゃなくて、24分も嫌い。24て数字は、「しつこい人」に見える。野口先生へー、しつこい人に見えるんだ! 24への対処法も見つけたんだよね?どういう風にしてるのかな?音娘さん24分がくるときは、時計をかくす。あとは、(24分って考えずに)23分60秒って考えて、それから15秒間息を止めて、23分75秒までタイムトリップするの。24分を秒単位まで分解して、(24分がまるまる全部あるんじゃなく)最初の15秒をカットする。24分45秒までしかない、24分は3/4しかないって考えると、イヤな感じがちょっと減る。でも、タイムトリップ中にメール受信とかをしちゃうとイヤな気持ちになる。受信履歴に24分の時間が残るのもイヤ。時計をカスタマイズできたらいいのに…。23分75秒のつぎに24分15秒がくるように。それから、58も嫌い。58分も、24分と同じ風にしてやりすごしてる。58は「声が甲高いおばさん」に見える。数字を見ていると、おばさんの声がして、細かいこと注意してくるからイヤ。朝起きて、着替えとか朝ごはん食べたりするほかに、ペットのインコに餌をあげるんだけど、インコを起こす時間や餌やりは気に入った数字(7時55分)のときにしたいし、嫌いな数字(24分や58分)の時は目をつぶって息を止めてやりすごすから、タイミングが難しくて、いつも遅刻しちゃう…。野口先生でも嫌いな数字は(秒単位に)分解して考えることでイヤな感じを減らせるようになったんだね。これは音娘さんが自分で考えた「ライフハック(生き抜くための術)」だね。Upload By 発達ナビ編集部音娘さんは、他にも「イヤなことが5回続く」のはイヤなんだよね。音娘さんうん。学校に連続5回行くのがイヤ。野口先生だから、一週間は、月・火・水・木・土・土・日、っていう風に考えているよね。曜日についての考え方をかえることで、対処してるんだね。音娘さんそう。LITALICOの人って、土曜日も働いてて大変だね。イヤなことが連続するのがイヤだから、電車に乗っているときも、急行に乗って、5駅飛ばすのもイヤ…。野口先生音娘さんは、冬も嫌いだから、冬眠したいんだよね。先生にも毎年「冬眠券」くれる。(注:音娘さんは毎年「冬眠券」をつくり、LITALICOのスタッフなどに配ってくれます。これを枕の下に入れて寝ると冬眠できるという設定です)Upload By 発達ナビ編集部音娘さん11月30日から3月5日までは冬だから冬眠する。5年前にひどい風邪をひいてずっとなおらなかったのがイヤで。寝込まないためにはどうしたらいいんだろう?って考えたとき、「冬眠すればいいじゃん」って思いついて。でも、それから毎年冬眠に挑戦するけど、どうしても次の日に目が覚めちゃう…。でも、冬眠しているって設定で…野口先生お、「っていう設定で」って初めて聞いた。これまでは「冬眠」することが音娘さんにとって当たり前って話し方をしていたけど、それを「設定」って捉えるようになったんだね!Upload By 発達ナビ編集部冬眠に毎年チャレンジするものの、挫折が続いた音娘さん。今年は「冬眠か安眠を選べる」設定にして、少しずつ折り合いをつけられるようになっています!将来に向けての不安Upload By 発達ナビ編集部中学2年生の音娘さんは、そろそろ中学卒業後の進路についても決めなくてはいけない、というプレッシャーを感じています。日々の生きづらさに加えて、将来の仕事までを見据えた進路選びへの不安は、彼女の心をしめつけているようです――。音娘さん将来のことが不安。将来の仕事を考えて進路を考えろって言われるから、仕事を決めないといけないし、ぼーっとしているとそれで一日が終わっちゃうから。何か決めたら頑張れるのかなって思うけど、明日から何したらいいか分からない。お母さま発達障害があると、将来のことを考えて高校選びしましょうって言われがちで。どんな専門性を身につけたらいいのかって…。娘は(それを生真面目にとらえてしまって)不安になっている面があるのではと。Upload By 発達ナビ編集部野口先生そんなに将来の仕事のことを今から心配しなくてもいいと思うよ。今幸せならきっと将来も幸せだと思う。どんな風だったら楽しいか考えてみよう。音娘さんチェックのスカートに胸元リボン、ブレザーの制服の高校に行ってみたい。かわいいヘアゴムで髪を結びたい。野口先生先生はアメリカの高校だったから、高校生のときに髪を染めて学校に行ったよ。先生は「アキナ、クール!」って褒めてくれた(笑)音娘さんいいな。今の学校は飾りのないゴムじゃなきゃダメだよ…。有名ブロガーになってブロガー会を開きたいUpload By 発達ナビ編集部たくさんの生きづらさを感じている音娘さんですが、自分で決めた「がんばりたいこと」があります。それが、ブログで有名になって、ブロガー会に出たいという目標。でもなかなか難しいことにも気付いているので、「それならば自分で会を開こう」と心に決めます。野口先生音娘さんは、ブログをやっているよね。どんなブログか説明してもらえますか?音娘さん「インコと住む日々」っていうブログ。基本は、インコについて書いてる。ブログにイラストを書きたくて、ペンタブも使えるようになった。参考:インコと住む日々野口先生音娘さんは、ブロガー会を開きたいんだよね?音娘さん有名ブロガーになると、選ばれた人しか出席できないブロガー会に招待されると知って、「いいなぁ」と思って会場になったホテルの外まで行ってみたことがある。(まだ自分には参加できる権利はないから)自分で企画してLITALICOの人を招待して会を開いてみたいなぁと思って。それを開きたいから、今年は冬眠をしないでおこうかって思ったりもする(注:取材時は11月)。でも、会を上手くできなかったらどうしようと思って不安になってる。野口先生じゃあ、どうすればいいか、整理してみようか。Upload By 発達ナビ編集部今年度、音娘さんは会を開くことができるのでしょうか。でも、挑戦しようと思うその気持ちも、大きな成長だと感じます。試行錯誤しながらも、前に進もうとする姿Upload By 発達ナビ編集部どうしても気になってしまうコトやモノ…たくさんのこだわりや苦手がありながらも、どうにか折り合いをつけられる方法を見つけ出し、ライフハックを試みながら成長していく音娘さん。まだお母さんと片時も離れられなかったり、がんばりすぎて呼吸ができなくなって具合が悪くなってしまったり…、困りごとはたくさんあるけれど、「好きなこと」を手掛かりに、少しずつ世界を広げていこうとしています。音娘さんとの対話を3年間続けている野口先生は、次のように話します。「音娘さんと出会ったとき、嫌悪感や不安な気持ちを音娘さんに抱かせる刺激、出来事の多さにびっくりしました。毎分毎秒嫌悪感や不安と向き合っていることを教えてくれ、その中でどうやって過ごしていくか?をこれまで一緒に考えてきました。出会ってからの大きな変化は二つあります。一つは好きなことややりたいことが増えたことです。好きなブロガーのブログを読むこと、ブログを書くこと、LITALICOに来ること、LITALICOで出会った先生たち、プログラミング。好きなことをしているとき、好きな人と話しているとき、好きな場所にいるときは、これまで毎分毎秒一緒にいた不安や嫌悪感を少し忘れることができると分かりました。そして、もう一つは不安や嫌悪感との付き合い方です。今回教えてくれたように、音娘さんなりの“ライフハック”がたくさんあります。不安や嫌悪感について、どう折り合いがつけられそうか?どう対処できそうか?をこれまでたくさんお話ししました。音娘さんの対処方法は本当にクリエイティブで私も自分が不安なときに使わせてもらっています。」野口先生と一緒に、丁寧に困りごとを整理し、どういう風にすればいいのか自分で考え、日常のなかでその「ライフハック」を試していく姿は、不器用だけれども一生懸命で、彼女のペースでゆっくり歩んでいってほしいと心から願わずにはいられませんでした。たとえ難しくても自分自身の中に「解決のための答え」はきっとある。そこに丁寧に寄りそい、一緒に考えるプロセスこそ、周りの大人が大切にしなくてはいけないのです。そしてまた、思春期らしい悩み――音娘さんが、将来への不安、進路選びでの不安を抱える様子からは、試行錯誤しながらゆっくり成長していく発達に課題がある子どもたちに、将来の仕事を決めてそこにむけてまい進するよう、早々に求めてしまう今の社会の側の課題も感じられました。撮影/鈴木江実子
2020年01月06日~未就学期から将来の就労・自立まで~上尾市主催「発達障害児家族支援講座」「発達障害児家族支援講座」(埼玉県上尾市主催)は、発達障害があるお子さんの保護者を対象に、お子さんへの支援や関わり、社会的資源について、未就学期から将来の就労・自立までさまざまなライフステージにおける支援を学ぶ講座です。2019年10月14日(祝)に行われた鳥取大学大学院教授 井上雅彦先生の基調講演をかわきりに、お子さんそれぞれの発達を育むLITALICOジュニア、就労移行支援を行うLITALICOワークス、障害のあるお子さんとご家族のライフプランのサポートをするLITALICOライフプランニングのスタッフが全4回のリレー講座を行います。発達障害のある子どもへの支援~学習支援を中心に~お子さんの発達の心配や育児の悩みをサポートする「発達障害児家族支援講座」。講座第2回目は「発達障害のある子どもへの支援~学習支援を中心に~」をテーマに、・発達が気になるお子さんへの学習支援・ ”個”と”環境”へのアプローチ・学習支援の具体例について、LITALICOジュニアのスーパーバイザー・阿部先生が登壇、紹介しました。発達が気になるお子さんが通うLITALICOジュニアでの「授業についていけない」「特別支援学級在籍だが、学校ではなかなか勉強が進まない」という学習ニーズのあるお子さんへのサポート例について紹介。各単元の予習や復習より優先するのは・学習しづらい要因は何か どうすれば学びやすいか・困ったときに何ができるか等を一緒に考えること。学習でのつまずきの背景には、一人ひとり違う困難があります。それに気づき、解決策を考えていくのです。例えば、順を追って文章を読むのが苦手なお子さんには「国語のテストでは、定規を当てて印をつけながら読むと飛ばさずに読めるね」、計算が苦手でパニックになってしまうお子さんには「算数の公式をノートの上に書いてから計算を始めてみよう」というように、お子さん一人ひとりに合わせて考え、サポートすることが大切です。続いて、“個”と“環境”へのアプローチについて説明。Upload By 発達ナビ編集部お子さんの困りごとは、周囲との相互作用によって生まれます。個とは、子ども自身にある特性。環境とは、ご家庭・教育機関・地域・配慮などの個をとりまく全てを指します。双方がうまくかみ合わないと困りごとが生まれてしまいます。お子さんが「視界がせまい」「聞き取りづらい」「不安になりやすい」場合、「正面に座る」「静かな環境を整える」「相づちを打つ・笑顔を向ける」ことで、困りごとを減らしていくことができます。このように、お子さんにフィットするように、環境面を整えていくことが大切です。「氷山モデル」についてもご紹介しました。Upload By 発達ナビ編集部今は水面下に隠れているけれど、これから表出する可能性がある困難さがあるかもしれないという考え方です。例えば、板書を写すのが遅いお子さんの場合、(板書が)見えていない・書くことが苦手・モチベーションが上がらない・文字情報の認知の困難さ・記憶の困難さ、といった可能性が考えられます。また、お子さんを褒めることで「自己肯定感を上げる」重要性についてもお伝えしました。自己肯定感が下がってしまうと、環境を整えても本人が挑戦する気持ちが生まれにくくなります。褒めるポイントがうまく見つけられないときは、「褒めるハードルを下げる」「(結果ではなく)努力していることを褒める」「困った行動をしていないことを褒める」などのコツがあります。LITALICOジュニアでは、好きや得意を活かせたり、楽しく学べたりするためにさまざまなタイプの教材を用意しています。その理由は、お子さんがいろいろな教材を試してみて、覚えやすい方法を「自分で選ぶ・決める」体験をしてほしいと考えているからです。お子さん自ら「こうやってみよう!」と思いつく状態をつくることで、自信やモチベーションのアップにつなげていきます。学習支援の講座を終えてUpload By 発達ナビ編集部今日は40名以上の方にご参加いただきました。皆さんが熱心に聞いてくださり、また講義後のアンケートでも「環境を整えることが大事だと再確認できた」「学校との面談の参考にしたい」等のお声をいただくことができ嬉しかったです。お子さまの抱える困りはさまざまなので、一人ひとりの思いや願いを大切に日々の支援に携わるようにしています。特に今回のテーマでもあった学習支援においては、ご本人にあった学び方や考え方を見つけられると「これならできる!」という自信や「もっとやってみたい!」という意欲につながります。学習面での自己肯定感が低いお子さまも少なくないですが、自分の得意な学び方を見つけて今後に活かしていってほしいなと思います。私には短期記憶障害をもつ弟がおり、講義の中で彼の学生時代や仕事上の困難さについてもお話しさせていただきました。彼自身も学校のテストや実習で大変苦労していましたが、自分に合う学び方や苦手なこととの向き合い方を見つけながら一つひとつ乗り越えています。自分なりの方法が見つかるまでは少ししんどいですが、一人でも多くのお子さまが「これならできる!」「こうすれば分かる!」という自信を見つけてほしいと思っています。
2019年12月22日発達ナビユーザーのたくさんの声を集めてできた、第1弾のコラボグッズ2019年度、発達ナビ×フェリシモによる、発達障害フレンドリーなコラボグッズ企画。この第1弾のコラボ企画では、みなさまの声を元に作った『メッシュリュックインナー』『メッシュお財布ポシェット』『タグカバーシール』『提示カードホルダー』の4つの商品がデビューしました。Upload By 発達ナビ編集部視覚優位なお子さまに向けて、忘れ物防止となるように作られたリュックインナーは、すぐに大人気に。TVで取り上げられたり、SNSでも話題となりました!2020年度、第2弾コラボ企画の実施が決定!皆さんの声をぜひお寄せください「これ、とてもいい!」「大人でもうれしい。」「さらにもっとこうなるといいな!」などたくさんのお声を受け、2020年度にも、第2弾となる新たなコラボグッズづくりにチャレンジすることになりました!さまざまな困りごとをお聞きし、よりたくさんの人たちが参加できるコラボ企画にしたいと思っています。そこで、「こんなことで困っている!」を解決できる”発達が気になるお子さまやママパパが快適に過ごせるためのグッズづくり”に関するアンケートをさせていただきます!アンケートやモニター調査などを通して、皆さんと一緒にグッズを作っていきたいと考えています。ぜひみなさんのご意見をお寄せください。アンケートへの回答は下記のボタンから!
