データで読み解く、子どもとスマホ 第62回 アプリ利用の実態調査から見えてくるもの
専門家・プロ:渡邉純子(コドモット)
アプリ利用に世代差
今回は、一般社団法人日本スマートフォンセキュリティ協会(JSSEC)が発表した「中高生のスマホ利用傾向調査レポート」※1から、気になるデータを読み解きます。
この調査は、中学生・高校生のアプリ利用の実態を調査することを目的として、中学3年から高校3年生を対象としたWebアンケート調査を実施したもの。それに加え、比較対象として15歳以上の全世代へのアンケートも実施しているので、親世代と子世代でのスマホの使い方のちがいが見えてくる調査内容となっています。
まず、世代ごとにどんなアプリを使っているのか、みてみましょう。
<<良く利用するアプリ>>
「先月、あなたがスマートフォンアプリのなかでよく利用したと思うスマートフォンアプリの正式名称を3つまで教えてください」
一般社団法人日本スマートフォンセキュリティ協会「中高生のスマホ利用傾向調査レポート」 (2018年3月)」より
全世代共通でもっとも利用数が多かったのはLINEでした。そのほかのアプリをみてみると、10代・20代とそれ以上の世代とで使い方が分かれています。10代に注目してさらにみていきましょう。
10代では、LINEに続いてよく使われているアプリはTwitter、Instagram、そしてYouTubeです。
とくにTwitterは、LINEとの利用者数の差が全世代でもっとも小さいのが特徴で、この2つのアプリを偏りなく使っているようすが見えてきます。
また、YouTubeの利用者数は全世代で最多、Instagramも20代に続き2番目に多くなっています。
LINEやTwitterでつながりや情報を得て、動画や画像コミュニケーションを楽しむ10代のようすが浮かび上がってきます。
一方、30代から40代の親世代をみてみると、30代でInstagramの利用が目立つものの、Facebook、Yahoo!といった若年層がほとんど使っていないアプリの利用が多くなっています。
同じスマホを使っていても、選択するアプリが世代によりことなっていることがわかります。
スマホでうれしかったのは「つながり」
さて、この調査では「スマートフォンを利用しなければ経験できなかった、良かった出来事、嬉しかった出来事」についても調べています。
<<スマートフォンを利用しなければ経験できなかった、良かった出来事、嬉しかった出来事>>
一般社団法人日本スマートフォンセキュリティ協会「中高生のスマホ利用傾向調査レポート」