【医師監修】妊娠中に高熱!おなかの赤ちゃんは大丈夫?市販薬はNG?
何らかの薬を服用している場合は、副作用でも発熱するケースがあります。高熱ではないものの、微熱や38度程度の熱が出る感染症もあります。代表的なのは、風疹や水ぼうそう、ノロウイルスなどです。サルモネラ菌や病原性大腸菌などの細菌性食中毒でも発熱します。
感染症や疾病のなかには、健康な状態なら軽症や無症状で済むタイプもあります。しかし、妊娠中は免疫力低下のため重症化するケースがあり、胎児にも悪影響を及ぼします。妊娠中はもちろん、妊活中から感染症予防を徹底しておきましょう。不活化ワクチン(ウイルスや細菌の感染能力をなくして免疫に必要な成分をワクチン化したもの)であるインフルエンザなどは妊娠中でも接種できますが、多くの感染症予防のワクチンは生ワクチン(ウイルスや細菌の毒性を弱めて病原性をなくしたものを原材料として作られたワクチン)であるため接種はできませんので、妊娠前に予防接種を受けておくことが重要です。
家庭内感染を防ぐために、家族にも予防接種をお願いしておきましょう。ウイルス性、細菌性食中毒による高熱を防ぐには、手洗いとうがいを徹底して、調理器具もしっかり消毒します。ほとんどの細菌やウイルスは熱に弱いです。生食はおこなわず、加熱調理を徹底しましょう。購入した食材も、なるべく短い期間で食べきるようにします。感染症予防は普段の生活の中で気を付けていかなければなりません。妊娠中にいきなり実践するより、妊活中から心がけて習慣化しておくと良いでしょう。
高熱が母体と胎児に及ぼす影響とは? 実は熱より心配なことがある!
妊婦以外の健康な人の場合、一般的には41度未満の高熱なら、熱による体への影響はないとされています。
熱自体が体に悪影響を及ぼすのは41.5度以上です。ただ、妊娠中はつわりや胎児の成長による腰痛などがあり、体に疲れが出やすくなります。高熱によってエネルギーを消耗すると、体力も奪われます。大量に汗をかいて脱水症状になる可能性もあり、注意が必要です。感染症や疾病の種類によって、症状の現れ方はさまざまです。高熱による影響よりも、病気の症状そのものの方が体に及ぼす影響は大きいでしょう。
妊娠中、特に注意したい感染症について、母体と胎児に与える影響をそれぞれ紹介します。
妊婦がインフルエンザにかかると、合併症を起こしやすいといわれています。