この違いをさまざまな目線から判断し、わかる身体の傾向が「体質」です。
「体質にあったものを使う」とは、つまり、身体に足りていなかったり、循環していなかったりする要素を補って巡らせてあげるということです。たとえば、「気」が足りない人には滋養強壮の働きがある、「気」を補う漢方薬を。一人ひとり違うお悩みや体質に寄り添ってアプローチを考えていきます。
――なるほど! この時期に多い体質はありますか?
暑い夏をなんとか乗り切ろうとすると、身体はエネルギーである「気」を消耗するので、エネルギー不足の「気虚」という状態に陥る方は多いですね。だるい、起きられない、落ち込み、疲れといった症状が現れやすいです。
――他の体質の注意点はありますか?
普段は体力に自信がある方でも、長時間の労働や睡眠の乱れ、寒暖差などの負担がかかると自律神経が乱れやすくなり、気の流れが滞った「気滞」という状態になります。
暑さで胃腸が弱り食欲がなくなってしまうという方は、身体の養分になる「血」を十分に作れなくなるので、「血虚」という状態になりやすくなります。
貧血、動悸、不眠、女性の方は月経トラブルなどの悪化の原因にもなります。