2019年12月20日宇樹は発達障害と複雑性PTSDの当事者私は、発達障害(高機能自閉症)と、複雑性PTSDの当事者。30歳で発達障害を自覚、32歳で高機能自閉症の診断を受け、36歳のときに複雑性PTSDの傾向を指摘されました。そんな私が、初の単著『#発達系女子 の明るい人生計画』を発売しました。私がどんな人間であるかと、この本を書くに至った経緯、本に込めた想いについて語らせていただければと思います。私が発達障害を自覚したきっかけは、体調不良で通っていた鍼灸院で「耳が聞こえすぎている」と指摘されたことでした。「聴覚過敏」「感覚過敏」というキーワードでインターネット検索して出てきた例に、「これは私のことだ!」と目からウロコが落ちるような経験をして、発達障害の自覚に至ったのです。Upload By 宇樹義子発達障害の自覚当時、私は千葉県の実家で、精神疾患のある母と二人暮らしでした。自分自身の不調を抱えるなかで母の世話をするのは、私にとって大きな負担でした。毎日をなんとか過ごすだけで心身ともにクタクタで、発達障害について病院にかかる余裕はありませんでした。しかし、あるきっかけで急に実家を出て結婚することになった私は(詳しくは後述)、一年ほどかけて心身に多少の余裕を取り戻しました。そこで近所の心療内科を訪ね、高機能自閉症の診断を受けることになります。エビリファイという薬を処方され、飲んだところ、10年以上どうにもできずにいた昼夜逆転の症状がピタッとなくなり、とても驚きました。生活上のさまざまな段取りもスムーズに進むようになって、支援とつながることもできました。複雑性PTSD(複雑性心的外傷後ストレス障害)は、発達障害の二次障害と考えられます。服薬や環境調整で発達障害自体の症状はだいぶ乗り切れるようになったものの、人を信頼することができず、夫に対して要らぬケンカを吹っかけたりすることが続いたのです。「おそらくトラウマ(心の傷)が関係しているだろう」と、トラウマ治療の専門家にかかったところ、複雑性PTSDの傾向を指摘されました。Upload By 宇樹義子家庭での母との関係性も大きなトラウマでしたが、私の複雑性PTSDの直接的な原因となったトラウマは、小学校時代に児童から受けたいじめと、担任教師からの虐待だろうと、医師から指摘されています。あとで知ったことですが、発達障害のある人は、生きるにあたって大小の心の傷にみまわれることが多く、これらの傷の積み重ねだけでも慢性的なPTSDのような状態におちいることがあるそうです。私の場合、その中でも特に、実際にはっきりとしたトラウマとなるいじめや虐待を体験してきたタイプだったわけです。生きづらかった前半生いまの夫に助け出され、結婚するまでの私の人生は、生きづらさに満ちていました。小学校時代は周囲から浮きまくり、思春期以降は心身の調子を崩してしまって普通の生活が送れない。もともと狭かった周囲の人間関係が、年を追うごとに貧しさを増し、状況は悪化してゆくばかり。私は、気がついたときにはすでに、自分ではもう一歩も動けないほどに疲弊し、追いつめられていました。小学校時代は、地元の公立小学校で過ごしました。この6年間は、私にとって本当に苦痛なものでした。なんだか、自分だけが地面からちょっと浮いているような、自分とみんなの間に次元の境目があるような、深い孤立感のなかで暮らしていたのです。みんなが面白がっていることを面白いと思えない。でも、みんなが疑問を持たないことに疑問を持ってしまう。みんなが簡単にできることがどうしてもできない。でも、みんなができないようなことが簡単にできてしまう。 ……そして、そうした事実を素直に口に出しただけで、児童からも教師からも激しい攻撃を受けるのです。Upload By 宇樹義子学校での成績は、まったく勉強しなくても常にトップクラスでした(体育と算数除く)。そればかりか、学校の授業は簡単すぎるように感じて、退屈でした。みんなが家で親に尻を叩かれながら必死に勉強しても取れないような点数を、しれっと取ってしまう。「なんでわからないの? 考えればわかるじゃん」とか言ってしまう。授業中、ほおづえをついて「退屈だな―」みたいな顔をしてしまう。それでいて体格は周囲の子たちよりも一回り小さい。3学年ぐらい下の年齢に見えます。動作は鈍くてぎくしゃくしている。体幹がぐにゃぐにゃで姿勢が悪く、体育のたぐいはどれだけ練習してもうまくできない。国語は学年トップクラスなのに、算数だけはなぜか学年でビリっけつ。勉強ができることへの嫉妬や、できることとできないことの差が大きいことへの気味悪さも混じってでしょう、児童からは常にいじめられていましたし、教師からは常に叱責を受けていました。体育の時間は地獄そのものでした。Upload By 宇樹義子私は、誰かに何か矛盾やごまかしがあると敏感に察知し、相手が誰であろうとすぐに指摘するタイプでもありました。反抗的に見えるので、児童を力で支配したいタイプの教師からはすごく嫌われました。私には、ひたすら「人を尊敬するには合理的な理由が必要だ。彼らには尊敬してしかるべき理由が見当たらないから尊敬できない」としか考えられませんでした。大人たちを、単に大人だからという理由だけで尊敬し、従順にふるまう周囲の子どもを、むしろ不気味だと感じていたのです。下の画像は、私が32歳になって受けた知能検査(wais-Ⅲ)の結果の一部です。定型発達の人の場合、グラフはこれほどジグザグにならず、おおよそまっすぐになるそうなのですが、私の場合はご覧のとおりジグザグ。このジグザグ状態は、私の中で、分野によって得意・不得意の差が非常に大きいことを示しているそうです。Upload By 宇樹義子私は、小学校時代から20年以上経てこの検査を受けて初めて、小学校当時に自分の中にあった違和感や孤立感の原因を見たような気がしました。でも、当時は自分も周囲も、「発達障害」なんていう言葉を知る人はいない。私の、よくもわるくも平均から外れた部分は「わがまま」「努力不足」「甘え」「性格の悪さ」と判断され、私は常に叱責されたり嘲笑されたり、排除されたりしながら暮らしていたのです。中高は、私立の中高一貫お嬢様進学校でそれなりに幸せな学校生活を送った私。「『成績がよいこと』がいわゆるスクールカーストを上げる」「運動ができなくてもみんな似たようなものだから、大して目立たない」といった要素が良く影響したのかなと思います。しかし大学に入ると、だんだん雲行きが怪しくなっていきます。騒がしい都心への、長時間の通学。学校や親によって厳重に縛られていた高校までと比べて、あまりに自由度の高い学生生活。乗り切るのに周囲の学生とのコミュニケーション能力を必要とする、複雑な科目登録や単位取得のシステム。いま思えば、発達障害者にとって苦手な要素ばかりです。受験勉強で頑張りすぎたゆえの燃え尽きもあいまって、私は一気に生活リズムを崩していきました。夜に眠れず、朝に起きられない。身支度に何時間も時間がかかる。もともと強かった生理痛が、痛みで気を失うほどにひどくなり、PMSも悪化していきました。片頭痛も出るようになり、月の半分以上は体調が悪くて寝込んでいるような状態になったのです。Upload By 宇樹義子このころ、もともと精神的に不安定だった母が、本格的におかしな言動に出るようになっていました。並行するようにして、父や兄は、仕事を理由に家に寄りつかなくなります。こうして私はいつのまにか、母とほぼ二人暮らしとなり、家事や母の心身の世話にもエネルギーをとられはじめていました。気づけば、うつうつと寝て起きるだけでせいいっぱいで、ほとんど家を出られないような状態になっていたのです。いまの定義でいう「準ひきこもり」です。私はそれでも、「学校で成績がよかった」という、自分の過去の栄光にしがみついていました。なにかの拍子にふと沸いてくる、自分の人間としてのアンバランスさへの疑念を半ば無理やり払いのけながら、「私はこのまま、大企業に入ってエリートとして生きていくんだ」と思いこもうとしていたところがあります。そんな小さな抵抗も、大学3年次の就活でもろくも崩れさります。書類審査は通り、面接までは行ける。けれど、面接でことごとく落とされるのです。落とされるというか、面接では毎度、面接官を怒らせてしまったり、圧迫面接を受けてショックで怒ったり泣いたりして、最悪な終わり方をするのでした。ここは絶対に通る、と信じていたある会社の役員面接では、理不尽なことを言われつづけて泣きながら抗弁しました。当然、結果は不合格。父からも母からも「なんてバカなんだ、そういうときは素直にハイハイって言って従ってればいいんだ、面接ではそういうところを試しているんだ、常識だろう」みたいなことを言われ、本当にショックでした。それまで自分に向かって大きく開け放たれていたはずの社会への扉が、後ろ手にバタンと閉められる音を聞いたような感じでした。Upload By 宇樹義子私は怖い、この社会が怖い。そんな常識、私は誰にも教えてもらったことがない。私は小学校のころから変わっていない、いじめっ子のAちゃんが私に言ったとおり、私は「みんなが知らないことを知ってて、みんなが知ってることを知らない」んだ。私はどうやら人間として決定的な欠陥を抱えているみたいだ。でも、その欠陥の理由がなんなんだか、さっぱりわからない。私はこの社会でやっていける自信がない…… 私は、これまでに経験したことのない深い挫折感を覚えて、文字通り三日間泣き続けました。目がほんとうに開けられなくなるほどに腫れて、自分でも驚くほどでした。どうにか一社だけが私を拾ってくれました。しかし、この会社はいわゆるブラック企業でした。「こんな私を拾ってくれるような会社はここ以外にない」と思いつめた私は、必死にその会社に適応しようとしましたが、案の定、三ヶ月で心身の限界がきて、倒れてしまって辞めました。それからは、すべてが悪循環でした。夜はうつうつとして眠れず、朝はぐったりして起きられず、昼夜逆転が悪化していく。母の言動もどんどんおかしくなっていく。母も昼夜逆転でひたすらフラフラと寝起きするだけのなか、私はたったひとりで、日々の買い物や掃除、洗濯、食事の用意といった家事に加え、夜中の二時三時まで母の盲言の相手をする生活に追われました。日々の買い物のほかはほとんど外を出ない準ひきこもり生活のなか、心は焦りでいっぱいでした。刻々と大きくなっていく履歴書の空白を埋めようと、必死に仕事やアルバイトを見つけては、結局倒れて行けなくなり、やめてしまうのでした。Upload By 宇樹義子このころには、中高や大学の友人にも連絡をとりづらくなっていました。みんな、仕事で昇進したり、結婚して子どもを産んでいたりと、着実に人生を進めていっているように見えて、私だけが取り残されたような気分だったのです。あまりの余裕のなさに友人の幸せを素直に喜んであげられない自分も嫌だったし、現状を友人に話したとて、無為に心配をかけ、彼らの日常に水を差すだけだろうと思うと、つい連絡が遠のいてしまうのでした。あまりのストレスや絶望感にいよいよ追いつめられていた2011年3月、東日本大震災が起きました。もともと不安から突飛な言動に出る傾向だった母の調子は、さらに悪化しました。「このままでは私は近いうちに母と殺し合いになる」と感じる極限状態のなかで、私はほんとうに幸運にも、いまの夫となる人から助けを得て、同年5月に実家を脱出したのです。(詳細は本に書いています)それまでのあまりに強いストレスと疲弊、そして大きな環境変化のせいか、私には、夫のところに身を寄せてから半年ほどの記憶がほとんどありません。Upload By 宇樹義子心身ともに安全な環境でたっぷり休んで、ぼちぼち体調がマシになってきた12月、夫と入籍しました。