データで読み解く、子どもとスマホ 第60回 保護者が感じる携帯・スマホの悪影響
視力と姿勢にも要注意
視力低下も、学齢期の子どもをもつ保護者にはおおいに気になるところです。
最近では、目から近い距離でスマホを見続けることで目の機能が低下する「スマホ老眼」などという言葉もあるくらいです。
近視の度合いによっては、つけない職業も存在します(パイロットや警察官など)。いまのスマホの使いすぎが、将来子どもの可能性をせばめてしまっては悔いが残ります。
姿勢についても、携帯・スマホの使いすぎによる姿勢の悪化で、「背筋をのばしてね」という小さいころからの家庭での習慣づけが、だいなしになりかねません。
回答に出てきた巻き肩とは、肩が前方に出て内側に丸まった姿勢のこと。スマホを見るとき、前かがみの姿勢でうつむいているとなりやすいとされています。猫背や巻き肩は、肩こりや頭痛、肺活量の減少の原因になるとの指摘もあります。
家庭全体で適正な使い方を
もちろん、目をリラックスさせるストレッチ、猫背や巻き肩のコリをほぐす体操などもありますが、成長期の子どもには、寝不足解消のためにも、使う時間をコントロールしていくほうが先決でしょう。
また、携帯・スマホありきではなく、機器の選択も考えてみてください。画面が狭く手元で見るしかないスマホではなく、画面が大きく距離をとってみる必要があるパソコンモニタのほうが、視力やいい姿勢の維持に良いとされています。
また、保護者のみなさんも、一度自分が携帯・スマホを使っている姿勢を確認してみてください。家族のだれかに写真やムービーをとってもらえば一目瞭然です。自分の姿勢の意外な悪さにびっくりするかもしれません。
携帯・スマホを適正に使う方法について、家庭で習慣づけていけるようにしたいものです。
※1 東京都「家庭等における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査」 (平成29年度)
※2 睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との関係性に関する調査の結果(概要)平成26年文部科学省
渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)株式会社コドモット代表取締役社長。
NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。