【絵本の読み聞かせ】数を読むより、親子でいっしょにわかちあってる?
子どもへの絵本の読み聞かせ、していますか?「小さいころに比べて、読む本の数が減ってしまった」というママもいるかもしれませんね。
しかし数をこなすことよりも、子どもと絵本を一緒に分かち合う「いっしょ読み」の姿勢が大切なのだそうです。
絵本との付き合い方を、「いっしょ読み」の視点から探っていきましょう。
お話を聞いたのは:秋田喜代美さん
東京大学大学院教育学研究科教授。教育心理学・発達心理学専攻。発達心理の観点から、子どもと絵本の関わりについてさまざまな研究を行っている。『絵本で子育て』(岩崎書店、共著)など、著書多数。
「いっしょ読み」とは絵本の本来の役割を表した言葉
「子どもに絵本を読んでも、最後まで集中して聞いてくれない」「途中で『これなぁに?』と質問されると、話が脱線してしまう」。
ママたちからはこうした悩みをよく聞きます。「読み聞かせ」という言葉のイメージから、「しっかり読んで聞かせなきゃ」と思うのでしょう。
でも、本来絵本の役割は「聞かせる」ことではなく、絵や言葉、世界観を「一緒に分かち合う」ことにあります。図書館司書など読み聞かせに携わる人の中には「絵本を読むとき、ママの視線の7割は子どもの表情に注いでほしい。話を追うのは残りの3割でいい」と言う人もいます。
幼児期はどうしても「やめなさい」という禁止の言葉と、「やりなさい」という要請の言葉が多くなりがち。でも絵本を読む時は、「◯◯ちゃんも、この絵本に出てくるくまさんみたいにブランコが大好きだよね」と話したり、笑い合ったり、うなずき合ったりする時間が自然と増えます。親子で同じものに目線を向けて楽しめるという役割に注目し、本来の絵本との向き合い方を表現したのが「いっしょ読み」という言葉なのです。
あんふぁん読者アンケートから
Q.お子さんは絵本をどのように読んでいますか?(複数回答)
Q.読み聞かせをしているかたにお聞きします。
どのくらいの頻度で読み聞かせをしていますか?
アンケート実施期間:2018年7月4日~8月8日、有効回答数1228人
「いっしょ読み」の体験が子どもの一生を支えてくれる
読者アンケートでは8割以上の人が「親が読み聞かせをしている」と答えていますね。たいへん素晴らしい回答率です。
一方、少し気になるのは、年齢が上がるにつれて一緒に絵本を読む頻度が減っていること。幼児が一人で読むと、字を追うのに集中してお話の世界を想像する余裕がなくなります。