いろいろな病院に行く元気も出てきて(逆にそれまでは病院に行く元気さえなかった)、翌年の2012年7月、32歳のとき、心療内科で高機能自閉症の診断を受けるに至ります。これが私の、深い心の傷からの回復のはじまりでした。「発達系女子」のみんなに、少しでも楽な近道をしてほしい現在39歳の私は、ほんとうにありがたいことに、たくさんの人に囲まれ、仕事にも恵まれて、とても元気に幸せに暮らしています。でも、ここに至るまでの道のりはつくづく大変なものでした。私は、31歳で夫のところに身を寄せて以来、現在に至るまで、一歩ずつ回復の道を歩んできました。発達障害のない人の人生にさえ、「こうしておけば正解」みたいな生き方の見えない時代です。なのに、私は障害者の中の、精神障害者の中の、さらに発達障害者。情報は、探せばあります。あるのですが、発達障害者の生活の役に立つ情報は、世の中のあっちこっちにバラバラと散らばっていて、ちょっとやそっとではたどりつけません。私が自分のなんとか幸せに生きていける道を探すためには、多くの人に頼り、無数のインターネット検索を積み重ねる必要があったのです。Upload By 宇樹義子生きづらさを軽減するためには、ともかく情報が必要なこと。信憑性のある情報をつかむためには、情報の探し方にコツがあること。いろいろな人に助けてもらうのが大事なこと。助けてくれる人にも、頼っていい人と、警戒しなければいけない人がいること。自分が苦しんでいる苦しみは、自分だけではない、きっと社会のみんなの苦しみであること。「結婚」や「モテ」だけが答えではないこと。発達障害者だけではない、世の中の誰にとっても、安心していられる「居場所」が必要なこと。自分を大事にし、元気にするために、もっともっとエネルギーを割いていいこと…。私は、実家を脱出したあと、8年ほどの時間をかけて、こういった、「発達系女子が楽に人間生活を乗り切るのに必要なこと」をひとつひとつ集めていきました。霧の立ち込めた石ころだらけの悪路を、杖をつきつきエンヤコラと歩いてきた8年間。あるとき突然目の前が開けて、自分がちょっとした丘のてっぺんに着いたことに気づきました。ふりかえれば、かすんでいたはずの風景は遠くまで見わたすことができます。自分の歩んできた道を見わたしてみて、「私はこんなに遠くまで来たのか!」と思うと同時に、「8年前の時点で、いや、もっとずっと前、たとえば30年とか前に、ここまでの道のりを描いた地図があったらよかったのに!」と、強い怒りや喪失感のようなものを覚えました。そのときの私には、多くの発達障害女性が、私と多かれ少なかれ似たような苦しみを抱き、似たような道を、それぞれバラバラに這い進んでいる姿が、ありありと想像できました。「いや、誰か助けてよ!! なんで誰も気づかないのよ!!」私はそう思い、次に、「ちょっと待って、私がやればいいんじゃない?」と気づきました。どうしたらいいだろう? 同じように五里霧中を歩んでいる仲間に、自分が苦労して集めてきた、発達障害女性の役に立つ情報を届けるにはどうすればいいんだろう?本を書くしかない、と思いました。私はもともと、人の役に立ちたい気持ちの強いタイプでした。何度も何度も「支援者になろうかな」と考えたのですが、そのたびに、「良くも悪くも繊細すぎる私は、きっと人を直接に支援する仕事には耐えられないだろう」と諦めてきたのです。幸い、私には文章が書けました。情報を集め、精査し、わかりやすく整理しなおして説明することが得意でした。なら、私が人の役に立てるとしたら、本を通して情報を渡すことなのではないか。そんなわけで、『#発達系女子 の明るい人生計画』の企画が動き出しました。Upload By 宇樹義子説得力のある企画書を出して版元を納得させなければならなかったため、念入りに市場調査や競合調査をしました。調査する中で、自分の考えている「発達障害女性の実生活にきちんと役立つ情報をたっぷり盛り込んだ実用書」が、企画当時の日本には全く存在しないと言っていいことがわかりました。ニーズは確実にあるのに、それに応えてくれている本がない。それなら、この本はなおさら、私が書かなければいけない ……そんな使命感のもと、企画から1年をかけて書き上げたのが、『#発達系女子 の明るい人生計画』です。『#発達系女子 の明るい人生計画』では、メインの読者を「成人の発達障害女性」と想定しています。でも同時に、「生きづらさを感じている/助けや生活のための情報を必要としている女性全般」にも役立ててもらえるような内容を広く盛り込んでいます。このため、この本は成人の発達障害女性以外にも、多くの人にお役立ていただけると思います。子育てに困りごとを抱えている人、経済的な苦労のある人、仕事や家に困っている人、周囲からの加害に悩んでいる人、母子家庭で大変な日々を送っている人、自分の娘に発達障害があって将来が不安な人、発達障害のある中高生女子、などなど ……多くの仲間の姿を具体的に思い浮かべながら書き進めました。自慢は分厚い巻末資料です。女性と子どもの支援に尽力されているソーシャルワーカーの鴻巣麻里香さんにご監修いただき、情報の正確性と網羅性を確保しています。正直言って、本編に描かれている私自身のケースなどはそれほど参考にならないと思うので(笑)、巻末資料だけでもめくってみていただきたいです。きっとお役に立てることと思います。宇樹義子「人のために書く」ことが、私自身を癒やしてくれた—ライターという仕事に出合って|LITALICO仕事ナビ
2019年12月16日通い始めたきっかけは、親子関係の改善。広汎性発達障害の娘は、現在、放課後等デイサービスに通っています。2年生ごろから、家での療育や、宿題への取り組みがうまくいかなくなり、関係性が悪くなっていった私たち。家族でずっと一緒にいると衝突も多い…ピリピリした親子関係をどうにかしたいと、放課後等デイサービスに通うことを決めました。娘は放課後等デイサービスが大好きになり、私との関係も改善していきました。Upload By SAKURA娘にとって楽しい場所が増えた…私はそれだけでも満足だったのですが、放課後等デイサービスは娘が成長するのにとても大事な場所だったのです。学校とはちょっと違った友達関係。娘は学校で、仲良しの子もいて、友達関係に特に不安はありませんでした。そのため、また新しく友達が増えるな~ぐらいにしか考えていなかったのですが、放課後等デイサービスでの友達関係はちょっと違います。学校とは違い、娘の他にも発達の偏りや障害がある子が通っているため、ここでは娘は特別ではありません。学校の場合、娘が何か間違ったことをしたり、突拍子もないことをしたりしても、周りの子どもたちはあーさんに合わせてくれます。しかし放課後等デイサービスでは、それぞれが自分の興味にしたがって動いていることが多いし、ときには予測不能の動きをすることもあります。Upload By SAKURA放課後等デイサービスの友達にはそれぞれ強いこだわりや特性もあるため、学校ではあまりみられないようなトラブルが起きることもありました。友達とのトラブル発生。放課後等デイサービスに通い始めて少し経ったころの話です。この日、お面で遊んでいた娘。Upload By SAKURA自分でかぶったり、先生にかぶせたりしていたそうです。そのとき、おやつを食べていた友達に…Upload By SAKURA後ろからいきなりお面をかぶせた娘。しかし、この友達はいきなり人が近づくことを、嫌がる子だったのです。娘に対して、「やめろ!だれだよ!おまえ!あっちいけ!」と怒鳴りました。娘は驚きながらも、「だれだ」という質問に対して、自分の名前を答えたそうです。娘はおそらく、一緒に遊ぼう…楽しませようという思いだったのでしょう。しかし、娘にも嫌なことや苦手とすることがあるように、この友達にとって娘が後ろからいきなりお面をかぶせるという行為は、ものすごく不快なものだったのでしょう。トラブルで、感じてもらいたかったこと。トラブルがあった日、放課後等デイサービスの先生からこの話を聞いた私。突然お面をかぶせてしまった子に申し訳ない…そう考えていたのですが、Upload By SAKURA先生は、「いきなり怒鳴られて、娘さんが嫌な思いをしたんじゃないかと心配です。これで、ここに来ることを嫌がったり友達を恐がったりしないか…止められなくてすみません。」と娘の精神面の心配をしてくれました。確かに、怒鳴られたとき娘は驚いたかもしれません。しかし私はこれは娘にとっていい経験になったと考えました。娘はたびたび、家でも学校でも、自分のこだわりで泣き出すことがあります。誰にでも嫌なことはあるということ…そして、自分以外の人のこだわりを客観的に見ることで、何か感じることがあるかもしれないと思ったのです。トラブルからの成長。家に帰り、私は娘と話をすることにしました。Upload By SAKURA娘は、全く"怒られた"という感覚はありませんでした。精神的には傷ついていなかった娘ですが、相手に嫌なことをしたという認識があったのか聞いてみると…Upload By SAKURA娘はその状況に立たされただけでは、まだ自分から学ぶことは難しいようでした。しかし先生が相手の気持ちを代弁してくれたおかげで、相手が嫌だったことを、ちゃんと理解することができていました。自分以外の個性を認める。通い始めて10か月が経った現在、娘はすっかり放課後等デイサービスと、そこに通うお友達関係にも慣れました。Aくんは、同じ曲を何度も聞くのが好きとか…Bくんは、仲良くしたいけどやり方がわからなくて、ちょっかいを出してお友達に怒られてしょぼんとしちゃうとか…Upload By SAKURA娘が自分以外の子のこだわりを理解し、それを頭において接している話を聞き、ここで過ごす日々は予想以上に娘を成長させてくれていると感じました。いろんなトラブルもあるけれど、娘は放課後等デイサービスが大好き。これからも楽しい時間を過ごしつつ、自分の成長に繋げていってくれたらいいな~と思います。
