2019年10月16日 11:00
1、2カ月のひきこもり繰り返す主婦 内閣府試算には含まれず
うちでは週3回、電話相談を実施していますが、川崎の事件前は年に1件あるかないか。しかし、事件後は、日に1〜2件は必ずかかってきます」
そう話すのは、ひきこもりの家族会「楽の会リーラ」を運営する事務局長の市川乙允さん。川崎の事件とは今年5月、川崎市で起きたひきこもりがちだった51歳男性による無差別殺傷事件だ。
「ひきこもっているせいで周囲から危ない人と思われる、自分も今後どうなるか心配など、不安を感じて電話してこられるのです」
電話相談では、とくに子どものころにいじめを受けた人からのひきこもり相談が多いという。
「45歳で専業主婦のSさんは、中1でいじめに遭って不登校になってから、3年間ずっとひきこもりでした。なんとか大学まで卒業しましたが、就職した会社でパワハラに遭い、再び1年ほど自宅にひきこもるようになったそうです」
その後、バイト程度ならできるまでに回復。しかし、仕事で人間関係のトラブルなどに遭い、過去にいじめに遭った体験がよみがえると、どうしても1〜2カ月、ひきこもってしまったという。「そうなると、就労したくても短期でパートを繰り返すしかありません。
とくに独身の女性は、頼れるのは親だけ。