子どもの発達障害を支援する〜小学校の「通級指導教室」ってどんなところ?
これにより、多くの先生の通級指導教室についての理解が広まるというメリットがあります。通級指導教室の先生は専門性も求められますので、様々な研修会に出席したり、自分たちで研修を企画したりして、知識・スキルを積んでいます。さらに特別支援教育についての専門的な資格を取得する先生もいます。
どんな場所で、どんな指導をしているの?
通級指導の目的は、日常の生活の困難さを軽減することです。最終的には、すべての時間を通常の学級で過ごすことができるよう、計画的に指導をしています。
正しい発音のための口の動かし方、安心して会話できる話し方、語彙を増やす学び方、椅子の正しい座り方、授業中の発言の仕方、柔らかい言い方、友達や先生との適切なコミュニケーションのとり方など、ソーシャルスキルトレーニング(=SST。周りの人とよい関係を築き、社会に適応するために必要なコミュニケーション能力を養うこと)など、一人ひとりの課題に合わせた指導(=学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識、技能、態度及び習慣を養うことを目標として学校で行われる教育活動)を行います。
5、6人の小集団で学ぶグループ学習室。
先生お手製の楽しいスライドや、ゲームを通してコミュニケーションの取り方を学びます。保護者参観では調理実習をすることも。
小学校内とは思えない充実したプレイルーム。
実際に子どもを通わせている保護者に聞いた、通級のメリットは?
お子さんを通級に通わせている保護者にも率直な意見を聞きました。
・在籍校に通級があるため、音楽室や体育館に移動するのと変わらず時間のロスがない。運動会など学校行事の時も通級指導教室の先生が巡回し、様子を見守ってくれる。
・担任と通級指導教室の先生が連携し合うことで、子どもへの支援が手厚くなる。
・通級指導教室に通わせているママ同士が知り合いになれて、発達障害についての知識も増え、子どもへの接し方も変わった。
同じ悩みを共有できるママ友と話すことで、親の気持ちも安定した。
・子どもの机の中に中傷するようなメモが入っていたことがある。在籍クラス・通級指導教室、両方の担任の先生に相談したところ、通級の先生が手の空いた時に子どものクラスに顔を出してくださるようになった。「大人が頻繁に見ていると分かればイタズラもできなくなる。先生たちは悪質なイタズラは許さない、という姿勢を見せることが大事。」