2019年12月11日まずは情報収集「20歳になったら障害年金の申請ができる」ということはうっすらと知ってはいましたが、それが現実味を帯びてきたのは娘が高校3年(18才)のときです。きっかけは学校主催の保護者向けの障害年金説明会でした。講師の日本年金機構の担当の方の話によると、申請に必要な主な書類は1.医師による『診断書』2.初診時の医療機関が書く『受診状況等証明書』(初診時の医療機関と診断書を作成した医療機関が異なる場合)3.請求者(本人や保護者)が作成する『病歴・就労状況等申立書』で、その中で私が「一番大変そう」と感じたのは3.の『病歴・就労状況等申立書』(※1)でした。※1発症から現在までの日常生活状況や就労状況を3~5年に分けて記載する。「?」がいっぱい『病歴・就労状況等申立書』の記入欄には「発病日」(※2)や、「障害認定日」(※3)などといった、聞きなれない用語もありました。また、「初診日」(※4)にも細かな規定がありました。※2「発病日」・健康診断で異常が発見された場合は、異常を指摘された日・先天性疾患の場合は、症状を自覚したときまたは検査で異常が発見された日・生来性の知的障害(精神遅延)の場合は出生日※3「障害認定日」障害認定日は原則として初診日から1年6ヶ月後の日を言いますが初診日から1年6ヶ月を経過する前に20歳の誕生日が到来する場合は20歳の誕生日(正確には20歳の誕生日の前日)が障害認定日となり、その日以降に障害年金の手続きを行うことができる。一方初診日から1年6ヶ月後の日が20歳の誕生日以降に到来する場合は原則通り初診日から1年6ヶ月後の日が障害認定日となる。※4初めて診療を受けた日を記入するが、初めて診療を受けるよりも前に次のようなことがあったら、その日を記入。・健康診断で異常が発見され療養に関する指示を受けた場合は、健康診断日・生来性の知的障害(精神遅延)の場合は出生日娘の場合、どれにあてはまるのか私には判断できませんでした。Upload By 荒木まち子また「傷病名」(=診断書の病名)についても障害年金申請は審査基準が複雑で、複数の傷病がある(例:うつ病とパニック障害、知的障害と発達障害など)場合、どの病名で申請すれば良いのかなどは素人には到底判断ができそうにありませんでした。さらに「傷病があったとしても、薬などでコントロールできている(例:てんかんがあるが、薬で発作が抑えられている)場合は障害年金支給の対象外になる」など、障害年金の申請の難しさを感じました。説明会の後しばらくして別件で役所に行く機会があった私は、帰り際に年金課に寄り、障害年金の申請書をもらうことにしました。Upload By 荒木まち子早すぎた!私は「申請用紙をもらうだけ」と軽い気持ちで年金課の窓口に行ったのですが、窓口の職員さんからは娘の障害名や現在の状況など細かな聞き取りがありました。(職員さんはメモを取っていました)障害年金申請書類一式をもらうことはできましたが、職員さんに「時期が早すぎるので、20歳の誕生日の3カ月くらい前に改めて窓口に相談に来てください」と言われました。請求するときに必要な書類等 | 日本年金機構申請書のサイズの大きさにビックリ!Upload By 荒木まち子娘は20歳前の障害なので「障害認定日」は“20歳の誕生日の前日”になります。その場合、申請には障害認定日の前後3カ月以内に医師が作成した診断書が必要です。診断書作成は早すぎてもだめですが、保護者が作成する『病歴・就労状況等申立書』は早めに準備をしても大丈夫な書類です。私は少しずつ、『病歴・就労状況等申立書』の作成に取り掛かることにしました。娘が小学生以降の資料はコラムやブログを書くときに使用していたので、すぐに取り出せる場所にありましたが、産まれてすぐのときの細かな資料や記録は、娘が幼年期に作った作品やアルバムなどと一緒に『思い出ボックス』に保管してありました。何度も引越しを経験しているわが家には、以前の引越しのときに箱詰めしたままの段ボール箱があり、「思い出ボックス」もその中にありました。開けたら過去の思い出に浸ってしまうことは容易に想像ができましたが(笑)私は娘の20年分の記録を読み返す作業を始めたのでした。続く...年金受給者(老齢年金・障害年金・遺族年金)に関する届出・手続き | 日本年金機構
2019年12月06日今、家族が医師に対して確認したいことを推し測りながら出典 : 僕は診察室で「子どもの発達の診立て」を行いながら、同時にわが子の育ちを心配する親や家族の思いも診立てていきます。僕が向き合っているのは、「発達障害」ではなく、多彩な個性の持ち主である一人ひとりの子どもであり、家族です。このコラムでは、発達障害の診断名よりも「大事にしていること」についてお話ししていきます。初回の診察場面で、親御さんから「診断はつきますか?」「なんの障害ですか?」と聞かれることがあります。そういうとき僕は、「何回か診ないとわからないですよね」「検査も必要でしょうし、第三者の方々の日常の評価も知りたいですよね」というふうに、時間をかけてその子を診ていけるように話をします。一方で、「この段階で診断名はつけたくないんです」「そんなことで途方に暮れたくないし、落ち込みたくないし、傷つきたくありません」と訴えるお母さんもいます。そんなとき僕は、「わかりました。急いで診断名をつけてもつけなくても、今できるかかわりのほうが大切ですから、しばらく診断名は棚上げしておきましょう」とお話しすることもあります。診断名がその子をみる視点を狭めてはならない医療である以上、診断はとても重要なものです。それは疑いのないものです。しかし、「その子にどのような診断がつくか」と急ぐよりも、一人ひとりの思いや周囲との関係性について思いを馳せ、今できる生活の応援を考えることのほうを大切にしています。僕は、1〜2回の診察で診断名を伝えることはほとんどありません。病院で医師がその子に接するのは、切り取られた一場面であって、おそらく普段の日常の姿ではないはずです。診察室でその子が僕に見せてくれる姿が素の姿なのか、よそいき外行きの姿なのかは、ほんの数回では到底わからないと思っています。また、診断名がつくことによって子どもの言動のとらえ方が狭まってしまう、画一的になってしまう心配もあります。「この笑顔も症状なの...?」診断名を前にした、あるお母さんの苦悩を知って数年前にお会いしたお母さんが、わが子の様子をこんなふうに語ってくれました。「うちの息子は原っぱが好きで、いつも竹の棒を持ってトンボや鳥を棒で追い払うようにしながら、何時間でも走り回っているんです。それに、とても几帳面でミニカーをきちんと並べては、素敵な笑顔を見せるんです。私がそのミニカーをちょっと触って列を乱したりすると、ほんと真剣に怒るんです。それもまたかわいく思っていたんです。でも…」ある日、子どもの発達について気になるところのあったお母さんが、病院で診てもらったところ、「お母さん、その行動は自閉スペクトラム症の〝こだわり〞ですよ」と告げられたそうなのです。「その瞬間、今までは『かわいいな、素敵だな、ユニークだな』と感じていた子どもの行動が症状なんだ…と、見る目が変わってしまって。症状だったら『治さないといけない』と。だったら、今後は棒も持たせられないし、ミニカーも…。そんなふうに考えたら、『あの笑顔も症状なの?』って、いろいろと悩むようになってしまいました」。興味関心まで「症状化」してみえてしまうことも「好きでトンボを追いかけて、好きでミニカーを律儀に並べる。それでいいと思いますよ。問題ありませんよ」そんなふうに僕の意見を伝えると、「先生、うちの子のこと、トンボが好きで鳥が好きで、走り回ることが好きで、ミニカーが好きで……そういうことが好きな子なんだって思っていてもいいですか?」と、逆に問い返されました。「もちろんです!」僕はそう答えながらも、考え込んでしまいました。医学の診断名というのは、ある意味で、その子の興味関心すらも「症状化」してしまうことがあるのか、と。診断名はあくまでもその子の一部に過ぎない同じ診断名がつく子どもであっても、一人ひとり、その思い、言動はみな違います。まずはその子の思いに近づく努力をしたいと僕は日々思っています。「自閉スペクトラム症のしょうたくん」「ADHDのあいちゃん」といった視点ではなく、その子どもの目線にまで達して、「しょうたくん、あいちゃんは、こんな気持ちではないでしょうか」というところからかかわっていきたいのです。「こういうタイプの子は電車が好き」なんてひとくくりにできない出典 : ほかにも、「電車が好き」という男の子がいたとしても、「電車」というひと言ではくくれなかったりもします。好きな電車の世界の中にもいろいろあって、特急車両が好きな子もいれば、寝台列車が好きな子もいて、「キハ6000」の走行音が好きな子もいるし、路線図が好きな子も、無人駅が好きな子もいます。そういうこだわりを僕は、つくづくおもしろいなあ!と感じますし、奥が深いなあと痛感します。「こういうタイプの子って、やっぱり電車が好きですよね」とひとくくりにされた日には、彼らから異議申し立てが出るんじゃないかと思うくらいです。わが子の豊かな世界を一緒に楽しんでせっかくバリエーションの豊富な子どもたちの言動が、「こだわりが強い」「衝動性が強い」「五感が鋭い」といった決まりきった言葉(発達障害の特性を示す)だけに置き換えられてしまうのだとしたら、僕は残念でなりません。例えば、車のタイヤがクルクル回ったり、換気扇が回ったりするのをずっと見続けているお子さんがいたとして、「やっぱり、自閉スペクトラム症ってこういう回るものが好きなんですよね」とひとくくりに表現してしまうのも、その子に失礼だなと思ってしまうのです。クルクル回るものを見て楽しむ子どもの気持ちが、「自閉スペクトラム症」という記号によって、「回っているものを見て、 喜ぶ資質です」といった説明で片付けられてしまうことに強い違和感も覚えます。その子が選択したものを突き詰めていくと、 もっと「それが好きなんだ!」「これを手に入れたかったんだね」といった価値観に近づけるのではないでしょうか。「発達障害」というメガネを外してわが子を見れば出典 : 「発達障害」と判断することは、その子を理解する手がかりの一部にはなるでしょう。でも、発達障害という「メガネ」をいったん外して、わが子のありのままを見つめてみることも大切です。生きる上での喜びも、生活の中での傷つきも、そしてそれに対する周囲の手当ても、一人ひとり個々に体験して生き続けます。その子、そしてその家族に対して、僕たち精神科医は、可能な範囲で発達促進的な環境を一緒につくろうとします。同時に、僕たちはどこまでいっても、自分自身も、また他者も十分に理解することはできません。だからこそ対話をし続けます。生活を重ね合わせていきます。「発達障害」だけで子どもを見ないで――あくまでも手がかりの一つに過ぎない、発達障害という「メガネ」に支配されないこと。そして、子どもの理解にゴールはないことを、みなさんの心に留めていただけたら幸いです。版立ち読み『「発達障害」だけで子どもを見ないでその子の「不可解」を理解する』
2019年12月04日ADHDとは?ADHD(注意欠陥・多動性障害)は不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状がみられる発達障害のことです。人によって症状の現れ方の傾向は異なり、大きく3つのタイプに分けることができます。1.多動性-衝動性優勢型:多動と衝動の症状が強く出ているタイプです。2.不注意優勢型:不注意の症状が強く出ているタイプです。3.混合型:多動と衝動、不注意の症状が混ざり合って強く出ているタイプです。子どもの20人に1人、成人の40人に1人にADHDが生じることが示されています。以前は男性(男の子)に多いといわれていましたが、現在ではADHDの男女比は同程度に近づいていると報告されています。参考:DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル年齢別に見たADHDの症状の現れ方■生後すぐから診断ができるの?ADHDは発達障害のひとつですが、発達障害は、言語・認知・学習といった発達領域が未発達の乳児では、症状が分かりやすく出ることはありません。ですから、生後すぐにADHDの診断が出ることはありません。また、ADHDの症状は他の発達障害の症状と共通するものもあるので、判断には注意が必要です。ADHDと診断された人たちの中には、乳児期を振り返ってみると、「なかなか寝付かない、寝返りをうつことが多く落ち着きがない、抱っこされることを嫌がる」といった傾向がみられる場合もあるようですが、このような行動は定型の成長過程でもあり、一概にADHDと結びつけることはできません。気になる場合には児童センターといった身近な相談機関や小児科などで相談してみましょう。■トラブルの原因となる行動をとることが多いADHDのある子は、成長するに従い、以下のような行動をとる場面が目立つようになります。ただ、前述の通り、ADHDの症状は他の発達障害の症状と共通するものもあります。必ずしもADHDとはかぎらないので、特徴はあくまで参考程度にしましょう。