年間12万件を超える“人工妊娠中絶”。知っておきたい、自分の身を守る新しい選択肢とは
性教育などを行うNPO法人ピルコン理事長の染矢明日香さんは次のように語る。
「私自身、大学時代に中絶を経験し、いかに自分が避妊について無知だったかを痛感しました。正しい性の知識を得ることの大切さを認識し、それがピルコンの活動の原点になっています」
思いがけない妊娠を防ぐため、覚えておきたいのが、緊急避妊薬(アフターピル)。性交後72時間以内に服用すれば高い確率で妊娠を阻止できる。医師の診察不要で薬局等で安価に購入できる国は多いが、日本では医師の処方箋が必要な上、1万円以上かかることも。薬の存在を知っていても、価格や受診がハードルになり入手できないという女性も多いのが現実。
「予期せぬ妊娠の背景には、性教育の遅れだけでなく、緊急避妊薬の入手のしにくさも関係している」と染矢さんは言う。産婦人科医らと共に「#緊急避妊薬を薬局で」プロジェクトを推進し、女性が緊急避妊薬を迅速に購入できるようにするための政策提言も行っているがまだ実現には至っていない。
「中絶に関しても身体への負担が大きい、古い手術法がまだ行われていて、普段の避妊法の選択肢が少ない上に高額など、SRHR(性と生殖に関する健康と権利)