子育て情報『実は「3歳児神話」に根拠はありません!子どものために、もっと大事なこととは?【3児ママ小児科医】』

実は「3歳児神話」に根拠はありません!子どものために、もっと大事なこととは?【3児ママ小児科医】

目次

・実は「3歳児神話」に根拠はありません!
・家庭で母親と過ごした子と、共働き家庭の子に違いはある?
・保育園でも、家庭保育でも子どもとの時間を幸せなものに
実は「3歳児神話」に根拠はありません!子どものために、もっと大事なこととは?【3児ママ小児科医】


子どもを保育園に預ける親御さんが増えるこの時期、耳にする機会が多くなる「3歳児神話」。実は根拠がないって本当!? 3児のママ小児科医で、高円寺こどもクリニック院長の保田典子先生に、「3歳児神話」について教えてもらいました。

こんにちは。小児科医の保田典子です。今回は子どもを保育園へ預ける親御さんを悩ませる「3歳児神話」について解説したいと思います。

実は「3歳児神話」に根拠はありません!

「子どもが3歳になるまでは母親によって育てられるべき」という考え方から生まれた「3歳児神話」。これはイギリス出身の精神科医ボウルビィの報告書がきっかけになっています。3歳児神話が生まれた背景を遡ってみると、実は、もともとの考え方とちょっと違う解釈が広まってできた言葉のようです。


第二次世界大戦後、戦争孤児や家族から離れた経験のある子どもの多くに、精神発達に遅れが見られるという報告がありました。しかし、保護者のいない子どもが暮らす施設の環境や療育状況の改善とともにそれらが減少したため、「3歳以前の母性的養育の欠如が、発達障害の要因である」と分析され「子どもが健やかに成長するためには、3歳までに少なくとも一人の養育者との愛着関係が必要」と唱えられました。

これが「愛着理論」として広まったそうです。日本では、この母性的養育という言葉が、母親による養育として広まってしまったようです。

また、厚生白書(平成10年版)でも「3歳児神話には,少なくとも合理的な根拠は認められない」とされています。

家庭で母親と過ごした子と、共働き家庭の子に違いはある?

アメリカでは1990年代に1357家族を対象として、大規模で長期的な研究が行われました。その研究結果では、母子間の愛着の質は、保育時間や保育開始時期、保育所の質によって影響を受けることはない、ということでした。

愛着の質に影響を及ぼすのは、一緒にいる時間の長さではなく、母子間の関わり方そのものだったのです。
子どもの発達は、母親が働くか育児に専念するかという形だけでは、議論できないのです。 

保育園に通わせた方が、言語発達が良い傾向があるとも言われています。人より早く言語発達する必要はありませんが、言語発達があると、かんしゃくなども減りやすいので、保育園のメリットもあるのではないでしょうか。

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