【お医者さんに聞いてみよう!】Q:C型肝炎の治療法で飲み薬を使う、メリット・デメリットを教えてください。
質問:C型肝炎の最近の治療法で飲み薬を使うものを見つけました。飲み薬を使う、メリット、デメリットを教えてください。
40歳女性、独身です。現在C型肝炎を患っています。ALT・AST共に、基準値範囲内で安定していて、普通の生活に支障はありません。
最近の治療法で、飲み薬を使うものを見つけました。少し調べましたが、専門的すぎて理解できませんでした。飲み薬を使う、メリット、デメリットを教えてください。
特に、副作用としてうつ病が発症するか否かが気になります。
東京都:ぴなぴなさん(40)
回答:「C型肝炎」治療の新薬についてお答えします。
――「インターフェロン」と新薬について
C型肝炎の治療に使われている、新しく発売された飲み薬について、興味を持たれているのですね。
まずは、従来の治療の柱であるインターフェロンについてご説明します。ご存じかと思いますが、C型肝炎の治療に使われてきたインターフェロンは注射薬でした。週1回の通院が必要で、患者さんへの負担は大きいものです。うつ病の副作用をご心配されているようですが、副作用としてうつ病が有名なのは、このインターフェロンになります。うつ病のほかにも、発熱、倦怠感、間質性肺炎を引き起こし、非常に有効な薬ではありますが、合わない患者さんも多くいました。
さて、新薬についてですが、飲み薬、という点がまず画期的なところです。C型肝炎ウイルスが増殖するために必要な酵素の働きを邪魔することで、C型肝炎ウイルスを抑える働きがあります。飲み薬のため、注射を打たれる恐怖感もなくなり、通院は治療開始から12週までは2週間に1回、それ以降は、4週間に1回、肝機能の検査のための通院となり、患者さんへの負担は大きく減ります。
新薬の第一弾は、アスナプレビルとダクラタスビルの2剤の組み合わせ(2014年9月に販売開始)です。国内での臨床試験では、6カ月この新薬を飲み続けた患者さんの84.7%でC型肝炎ウイルスが体内から消えた、という結果が出ています。さらにすごいことは、この中にインターフェロンが効かなかった患者さんも含まれていたことです。