ウーマンエキサイトの皆さん、こんにちは! ドイツでひとり息子を育てている主婦のぱん田ぱん太です。
わが子を危険から遠ざけたい!という気持ちは、多くの親御さんの総意だと思います。そのためには「事前に察知して避けるべき危険」の見極め方を、子どもになるべく理解してもらうことが必要です。
私がそれを教えようと思ったのは、ある日の外出先でのこと。私と4歳の息子のフリッツ君は、彼のお気に入りの噴水がある遊び場に来ていたのですが……。
独り言を呟きながら、苛立った様子で時折、叫び声をあげる男性がいたのです。彼が周りの人間に危害を加える様子はありませんでしたが、なるべくなら接触を避けたいと判断しました。
簡単にそう伝えると、フリッツ君は納得してくれました。ここで彼は
「大きな声で叫ぶ人は避けたほうがいい」というポイントを学んだようです。
しかし、また後日、同じ噴水の遊び場のベンチに座っていると……。
男性が突然私たちに歩み寄って来て隣に座り、にこやかに話しかけてきました。
私の英語力が低いのと、外国語訛りの英語だったために内容は理解できず、私はドイツ語で「何を言っているか分かりません」と対応しました。
すると男性はフリッツ君にグッドサインをしてアッサリ去ってくれましたが、どうやら次の相手を探して、その遊び場の周辺を歩き回っていました。やはり、こういった方ともなるべくなら接触を避けたいです。
フリッツ君は前回「大きな声で叫ぶ人を避ける」ということを学んだので、今回の男性は「大きな声を出していないから大丈夫だ」と判断してしまったようです。
しかも、私は少しドキッとしてしまいました。彼がフリッツ君に笑顔で「グッドサイン」を送ったことを、フリッツ君は非常にポジティブに捉えたようなのです。
大人のたったそれだけのアクションで、純粋な子どもはその大人を「安全」だと認識してしまうのかもしれません。
周辺にいた人たちに次々に声をかけていくその男性を見ながら、私はフリッツ君に説明をしました。
ここで気を付けたのは、
「知らない人から話しかけられたら避けてね」とは教えないことでした。
そうすると、たとえば電車などでたまたま隣同士になり、何かのきっかけで軽いスモールトークを交わす……といった日常的なコミュニケーションまで制限することになってしまうからです。
向かい合わせや隣に座った方が、電車に乗っている間、フリッツ君に「ボクはママとどこへお出かけするの?」などと話しかけてくれる微笑ましい光景は珍しくないのです。
そして、また後日。
同じ噴水付きの遊び場で、今度は3人の男の子たちが大きな声をあげてふざけ合っていました。
「フリッツ君も大きくなったら、あんな風に学校帰りに友達とじゃれ合ったりするんだろうな」と、将来の姿を想像しながら思いを馳せていると……。
フリッツ君がこっそりとこう言ってきました。
どうやらフリッツ君にとっては、ある程度の年齢以上になると「子ども」と「大人」の境界が曖昧になる様子。
私のように「子どもたちが遊んでるだけ」とは判断できず、最初に学んだとおり「大きな声を出している人だから危ない!」と判断してしまったようです……(笑)。
子どもに「避けるべき危険」の定義を教えるのは、本当に難しいことだなと感じました。
ひとまず今はきちんと私がそばにいて彼の安全を確保しつつ、これからも少しずつ危機管理について教えていきたいと思います!
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