母乳がドロドロになるって本当!?授乳中の揚げ物や甘いものはNG?【助産師が解説】
特に生後3週未満の児や早産児はカフェインの代謝が遅いためより少なめにしましょう。それ以降でしたら、1日1〜2杯程度のコーヒーを飲んでも影響は少ないといわれています。
アルコールと食事に含まれるアルコールの母乳への影響は?
アルコールは、分子が小さいために母乳中へ移行しやすいのですが、アルコール10g以下(ビール250ml、ワイン100ml、日本酒80ml)であれば問題ないとされています。アルコールは通常2〜2.5時間で血中から消失します。もし飲むのであれば、授乳したあとにほんの少量程度に留めておき、その後の授乳は3時間くらいあけると安心ですね。
しかし、アルコールの代謝は個人差があること、アルコールは母乳分泌抑制作用があるために、慢性的な飲酒は避けましょう。ノンアルコールのビールやカクテルなどもたくさん販売されています。食事やお菓子に含まれるアルコールに関しては、少量であり、加熱していればアルコール成分は飛んでいることもあるため、あまり気にされなくても大丈夫かと思います。
授乳中は、カロリー消費が多く通常よりプラスした栄養が必要です。寝不足や育児ストレスなど蓄積しやすい時期かと思います。食事制限によるストレスなく、美味しい食事やおやつで、毎日頑張っているママへのご褒美として、元気を回復させたいものですね。
<引用・参考文献>
日本ラクテーションコンサルタント協会第45回母乳育児支援学習会in東京
山本よし子「Q脂肪の多いものを食べると乳管がつまる?(母乳の生化学)」
日本ラクテーションコンサルタント協会第43回母乳育児支援学習会in東京
田中奈美「産後の母親の健康薬、食事、不妊治療など」
日本ラクテーションコンサルタント協会第39回母乳育児支援学習会in東京
齋藤朋子「母乳と薬剤〜とりあえず母乳はやめましょうと言わない支援者になろう〜」
監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀
2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。