2023年6月2日 06:00
6月の湿気で梅雨型熱中症に!重症化すると脳の機能に後遺症が
汗をかいて体内の熱を下げる機能がうまく働いておらず、さらに湿度が高いと汗をかいても蒸発しにくくなります。そのため体内の熱の放散が少なくなり、体の中に熱がこもりやすくなるのです。また炎天下ではないから水分補給をする時季ではないと思っている人が多いことも影響しています」(谷口先生・以下同)
気温が上がりきらない6月でも、湿気のせいで“梅雨型熱中症”になってしまうことがある。暑くないからとつい水分補給を怠り、救急搬送されるケースが少なくない。
「気がかりなのが、3年にわたるコロナ禍で座ってする作業が多い、外に出る機会が少ないなどにより筋肉量が落ちていること。筋肉は体内の水分の4割を蓄えており、筋肉量の低下により、脱水症状になりやすくなります。またマスク習慣を続けている人も多く、のどの渇きを感じにくい、マスクをずらして飲み物を飲むのが面倒だ、などの理由から水分補給がおろそかになっています」
’22年には全国で1387人(6~9月)が熱中症で命を奪われた。それだけではなく、実は熱中症は後遺症も恐ろしいのだ。
「重度の熱中症でも、適切な処置をすることで命を落とすことは防げますが、後遺症が残ってしまうことが少なくありません。