おばたのお兄さん「精液検査を渋るのはナンセンス」 夫婦で取り組んだ不妊治療
先が見えない状況の中で心掛けていたことは?
おばた:僕にとって一番大事なのは妻の健康や、彼女と共に過ごす時間。“子供を授かることができなかったとしても、二人の人生が楽しければそれでいい”という僕の気持ちは常々伝えていました。流産の時はかなりショックを受けていたので、少しでも気持ちを和らげたくてサプライズで靴をプレゼントしました。“私のことを考えてくれているんだな”って感じてもらうことで、つらい記憶を少しでも上書きできたらいいなって。
高尾:そうだったのですね。妊活中の女性は、生活の中で様々な努力をしています。だからこそ、パートナーとの熱量や思いに差を感じると、大きなショックを受けてしまうこともあるんです。
おばた:僕は仕事の都合でクリニックに一緒に行けないことが多かったので、その分、「今日の診察どうだった?」ってこちらから聞いたり。
一緒に取り組む姿勢を示すことは、妻を孤独にしないためにも大切だと思っていました。
――女性は不妊治療にトライしたくても、男性が楽観視していたりして、治療にすら至らないカップルもいるようですが…。高尾:まず男性側が現実を知らない可能性もあります。たとえば、“20代であっても、一周期あたり自然妊娠する確率は約2割”といったデータを知ると、認識が変わるかもしれません。