連載記事:植物のおまもり
理想はケア要らずの体! フィトテラピー流、食事の流儀【植物のおまもり Vol.2】
植物の力は、私たちの元気ときれいにとってなくてはならない存在。その穏やかで頼もしい働きかけに、 “困った時のレスキュー” としてついつい頼ってしまいがちだけれど、その力を知れば知るほど思い至ることがあります。植物は決して魔法のような万能薬ではなくて、
ふだんの体作りこそが
元気ときれいの土台であり、そのことを大切にしている体にこそ、植物は最大限の力を貸してくれるのだと。
前回の「呼吸による十分な酸素の補給」に続いて、今回は細胞を元気にする両輪のもう一方となる
食事について、そして日々の食生活をサポートしてくれる「植物のおまもり」をご紹介いたします。
■長く食べ継がれてきた「旬の食材」を選ぶ
溢れかえる世界中の食べものに、新作が続々登場する美容・健康食品、多種多様なダイエット法や食事法。意識の高い人ほど惑い、「あれもこれも食べなくちゃ」「あれはダメ、これもダメ」と窮屈になったり、失敗したり続かなかったりすることが多いのではないでしょうか。
私自身、自然食を徹底していた母のもとで育ったものの、反動でジャンクフードを食べすぎて、体調を崩したことがあります。女性誌の美容担当になってからは「これは!」と思う食事法や美容・健康食品を積極的に試し、失敗や行き詰まりをくり返しながら“自分にとっての正解”を探しました。
同時に仕事を通して植物や自然の力を学び、心身の揺らぎに悩まされなくなった今、私の中で確かな指針はたったひとつ。“自分の住まう
風土で長く食べ継がれてきたものを選び、食べ方に倣う” という、とても当たり前のことでした。
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食事は体を作るとともに、体と外の環境を調和させるもの。そして、長く食べ継がれてきたものは体に消化・解毒システムが備わるため、内臓に過度な負担がかかることなく、効率よく栄養を摂取できます。すると体調を一定に保つホメオスタシスが安定し、免疫力が高まって、元気ときれいをキープしやすくなっていきます。それを踏まえ、私の食事の柱はこの2つ。
1)お米と味噌、出汁をベースに “旬の食材” をなるべく丸ごと、シンプルにいただく
2)食べたいものは我慢せず、“毒消し” で相殺する
1)の食べ方はアミノ酸のバランスがよく、旬の食材は栄養価とおいしさに優れているので、続けていると心身が落ち着いてきます。自分の体が喜ぶ食べもの、食べ方、食べる量が自然とわかるようになりましたし、本物の調味料でシンプルに味付けした料理は滋味深く、ひと口ずつ丁寧に噛み締めて味わうから唾液で消化が促進され、
胃腸がとても楽になりました。
■食材のマイナス面を打ち消す「植物のおまもり」
2)の “毒消し” というのは、ある食材のマイナス面を打ち消す食べ方で、これも昔から利用されてきた
“植物の知恵”。お寿司のわさび、お刺身の薬味などがわかりやすいでしょう。私は甘いものが大好きで、時々脂っこいものを食べすぎたり、お酒を飲みすぎることがありまして(同様の方、きっといらっしゃいますよね)、そのダメージが次の日に残らないよう、
常備しているものがいくつかあります。
次ページで、その
3つをご紹介します。