妊娠中の血液検査は最低3回!何を確認する?検査の日に気を付けること
不規則抗体と呼ばれるこれらの検査のスクリーニングをして陽性であった場合、どの種類の抗体であるかさらに調べます。胎児に影響を及ぼす抗体は抗Rh抗体(抗D抗体)以外にはほとんどないのですが、種類によっては輸血をおこなう際にABO型だけではなく、特殊な血液の選別が必要になることがあります。
血糖:初期に1回、24~35週の間に1回
妊娠中は血糖値が高くなりやすいため、糖尿病の早期発見のために血糖値を確認します。1回の検査で血糖値が高い場合は、さらにグルコース負荷試験を行って糖尿病や妊娠糖尿病の可能性がないか調べる必要があります。
風疹ウィルス抗体:初期に1回
妊婦が妊娠初期に風疹に感染すると、赤ちゃんが先天性風疹症候群になる可能性があるため、風疹ウィルスに対する抗体があるかどうかを確認します。もし抗体がない場合は妊娠中に風疹に感染しないように注意が必要です。ご主人やお子さんに予防接種を受けてもらうことも勧められています。
B型肝炎抗原/C型肝炎抗体/HIV抗体/梅毒:初期に1回
それぞれの感染症の有無を確認します。もし感染がある場合は、赤ちゃんへの感染が起こらないための対応や処置をおこないます。
HTLV-1抗体:初期~30週頃までの間に1回
母体がHTLV-1(ヒトT細胞白血病ウィルス1型)に感染している場合、母乳を介して赤ちゃんへも感染する可能性があります。妊娠中に感染を確認し、産後の授乳方法を予め検討することで、赤ちゃんが感染する可能性を下げることができます。
参考:
“妊婦健診”を受けましょう(リーフレット)|厚生労働省
妊婦健診の血液検査の費用は?健診の助成について
妊婦健診の全体の負担額は約5万円とされていて、高額なものと感じるかもしれません。妊婦健診のときの血液検査は平均1回に約1万円とされ、任意の検査をおこなうともう少し高くなることもあります。検査項目は、中期や後期と比較して、感染症検査が多数行われる妊娠初期には多くなり当然検査料も高くなります。
しかし、なるべく費用を抑えたいというところは本音。検査の回数や費用を減らすことはできませんが、住民登録のある市区町村へ妊娠届を提出すると、母子健康手帳と一緒に妊婦健康診査助成券を受け取ることができます。