AI時代を生き抜くために 「失敗力」を育てる6つの栄養素 災害が起きたあとまで考えた「防災」対策を!
国崎:家ではなく避難所で落ち合う場合は、どの施設のどこで会うかを具体的に決めておくといいですね。たとえば、〇〇小学校の体育館の入り口、といったように。時間も〇時と〇時、あるいは毎時00という決め方でもよいので決めておきましょう。待つ時間は20分。それ以上は待たない。いなければその次の待ち合わせ時間にまた来る、とか。
多くの人が一度は家に帰ると思いますので、第三者に知られないような場所に「〇〇にいます」というようなメッセージを残しておくのもよいでしょう。大っぴらに書いたら「ここの家には誰もいないんだな」と知られてしまいますからね。
――具体的にイメージするのが大切なんですね。今日はありがとうございました。
防災のことを考えよう!と思っても、何から手をつけたらよいのか優先順位がわからずあたふたしていたわたし。ひとまず「土地と建物について調べてから対策を立てよう」と、住んでいる土地の「地震ハザードマップ」を子どもたちと確認しました。わたしの手元にある地図には震度予測マップ、液状化危険度マップ、建物被害予測マップが載っていました。それによると、我が家のある場所は、液状化の危険はあるものの自宅の建物被害は少ないよう。ただし行動範囲内に被害率が少し高い建物があることを確認。地震発生時にそこいたときは離れた方がいいね、などと子どもたちと話し合いました。
保護者が情報をすべて握って子どもたちに指図しなくちゃと気負うのではなく、家族みんなで考え、話し合っていけばいい、そう意識を変えることで子どもたちが頼もしく見え、同時にわたしの進むべき方向性も見えて来る思いがしました。次は家を安全な場所にしていきたいと思います。
国崎信江さんプロフィール
国崎信江(くにざきのぶえ)
危機管理教育研究所 理事長危機管理アドバイザー
女性や生活者の視点で20年防災を研究し、かつ国内・海外の被災地で支援活動してきた経験から独自の視点で防災対策を提唱している。また、防犯や生活上の事故など生活に潜む危険から身を守る方法など実践的な危機管理対策を提唱している。
文部科学省「地震調査研究推進本部政策委員会」、気象庁「緊急地震速報評価・改善検討会」、東京都「震災復興検討会議」、国や自治体の防災関連の委員など、多くの組織の委員を歴任しているほか、講演活動を中心にテレビや新聞などのメディアに積極的な危機管理の情報発信を行なっている。