2024年2月22日 09:30
心の不調を予防する「メンタル保健室」2024年2月に開設 ~桂乃貴メンタルヘルスケア株式会社 代表 渡部貴子氏~
捌くのは無理でした。当時は、経営のことなんて何も分からない、一介の看護師です。それでも、人に恵まれるタイプだから、助けてくれる人は必ず出てくる……やるしかないと思いました」
結果、友人の紹介の税理士に助けを得、時間のない中で法人登記を終えた。
だが、閉鎖が決まったクリニックをそのまま借りることはできない。幸い、何とか物件は見つかったが、今度はお金がない。自力で何とか資本をかき集めて、開設にこじつければ、「お金の心配はするな」と言っていたはずの元社長に危うく負債まで引き受けさせられかけた。これも税理士の助言で免れた。
「開設は忘れもしない2013年10月1日。
看護は一日も休めない為、引っ越しも同時でした。大変だったけれど、患者とスタッフは全員ついてきてくれました」
なかば強制的に始まった「場づくり」から10年たった今、社会もだいぶ様変わりした。訪問看護ステーションはすっかり増えて、定着を見せる。〇精神科の訪問看護と、「地域」の関わり
2023年8月に心機一転、渡部氏は会社名を「桂乃貴メンタルヘルスケア株式会社」と改めた。本当の意味での独立――「精神科の訪問看護」の質を高めると同時に、「メンタルヘルスケア活動の拡充」