子育て情報『妊娠中、走ってもいいの?うっかり走ってしまったら?【医師監修】』

妊娠中、走ってもいいの?うっかり走ってしまったら?【医師監修】

目次

・妊娠中に走ることを控えたほうが良い理由
・妊婦さんがうっかり走ってしまったときは?
・まとめ
・関連動画出産ドキュメンタリー(通常分娩)
走るイメージ


「妊娠中につい走ってしまった」「運動不足だから走りたい」という妊婦さんのために、妊娠中に走ることを控えたほうがいい理由と妊娠中によくあるケースをお話しします。

妊娠中に走ることを控えたほうが良い理由

妊娠中に走ることを控えたほうが良い理由は以下のようなものがあります。

転倒しやすく、頭やおなかをぶつける可能性がある。

母体には、妊娠前に経験したことのない体重や体型の変化、体の重心の変化が起こります。妊娠後期(妊娠28週以降)には、立ったときに自分の足元が見えづらいほどにおなかが大きくなります。

また、妊娠中は骨格を支える靭帯が緩むため、体全体のバランスが不安定になりやすいです。靭帯が緩むことは、大きくなる子宮のサイズに合わせて骨盤がクッション性のある動きをするため、妊娠中や出産時に役立ちます。しかし、足の裏の靭帯も緩むため、妊娠前よりも偏平足に近づくことで、体重を支える足のバランスも悪くなります。


そして、妊娠中の生理的な体の変化によって、体全体のバランスが不安定になり、瞬発的な動きが鈍くなることから転倒しやすく、思わぬケガをする可能性があります。特に、おなかを強くぶつけた場合、常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)を起こすことがあります。常位胎盤早期剥離は、胎児に栄養や酸素を供給している胎盤が剥がれることで、胎児の脳性麻痺を引き起こしてしまうことや、死亡に至ることもあります。また、子宮内に大量出血することで、母体の生命も危険な状態となることがあります。もし、走って転んでおなかをぶつけた場合は、必ず産婦人科を受診しましょう。

振動による腹部への刺激で子宮収縮の増加が起こる可能性がある。
妊婦さん本人は、子宮収縮をおなかの張り(おなかが固くなる)やおなかや腰の痛みとして感じます。子宮収縮に伴い、性器出血や破水が起こることもあり、流産や早産を引き起こす可能性があります。
もし、走ってしまった後におなかの張りや性器出血、破水があれば、早めに産婦人科へ受診しましょう。

子宮への血流量が低下して、結果的に胎児が酸素不足になる可能性がある。
息が上がるほどに走り続けると、全身の筋肉への血流量が増加するために、子宮への血流量が低下して、結果的に胎児への酸素供給が滞る可能性があります。 

胎動が感じられる週数に入っていれば、妊婦さん本人は走り終えた後に、胎動が減少したことで気づくかもしれません。

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