シリーズ 専門家にきく! 教育とテクノロジーの融合で子どもたちの教育格差解消をめざす スタディサプリ
もちろんそれがすべてではありませんが、選択肢の一つとして提示できる。スタディサプリはそんなふうに、教育を科学したいんです。
渡邉:そうなってくると、家庭でのサポートも変わってきますね。保護者がどうサポートすると、子どもたちの未来につながるのでしょうか。
スタディサプリを運営する(株)リクルートマーケティングパートナーズのオフィス。壁面いっぱいに教育に関する本が集められている
小宮山:選択肢をできるだけ多く設けて、子どもがやりたいと言ったらやらせる。そのための環境を整えるのが一番重要だと考えています。子どもが大人になるころには、保護者にはわからない未来が広がっているわけですから、保護者が子どもにアドバイスするのって難しいと思うんです。
それからわたしは、やりたくないものは無理してやらなくても良いと思っています。
人生100年、健康寿命80年とされる一方で、企業の平均寿命が22~23年と言われています。20歳から働き始めたとして、その後の人生60年と22~23年には大きな差がありますよね。さらに、企業の終身雇用はほとんどなくなるかもしれません。
そのような状況になると、兼業するか、フリーランスになるか、転職をくり返すか、しかありません。そこでは、自分の強みがなにかわかっている人が強いんです。そして、自分に足りない部分は、その分野の能力が強い人を連れてきてチームを形成する、という社会になると思います。だから、いかにその子の好きを伸ばしてあげられるかが重要なんです。
そして、お母さん、お父さんも自分の好きなものを見つけましょう。親が自分の好きなものをもっていると、子どももそれがわかるんです。
渡邉:スマホやタブレットを使って学習するときに、保護者が注意する点はどんなことですか?
小宮山:自分の目の届くところで使うことです。わが家でも、必ずわたしがいるところでやることを徹底しています。自分の部屋ではなく、必ずわたしがいるリビングでスタディサプリの学習をやっています。また、もし不安でしたら、始めのうちは1日に30分とか1時間とか、時間制限をかけて、ルールを決めてやってみると良いと思います。
その際には、必ずスマホやタブレットを渡す前にルールを決めること。渡してしまってからだと、ルールがなし崩しになりますので。
ルールが破られたときのことも決めてしまい、もしルールが破られたら、必ずそれを実行する。