新生児低血糖とは?後遺症が残ることもある?妊娠中に気をつけることは?
血糖値を保てない場合はステロイドやグルカゴン、ジアゾキサイド(高インスリン血症の場合)などの薬剤を使って治療します。
このような場合、NICUでの入院管理が必要なることもあります。
新生児低血糖による後遺症や診断後の生活について
新生児低血糖は脳に大きな影響を与え、低血糖状態が続くと、次のような神経学的後遺症につながる可能性があります。
・発達遅延
・けいれん
・脳性麻痺
●診断後の生活
「完全母乳で育てたい」という希望をお持ちのお母さんもいらっしゃることでしょう。ただし、新生児低血糖と診断された場合は、母乳とともにミルクも積極的に活用し、赤ちゃんに必要な糖分を補うことが重要です。
たとえば、母乳の出が悪い、赤ちゃんがなかなか母乳を飲まないなど、母乳だけでは栄養が足りない状態が続くと赤ちゃんの血糖値はますます下がってしまうでしょう。
糖分は体のエネルギー源となるので、赤ちゃんが生きていくうえで糖分の摂取はとても重要です。完全母乳による育児を希望されているお母さんも、必要に応じて「母乳と粉ミルク(人工乳)を組み合わせて育てるなど考え方を拡げ、柔軟に対応をしましょう。
新生児低血糖にならないために妊娠中に気をつけること
糖尿病の人が妊娠した場合、生まれた赤ちゃんが新生児低血糖になることがあります。また、妊娠前は糖尿病でなくても、前述のように妊娠糖尿病の場合にも低血糖が起こりやすいので妊娠中は体重管理に気を配り、糖分の摂取量にも注意しましょう。
おやつや食後のデザートで甘い物を食べるときは食べ過ぎに注意し、フルーツに含まれる糖分も見逃しがちなので気をつけましょう。
低血糖があってもケトン体が作られれば低血糖の影響を受けにくくなります。ケトン体を作るには脂肪酸のβ酸化が重要です。β酸化にはカルニチンが必要です。カルニチンは肉や魚、乳製品に多く含まれます。妊娠中にバランスをとった食事をすれば低血糖になっても症状を軽減することができます。
母乳中のカルニチン量を増やすためには出産後の食事も気を配りましょう。
まとめ
新生児低血糖は症状が明確に現れないものがあり、一方で重い後遺症を残す可能性もあるので迅速で適切な診断と治療、そして予防的な対応も重要です。新生児低血糖の原因としては生まれつきの病気のほかに、妊娠中のお母さんの糖代謝異常や出生後の赤ちゃんの哺乳状況などが関係することもあります。