新生児黄疸はなぜ起こる?自然に軽くなるものと増してしまうものがある?
光線療法だけでは十分な効果が期待できないと判断されると、交換輸血などをおこない、核黄疸を防ぐ治療がおこなわれます。気になる症状があるときは、スタッフに相談してみましょう。
黄疸が長引きやすい母乳性黄疸
母乳が原因の黄疸は、母乳性黄疸といいます。母乳には、不足しがちなミネラルやたんぱく質などの栄養が豊富で、赤ちゃんの免疫機能をサポートして感染症のリスクを低下させる働きがあります。
ただ、母乳には遊離脂肪酸という物質も多く含まれていて、その遊離脂肪酸がビリルビンの代謝を妨げてしまうことが母乳性黄疸の原因と言われており、黄疸を長引かせます。
母乳を栄養補給のメインとしている赤ちゃんの場合、生後1カ月を過ぎても黄疸が続くことがあり、心配される方も多いと思います。そのまま母乳を続けていても生後2カ月ごろには自然になくなり、それが原因で核黄疸になることはありません。しかし、その他の疾患が隠されていることもあるため、黄疸が長引くときや気になる症状がある場合は、産婦人科や小児科などで相談してみましょう。
まとめ
生まれてきた赤ちゃんに見られる黄疸は、生後間もない期間に現れるケースがほとんどですが、なんらかの疾患や母乳の影響で黄疸の症状が続くことがあります。日本人はもともと黄色人種なので、皮膚の変化に気がつきにくいかもしれません。しかし、黄疸の特徴である白目の部分や肌の黄色みの変化、元気がないなど、気になる症状がある場合は病院を受診しましょう。
監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生
愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。