自費診療となるため、金額は処方を受ける医療機関やクリニックにより異なります。山中先生のクリニックでも処方を受け付けていて、診察と薬の代金を合わせた費用は約2.5万円です。
先月、都内のあるクリニックが日本では未承認の緊急避妊薬について、オンラインでの診察と処方を開始することがニュースとなりました。
この薬への容易なアクセスは女性の権利であるとし、市販化を支持する声もネット上には見られます。こういった事態に対して山中医師は、「緊急避妊薬は原則、診察を受けてから処方されるべき」との見方を示します。
「妊娠を回避する手段があることは広く知られるべきと考えます。一方で、副作用が出ることがあること、また服用に失敗した場合に対峙する出来事の大きさから、市場販売が開始され、個人が診察なしに緊急避妊薬を手に取り、服用することに懸念を抱いています。
例えば、男性が婦人科外来に来て、『パートナーに内服させるから処方してほしい』と言っても、当然のことながら処方することはありません。
それが悪用されるのを想定しているわけではありませんが、薬局やネットで販売されるということは、購入した人以外の人が内服する、あるいは内服させられる可能性もあるということになります。