香水で、意志を纏う。金木犀が香る「The PERFUME OIL FACTORY 」No.10
だらしなく続いている人生に無意識のうちにつけてきた目印は、おもいのほか「今のわたし」を知るのに役に立つようだ。
……と、長々と金木犀の魅力を語ってしまったけれど、昨年そんな金木犀の香りを忠実に再現した香水を、ついに見つけた。
■The PERFUME OIL FACTORYのNO.10
金木犀を謳った香水は多いけれど、これほどまでに忠実に再現されている(と感じた)香水には、はじめて出会った。「The PERFUME OIL FACTORY」というオイルパフューム専門ブランドの、“10番”だ。
トップにオスマンサス(金木犀)が使われているので、つけた瞬間、金木犀の香りがぶわっと広がる。ポメグラネート(ざくろのこと)・ブラックベリの甘酸っぱさが加わり、追いかけるようにミドルにカメリアやヒアシンスの艶やかな香りが広がる。それらを支えるベースは、ムスクとアンバーグリス(なんと、マッコウクジラの腸内に発生する結石!)で、身体にぴったり馴染むようなやさしさがある。
全体的に甘めではあるが、バニラやココナッツといったお菓子のような甘さではなく、やわらかな記憶のような甘さ。
アルコールと水を一切使用していない、オイルパフュームの特徴も相まって、しっとり静かに香るようなさりげなさがあり、とても気に入っている。