・他の子をたたいたり、乱暴をすることがある・落ち着きがなくじっとしていることができない・我慢ができないので癇癪(かんしゃく)をおこすことが多くみられる・物を壊すなど乱暴・破壊的な遊びを好むことがあるいくら言葉だけで注意しても、これらの同じ行動を繰り返してしまいます。■言葉の遅れがみられることもADHDのある幼児は、他の発達障害との合併症状として、言葉の遅れなどの特徴がみられることもあります。■しつけの問題なの?幼児期になると、落ち着きがなかったり癇癪を起こしやすかったりといった様子から、ADHDに気づくことが多いようです。また、保育園や幼稚園でも他の子どもとトラブルを起こしがちになってしまいます。そのような行動が原因で誤解され、しつけがされていないなどと言われることもありますが、ADHDは先天的な脳の機能障害によるもので、しつけや育て方の問題ではありません。■症状が顕著に現れてくるADHDの子どもが小学校に入学すると、着席しての学習や集団行動が求められるようになることもあいまって、以下のような症状が目立ってきます。・授業中でもじっと座っていることができず、歩き回ったりする・注意力が散漫になって、興味の対象も次々と変化する・物を忘れたり、なくしたりすることが多い・突然話しかけて他の人の邪魔をしたり、他の人に話しかけられてもぼーっとしてうわの空に見られる・突発的な行動をおこすことがあり、自分の怒りの感情をコントロールできない・友達と仲良くできずトラブルを引き起こしてしまうことが多い■結果的に周りから問題視される何度も同じことを繰り返し注意されたり、授業態度などから周りに問題視されたり、怠けていると思われたりすることがあります。しかし、本人からすれば悪気があってしていることでもなければ、怠けているわけでもありません。■ADHDの診断がはっきりと下される時期小学校に上がるころになると、ADHDの症状が顕著に現れるため診断される場合が多くなります。文部科学省の定義では7歳前、DSM-5によるとADHDは12歳前に症状が現れるとされていますが、必ずしもこの年齢でというわけではなく、この年齢以前から症状がはっきり分かる場合には診断が下されます。■思春期のADHDは、合併症状にも注意思春期なると、立ち歩いたり突然周りの人に話しかけたりといった、幼児期や小学生時代に目立っていたADHDの特性による行動は落ち着いてくることが多いようです。しかし、・親・教師への強い反抗・友人とうまく付き合えず、トラブルになることが多い・ルールに従うことができないなどの行動がみられることがあります。また、学習障害(LD)などの発達障害との合併症状が目立ってくることがあります。対人関係がうまく築けない場合、自閉症との合併症状がある疑いもあります。ADHDの症状がみられる人は他の発達障害を合併している可能性もありますので、よくチェックして疑いがある場合には診断を受けてみましょう。■他人と自分を比較する思春期になると、他人と自分を比べて悩みやすくなります。ADHDのある子どもも例外ではなく、他人と自分をよく比べるようになります。完璧主義の傾向が強いと“できないこと”に過敏になることもあります。そして、他人にはできて自分ができないことにコンプレックスを感じてしまいがちです。コンプレックスから次の行動につながる場合があります。・勉強への意欲の低下、学力の低下が著しくなる・やる気がなく投げやりな態度・自分の世界に引きこもりがちになる場合もある知的機能に問題がない場合でも、不注意の特性が強いと、集団での学習に集中できず、学力の低下に結びつくこともあります。この結果、不登校やひきこもりなどの状態になることもあります。■薬の服用を嫌がる自分の障害を受け止めることができず、薬の服用を避けたり量を自己判断で変えて服用したりすることがあります。思春期の不安定な気持ちに寄り添いながら、家族が上手にサポートしましょう。■大人になるとADHDはどうなるの?子どものころにADHDと診断された人の中には、成長につれて症状が目立たなくなったり、軽くなったりする人もいます。自分の特性を理解し、苦手な場面にもどのように対処するかを学ぶことで、日常生活の困難を乗り越えている人もいると考えられます。ですが、ADHDのある大人は、子どものころより困難が多いと感じることも多いようです。・親や教師のフォローがなくなる・やることが多くなる・大人としての行動や責任を求められるなど、周囲の環境の変化が大きいことがその理由と考えられます。そのため、大人になって日常生活を送るのが難しくなった、と感じるADHDの人が多くいます。また、大人になってからADHDと診断を受ける人、診断を受けていなくとも同じ症状で困っている人も多くおり、大人の発達障害のなかではADHDの割合がもっとも高いといわれています。■大人のADHDに現れる症状大人の場合、ADHDによる特徴にはどのようなものが多くみられるでしょうか。・計画を立てたり、順序立てて仕事や作業を行ったりすることが苦手・細かいことにまで注意が及ばないので、仕事や家庭でケアレスミスが多い・約束などを忘れたり、時間に遅れたり、締め切りなどに間に合わない・片づけが苦手で乱雑になってしまう・同時に多くの情報を取り入れるのが苦手なので、一度に多くの指示や長い説明をされると混乱する・手間がかかったり、時間がかかったりして、集中が必要なものは後回しにしがち・何かに「はまる」と、ほどほどで止めることができず、なかなか抜け出せない(読書やネットサービス、ゲームなど)・長時間座っていることが苦手で、手足がむずむずしてくるADHDをもっと知るためのリンク集「もしかしてADHDがある?」気になる症状があるときには、次のコラムが参考になります。大人のADHDの困りごとへの対策を具体的に解説!職場ではADHDを公表したほうがいい?|LITALICO仕事ナビ大人のADHDのある人が受けられる就労支援・経済的支援とは?|LITALICO仕事ナビまとめADHDは特徴の現れ方によって、大きく3つのタイプに分けられるほか、年齢や性別などによっても目立つ症状は異なってきます。早期にその特性に気づき、適切なサポートを受けることによって、少しずつ困りごとを改善してゆくことができます。他の発達障害との合併や二次障害に気を配りながら、慎重に見守りサポートしていきましょう。
2019年11月29日家族で映画に!ところが…Upload By スガカズ今から1年半前の話です。以前から気になっていた子ども向けの映画を見に行こうという話になりました。Upload By スガカズお父さんは上3人と映画、下の子(当時1歳)は私と映画館の近くで待機です。3番目の子(長女)は外でいい子にすることができ、本人の強い意向もあり当時2歳半でしたが一緒に映画を見ることに。ただ、万が一ぐずってしまうことも想定されるため、その際には私が引き取れるようにする、と計画を立てていました。ところが当日、末っ子に熱が出てしまいました。本人の食欲もあり機嫌も良いのですが、様子を見て自宅でゆっくり過ごす必要があります。がんばったのにおでかけできない…子どもたちが不満に!Upload By スガカズそうすると大変です。長男は「じゃあ、これからどうするの?」と言い次男は「せっかくがんばったのに!」とすねてしまいました。それならばと父親と上2人だけで映画に行ってもらうように話をすると今度は3番目の子(長女)が映画をあきらめなくてはいけず、泣いてしまいました。大人だと優先順位を考えて判断することができますが、子どもはそうもいきません…。事前に予定を計画しても、わが家の場合は小さい子がいるため崩れてしまう可能性が高いのです。Upload By スガカズ発達障害がある長男と次男は、見通しをたてることで物事の優先順位をつけることができる。それを達成することで成功体験をつみあげていく予定でしたが、きょうだいの病気など突発的な要因で成功体験ではなく「がんばったのに映画にいけなかった」という残念な結果になってしまいます。結局この日は父親が上2人を映画に連れて行ってくれたので上2人は結果オーライでしたが、もともと行く予定だった長女は、お留守番です。「行きたかった」と悲しそうにしていました。病気になったのは長女ではないのに予定が変更になってしまって…ごめんね。末っ子はその日の晩には平熱になりました。タイミングってどうしようもないですね。失敗をもとに、見通しはざっくり!伝えるタイミングは直前にUpload By スガカズ現在の、わが家流の見通しの伝え方は…(1)前日か当日に子どもの体調を見ておでかけするかを決めるor話し合う(2)内容は必要最小限にする(3)子どもが知りたい情報は伝える(4)行けない可能性があることも伝える末っ子は3歳になり病気になる確率がぐんと減り、予定変更がなく家族でおでかけする機会が増えました。とはいえ大所帯ですと電車などの公共機関では親の気疲れも半端ないので、近所で済ますことが大半です。休日はどのように過ごすか考えたり準備したり…親も大変ですよね。家族が喧嘩しないで過ごせることが1番ですね!Upload By スガカズ
2019年11月20日お金の使い方や予定の管理ーー必要な力の身につけ方を学ぼう『未来に飛び立て!発達の気になる子の大人になるためのチャレンジ〈学齢期編〉 』将来就職できるのか、ひとりで生活していけるのかーーなど、子どもが成長するにつれて悩みの種類が変わってきたという方も多いのではないでしょうか。大人になる前に身につけて欲しい行動はたくさんありますが、家庭でどのように教えていったらよいのでしょう。3つの章で構成される本書。第1章では中高生の親子からの相談に対してのアドバイスや、子どもへの関わり方の解説など、思春期の子どもに身につけてもらいたいスキルや親の接し方が紹介されています。そして第2章では身だしなみや家事、お金やスケジュールの管理、コミュニケーション方法など具体的な行動について、用意するもの・やり方・工夫や配慮などがイラストも用いながら細かく説明され、その後の第3章では家庭学習、ゲームや動画サイトの閲覧など、気になる人が多いテーマについてさまざまな家庭の取り組みやエピソードを紹介するなど、実践的な内容を多数取り扱っています。スキル獲得の具体的な方法を紹介しながら、保護者の悩みや子育ての難しさにも寄り添ってくれる一冊です。家族関係や結婚生活など、当事者女子の体験談『#発達系女子 の明るい人生計画 ―ひとりぼっちの発達障害女性、いきなり結婚してみました』著者の宇樹義子さんは、子どものころからいじめを受けたり、心身の調子を崩したり、社会に出てからも職場の人を怒らせてしまったりと、多くの生きづらさを抱え、32歳で診断を受けた発達障害当事者です。過去には10年にわたるひきこもり生活も経験してきた宇樹さん。そんな宇樹さんは、発達障害について自覚しはじめた年の翌年に突然結婚します。結婚後、たびたびの離婚危機を乗り越え夫婦生活を安定させていく様子も、自身の特性と絡めて分析しながら綴っています。現在は福祉系ライターとして働きながら明るく毎日を過ごす宇樹さんの、波乱万丈な人生が詰まった書籍です。家族との複雑な関係や結婚までの過程とその後の生活、抱えていたトラウマの問題など、大人の当事者だからこそかける赤裸々な体験談は、当事者が読んでも保護者が読んでも参考になりそうです。『感情や行動をコントロールできない子どもの理解と支援: 児童自立支援施設の実践モデル』本書の著者である大原天青(おおはらたかはる)さんは、ソーシャルワーク・福祉心理学・非行臨床を専門とし、実際に児童自立支援施設で子どもを自立に導く支援活動に携わり、さまざまな研修に参加して得た知識をまた現場に還元し続けています。大原さんが、感情や行動を自分自身でうまくコントロールできない子どもたちを支援するときに必要とされる、子どもの心理を読み解く理論やアプローチ方法を、仮想事例を用いて分かりやすく解説しているのがこの本です。