2024年2月22日 09:30
心の不調を予防する「メンタル保健室」2024年2月に開設 ~桂乃貴メンタルヘルスケア株式会社 代表 渡部貴子氏~
へと舵を切ることにしたのだ。
実は、訪問看護ではベテランで、大方のことを経験してきた渡部氏だが、過去には苦い思い出もある。
「精神科の患者に対して、何もできなかった……それどころか実際に会うまでは『簡単にケアできるのではないか』という過信をしていたのです」
「精神科認定看護師」という国家資格がある。渡部氏は仕事をしながら学び直し、2年かけて取得した。全国で有資格者は800人程度。そのほとんどが病院所属だ。通院できず地域で困っている患者や、リスクのある未病の状態では到底届かない。
精神科と一口に言っても、認知症のような高齢者から、メンタルケアを必要とする不登校の若者まで様々なケースがある。
ニーズは増える一方。渡部氏は、今では教育する側だ。
「精神科の看護できる看護師を増やしたい。日本の精神科医療は遅れています。国も勧めようとしていますが、医療報酬目当てに『拠点』だけを増やそうとする医療業界以外の参入も多い。けれど、必要なのはやっぱり『人』。場所が増えるだけではよくならず、かえって疲弊するだけです」
参入者が手を引いた後を引き受けてきた渡部氏の言葉は重い。
専門的な学び直しによって、「自信をもって精神科看護に当たれる人材」