連載記事:パパママの本音調査
「子どものいじめ」調査は正しい!? 親はいじめ実態を把握できているのか【パパママの本音調査】 Vol.346
イラスト:鈴木し乃
子どもが成長するに従い、子どもたちだけの社会が形成されていきます。そういったなかで、残念ながら時としていじめが起きてしまうことも。
わが子には被害者にも加害者にもなってほしくないいじめ問題。今回はパパやママたちの体験談をもとに、親にできることを考えてみます。
■3割以上が「いじめの被害者になったことがある」
アンケートで、子どもがいじめに巻き込まれたことがあるかどうか聞いたところ、「被害者になったことがある」と答えた人が3割を超えて、もっとも多い結果となりました。
また、「両方ある」、「傍観者または加害者になったことがある」とあわせると47.5%となり、約半数の親が子どもの何らかのいじめを経験したことがあるようです。
Q.子どもがいじめに巻き込まれたことある?
いじめの被害者になったことがある 32.8%
ない 29.8%
わからない 20.6%
両方ある 7.2%
傍観者になったことがある 4.1%
いじめの加害者になったことがある 3.4%
その他 2.2%
■幼稚園や学校で…いじめの実態
イラスト:鈴木し乃
全体の3割以上が「いじめの被害を受けたことがある」と回答したアンケートには、具体的ないじめのエピソードがたくさん集まっていました。まずは、どのようないじめが起きているのか見ていきます。
「小さい頃から仲良く遊んでいたお友だちが、幼稚園に入った途端にグループでうちの子をたたいているのを見たときは凍りつきました。その後幼稚園に行きたくないと言うようになり、夫が相手の家に話をしに行ったら、『いじめられる方が悪い』とピシャリ」(滋賀県 40代女性)
「2年生のときに6年生にいじめられていました。学校に相談に行き、なるべく先生や支援員さんがいてくれる環境で対処してくれました。今年になって、息子は1年生をいじめています。やめるように言ってもなかなかやめません。今はどうしたら止められるのか試行錯誤しているところです」(静岡県 30代女性)
「4月に小学校に入学したばかりですが、さっそく
いじめのターゲットにされてしまいました。
最初は様子見していましたが、階段で押されたり足を後ろから踏まれたり危険を伴ってきたので、担任に話していまは解決済みです。
低学年でもいじめがあるという現実に驚がくしました」(三重県 40代女性)
「娘が高校1年の時、部活でいじめにあいました。先輩や同級生から暴言、目配せして笑われる、仲間外れにされる。先生に相談しても『弱いおまえが悪いんや』って怒鳴られた。ようやく退部できて落ち着いたが、我が子がいじめにあうなど考えてもいなかったし、私が進めてしまった高校だったので責任を感じた」(埼玉県 40代女性)
そのほかにも、「小学2年でいじめを受けた息子は精神的にダメージを受け、中学生になったいまでも通院治療中。
心の傷は長期の戦い」とか、「子どもが
『悪口ノート』を作られた」など、つらいいじめの告白が集まっていました。
幼稚園や小学校低学年でもいじめがあるとは聞いていましたが、現実的にそこまで
いじめの低年齢化が進んでいるのかと驚きです。また、
いじめの連鎖やいじめの後も続く
心のケアについて訴える声もあり、いじめの深刻さがより身近に伝わってきます。