「腸活」の新事実! 腸の奥まで届いて、おなかもお肌も、免疫もととのえるスーパーフードとは
近年、女性の間で注目されている
「腸活」。腸をととのえて体の内側から健康、きれいを目指すために、あるいは家族の健康のために、日々の食事にヨーグルトや発酵食品を積極的に取り入れている女性は、少なくないかもしれません。
© Jonas Glaubitz
そんな話題の
「腸活」に、新展開。最新の研究で、驚きの事実が判明しました。
ここでは
「腸の奥からの健康を考える研究会」の座長をつとめる腸活のスペシャリスト、松井輝明教授に、妊活専門の栄養士として各方面で活躍する長有里子さんがインタビュー。
腸活の新事実から、いますぐ食事に取り入れたいスーパーフードの秘密に迫ります。
インタビュアー 長有里子(おさ・ゆりこ)さん
管理栄養士。食生活で妊娠しやすいカラダをつくる
「授かるごはん」講座主宰。
ダイエットレシピ本、雑誌やサイトの栄養監修などを手掛ける。39歳で体外受精を経験、40歳で第1子を出産した経験を活かし、現在は妊活専門の栄養士として多方面で活動中。
「大腸の奥のケア」が、腸活の新常識!
―長さん(以下割愛)近年、腸をととのえて健康を目指す
「腸活」がブームになっています。それに伴い、
「腸内フローラ」という言葉をよく見聞きするようになりましたが、そもそも
「腸内フローラ」とはなんですか?
(松井教授)腸内には、約1,000兆個もの腸内細菌が群生しながらすんでいます。その様子が花畑のようにみえることから、腸内細菌の集まりを
「腸内フローラ」と呼んでいます。
菌の種類もさまざまで、現段階では体によってよいはたらきをする
「善玉菌」、好ましくない
「悪玉菌」、その時々でよいほうにも、悪いほうにも傾く
「日和見菌」の大きく3つに分類されています。
では、単純に悪玉菌を減らせば健康になるのかというとそうでもなく、最近では日和見菌でも体によいはたらきをするケースがあることも、わかってきました。
さまざまな菌がバランスをとりあいながら元気にすんでいる、つまり腸内フローラが好バランスであることが、腸の健康、さらに全身の健康に大きくかかわっています。
―
「腸内フローラ」のバランスが、腸の健康のカギを握っているのですね。一般的に、整腸には食物繊維をたっぷり摂るとよいとされていますが、それは正しいですか?
(松井教授)食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。そのうち、水溶性食物繊維は腸にすむ善玉菌のエサになり、善玉菌を元気にする大切な栄養素です。しかし、そのほとんどは腸の入り口にすむ菌に食べられ、腸の奥までは届きづらいことがわかってきました。
―多くの水溶性食物繊維は腸の入り口で食べられてしまう、というのは新鮮な驚きです! では、腸の奥まで届かないと意味がないのでしょうか。
(松井教授)じつは、腸内細菌は腸のなかでもとりわけ大腸の奥のほうにたくさんすんでいるのです。
腸の健康を考えるうえで、腸の奥の腸内フローラのバランスを整えることが非常に大切です。
そこで、大腸の奥にたくさんいる菌たち(腸内フローラ)まできちんとエサを届けて元気にし、よいバランスにととのえることが、より効率よく腸を健康にする手段というのが、最新の研究から導き出した考え方です。