【お医者さんに聞いてみよう!】Q:脳血管疾患・くも膜下出血後の片麻痺があります。改善する新しい治療法を紹介してほしい。
質問:脳血管疾患・くも膜下出血後の片麻痺があります。改善する新しい治療法を紹介してほしい。
私は2年前の2月、入浴中に倒れて病院へ運ばれ、脳血管疾患・くも膜下出血と診断され、緊急手術でクリッピング手術をしました。まだ、片麻痺が残り左手・左足がビリビリと痛み、ひどい時は杖が必要です。
2年の通院で痛みが軽くなりましたが、さらに改善したく食事療法や運動療法関連の本を読み努力しています。
新しい治療法があれば試したく、研究中のものでもいいので紹介してほしいです。
静岡県:ゆうママさん(41)
回答:「くも膜下出血」後の治療についてお答えします。
――脳卒中後の痛みについて
一昨年に脳血管疾患・くも膜下出血を患われ、クリッピング手術を受けられたということですね。
くも膜下出血は死に至る可能性もある怖い病気ですので、2年が経過して片麻痺が残り、左手足のビリビリとした痛みもあるということはお辛いでしょうが、自宅での生活が可能になったということは本当によかったと思います。
少し専門的なお話になりますが、経験されているくも膜下出血後の痛みは、中枢性の疼痛と呼ばれ、原因としては脊髄視床路(せきずいししょうろ)および大脳皮質への投射路と関係するものと考えられます。こういった痛みには従来の鎮痛薬やモルヒネなどは効きづらく、抗てんかん薬、抗うつ薬、バルビツール系などのお薬で効果があることがあります。
また、ペインクリニックなどで行っている局所麻酔薬の投与や、交感神経ブロックも効果を示すことがあります。加えて、自発性定常痛(特に刺激を加えなくても同じ部位に痛みがでるもの)に対しては、状況により「脳深部電気刺激療法」と呼ばれる治療法が適応となる場合もあります。この脳深部電気刺激療法とは、体内に電極を挿入し、特定の場所に弱い電流を流すことで痛みの緩和を目指すものです。完全に痛みがコントロールできることは少なく、また、入院して電極を埋め込むことや機器の操作が必要になってきますが、鎮痛薬を減らしたり、少しでも楽に生活したりするためには役に立つことがあります。