がんと付き合い8年 古村比呂の身に染みた“子どもたちの助け”
今後はやりたいことをやっていこうという前向きな気持ちです」
現在は、華やかなふんわりショートヘアで、はつらつとした印象の古村さん。初対面ではがんとは思えないほどだが、「髪はだいぶ伸びてきたんです。1年間の抗がん剤治療の副作用でまだ体のしびれや、物忘れなどの症状は残っています」と明かす。そして抗がん剤治療を乗り越えられた理由については、「なんといっても3人の息子の支えがあったから」だと、感慨深げに語ってくれた。
がん闘病がはじまったのは、次男・翔吾さん(26)の高校の卒業式目前のこと。古村さんは手術を控え、式には出席したものの、謝恩会への参加はかなわなかった。しかし後でママ友から、その場で翔吾さんが弾き語りで歌ったのが、かりゆし58の名曲『アンマー』だったと聞かされた。その夜、病室で“母のもとに生まれた幸せ”を歌ったその歌詞を反すうし、古村さんは涙が止まらなかったという。
母親の発病の時を多感な時期に迎え、進学や就職という人生の岐路に差し掛かりながらも、その闘病を支え続けた3人の息子たち。いまも同居する長男・拳人さん(27)は、病院に付き添い、主治医の説明を熱心にメモを取りながら聞いてくれたことも。