日本人女性がかかる割合は9人に1人!? 乳がんの基礎知識を医師が解説
という臓器にできる。その乳腺は、乳管と小葉から成り、がんの多くは乳管から発生して広がったり、転移したりする。
「つまり、乳腺があるところはがんができる可能性のあるところ。比較的多いのは、乳房の外側上部、その次に内側の鎖骨に近いあたりです。稀にですが、乳房だけではなく腋の下にも乳腺がある人もいるので、セルフチェックのときは腋のあたりまで触ってみるといいですよ」(島田先生)
乳腺は授乳期にしか働かない臓器なので、がんになっても症状があらわれにくい。ただ、体の表面に近い場所にある臓器なので、触診やセルフチェックでしこりを見つけられるのも乳がんの特徴。ほかのがんと違いセルフチェックが推奨されるのはそのためだ。
【乳腺】胸の中の臓器で、乳がんはここに発生する。
乳汁をつくる小葉と、乳汁を通す乳管から成り、乳頭から放射状に広がって並んでいる。乳汁は乳管を通って乳管洞という乳頭に近い部分に溜まり、乳頭から分泌される仕組み。授乳期間には乳腺が膨らんで発達し、胸の張りを感じることも。【脂肪組織】乳腺を守る役割がある脂肪組織。乳腺の発達する思春期に増えていく。量は人それぞれで、脂肪の量が胸の大きさの違いにもなる。