子ども本人との向き合い方から、生活の基盤となる家族や地域環境との関わり方といった環境へのミクロアプローチ、社会システムのあり方のようなマクロ環境へのアプローチまで、児童自立支援施設で過ごす子どもたちの支援について、幅広い視点から説明されています。支援者がより質の高い支援を提供するために知っておきたい研究や実践の知見が詰まっており、児童福祉施設で働く人や心理職、教員など、子どもと関わる機会のある人に読んでもらいたい一冊です。学校で取り入れられる、吃音のある子への具体的な支援方法を紹介『イラストでわかる 子どもの吃音サポートガイド: 1人ひとりのニーズに対応する環境整備と合理的配慮』「クラスに吃音のある子がいるけどどう対応したらいいのか」「吃音のあるわが子、ちゃんと学校生活を送れているかしら」といった不安を持つ先生や保護者に向けて、学校のさまざまな場面で必要な支援や配慮がまとまった本書。著者の金沢大学教授の小林宏明先生ご自身も吃音当事者です。吃音の症状の種類の分かりやすい説明と、症状がどのようなときに出るのか、そのとき本人がどのような気持ちでいるのかがイラスト付きで解説されています。日直や国語の授業の音読、委員会活動など、学校生活の中で多くある場面に基づいた事例が多数掲載されており、支援の工夫も具体的に紹介されているので、実際の学校生活の中で無理なく実践できそうです。クラスでの支援以外に専門的な支援を提供する場についての解説、支援者が作成したい支援計画や本人の自己理解促進のために活用できるワークシートなどもついており、吃音のある子どもを総合的に支援するために必要な情報が詰まったガイドブックです。定義から最新の支援ツールまでがまとまった専門書『LDの定義を再考する』知的発達に遅れがなく、おもに「読む」「書く」「計算する」「推論する」能力のうち特定の能力の習得や使用に著しい困難さがあることをさすLD(学習障害)。本書は、日本LD学会が主宰する日本LD学会第28回次大会で企画されたシンポジウム5回分の内容が載せられており、LDに関する専門的かつ最新の情報がまとめられています。LDが定義されるまでの過程について述べられた第1章からはじまり、これまでのLDの流れからLDの未来にかかわる技術までが紹介されており、この1冊だけでLDのこれまでとこれからを知ることができるよう構成されています。また第3章では、実際にLDと診断もしくは判断したあとの対応に関する議論内容や、ICT活用方法、LDのある子への指導法が分かりやすく解説されているほか、第4章ではLDのある子どもに対する合理的配慮について、小学生から大学生にいたるさまざまな年齢にあわせながら、多面的な切り口で述べられています。LDの基礎から具体的な支援方法まで分かる、支援に携わる人が知っておきたい内容が詰まった専門書です。
2019年11月15日成長した子どもたちの反抗…小学校3年生になった広汎性発達障害の娘は、最近かなり反抗的。以前のように、こちらの提案を素直に受け入れる…ということがなくなり、原因不明のイライラも増えてきました。Upload By SAKURAさらに、騒いでいるのは、イヤイヤ期がまだ炸裂している3歳児の息子。1つのことをさせるのでも、スイッチが入ってしまったら、気が済むまでイヤイヤしています。Upload By SAKURA発達障害の娘と、イヤイヤ期の息子の間で…娘も息子も、成長ゆえの行動。それを理解している私…息子のこだわりとわがままに対応しつつ、娘のイライラの原因を探り、寄り添う…Upload By SAKURAなーんて、そんな毎回寛大ではいられません!Upload By SAKURAこっちの気持ちも知らないで~!いい加減にしてくれ~!君たちは、スムーズにできないのか~!と叫ぶこともあります(笑)しかし、娘の反抗も、息子のわがままも、やめさせることは現実不可能…。そうなると、私の方が我慢するしかありません。大好きだったストレス解消法の封印。といっても、イライラを我慢して対応し続けると、私だってストレスが溜まっていきます。そんな時に、私のストレスを解消させてくれていたのが、「カラオケ」でした。しかし、ここ最近はすっかりご無沙汰。その理由は…Upload By SAKURA娘は、なぜかカラオケを拒否するようになりました。以前は、主人が説得してくれていましたが…Upload By SAKURAその説得も娘の成長と共に、通じなくなりました。本人が頑なに嫌がっているのに、無理強いして連れて行くわけにはいかない。結局、私が行くのを我慢することになりました。新しいストレス解消法は…ストレス解消方法がなくなった今、私は…Upload By SAKURAとにかく、仕事に没頭することにしています。私は、ありがたいことに、自分が好きな絵で仕事をしています。行き場のないイライラが溜まった時には、とにかく絵を描いたり、文章を書くようにしています。特に、文章にするというのはとてもおすすめです。Upload By SAKURA自分の思いをそのまま文章にする…そしてそれを自分が読む…。読んでいると、自分が第三者になったような気分になります。子どもたちの前で、冷静に一歩引けない私でも、文章にすれば、少し引いて物事を見れるようになります。はちゃめちゃな言い分だった時は、「あれ?」とそれに気づけますし、自分の文章に対して、自分で「あれ、私って結構頑張ってるじゃん」なんて思うと、またそこで冷静になれています。私にとって、一人でパソコンに向かって黙々と作業する時間は、心を落ち着けるクールダウンの時間にもなり、なおかつそれが仕事にもなっています。疲れた後の癒しは、やっぱり子どもたち!そして仕事を終え、疲れた後は必ず、『子どもたちが恋しい』という感覚がやってきます。一人で没頭する時間を持ち、メリハリのある生活をすることで、煮詰まらないでいられるのです。Upload By SAKURA子どもたちの世話で溜まったストレスを、仕事で発散し、その仕事で疲れた気持ちを、子どもたちで癒す。その繰り返しで、私は毎日をこなしています(笑)
2019年11月13日わが家の息子が、初めて発達障害の可能性を疑われたのは1歳半健診(1歳6カ月児健康診査)のときでした。市町村によって検査内容や診断方法に差があるようですが、今回は息子が発達障害と疑われた1歳半から、実際に診断が出るまでの検査内容などをご紹介します。 発達障害の可能性を指摘された1歳半健診1歳半健診では簡単な絵を見せられ、そのなかから「○○はどれ?」と質問される検査があります。息子は、市の検査と小児科の検査、どちらもその指示を適切にこなすことができず、言葉もほとんどしゃべらないことから「要経過観察」となりました。 この時期、同じような対応の子どもは意外と多いようですが、息子の通う小児科は偶然にも発達障害に詳しく、その後も定期的に検査を受けることになりました。 半年に一度のペースで実施された発達検査1歳半で要経過観察になって以降、半年に一度のペースで「遠城寺式 乳幼児分析的発達検査」という検査をおこないました。定期的におこなうことで前回と比べることもでき、先生が子どもの様子を見ることで発達具合もわかるようです。 この検査は先生と個室でおこなわれ、指示にきちんと従えるか、言われたことがどこまでできるかはもちろん、子どもの様子や理解力なども確認されます。息子は3歳までこの検査を定期的におこないました。 発達障害と診断されたときは……実際に発達障害と診断されたのはかかりつけの小児科ではなく、その後リハビリに通うことも考慮して紹介された、リハビリテーション病院でした。小児科からの紹介状に、今までの検査結果が詳しく記されており、リハビリテーション病院では診察のみ。息子は「自閉症」の診断がつきました。 診断がつくまでの診察時間は約10分と、予想外の早さでした。その後、これからのリハビリについての説明や診断の理由などが詳しく説明されました。 発達障害の検査は大変そうと思われがちですが、私の場合はかかりつけの小児科が発達障害に詳しい病院だったので、スムーズに診断がつきました。難しいことはあまり考えず、少しでも気になることがあれば、発達障害に詳しい小児科や市の保健センターに相談してみるといいと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:前田奈々自閉症の長男、次男の二児の母。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
2019年11月01日私の息子は3歳半健診で、「発達障害の疑いがある」と診断されました。結果的に、その一年後の健診で「発達障害ではない」と診断されましたが、息子の幼過ぎる行動を見るたびに、発達障害と親のしつけについて考えさせられた私の体験談をお伝えします。 3歳半健診で色が答えられない私の夫は外国人で、私たち家族は長い期間を国外で過ごしています。息子の周りで日本語を話すのは私だけでした。 あれは日本に帰国し、3歳半健診を受けたときのことです。「この色は何?」という質問に、息子は答えられませんでした。私は相談室に入り、医師に「息子は日本語が苦手なだけです」と話をしました。その後も、さまざまなテストを受け、できることもあればできないこともありましたが、最終的には「発達障害の疑いがある。様子を見ましょう」と医師に言われてしまいました。 発達障害? 親のしつけのせい?息子はレゴブロックを組み立てたり、本の内容を覚えたりする点ではほかの子よりも優れているところもありました。そのため、息子が店で走り出したり、大声で怒り出して止まらなくなったりしても、手のかかる子だと思う程度でした。 ところが周りからは、私の息子への対応が甘過ぎる、しつけが悪いと言われることもありました。そう指摘され、息子に厳しく接することも。そのため、3歳半健診で「発達障害の疑いがある」と言われたとき、「本当に発達障害かもしれない」という思いと、「いや違う、私のしつけのせいだ」という思いから毎日悩みました。 息子の個性と親のしつけを考える 一年後の健診で、息子は「発達障害ではない」との診断を受けました。テスト結果は、同年代より優れている部分と劣っている部分の両方がありましたが、普段の生活でも、ほかの子より優れている部分と劣っている部分の差が大きい息子。以前は、その劣っている部分を直そうと、厳しくしつけをしていました。 私はその視点を変えることにしました。周りからのプレッシャーもありましたが、今は息子の個性を大事にして、優れている部分を伸ばそうと考えています。 息子は、いまだに幼い子のように自分の感情を強く出します。それは、のちに発達障害と診断されることになるかもしれません。でも、私には息子の優れた部分もきちんと見えています。今はその個性を大切にしたいと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。イラスト:imasaku著者:シュストルじゅんこ二児の母。海外で結婚し、2人の男の子を妊娠・出産。異文化を楽しみながら子育てをしている。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。 ✿❀ベビカレ秋のマンガ祭り❀✿大好評のマンガ記事を増量してお届けする期間限定“マンガ祭り”開催中! 人気レギュラー連載10作品に加え、新たにゲスト連載8作品が登場♪ 育児や家事、仕事などの合間の息抜きタイムにどうぞ♡
