胃がんはバリウムより胃カメラ、がんの早期発見で知るべきこと
おもな検査は「胃部X線検査(バリウム検査)」か「胃内視鏡検査(胃カメラ)」のどちらかを選択する。
「胃がん患者の98%はピロリ菌の感染が原因です。採血や採尿などで感染の有無を調べ、感染していた場合には抗生物質で除菌することも重要です。バリウム検査は、X線画像に写る胃の粘膜の凹凸から病変を見つけます。これで手術可能な大きさまで進行した胃がんを見つけることはできますが、凹凸がない早期がんは盲点になりやすい。胃カメラは胃の内部の変化まで見られるため見落としが少ないのが特徴。早期の咽頭がんや食道がんが見つかることもあります」(中山医師)
厚生労働省の「地域保健・健康増進報告」によれば、’16年に新たに胃がんになった13万人のうち、自治体のバリウム検査で見つかったのはわずか4,500人。もはや時代にそぐわないようだ。
【子宮頸がん】「細胞診」の精度は高いがそれでも“見落とし”は2割
年間で約1万人が患者となり、3,000人近くが亡くなっている子宮頸がん。おもな検査となるのはブラシやヘラで子宮頸部の粘膜を採取して調べる「細胞診」だ。
「顕微鏡で採取した細胞を調べるため、有効性が高く、大規模な臨床研究でも『検診で死亡率が下がる』ことが判明しています」