妊娠中の血液検査は最低3回!何を確認する?検査の日に気を付けること
妊婦健診では出産までに最低でも3回行われる血液検査。採血は痛いので、できれば回数が少ないといいなと感じる妊婦さんもいるかもしれませんね。妊婦健診での血液検査では、どのようなことがわかるのでしょうか。どうして必要なのでしょうか。今回は、そんな妊娠中の血液検査についてまとめました。
妊婦健診の血液検査の目的
妊娠中の血液検査は、妊娠の経過が正常であることの確認と、異常の早期発見や予防を目的に、妊娠週数に応じて定期的な妊婦健診の際におこないます。血液検査に異常があれば、妊婦健診の間隔を短くしたり、必要に応じて治療や入院管理をします。状況によっては、健診先の産院からその異常に対応可能な施設へ紹介、あるいは転院、母体搬送をすることもあります。
妊娠中の血液検査の項目と週数について
日本では妊婦健診を妊娠23週までは4週間に1回、24~35週は2週間に1回、36週以降は1週間に1回受診することを基準の回数としています。その妊婦健診での一般的な血液検査の項目とタイミングは次の通りです。
末梢血液検査:初期、妊娠中期(24~35週)、妊娠後期(36週以降出産まで)各1回
主に、貧血や血小板数減少がないかどうかを確認します。妊娠28週以前の貧血は、母体の鉄分・葉酸・ビタミンB12などの不足によるものが大部分ですが、妊娠中期以降血液中の水分(血漿)量がふえるために「見かけ上の貧血」も現れやすくなります。出産時の出血に備えるためにも、あきらかな貧血は改善しておく必要があります。また血小板数減少は妊娠高血圧症候群やHELLP症候群との関わりがあるため、とくに妊娠中期以降では大事な検査となります。
血液型に関する検査(ABO血液型、Rh血液型):初期に1回
母親の血液型を調べる検査です。ABO式血液型とRh式血液型を調べます。Rh型では一般的にRh(+)が多い(日本人は99%以上)のですが、まれにRh(−)の場合があります。母親がRh(−)で父親がRh(+)ときには、胎児との血液型不適合の可能性があるために、抗体価の測定など特別な検査が必要になってきます。
また、ABO型は緊急手術や出血の可能性がある場合の輸血準備のために検査します。
不規則抗体検査:妊娠中に1回
前項の血液型不適合の原因はRh型だけとは限りません。