ネット依存にならない、かっこいいネットとのつきあい方 デジタルネイティブを育てる part3
専門家・プロ:遠藤美季
教育のシーンにもタブレットやスマホが
今回は社会の変化とデジタルネイティブの子育て、とくに教育との関係について考えてみましょう。
くどいようですが、子どもたちの生活のなかでネットを遠ざけることは難しくなっています。
子どもが通う学校でも、プログラミングやタブレットを使った学習だけでなく、登下校の管理にスマホを使ったり、語学の授業に教師ロボットがとりいれられたりと、多様なICTの導入が進められています。
さらに部活の連絡に、親も子どももSNSを使う現状があります。
このような状況に向き合うため、家庭だけでなく学校の先生と情報や課題を共有しながら、スマホやタブレットの家庭での管理について親子でいっしょに考える機会を作っておくといいでしょう。
困っているんです
わが子のスマホ依存を心配する親の話を聞いていると、必ずしも親が納得して端末を与えているわけではないのだと改めて感じることがあります。
「本当はまだ早いと思っていたのだけれど、同じ部活の親から、連絡に困るからお子さんにスマホ買ってあげてと言われて買うしかなかった。」
「学校で学習用にタブレットを全員購入しなくてはならず、買ったのだけれどYouTubeばかり見ていて困る。先生に話すと、YouTubeは授業でも使うので削除しないように言われた」など。
ご家庭でスマホやタブレットを持たせるタイミングや使うコンテンツを計画している親にとっては頭の痛いことですね。
とくにお子さんの勉強への影響を心配する親にとって、その悩みは重くのしかかっているように感じます。
「うちはうち」というスタンスを貫きたいところですが、先輩ママから半強制的に言われたり、学校からの要請とあればそれも難しい。
「わが子を思う親心やわが家の事情」よりも「自分が迷惑をかけているような気もち」が勝ってしまったり、「どうにもならない状況」にいると気付き、もやもやしながらも子ども用のスマホを購入してしまうようです。
スマホ包囲網がわが家にせまってくる悩みは深刻です。
そんなときはばく然と不安に思うより、気持ちを切り替えて「スマホを上手に教えられる親になって、上手に使える子に育てよう」と考えてみてはいかがでしょう。
学校+家庭のトータルで考えて
さて、学校の授業でタブレットを利用するようになれば、視力低下や、のちに失明にかかわる眼病のきっかけになると心配されるブルーライトを浴びる量が多くなります。