2019年12月6日 11:00
2025年から始まる医療現場崩壊…輸血用血液は86万人分不足
河合さんが解説する。
「都市部ではベッド不足が深刻化する一方で、地方では人口減少により、医師や看護師だけでなく、患者数も不足し、病院が経営難に陥ることも想定されます。閉院する民間病院も出てくることでしょう。結果として地方でもベッド不足が広がります。また、’24年に、日本は全国民の3人に1人が65歳以上、6人に1人が75歳以上という超高齢者社会に。75歳以上になると大病を患う人は増え、1人あたりの医療費が74歳以下の5倍近くかかるというデータもあります。高齢者の増加で救急搬送が増えると、救急隊員の不足で、救急車がすぐに来ないという事態も起こりかねません」
’16年は通報から病院に搬送されるまでの平均時間は39分。これが1時間を超えることも覚悟しなければならなくなるようだ。
シミュレーションは終わらない。
《’27年5月。A子さんはステージ3の肺がんと診断され、すぐに開胸手術の必要があると言われた。しかし、執刀医が不足しているうえ、A子さんの前にも手術待ちの患者が大勢控え、輸血用の血液の確保にも時間がかかるため、手術は2カ月後になるという……》
河合さんが語る。
「高齢者が増えることで、手術やがん治療などに使用される輸血用血液の需要も高まります。