連載記事:私、子ども欲しいかもしれない。
【私、子ども欲しいかもしれない。 第6話 】当たり前のように子どもが欲しい独身の友人
「子ども欲しいけど、実際どうなの?」人気コラムニスト
犬山紙子が育児体験者の話を聞いて考える「出産・育児」のリアル。
保活、育児分担、二人目問題…母親の本音炸裂! 『私、子ども欲しいかもしれない。
』より(全19話 連載)
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■「当たり前のように子どもが欲しい」Cちゃん(独身・38歳)の場合
出版社勤務のCちゃんは、激務に追われながらも、ふんわりと人を包み込む優しさを持つ。友人思いで、私のこともよく気にかけては励ましてくれたり、会うたびに手土産を渡してくれたり、その気遣いにいつも癒されている。
そんな彼女は「理由なんて考えたことないくらい当たり前のように子どもが欲しい」 と言う、かなり“子どもが欲しい”派。
私は昔から、「子どもが自然と欲しかった」という人に出会うたび、その気持ちが分からなくて、自分には母性みたいなものが欠如しているのだろうかとずっと悩んでいた。人と話していて、「子ども欲しいよね?」前提で話が進むたびに戸惑ったっけ。
人間いろんな考え方があって当たり前だよなーと、むやみに悩まなくなったのは最近のことだ。
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「生命の最大の神秘、命を授かって産む、という体験をしてみたいのかもしれない。 好きな人の遺伝子も残したいし、子育てもしたい。
子どもがいないと参加できない人生のイベントにも参加したいし、家族を増やしたい。好きな人ができると自然とその人の子どもが欲しいって思うよ」と、Cちゃんは言う。
うーん、やはり私とは違うんだな。私は「子どもの面倒を見ることが苦手」だから、子育てには正直「辛そう」というイメージばかり。でも彼女は「子育てをしてみたい」と、かなりポジティブな感じ。
その理由の一つが、「自分のための欲望みたいなものが年々少なくなってきてるから、 この先は誰かのために頑張りたい」からだと言う。
誰かのために何かをしてあげたいなんて、私のような自分大好き、自分優先人間には、想像ができない。
なぜこんなに、趣味や仕事の優先順位が一番になってしまったのか考えると、それはやっぱり、母の介護を20歳からずっとやっていることに繫がっていると思う。
あの頃は、自分の時間がまったくない強烈な辛さがあった。いまはそのリバウンド中だから、好きな時にだらけて、遊んで、思いっきり仕事したいと思ってしまう。
子育てにネガティブなイメージがあるのも、まだヘルパーさんがそんなに来なかった時代のかなり重労働な介護を思い出すからなのかもしれない(何度も腰を痛める、 夜中に何度も起きなければいけない、ちょっとでも遊んだら罪悪感が生まれるなどなど書ききれないほど)。
もともと自己中という性格(昔から人によく言われる)なのも、 もちろん関係しているとは思うが……。