緊急避妊薬は、内服する方が『妊娠を希望しないという意志』を持って希望する薬なので、外来で処方する際も、早期に内服する方がいいという意味も含めて、その場でお水を渡して内服していただいています」
さらに山中医師は、医療機関の処方を受けていれば、万一、避けたかった妊娠という事態に直面した場合でも、その後の選択に対するサポートを適切なタイミングで受けられますと補足します。
■緊急避妊薬が存在する意義
山中医師によると、緊急避妊薬を年間に複数回服用する場合でも、身体に特別大きな負荷がかかることはないとのこと。ただし、妊娠を望まない中で避妊の手段を取れていない場合は、低用量ピルの服用を検討しても良いのではというご意見でした。筆者は体質的に血栓リスクを指摘され、低用量ピルを服用することができません。こういった場合、脱落や破れの可能性のあるコンドームでは完璧な避妊は望めません。場合によっては緊急避妊薬が必要なシーンもあったかもしれません。
今回は「自分で選ぶ避妊方法」という視点から本稿をまとめましたが、緊急避妊薬は、万一性被害に遭ってしまった場合に妊娠のリスクを避ける手段にもなります。
こういった事態は誰の身にもふりかかってほしくはありませんが、レイプキットと合わせて、被害に遭った際に頼れるものとして、知っておくと良いのではないでしょうか。