【SNSで話題】出産時の「会陰切開」なぜ必要? 医師が明かした命に関わる“切実”な理由
基本的には分娩費の範囲内ですが、自費診療なので病院によっては会陰切開縫合術を別でプラスしているところもあるようです。病院によりますが、ホームページなどで見ると1万円程度だったりするので、それによって格段に変わることはなさそうです」
さらに、SNS上には会陰切開をすることについて、《日本は遅れてる》《医者はすぐ切りたがる》などのネガティブな意見が多く拡散されていた。宋先生は、これらは誤った情報だと指摘する。
「まず、日本は他国に比べて母体死亡率も新生児死亡率も非常に低く、出産において世界一安全な国といえます。避妊や中絶などに関しては遅れてる部分もあるかもしれませんが、お産に関して”遅れている”ということはありません。
また“切りたがる”というのも、切らなくても裂けないのなら、私たち医師は出産の後、『はい!傷、大丈夫ですね』と言ってそのまま終わりですが、切ったら綺麗に縫わないといけないから、その分手間がかかります。切った方がラクとか儲かるっていうことはありません」
会陰切開をする“必要”なく無傷で出産が行えるのが、医師にとっても理想的であることは確か。だが、会陰切開をしないことと母子の命を守ることとでは、圧倒的に後者が優先されるべきだろう。