2019年11月01日自閉症に特徴的な3つの症状自閉症とは、現在は自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)と呼ばれることが多い、先天的な発達障害の一つで、社会性と対人関係の障害、コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りの3つの症状が発達段階で現れるといわれています。今回のコラムでは、この3つの症状について具体的にみていきましょう。出典 : 社会性・対人関係の障害自閉症のある人は、対人関係を築くことが苦手な場合が多いです。社会性・対人関係の障害として具体的な特徴は、・視線を合わせることができない・周囲に関心がないように見える・相手の気持ちが分からない・その場の空気が読めないなどが挙げられます。自閉症のある人は、会話をしているとき等でも目を合わせることが苦手な場合が多くあります。無理に視線を合わせようとすると落ち着きがなくなったり、パニックになってしまうこともあります。このような症状から、対人関係が苦手だと受け止められてしまいます。コミュニケーションや言葉の発達の遅れ自閉症があると、コミュニケーションや言葉の発達が遅れる傾向があります。具体的な特徴としては、・言葉を話すのが他の子どもと比べて遅い・人の話したことをオウム返しする・抽象的な言葉・比喩や皮肉の意味を理解できない・呼んでも反応しない・自分の話したいことだけ一方的に話すなどが挙げられます。自閉症がある人は、言葉を話し始めるのが遅く、言葉の意味を理解するのが困難な場合もあります。言葉を話し始めても、意味のある言葉で会話をするのではなく、誰かの言葉をオウム返しし続ける場合も少なくありません。相手に自分の気持ちがうまく伝わらず、暴れてしまうこともありますが、適切に対応をしていれば成長と共に落ち着いてきます。行動と興味の偏り自閉症のある人は、ある一定の行動をとる傾向があります。行動と興味の偏りについての具体的な特徴としては、・落ち着きがなく、手を動かしたり、部屋の中を行ったり来たりする・毎日決まった行動をし、予定外の行動は取れない・1つのものに執着する・自分の興味があるものに対して、とても執着する・予定外のできごと・初めての人/場所/活動などに抵抗を示すなどが挙げられます。自閉症のある人は、自分の興味のあることに対してとことん熱中する傾向があります。そのため、自分の興味のある物事をとことん調べ、誰も教えていないのに専門家顔負けの知識を持っている人も珍しくありません。自閉症をもっと詳しく知るリンク集「もしかして自閉症?」お子さんの発達等について、気になる症状があるときには、次のコラムが参考になります。自閉症の症状は、お子さんの年齢・発達によって目立つ症状が変わってきます。年齢別の症状について詳しくは次のコラムでご紹介しています。その他にも、自閉症に関連するコラムを出しています。ぜひ参考にしてみてください。
2019年10月28日年齢別に見た自閉症の症状の現れ方とは?出典 : 自閉症(自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD))は、先天的な発達障害の一つです。社会性と対人関係の障害、コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りの3つの特徴が発達段階で現れると言われていますが、その症状は成長とともに変化していきます。自閉症の症状は人によって個人差が大きいのですが、大まかな年代別の症状を紹介します。なお、これらの症状は、すべてがあてはまるわけではなく、現れ方は人によって異なります。幼児期(0歳~小学校就学前)自閉症は発達障害の一つですが、発達障害は、言語・認知・学習といった発達領域が未発達の乳児の場合、症状が分かりにくいことがあります。ですから、生後すぐに自閉症の診断がでることはありません。しかし、幼児期全体を通してみると、特徴的な行動をとっていたことが多いと言われています。以下にそれらの症状を紹介します。自閉症がある場合、視線を合わせようとしないことが多くあります。また他の子どもに興味をもたなかったり、名前を呼んでも振り返らないといった場面も目立ちます。定型発達の子が興味をあるものを指でさして示すのに対し、自閉症の子は指さしをせず興味を伝えない傾向があります。知的障害を伴う自閉症のある幼児は、言葉の遅れや、オウム返しなどの特徴がみられます。会話においては、一方的に言いたいことだけを言ってしまったり、質問に対してうまく答えられないなどの特徴があります。定型発達の子どもが友達とのごっこ遊びを好むのに対し、自閉症の子は集団での遊びにあまり興味を示さないことも多くあります。興味をもつことに対して、同じ質問を何度もする子どもも多くいます。また、日常生活においてさまざまなこだわりをもっていることが多く、ものごとの手順が変わると混乱してしまうこともあります。児童期(小学校就学~卒業)年齢相応の友人関係がもてない場合があります。周囲の状況にかかわらず、自分が好きなことを好きなようにしてしまう傾向があります。人と関わるときは何かしてほしいことがあるときなだけのことが多く、基本的に1人遊びを好みます。人の気持ちや意図を汲み取ることを苦手とする子どもも多くいます。きちんと決められたルールを好み、場面に応じて臨機応変に対応することが苦手な傾向にあります。言葉をうまく扱うことが難しく、単語を覚えても意味を理解できない場合があります。また、自分の気持ちや他人の気持ちを言葉にしたり、想像したりすることも苦手です。そのため説明がうまくできないことがあります。思春期~成人期(小学校卒業~)出典 : 抑揚がない、不自然な話し方が目立つ場合があります。コミュニケーション能力が乏しく、人が何を考えているのかなどを想像するのも苦手な傾向にあると言われています。目的のない会話をするのを難しく感じる人が多いです。自閉症の人は物事に強いこだわりをもっています。そのため、興味のあることにとことん没頭することが多いですし、その分野で大きな成果をあげられることもあります。自閉症についてもっと詳しく知るリンク集「もしかして自閉症?」お子さんの発達等について、気になる症状があるときには、次のコラムが参考になります。自閉症がある人には、「社会性と対人関係の障害」「コミュニケーションや言葉の発達の遅れ」「行動や興味の偏り」の3つの症状が発達段階で現れます。具体的にどんな言動として現れるのかについては、次のコラムが参考になります。その他にも、自閉症に関連するコラムを出しています。ぜひ参考にしてみてください。
2019年10月28日発達障害を知ろうとするほど落ち込んだ時期Upload By かなしろにゃんこ。息子にADHDと広汎性発達障害があると分かったのは、小4のときでした。その後、発達障害を理解しようと専門書を読んだり、当事者のブログを読んだりして勉強すればするほど落ち込んでいく時期がありました。子どもが発達障害だと理解して受け入れるのは時間がかかります。息子が中学生になって気のあう仲間ができ、毎日明るく過ごすようになった2年生くらいの頃でしょうか。毎日楽しそうに過ごす息子の姿を見ているうち、「子どもが発達障害でもそうでなくてもどうでもいい!楽しく生きていければいい!」と思えるようになったのです。それからは、だんだんと発達障害であることにあまり悩まなくなっていきました。Upload By かなしろにゃんこ。理解が得られず、感じた孤独...それまでの息子は、特性が原因で周りとうまくいかないことが多くありました。トラブルがあるたびに落ち込み、親子で苦しんでいる時期は、まだ息子の障害を受け入れることができなかったんだと思います。受け入れられるようになってからは、同年代の子が普通にできることができなくても「仕方がないか、ははは、じゃあどうしたらできるようになるかな~?」と落ち込まないで前向きに考えていけるようになっていきました。我が子が理想より遠く、期待することがほとんどできない!そして発達障害は治すものでも治るものでもない…。Upload By かなしろにゃんこ。定型発達児のようになってほしいという思いを諦める必要があります。一番苦しいのは受け入れるまでの過程です。問題になったできごとや失敗から一つひとつ子どもが何ができないかを知っていく過程がツライんだと思うんです。同時に、夫に話しても両親に話してもママ友に話してもなかなか理解が得られずに、孤独になってしまうということも、ありがちです。「考えすぎないで気楽にやりましょう!」といわれても、そのころの私には無理でした。折角向けてくれた慰めも励ましも労りも心に響かないのです。それくらいに落ち込んでしまうんですよね。Upload By かなしろにゃんこ。私は子どもが発達障害の診断を受けたクリニックで実施しているペアレント・トレーニングを受けて、育てにくい子の接し方を教えてもらったことで、”子どもができないことはなんなのか、逆にできることは何か!?”を知ることや、子どもに期待しすぎないで子育てすることなどを教えてもらい、親子関係を取り戻していきました。それでもペアレント・トレーニングを受けはじめたころはまだまだ精神状態が不安定でした。母親の心のケアが先!臨床心理士の先生の言葉に目からウロコUpload By かなしろにゃんこ。そのころNPO法人えじそんくらぶ代表、臨床心理士で著書を多数ご執筆されている高山恵子先生の、発達障害の子どもの子育てについて対談をさせていただいたことがあります。そのときに教えてもらったことが印象的でした。・母親が鬱などになると発達障害の子の子育ては困難になってしまう、子どもの療育よりも母親自身の心と体を労わってあげて元気を取り戻すべき!・ブログ(SNSなどでも)で日頃のストレスを吐き出すように思いを綴ってスッキリするのも良い。母親が元気になるのが最優先事項であるとおっしゃっていました。もしPTA活動などでメンタルが弱るようなことがあるのなら、PTA活動には参加しなくてよい!というお話も出て、目からウロコでした。私は、母親は発達障害の子どもを生んだからには自分のことは後回しに頑張って生きなきゃいけないような気がしていました。でも、母親あっての子育てです。自分のことを優先にしていいんだ!ということも驚きでした。Upload By かなしろにゃんこ。PTA活動も参加したほうが学校での子どもの様子が見られていいかな?と考えていたけれど、PTA活動の仕事が負担になって子どもとの時間が削られることもあったし、真面目に参加しなくては!と責任を感じていたこともありました。思いきってやらない!という選択もしていいんだ!と思いました。ボランティア活動は自分に余裕があってするものですもんネ♡私も私のことを大事にしよう!そんなふうに思えました。子どものことも大切だけれど、自分のことも大切にしていいんだって気がついたのでした♡法人えじそんくらぶ自分なりのリフレッシュ方法で、心の元気を保とうUpload By かなしろにゃんこ。いろんなことでクヨクヨ悩みがちだった私は、頭も心も疲れてしまったら、散歩中などに瞑想をして脳をリフレッシュしていました。続けているうちに、悩みごとで頭の中が占められてしまっている状態が少なくなっていき、心が穏やかになっていくと同時に、物事を多面的に捉えられるように意識が変わっていきました。さまざまなトラブルを俯瞰してみられるようになることで、悩むこともぐんと減っていきました。頭がリフレッシュすると子どもにも優しく接することができるようになります!そうすると、子育ても楽しいな♡と感じますよね。慣れると瞑想は歩きながらや、家事をしながらでも簡単にできるようになってきました。視野が狭くなってるなって感じるとき、忙しいときこそ、瞑想をするように心がけています。私の場合は瞑想ですが、コンサートに行ったりスポーツ観戦をしたりと趣味の時間を楽しく過ごして元気なママでいることが子どもにもいいんだと思います。ごはんの仕度も毎日きちんとやらなくたっていいと思っています。日本のお母さんは頑張りすぎ!食育にこだわるのも大事ですが365日中、端数の65日はサボって楽したらいいと思ってます♡Upload By かなしろにゃんこ。
2019年10月23日【映画】ADHDの監督が撮り続けた、 発達障害の叔父の3年間ーー映画『だってしょうがないじゃない』Upload By 発達ナビニュース映画監督の坪田義史さんが、発達障害のある親類のまことさんに会いに行き、その生活を撮影して完成された本作。監督の坪田さんご本人も、まことさんに初めて会ったときには鬱や不眠に悩み、さらにADHDの診断を受けたばかりと、精神的な不調が続いていた時期だったそう。そんな坪田監督が撮影を通して交流するまことさんは、長年に渡り母と2人暮らしをしており、母の他界後は障害年金を受給し、さまざまな福祉サービスも利用しながら一人暮らしを続けています。その様子から、障害のある人の「親なきあと」の生活についての問題や自己決定のあり方について、改めて考えさせられる映画です。「発達障害を生き抜く為には、誰もが自分らしくいられる社会が必要です。 本作『だってしょうがないじゃない』は、今後の上映活動を通して、見た目では分かりづらい発達障害の「社会的受容性」への契機にしていきたいと考えています」とコメントしている坪田監督。自身も発達障害当事者である坪田監督が撮り続けたまことさんとの3年間は、当事者の生活をありのままに伝えながら、社会の側がどうあるべきかも考えるきっかけを与えてくれそうです。『だってしょうがないじゃない』上映情報【公開日】2019年11月2日(土)【上映館】ポレポレ東中野 他全国の映画館にて順次公開予定※詳しくは公式サイトをご確認ください。映画『だってしょうがないじゃない』 | 公式サイト【イベント】体験しながら最新の情報を学ぼう!「国立特別支援教育総合研究所公開」(神奈川県)Upload By 発達ナビニュース特別支援教育に関する研究や、特別支援教育関係職員に対する研修などを行う「国立特別支援教育総合研究所」の公開イベントが開催されます。イベントでは、障害のある子ども向けの教育支援機器や発達障害のある子どもの教育に活用できる教材などの展示や実演、障害種別ごとの教育上の配慮についての体験型展示、最新の研究内容の紹介など多数の催しが予定されています。また講演会では、2020年のパラリンピックの正式種目「ゴールボール」の強化指定選手である信沢用秀さんによる障害者スポーツに関するお話を聞くことができます。ゴールボールを信沢さんの指導のもと実際に体験できるコーナーも!さらに、特別支援学校生徒によるあん摩マッサージ体験や、就労継続支援B型事業所によるパンやカレーの出張販売など、障害のある人の活動を知ることができる企画も盛りだくさんです。支援に関わる人も保護者も、特別支援教育に関する最新の情報や学びの工夫を、体験しながらたくさん学べる1日となりそうです。【日時】2019年11月16日(土)9:30-16:00(15:00受付終了)【場所】独立行政法人国立特別支援教育総合研究所(神奈川県横須賀市野比5-1-1)【入場料】無料(事前申し込み不要)令和元年度研究所公開の開催について | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所【セミナー】専門家や当事者が登壇する、NHKハートフォーラム公開セミナー「子どもの発達障害〜課題解決へのヒントを探る~」(大阪府)発達障害を多くの人に知ってもらい、共に暮らすために何が必要かを考えるきっかけになるように、NHKが取り組んでいる「発達障害って何だろう」をテーマとしたキャンペーン。その企画として、10月28日からの1週間を中心にバラエティーからニュースまでさまざまな番組の中で発達障害について考えていく「公共メディアキャンペーン~秋の特集ウィーク~」が展開されます。キャンペーンと連動して開催される今回のセミナーには、信州大学医学部教授の本田秀夫先生や高校生当事者が登壇。発達障害がある子どもが自信を失ったり友達関係で悩んだりしたときに、家族や支援者はどのようなことに留意しながら当事者を支えていけばいいのか等の課題解決のヒントを探るお話を聞くことができます。特集ウィークの中で発達障害について取り上げたNHKの番組の一部と、そこに寄せられた反響をもとにした“番組担当者からの深堀り情報”を交えた内容も予定されています。【日時】2019年11月4日(月・祝)開場12:00 開演13:00 終演16:30予定※途中休憩あり【会場】NHK大阪ホール(大阪市中央区大手前4-1-20NHK大阪放送会館内)【入場料】無料【定員】1300名 ※応募フォームから事前申し込みが必要【主催】NHK厚生文化事業団NHKハートフォーラム「子どもの発達障害~課題解決へのヒントを探る~」(大阪) | NHK厚生文化事業団
2019年10月17日小学1年生、最初は順調。小学校に入学してから、毎日出るようになった宿題。小学1年生時は、通常学級に在籍していた娘。この頃は内容も簡単で量も少なく、帰宅後に宿題の時間を取り、横について見るというやり方で何とかなっていました。Upload By SAKURA簡単に解けるというのもあって娘も達成感があり、自分からすすんで宿題に取り組み、楽しそうにしていました。入学前は宿題のことが心配でしたが、出だしは順調。1年生も後半になると、少しずつ内容も難しくなり、量も多くなっていきましたが、それでも娘は頑張ってみんなと同じ量の宿題を全部終わらせ、忘れずに提出していました。小学2年生、やる気ダウン…イライラアップ。小学2年生になり、娘は特別支援学級の在籍になりました。宿題はこれまで通り、通常学級のみんなと同じ内容で同じ量をやっていました。ところが、だんだんと今までのように短時間で終わらなくなり、娘の宿題に対するやる気も少しずつ減っていきました。Upload By SAKURA答えの間違いを指摘されると、イライラして、わざと汚い字を書いたり…。娘の自我の成長も重なってか、間違ったのを私のせいにしたり、解けないことで癇癪を起こしたりするようになりました。母子の関係が悪くなり、悩み始めたこの頃、娘は放課後等デイサービスに通所しはじめました。小学3年生、みんなと差が開き始めた。放課後等デイサービスに通い始めてからは、娘は宿題のほとんどを施設で終わらせてくるようになりました。私は穏やかに家で過ごす娘を見て、安心していました。しかし、小学3年生になってしばらくした頃から宿題の量はさらに増え、かかる時間もどんどん増えていき...Upload By SAKURAあまりの多さに宿題の量に疑問を抱いたことも多々ありましたが、周りに確認してみても、みんなきちんとこなしてきているよう…私が「遊ばせてあげたい」と思うことは、間違っているのだろうか。「もっと娘にも頑張らせなければいけないのか…?」と、不本意な焦りを感じました。しかし、私が焦っても娘は変わりません。娘の宿題に取り組む姿勢は、どんどん悪化していきました。Upload By SAKURA放課後等デイサービスでの過ごし方が変わった。さらに週に2回、6時間目まで授業が入るようになったことで、6時間目がある日は放課後等デイサービスで1時間半しか過ごすことができなくなりました。そして、滞在時間のほとんどを宿題をして過ごさなければならなくなり、遊べる時間が取れないことがさらなるストレスに...Upload By SAKURA何とかしてあげたいと思い、お迎えの時間をずらしましたが、上手くはいきませんでした。お迎え時、不機嫌な娘をなだめながら車に乗せる…ということが続いていました。「宿題」が不安の種に。その頃から、娘は毎朝学校へ行く前に、その日の宿題を気にかけるようになりました。Upload By SAKURA頑張っても宿題が終わらない、放課後等デイサービスでの時間も楽しく過ごせない...娘はストレスから不安定になり、日常のちょっとしたことでも泣き出すようになりました。Upload By SAKURAこのままではいけない!しかし、どうするべきか...私は決められず悩んでいました。次回に続く...
2019年10月09日娘の同級生のお母さんとの会話から娘が高校3年生の時のことUpload By 荒木まち子当時、我が家では子どもの通院や入院の保険は親の生命保険に家族特約を付けて補っていました。個人賠償責任保険(他人を怪我させてしまったり、他人の物を壊してしまったりしたときの補償)は自動車保険に個人賠償責任特約を付けてカバーしていました。また学資保険にも加入していたので、我が家は娘が未成年の間は娘自身が保険に入る必要はないと考えていました。娘が19歳の時娘が就職して2年目。前の年に比べ勤務状況も安定し、毎月の収支の目途が立ちやすくなってきたので、私達は保険の資料を集め始めました。Upload By 荒木まち子知的障害や発達障害、ダウン症やてんかんがあっても加入できる保険届いたパンフレットによると保険の保障内容には死亡や入院、通院、個人賠償責任保険の他に権利擁護費用保険(※)が含まれていました。(※)法律相談費用、弁護士委任費用、弁護士接費用同封されていた支払い事例集には「病気やケガによる支払い」の他に「いじめやパワハラの相談」「携帯電話などの購入などに関する相談」「痴漢と誤解されたときの相談費用の支払い」のなどが具体的な事例が記載されていました。Upload By 荒木まち子資料を見て安心した娘は、その後しばらく申込書を放置していました。20歳になってしばらくして娘が血相を変えて会社から帰って来ました。Upload By 荒木まち子社会人になり行動範囲が広くなった娘は、一人での外出の機会も増えました。今回のようなケースに限らず娘は今後、さまざまなアクシデントに遭遇することでしょう。娘は押しの強い相手に言い返すことができません。強引な勧誘や詐欺など、相手が悪意を持って接してきた場合、それを上手くかわすことは難しいということは娘自身も十分自覚しています。娘は他人に危害を加えるタイプではありません。また小さいころに比べ近ごろは大きな怪我や病気をすることもなくなっていたので、娘は保険に対してのんびり構えていたようです。しかしながら今回のことで「やはり自分には保険(特に権利擁護費用保険)は必要」と思ったようです。娘は埋もれていた資料を引っ張り出してきて、自分の給与で無理なく保険料が払えそうな補償プランを選び、申し込みをしました。ニーズに合った保険を探す最近は自転車損害賠償責任保険加入を義務化する地域、自治体も増えてきています。令和2年には新たに知的障害・発達障害等のある人とその家族向けのがん保険(※)の販売も予定されているようです。(※)特徴としては①保険に加入する際に、知的障害等の治療に関する告知が不要。②家族ががんの重度状態(StageⅣ)となった場合に、知的障害等のある人を被後見人とした成年後見制度を利用するための費用を補償する「がん成年後見費用等補償特約」をセットできる。子どもや親の年齢、子どもの障害の種類や特性、行動範囲などによって必要な保険は違ってきます。これからもアンテナを張って最新の情報を集め、自分達に合った保険選びをしていこうと思います。参考:神奈川県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例 | 神奈川県
2019年10月03日